3id3k5kdさんの「リズベルルの魔7 完結篇 ~はてしなき ほんとうの物語~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

 グラフィック&ムービーで彩るファンタジーノベルと冠したファンタジー×ロボノベルの傑作  1~6は基本的に章ごとにオチがついて完結しているが7で全伏線が収束して大団円となる  そのスケール感は圧巻の一言
 正直大作でかなり長く、自分の場合80時間はかかった
 けど章ごとに話が完結して一区切り(と言うか割と綺麗に終わる)のと文章が読みやすいのでサクサク読めた
 全体的にプロット重視な作品だがキャラも良く、完結編では名無し絵無しのモブキャラ(食堂のおばちゃんとかアイス屋さんとか)まで総登場するので読み応えあり
 で自分が評価しているのは全体を通して構成がしっかりしている点
 すごい序盤の何気ない一文がすごい後の方に繋がっていたり、キャラクター全員に存在の意味があって無駄が無いところ
 精密なストーリー構成に読了後はかなりの達成感を感じた
 

 以下全編のネタバレあり感想と言うか考察
 自分はリズベルル全4巻プレイ済み、公式ページのあとがきも読了、続編の「黄昏の君ヴォルフィーネ」もプレイ済み
 一応メモを取りながらまとめて張り付けてるけど割と書きなぐり
 あとでまとめなおすかも
 

 まず世界観から
 「エンダージェン国」とは何なのか?
 エンダージェン国は荒廃しつつある地球が異世界エネルギーを求めて建造したエネルギープラントの様なもの
 本編の時間軸ではその事がほぼ忘れられて独立した異世界の一つの様になっている
 異次元空間に浮かぶ三角錐の形をしたコロニーの様なイメージ
 その中央には「王」と呼ばれる信仰の対象があって大樹の姿をしているが、実は巨大な柱(=象牙の塔とも
 これは多分エンダージェン国のマザーコンピューター的な存在
 加えて幼心の君とも呼ばれる少女も存在する
 で、ここまででお察しの通り「リズベルルの魔」の着想の一つはずばりミヒャエル・エンデの「はてしない物語」でしょう
 その証拠にイユレールが読む赤い本の表紙にはアウリンが描かれている
 ただし映画版のデザインに近く、本全体のデザインはトゥールウかヴィルフォーナどっちかだと思うけど7でプリンシパルのマークにかこまれているのを見るに前者?
 だから黒海が最終的に虚無となるのも必然だと言える
 ただし世界観の解釈は独自のもので、例えば「リズベルルの魔」における虚無は失われた可能性そのものと言う様な解釈だし、世界観はどちらかと言うとSF的な側面も強い

 黒水=「虚無」は失われた可能性、一種のパラレルワールドの様なもので、作品のキーとなる「魔」と同じものとも言える
 招かれてエンダージェン国に来たものは「魔」となり、招かれざる者が侵入してきた場合は「虚無」となる
 1の儀式で門から出て来るのは別世界(リズベルルが死んだ世界?それを蘇らせようとした?)のノルアードで、この事からも判る通り「エンダージェン国」と「何らかの要因で滅んだっぽい別な世界線のエンダージェン国」の戦争と言う図式がある
 エンダージェン国はジンが居た現代地球よりはるか未来の地球のテクノロジーで生み出された装置だが、エンダージェン国自体は未来でも過去でもない空間の狭間を漂流している(「外なる者」が原因
 よって本編で何度か検証される通りエンダージェン国は色々な時代・世界線から「魔」を招いている訳だ
 最終決戦でジンとイユレール、そしてプレイヤー(!)が一堂に会するシーンがある
 エンダージェン国はイユレールが読んでいる赤い本の中にある世界で、劇中劇の様でもあるが同時に「ほんとうの物語」であるとされる
 要するにイユレールがいる世界、エンダージェン国、ジンがもといた地球に加えて、プレイヤーがいる現実世界もまた一つの異世界だったという事だ
 最終的にプレイヤーはヴィルフォーナに力を与える「魔」となってエンダージェン国に招かれる、と言う展開はシリーズ最重要の大どんでん返し的なシーンでもあり初期からのプレイヤーである自分には衝撃だった

 主人公ロボ「ヴィルフォーナ」は何なのか?
 球の印の弦奏鎧は特別な存在だとされる
 特にヴィルフォーナは別格(たぶん)で、その出自にはあまり触れられない
 ネクロマキナの発展形では、と言う様なシーンがあるから地球製か、超古代に作られたものっぽい
 龍脈の力を使って動いている、トゥールウを象ったものでは、とキャラクターが考察するシーンもあるから=メカクトゥルフ的存在なのか、とも思えるが扱いを見るとそうとは思えない
 で、自分が注目したのはまたしても「はてしない物語」だ
 何度かあるヴィルフォーナ帰還シーンでは必ず「それは白銀の竜だった」と言う様な表現が用いられるが、完結編のみ「それは幸いの竜だった」となっている
 幸いの竜、つまりヴィルフォーナは「リズベルルの魔」におけるフッフール的存在だと言えるのでは?
 つまりトゥールウ関係だという事は否定されていると思える

 「トゥールウ」とは何なのか?
 これははっきり=クトゥルフであると書かれている
 クトゥルフは星辰が正しい位置についた時復活する訳だが、エンダージェン国は宇宙空間に無いので星が存在しない世界だ
 その為に復活する事が出来ない…これが1のおまけでトゥールウがエンダージェン国に招かれた理由だろう
 そしてその力は龍脈として利用されているっぽいので、要するにエンダージェン国自体のエネルギー源の一つがトゥールウなのではと言う事
 
