asteryukariさんの「ロスト・エコーズ」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

時代のチョイスから書き手の趣味が伝わってくる、こういった作品は好きだ。話も面白く、途中こそ構成に不満を抱いたりもしたが、話の進行だけではなく、行動する人物達にも目を向けることで見えてくるものもある。彼女の勇姿に震えた。
過去改変が話の軸になってくるということで序盤からどうなることやらと期待に胸を膨らませていた。結果がどうなるにしろ必ず先が気になるし、こういった題材は強い。物語の多くは千羽耶が命を落とすことを阻止しようと過去を変えるものだが、それに伴いまた新たな問題が起きてしまったりするため、目標を達成して一見落着という訳にはいかない。

そこはいいのだが、やはりどうしても後続の個別シナリオがお粗末に見えてしまうこともあった。それを強く感じたのは雛緒√と晶穂√。以下√ごとに感想を述べていく。


○雛緒√
何となく彼女はおっとり系の静かな女の子だと思っていたがそんな考えは一気に吹き飛んだ。驚くほどテンションが高いことに加え会話の節々に天然ボケを入れてくる、抜けている女の子だった。そうでありながら前世である武緒は非常に厳格な人なのだからもう笑えてくる。笑えると言えば卯実におしっこぶっかけるシーンが印象的。あんなのいきなりぶち込んでくるとかずるい。

彼女の√は以外にも真面目。神様に関係した事柄について述べられていき、実際に卯実からその責務を任される。話としてはまともなのだが、それが面白いかと言われればまた別で、詰め過ぎた感が否めなかった。最後に軽いノリを入れてきたのも、暗くなり過ぎないようにするためのものだったとは思うが、それが逆に中途半端に感じた。

○晶穂√
前世である加弥には魅力を感じる場面もあったが、晶穂はシナリオの関係もあり、あまり好きにはなれなかった…と思ってたのだが、他の√で好きな場面があり、最終的には良いキャラだったかなと。

この娘の話、まあ実妹ならぶつかる問題を主軸にしているのだが、まあ面白くなかった。こう感じるのは飽きからなのだろうか。もう少し捻った話にしてくれないとこちらとしても面白さを見出せない。難しいとは思うが何とか頑張ってほしかった。

ただ、それとは別に加弥ENDは中々よかった。よかったと言うと語弊があるが、加弥を選ぶということが何を意味するか、それがはっきりと描かれていたのが嬉しい。里久は情けない姿を見せるし、加弥はそれを見て悲しむが、これこそ自分達の選んだ道であると。彼らの行く末なんかも少し見てみたかった。


上記の二つの√については不満が大きかったが、結佳√は勿論、琥珀√も悪くなかった。

○琥珀√
ずぼらで何かと面倒をかける彼女だが全然不快に思わない。それは可愛いから。容姿もそうなのだが、あの口調にとても惹かれる。里久との掛け合いなんかは面白さに可愛らしさを兼ね備えていて、自然と彼女に目が行くようになっていた。また面白さで言えば叫び声やらスイッチの入った時の声が本当に全力で、思わず吹いてしまった。温泉行く―‼

話も蛇の毒を抜く云々あたりからだいぶ不安に駆られたが、最終的に抑揚のある話になっていたのでよかった。この√の里久が一番かっこよかったかなと思う。ただ、千羽耶ちゃんの人格を気にしているようで何もなかったのが残念。もっと別人格として引っ張ってほしかったがまあ、それだと結佳√に近くなってしまうのだろう。

○結佳√
TRUE的な立ち位置であるためか一番良かった。結佳もよく赤面したりして可愛いのだが、何と言っても誾千代。彼女の存在この√の出来を高めていた。誾千代ちゃんの兄上になりたい...。

他の√とは異なり、前世のキャラが現代に来るという展開が実に良い。

「しゃしん…しゃしん…っ!」、「しゅ、しゅごい…」

異文化に触れて一喜一憂する誾千代が可愛すぎる。一気に心を撃ち抜かれた気分だ。

そして可愛いだけではなく、しっかりと自分は過去の人間と線引きをし、結佳が堕ちるのを防ぐために結佳と融合し、消えてしまうという。その時に彼女が「私はもう自分の生を終えた身。遠慮はいらない」と言うのだが、これが地味に頭に残った。

別人格としてとはいえ、第二の人生を歩み始めたものなら、誰しもそれに執着しようと思うはず。ましてや誾千代は里久に好意を寄せているのだから尚更。それなのにこうも結佳のために尽くそうとするとは。

これは勿論、結佳との関係と言うのも大きいが、それだけではない。結佳との初夜が終わり、その衝撃から目覚めた時に入れ替わっていた誾千代の台詞がここで効いてくる。

「自分の罪を来世の結佳や里久がどうにかしてくれようとしている」

彼女はとてつもない恩義を感じていたのだ。そして実際にあの一件が解決したことで今度は自分がと、そう思ったのだ。

正直なところ、この√をやっている最中は問題を二回に分けたこの構成に不満を抱いていたのだが、こうして誾千代の視点で考えてみると、とても良い話に見えてくる。過去編では無能な大将だとか思っていてごめんね。

これで終わりかと思いきや卯実√もあるという。ただのおまけだと思っていたが、わりとボリュームがあり、話にも好きな部分があった。

○ロスト・エコーズ
好きな部分というのは、卯実が人間ではない事を気にして里久との恋を諦めようとする場面であり、この時の晶穂が素敵なのだ。彼女の放つ言葉の一つ一つから「恋をする」ということの力強さを感じた。こういった場面は結佳√にもあり、里久のことで助言をもらいに来た結佳を琥珀が一喝している。

心も身体も結ばれた卯実はとても幸せそうだった。個人的に卯実は大好きなキャラだったので満足。一番えっちだったし、やはりのじゃロリ貧乳娘は素晴らしい。


不満はあるが消化不良はない、好きな部分もしっかりと存在する。なんだかんだ良い作品だったかなと。

asteryukariさんの長文感想へのレスは許可されていません。

コメントデータ

このコメントはだいたい181回くらい参照されています。