えびさんの「Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

絵22+文24+音21+他16 西村悠一め、やりやがったな!
あ、プレイ時間は二周半+やり込み要素をしてるので、通常プレイなら一周で15時間
程度ではないかと思います。

2017年7月31日現在では、まだ出揃ってはいないでしょうが、本作である三章の感想
を探す際にはネタバレにご注意ください。

おそらく、本作で最も重要で驚くべき設定が、同時に本作への最大の不満となってい
る為、好評でも不評でも、絶対的にネタバレしてしまう確率が高くなっているからで
す。
若干の改善や追加キャラもいますが、ゲーム性や映像、音楽、声優などの評価はであ
れば、一・二章の感想を当たると良いと思います。

という訳で、私も、そのネタバレ案件について、思うところを書いていきますので、
スクロールされる方は、お気をつけください。
































さて、特にこの三章はライター西村悠一の味がよく出ている内容であったように思い
ます。
特典の冊子でも、ライター自身が、一章では自分の味をわざと殺していたとも言って
います。
まあ、しかしながら、Yatagarasu時代の作品である『テンタクルロード』の主人公と
相棒の関係性や、そもそも愛すべきバカ主人公像など、思い返すと西村氏らしさは隠
しきれてないとは思ってましたが。

ともかく、そう言った表向きの味は、三章へ向けた伏線の目眩ましとでも言うかのよ
うに、見事に『やりやがった感』を見せてくれました。


いや、途中、そうじゃないかな、と思っていた部分はあったものの、やはり“先生”
はリアだったという。
そして、聖女が出てきた時にも、いやー、これそうじゃないかな、と思っていた部分
はあったものの、やっぱり正体はリアだったという。

なに、この、リアゲー。

そう、結局は、そう。Re;Lordはリアの為の物語。

だからこそ思うんです。

いや、ハッピーエンド迎えさせたげてよぉ。

いやいや、ここでぶった切っちゃうのは、流石に生殺しだよぉ。

西村氏のもう一つの顔である、百合んちゅなニュアンスが垣間見られた、イリスカヤ
はいいですよ。

エーリカとか、報われなさすぎでしょう。


あー、モニョモニョする。


そもそも、三部作と聞いてて、三本セット版の副題が『災厄の魔女編』となってた時
点で、

「おい、貴様、『~編』とはなんだ。まさか、足掛け三年、まだ続編があるのか?」

と、ちょっとしたキナ臭さを感じていたもので、その上で、これをやられると、悪い
意味での『やりやがった感』が強くなってしまう。


そこに加えて、続編制作の目処は立っていない。

「ユーザーさんの声がたくさん届けば、作れるかもしれません」

という、甘い強迫を投げかけてくるという、いや、ホント、『やりやがった感』が溢
れまくった特典冊子でした。


と、まるで、皮肉って批判しているようにしか見えませんが、まあ、必ずしもそうで
はないのです。


作中で、ジュリアスは、魔法や奇跡を実現させる為の魔力とは、『運命』そのものだ
と言いました。
災厄の魔女達は、“先生”に魔法を教わったのではなく、魔力、すなわち“先生”の
『運命』を分け与えられたのでしょう。
そして、その『運命』が底をついた時、イリスが再び魔法で生み出した炎は、自分の
『運命』を燃やす行為でした。
さて、自分の『運命』を使って魔法の如き力を実現させると言うと、同ライターのあ
の作品を思い浮かべはしないでしょうか。

そんな、紅茶の香りでも漂ってきそうな、あの作品も、その物語は、なかなかに血生
臭いものでした。

リアが“先生”であり、“聖女”であり、強大な魔法の力を持っている事は間違いあ
りません。
ですが、人一人が持てる『運命』に大小こそはあるでしょうが、それは時間を跳躍し
たり核兵器の如き破滅的な力を行使し得る程の大きさまで、蓄えることが出来るので
しょうか。
リアは、ヒトと呼べる存在なのでしょうか。

それ程までに強大な『運命』を、リアの“血と生命の引き換え”に与えられたヴィル
フリートも、また……。

ヴィルフリートがジュリアスを殺害したのは、繰り返すループの中で削ぎ落とされて
いく『運命』を、“血と生命の引き換え”に摂取しているのかもしれないとも思える
訳で、そのトライアンドエラーは有限なのかもしれず……。

いや、その理屈で行くなら、そもそも、リアの強大な『運命』は、あるいは、それだ
け多くの“血と生命の引き換え”として得たものなのではないか、など……。


うーん、やっぱり、リアゲーじゃねえか。


と、まあ、そんな考察めいた妄想を掻き立てられてしまうのも、本作が西村氏の過去
作に限らず、エロゲ界隈ではお馴染みのループ構造の一端だけを見せておいて、『物
語は続いていく……』と、お預けを食らわされてしまったからです。

端的に言えば、『未完成』であったせいです。


二人の枷に拘り続けるヴィルフリートは繰り返すループの中でリアを想い、二人の枷
からヴィルフリートを救い出そうとするリアも繰り返すループの中で彼を想う。
二人の観測者の、事象と事象はすれ違っているのか、同じ事象でもその観測結果の解
釈がズレてしまうのか。


ああ、確かに、その結末を見たい。

いや、リアの笑顔で締めくくる、ハッピーエンドが見たい。


と言うのに、本作はそれを見せてくれないので、良い意味でも悪い意味でも、

「西村悠一め、やりやがった」

と思ってしまうので、なんとも評価しきれないのですね。


まあ、こうなったら、

「おや? 運命値が尽きたようですね・・・」

と言わせないよう、どんな形でも、なんとか完結させてほしいものです。

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