t2さんの「キミトユメミシ」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

共通は下ネタ多いがまったり日常ゲーの範囲を超えていない。個別ルートは「苦痛」の一言。
インストール容量は2.80GB

西崎由衣   CG20枚(通常CG10枚+HCG10枚) 回想6
東条七ノ羽  CG16枚(通常CG6枚+HCG10枚) 回想5(本編4+オマケ1)
柊真里奈   CG19枚(通常CG9枚+HCG10枚) 回想5(本編4+オマケ1)
時雨     CG17枚(通常CG7枚+HCG10枚) 回想5(本編4+オマケ1)
小鳥遊みこと CG7枚(通常CG4枚+HCG3枚) 回想2

その他CG4枚 SD絵11枚

合計CG83枚 回想23枠
BGM21曲 ボーカル曲は7つ



『キミトユメミシ』は2018年02月22日~2018年08月29日にエンジン移植版が無料公開されました。

エンジン移植版には■■《みこと》ルート途中で100%強制終了するスクリプトバグ■■があり。修正パッチが公開2ヶ月後にようやく公開されたので必ず当てましょう。
後発版でもプレイに大きな支障があったり、テストプレイしてないバグメーカーの情報があると、ユーザー視点ではお店で予約して購入するのは躊躇われます。

私の低スペックPCではムービーがまともに再生できませんでした。



●『キミトユメミシ』について

「バカゲー」や「ギャグ」と評価されることが多い本作ですが、私の感想は下ネタが多い日常ゲーの印象ですね。

確かに下ネタ=下品な発言は多いです。「エロノリツッコミ」の《由衣》、下ネタカタパルトの《時雨》、悪友の《モモケン》と下ネタ担当キャラが3人もいます。
さらに「他人の夢を覗ける能力」はヒロインの特殊性癖が色々見られて楽しかったです。犬とか。
でも『キミトユメミシ』のベースはまったり日常ゲーで、下ネタはスパイスでしかなく、夢を覗く能力も共通ルートのテキスト稼ぎにしかなっていません。

女の子の特徴を教えてくれる悪友《モモケン》は90年代の恋愛シミュレーションゲームぽくて懐かしい存在ですが、
個別ルートに入ってもしつこく聞いてくるのは流石にウザいです。
現代エロゲーでは2人の関係をルート担当外ヒロインに質問させることが多いです。私はコレが食傷気味です。
女の子でもキツくなっているのに男にやられると…という流れがあって、今は悪友キャラ(男)不要の声が大きくなっています。
私はサブ男を完全に消せとは言いません。共通ルートはこれでいいですが、ヒロイン個別ルートは《モモケン》の出番を大幅に減らしてほしかったですね。
恋愛は主人公とヒロインの2人きりで行うものですから。

古いエロゲーそのままの教科書丸写しのようなゲームは盛り上がらず面白くはないですね。
下ネタスパイスも最初(共通パート)だけの出オチなので、私はこのゲームを「バカゲー」とは呼びません。
展開の切り替えが早く、必要最小限の情報のみで説明少な目なのも特徴でしょうか?でも中身が特にないだけにも見えます。
肝心の「夢」を上手く使ったところも共通の性癖暴露のみで、個別ルートでは生かされていません。

告白までは教科書通り。その後はイチャラブが書けない「緒乃ワサビ」さんらしく中身がちぐはぐしていきます。
セックスした次の日にどうでもいいことで喧嘩するなど、お話が「どうでもいい」ものばかりです。キャラ描写も薄く熱い気持ちもありません。
次回作の『ニュートンと林檎の樹』のように何か目的があれば物語に軸が出来て安定するのですが、本作には何もなく夢の少女の話は忘れた頃に唐突に入れてきます。




●突っ込みたいところ

1.
病院の屋上で屋台を出すとのことですが、企画者視点でしかなく、お客(観光客)からすればわざわざ「屋上に行く」メリットがないです。交通の便が悪いですから。
考えてみてください。病院の中しかも屋上でイベント開催。近くまで来て登ろうと思う観光客は少ないですよね?ただの屋台ですし。
ゲームでは急患の問題を挙げていましたが、それよりも「本当にお客が入るの?」の面で企画破綻していると思います。せめて病院入口や校庭ならねえ。


2.
《モモケン》が彼女とのセックスOKのサインの料理は「カレー」だと力説しています。私はこの説に異を唱えます。
カレーは
・嫌いな人がまずいない(辛さは調整可能)
・誰が作っても失敗しない(カレールーを入れれば多少失敗しても食べられる)
が特徴で、独り身の男性は作り易さからよく作る料理です。レトルトカレーも流通していて、わざわざ女の子に作ってもらうような料理じゃないんですよ。
カレーの匂いは強烈で誰が作ってもあの匂いです。彼女の手作りの匂いなんてありませんよ。
部屋の中がカレーの匂いで満たされている中でセックスするのはムードを壊すでしょう。