 「永遠のメルディラージェ」は何だったのか
 双子の近親恋愛を扱った話と言うよりは双子の同一性を扱った話
 あと恋愛と所有欲の話
 この中でハルカが言う緑の人魚は安部公房の「人魚伝」の引用で間違いない(涙を舐めるシーンなど。つまり彼女はルナ以外の男を餌かなんかとしか見ていない
 つまり「永遠のメルディラージェ」のディラは一見かわいそうなお姫様ヒロインだがこの話の中で最も強い立場にいる
 彼女を巡って取り合いが起こっている様なシーンでも、彼女は内心舌なめずりしている訳
 で、「リズベルルの魔」に関わる様々なオカルト要素が「永遠のメルディラージェ」で説明されている
 まず「サニドの銀鍵」
 これはラブクラフトの「銀の鍵」に通ずるもので、「リズベルルの魔」においては夢の扉を開くアイテムと言える
 「永遠のメルディラージェ」の本編はサニドの銀鍵によって繋がった死後の世界と言うか、幻想世界と言うか、要するに夢の世界の話
 「リズベルルの魔」におけるサニドはトゥールウの別な側面であり、二つは同一の存在であるとも読めるし、トゥールウ自体夢を司るとされている
 実はおまけシナリオの「魔法少女」がこれにリンクしていて、あれも夢の話(加えてプリンシパルのマークが出てくるし、最後はトゥールウと思しきものも出て来る、ぬいぐるみの中に宿っているのはサニド=トゥールウ自身の善の側面?
 「リズベルルの魔」でエイフォンがディエナ写本を読み解いてクトゥルフの眷属(外なる者)らしきものを従え地下に降りると「永遠のメルディラージェ」の円形舞台らしき場所に辿り着く
 ここはサニドの銀鍵によって繋がる異次元=夢の世界という事っぽく、そこにはサニドの銀鍵に貫かれたエコー(トゥールウの化身)が眠っている
 彼女が寝ている巨大な腕を良く見るとヴァンネルフの手だ
 12の剣の試練とは12のプリンシパルの力による封印だったという事
 気になるのはメルディーノとの関係で、由来としてはメルディラージェで間違い無いと思うが話としては特に関連が無いのでは?これはちょっと謎のまま

 リズベルルについて
 一応この話の主人公はジンって事で良いと思うんだが(タイトルも「リズベルルの魔」だし)思うに全体としての主人公はリズベルルで、途中から彼女の描き方の視点と言うか意気込みが変わっていると思う
 最初は盲目でか弱い印象だったが目が見えるようになってからは割と活発系で、弦奏鎧を動かす戦闘要員(まぁ戦闘ほぼないけど)でもあるし、だんだんと成長していく
 で、そこまでは割と普通なんだけど3巻目でガチになっている
 5+6の感想でも書いたが3巻目でリズベルルは初潮を迎え自慰を覚え、ノルアードへの性愛を自覚して恋愛に積極的になり最終的には彼とセックスをしてエピローグでは子供もいる
 途中までは物語のヒロインなんだけど、中盤以降は主人公の一人として少女の肉体的、精神的成長もメインに据えて描かれていて、作品として一歩踏み込んだ印象を受けた
 とここまで書いて、ふと気になったのがリズベルルの年齢
 鍵を入手したのが13歳だとするとセリオラ編は16歳、その後結構経っているのかもしれないがノルアードとセックスしたのは17歳以上?
 なんかロリキャラのイメージだったがそうでもない

 ネムリーについて
 リズベルルに次いでヒロインと言えるキャラで、最終的に兄のボルダナとセックスして近親恋愛に発展する
 この過程が7で密に描かれていて感動的、ボルダナは中盤ほぼ主人公的立ち位置
 7で急接近するかに見える二人だが実は結構丁寧に恋愛に発展する過程が描かれている
 まずネムリーとボルダナは2で久々の再会である事
 その後もネムリーが旅行に出かけたりボルダナが旅に出たりで二人が一緒に行動しているのはごく短期間
 この時点でボルダナは無意識にネムリーを異性として見ているのでは?と思える
 それが生死を賭けた場面で燃え上がり…と言う事だろう
 「永遠のメルディラージェ」も近親恋愛っぽいがあっちは双子の同一性と所有欲の話と思う上否定的に描かれているのに対して、この二人は肯定的に描かれている
 この為のクッションが6のナーギアの出自なのでは?と考察(貴族的身分で父親が不明だが幸福そう

 プランシューネについて
 劇中で死にかけるキャラはいても死人はほぼ出ない(住人や騎士は沢山死んでるっぽいが)が、その中で唯一死ぬのがプランシューネ(正確にはそもそも死んでた
 その事からも作品全体で死が重く描かれている事が判る
 3の感想でも書いたがタイムトラベルもの的側面もあるので、助けようと思えば助けられるのだが、それは無意味な行為として描かれている(助けても分岐世界線が増えるだけで結果的に助けた事にはならない
 プランシューネは7で再登場する
 一見幻の様だが、ディラン以外の人間も見ている事から幻覚では無い
 ではあの時のプランシューネはなんなのかと言えば、虚無として現れたプランシューネという事だろう
 可能性を求めてエンダージェン国に侵攻してくる虚無だが、その中でプランシューネだけはディランを助ける
 個人的に好きなキャラだったのでぐっときた

~とりあえずここまで~
 あらかじめメモ帳に書いてから張り付けてるんだけど読み返すのも疲れたので一区切り
 まだ書き足りない気もするので後日改めてかき直す予定

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