at90at3304さんの「Re:LieF ~親愛なるあなたへ~」の感想

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細かい粗や中途半端さが目立つものの、それでも自分は心揺さぶられる名作だったと胸を張って言える。グラフィックや音楽も相乗して素晴らしい作品に仕上がっていた。
まず今作をプレイしての率直な感想は期待外れとも言えるかもしれない。消化不良な点や中途半端な点に目を瞑れば題材こそ自分好みで尚且つ自分の境遇、置かれている立場に非常にシンクロしていたため刺さる場面や言葉が多々あった。
プレイ前はまさか仮想世界がからんだお話だとは思わなかった。想像とは180°違うストーリー展開、てっきり普通の学園モノだとばかり。正直いうとこの手の、当人たちの理想や願望を具現した都合の良い世界、そしてそこからの決別なんていうありきたりなストーリーはお腹いっぱいなんですよね。私事ですがなぜが最近、媒体を問わずこの手の題材の作品によく出会う。しかし、そんな悪態をつきながらも作品ごとにそこに至るまでの過程やライター各々の考えなんかが不思議と差別かされておりその個性が色濃く物語に反映されているのがこれまた面白い。故にそれぞれで受け取り方も感じ方も違ってくる、それがまたいいんだ。何だかんだいって好きな題材でもあるんです。今作をプレイしこの醜悪な世界に生きようと背中を押されたのも事実。人の弱さなんかをこれでもかと丁寧でいてそして、時には醜くも詩的に美しく描写されていた。

『試してみるんだ、もう一度。』

このキャッチコピーに対しての印象がプレイ前の後で大きく変わった。なんとも軽い言葉だなとの印象だったがプレイ後にはその言葉の持つ意味合いや込められた想いなんかが伝わってくる。
日向子、司といった”変わること”を象徴した2人を見ているとなかなかにくるものがある。辛いことばなりで逃げなくなるような人生でもその先にはまた辛いことがあるかもしれないのと同時に幸せが待っているかもしれない。故に変化を恐れずに諦めず、時には休みながらも進み続けなければならない。特に日向子はろくに人前で話すこともできずにそれでいて仕事もできない度し難いほど無能な女だったが、島での生活、良き友人達との交流を経て”変わり”過去のトラウマを乗り越え大きな一歩を踏み出した。この世界が仮想世界であると知らされた時は今までの行いが偽物で全てが水泡に帰すと憤りを見せたもののアイは”この世界が偽物だったとしても一歩を踏んだその偽物の足跡を誇れ”と諌めた。たとえ、偽りの世界であっても一歩を踏み出し、決断したその意思は”本物”であってこれから先の人生において糧になると。エピローグで大学に進学し自分の本当にやりたいことへと突き進む成長した彼女を見ていると胸にくるものがある。そんな彼女の姿勢を見せられれば何も感じないなんてことはないだろう。いい仲間達を持ったものだ…。
一人で立ち上がれないのなら時には助けを求めればいい。やなり、人と人との繋がりがなによりも重要なのかなとも。あぁ、耳が痛い。
個別ルートに関しては正直微妙以外のなにものでもなかったがTUREで全て許してしまった自分がいる。これでもかと自分の好きが詰まってたね…。ユウがあれほどまでに外の世界を嫌悪していたのかも司の生い立ちを鑑みれば容易に理解できるし、なによりも彼を思ってのことだったのかなと。もちろん、彼女は人工知能でありプログラムされたものかもしれないが彼に向けられた感情はまさしく”本物”だったのではないかとも思う。このルートでは演出にも魅せられた。デイジーベル、2台ピアノの場面なんかは鳥肌もの。なぜか涙が込み上げてきた。純粋な演出のパワーだけでこれだけ感動させられたのは初めての体験だった。
それと、忘れてはならないのが圧倒的美麗グラフィック。半分くらいはこれ目当てだったと言っても過言ではないだろう。立ち絵、CG共に素晴らしい出来だったが、Hシーンの気合の入り用は素人目にもはっきりと分かった。肌の質感と言いますか、とにかく塗りが凄く好みだった。
正直言うとグラフィックと音楽が素晴らしすぎて決して悪いわけではないがシナリオだけが追いついていないなと感じた。純粋なシナリオ力だけで言えば粗や中途半端感が目立ち種々の同じような題材を扱った作品と比較すれば劣るのは否めないが、先述した通り、自分はTRUEの内容がそこそこ好みだったので全体的な満足度というのは高かった。しかし、そうは感じなかった方々はその限りではないだろうと当然ながら思う。だが、それを差し引いても美麗グラフィックと上質な音楽と演出はこれ以上ないくらいのものだったと胸を張って言える。
最後に気になった点を少し。自分だけかもしれないが文字が小さく読みづらかったなと。あと独特なフォントも相まってかなりそれが顕著だった。雰囲気を出そうとしているのはわかるがそれが結果として読みづらさを招いているなと。
何はともあれいろいろと改めて考えさせられる作品だったのではないだろうか。 

あと何気に三国先生と伊砂先生好きだったな…。

今を変えたいと願うあなたへ送りたいそんな素敵な作品でした。
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