きゃるんさんの「タンテイセブン」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

青春は「 」に満ちている...。
季節は夏、今年も半年が過ぎ、クソゲー界も錚々たる面々が出揃い始めた頃合いかと思われたが、2017年のクソゲー界は泰平の世であった。前年を振り返ると「頭が空っぽなライターが、プレイヤーの頭を空っぽにさせようと必死になった挙句、エロゲショップの店員ですら紹介文を投げ出すほど中身が空っぽな作品」、「原画担当に背景を描かせる暴挙に出た結果、開始5秒で三半規管に襲い掛かる『傾いた襖』という二次被害を産み出し、もはや発売しない方が世の為と言わざるを得ない作品」などバグがないにもかかわらず、シナリオがクソ、背景がクソ、ヒロインがクソ、コストパフォーマンスがクソ、おまけにライターがクソ塗れと糞にクソを塗り重ねた途轍もない様相を呈した強者が揃いに揃っていた。


縁側で茶をすすりながら「今年は平和だ…」と安堵したのも束の間、あの有名ブランドがクソゲー本格開戦の狼煙を上げた。


青春は「謎」に満ちている…。



そう呟いたのは、ユーザーにデバッグ作業を(有料で)強いるブランドでお馴染みDigital Cute最新作「タンテイセブン」である。


製品版にもかかわらず「本作は体験版となっておりますので、実際の製品とは異なる場合がございます」の文言を正規ユーザーに突き付けるクレイジーなスタートダッシュをキメ、「3章以降に進めない」という某Key作品同様、不正規ユーザーにのみ見られたバグかと思われたバグが、実は「純粋なバグでした」という笑い種にもならないネタを投下し、一瞬にして不穏な空気を漂わせた。



e-moteではなく、ブランド独自のCuteMotion2システムを採用することでマリオネットのような「違和感」を払拭した。ごく自然な動作で「ぬるぬる動く」かと思われた。


これが醒めることのない悪夢の始まりだった。


キャラクターアニメーションツールとして馴染みのあるe-moteは、2Dイラストを立体的に表現、キャタクターに命を吹き込んだ画期的なシステムである。
一方CuteMotion2システムはごく自然な動作を表現するため、下半身は下半身の動きを、上半身は上半身の動きを、と言った具合にe-moteよりも顕著に、下半身と上半身が個々に動く。下半身と上半身が別々の「生き物」みたいな感じ。


これにより何が起こるか。


「下半身が何らかの理由で家出し、髪と顔だけの姿が映し出される」
「胴体から顔が外れる」


あまりにも猟奇的な絵面が眼前に広がっていた。特に後者は、動作が繰り返すため、トラウマは上書きし放題だ。この絵面が既に「オカルト」であり「ミステリー」であり「サスペンス」であり、可及的速やかに解決すべき『謎』である。なるほど、青春は「謎」に満ちている…。

これに対し、公式サイトの謳い文句は以下の通りである。

<<
そして、グリグリ動く存在感あふれるキャラクターたち!
「CuteMotion2」立ち姿がリアルタイムでアニメーション!まるでそこにいるかのような臨場感!
>>

このような臨場感は金輪際ご遠慮願いたい。



▽””タンテイ””セブン

本作のタイトルを見たユーザーの第一印象は「謎解きを軸にした探偵ADV」だろうし、推理、思考を要求される考察型のゲームであると思うだろう。公式サイトで『ミッション解決型探偵ADV』と称している通り、その印象で概ね間違いない。そう、蓋を開けるまでは。

まず、食い物の話が多すぎて、頭を使って推理・考察する時間より口を動かす時間の方が多い。大食漢の主人公という設定に加え、定食屋の幼馴染が無限に食べ物を与えるため、一向に話が進まず、ただひたすら無駄な「食レポ」で埋め尽くされたシナリオが展開される。
君の食レポが見たくて買った訳じゃないんだ。謎を解いてくれ。


本作は、決して「謎解きを軸にした探偵ADV」などではない。「定食屋の娘と大食漢が織りなす食レポADV」である。

そして、本作の売りである「シナスタジアグラス」だがシステム自体が不完全であり、必要性を全く感じない上、使い所を悉く外している。
(体験版のように)「捜索目的」で使うのが本来の使い方であり、探偵要素に絡めて使うのが売りだったはずだが、シナスタジアグラスが捜索目的で使われることは滅多になく(そもそも探偵要素自体が希薄すぎる)使う場面は決まって女絡み。
本当に何が""タンテイ””セブンなのだろうか。


シナリオに関してはサブミッションで多少分岐するとは言え、ほぼ一本道型のシナリオであるにもかかわらず、明らかに話と話の間の出来事・事件が欠落していたり、「謎」だったはずのものが既に解決している「体」で進んでいることが多々あった。特に酷いのが3章から4章。曰く付きの屋敷を捜索する話が、それらしい描写や説明がないにもかかわらず、既に捜索したであろう文言と、それに合わせて押収した物品だけが登場したり、いつの間にか薬子さんの貫通式が終わっていたり、挙げればキリがない。前後の文脈を何度も読み返し、これも「探偵要素」なのかと真剣に思考したが、単に整合性が取れていないだけ。

まさか一本道すら真っ直ぐ歩けないライターだったとは…。



▽ハートマークの使い方が雑

ここまで雑な使い方を見たのはゲーム史上初。テキストの至る所に♡マークが散見されるがそのほとんどが無駄無駄無駄の極みです。♡マークと言えば、陵辱・寝取り等でヒロインが「墜ちる」ないし「墜ちた」時の分かりやすい表現、また純愛ならば純粋な愛情表現として使われることが多いように思う。これが正解だと一概には言えないが、男性キャラの台詞で頻繁に使われる♡マークは間違いなく不正解&不快の極みだろう。そもそも安易に♡マークを使う時点でライターの質を疑ってしまう。



▽えっちシーン

<<
「CuteMovie」エッチシーンがアニメーション!ダイナミックにエロスを感じることができます。
>>

と豪語する割にはあまりダイナミックなエロスを感じることはできなかった。
だがそう悪いものではなかった。瞬間的火力はかなりのモノで確かに使えるのだが、1つ1つの尺が短い。塗りと構図が秀逸、故に勿体無い。あと♡マークの使い所はココです。
あとシチュエーションが妙にニッチ層を意識しているのか、スカトロ、ホモ要素等の誰得シチュが何シーンかあった。


で、問題のホモ野郎がここで登場するわけですが、まさかそのホモ野郎が零士君だとは思わなかったし、自慰指南に始まり、挙句主人公と零士が一緒に実践(オナニー)を始め出すとは思わなかった。一応「実践しますか?」「しませんか?」的な選択肢が用意されているがハッキリ言って意味がない。このホモ構図を入れた意図を小一時間、ライターに問い詰めたい。



▽総評
高めに設定したハードルを遥かに下回るどころか地中深く潜り込む結果になるとは予想すらできなかった。掘り下げるためのシステムである「シナスタジアグラス」は「事件」ではなく「ヒロイン」を掘り下げ、頭を使う時間よりも口を動かす時間の方が圧倒的に長い「探偵ADV」というコンセプト詐欺紛い。挙句シナリオはバラバラでスッカスカの蓮根状態。ちょっとオシャレな探偵(?)モノより、前作「ちんフェス」のような純粋にバカやって笑いを取る路線の方がDigital Cuteには合っているように思えた。


▽最後に
本作はユーザー自身が探偵となり、公式サイトに散りばめられた謎と嘘を解き明かす、謎解きADVである。

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい3505回くらい参照されています。

このコメントは4人の方に投票されています。