しかしカレーライスとラーメンは国民食。普段料理しない人、もしくは食に興味がない人は多く、アンケートを取れば食べたい料理の1位はカレーになるでしょうね。
料理知識がなく何も思いつかないならカレーが無難、というだけです。今のエロゲーライターには料理知識が求められるようになってきました。
また首都圏で6月10日にカレーを作るとすぐに痛んでしまいます。日持ちする大量に作れる料理、冷蔵保存をするならカレーは向いてないでしょう。




●個別ルートがなぜ駄目なのか?

一番わかりやすい《真里奈》ルートを見てみましょう。

《真里奈》は本当はピアノが好きで医者より音楽の道に進みたい、と悩んでいるように見えて実は彼女の中では最初から結論は決まっているんですよね。
オチが最初からはっきりわかっている物語をプレイヤー視点で見続けるだけ。それは退屈でしかありません。
両親と喧嘩してギスギスします。ですが、あんなに反対していた母親も父親もピアノを聞かせただけですぐに心変わりしてしまいます。
解決があっさりしすぎて「じゃあ何で悩んでいたんだよ」となってしまいます。
また主人公の扱いは傍観者でしかなく、恋愛・セックス等がシナリオに一切絡みません。

プロットだけなら恋愛エロゲーの王道シナリオのはずなのに、中身が全く面白くない(苦痛)。原因はどこにあるのでしょうか?

「緒乃ワサビ」さんのテキストはキャラクターの個性を描くのは上手いと思います。《時雨》とか。
ただ個性が強すぎるせいか■■キャラ同士の感情をぶつける描写が致命的に下手■■が大きな弱点になっています。
個性をぶつけるのが下手なのに「喧嘩」というプレイヤー受けが悪そうな手段を使ってさらに悪化されています。

《由衣》と《みこと》の友情関係、《真里奈》と母親との関係、バレー部の関係などは全く伝わってこず。過去回想シーンを入れるなどして関係強化してほしかったですね。
コメディゲーム、バカゲーだからという言い訳も使えず。個別ルートはギスギスが酷いです。
『ニュートンと林檎の樹』の感想でも書きましたがギスギスそのものが駄目なのではなく、解決編が適当すぎて爽快感が無いのが駄目なのです。
《みこと》を起こすキーがモブキャラの《からし》だったのはかなり萎えました。こんな酷いオチのために悩んでいたと思うとがっかりしてしまいます。

また主人公が使いこなせていない、恋愛やエロが書けないなら「ワサビ」さんはエロゲー向きライターではないでしょう。
下ネタがあるのはいいのですが、エロゲーのエロは「使う」為に存在し微エロやネタエロは使用できないんですよね。
プレイヤーはあくまで本番を求めていて、寸止めはノーカウントなのです。寸止め文化の他の萌え媒体との差別化の為にも、私はエロゲーのエロに実用性を求めます。


『キミトユメミシ』『ニュートンと林檎の樹』『アオイトリ』と「緒乃ワサビ」さん関連の商業作品は全てプレイ済。
一番言いたいことは■■もう喧嘩シナリオは止めよう■■ですね。
日常系は無理な人なので、設定破綻があってもSFシナリオのほうがいいでしょうね。
キャラの関係については「ボケと突っ込みの3人漫才」を意識すると会話がぐっと良くなると思われます。




■■総評

下ネタが多め。夢を覗いてヒロインの性癖を見れるという設定は面白く、微エロパートは面白い。
ただギャグゲーというほど特化しておらず、ベースが日常ゲーで中身が薄くやや眠い。展開は早くテンポだけはいいです。

共通パートはまだ見れる内容ですが、個別ルートが駄目。
話のオチが全部読めてしまいます。無駄に喧嘩したりシリアスを入れておきながら、解決が物凄く適当すぎて「この無駄シリアス必要だったの?」と感じてしまいます。
主人公が空気で恋愛描写やエロがシナリオと一切絡んでないのもマイナス。
教科書通りなのに、感情のぶつかり合いが下手なせいで面白くない、苦痛レベルの内容になっています。




46点 西崎由衣 ルート(True含む)
25点 東条七ノ羽 ルート
30点 柊真里奈 ルート
45点 時雨 ルート

《時雨》のキャラの良さ込みでもあのシナリオでは高い評価はつけれないです。
ここまでエロゲーと合わないライターさんなら単独ライターに拘らず、メイン以外はサブライターさんに頼んだほうがいいのかもしれませんね。ボリューム的な意味でも。

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