tcpippppoeさんの「そして初恋が妹になる」の感想

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駄妹シリーズだが、駄妹成分が弱い
ALcotハニカムの瀬尾順氏の作品。
「春季限定ポコ・ア・ポコ!」で桐谷華演じる野々宮藍が「駄妹」として好評を博し、以来シリーズ物となっている。

1「春季限定ポコ・ア・ポコ!」 駄妹担当:野々宮 藍(桐谷華)
2「あえて無視するキミとの未来」 駄妹担当:沢渡 七凪(雪都さお梨)
3「サツコイ~悠久なる恋の歌~」 駄妹担当:白羽瀬 悠(くすはらゆい)
4 本作  駄妹担当:川津 翼(美月)
5「彼女は天使で妹で」 駄妹担当:仁科 十花(羽鳥いち)

さて、本作だが、駄妹成分が弱い。弱いというより弱すぎる。
桐谷華が演じた野々宮藍が読者に衝撃を与え、雪都さお梨の沢渡七凪、くすはらゆいの白羽瀬悠と上手い具合に継承されていった伝統の駄妹が、本作では弱すぎる。
演者のせいというより、台本レベルで弱いのでどうしようもない。

本作は疑似家族の物語であり、疑似家族の交流を経て、主人公が本当の家族を手に入れるところまでを描いている。
シリーズを通して瀬尾氏が表現したいのは一貫して「家族」であると思われる。
提示する問題は毎回「機能不全家族」「児童養護施設」「里親」を組み合わせたものであり、3作目以降は疑似家族が形成される。
だが重厚なテーマを描こうとする試みはいずれも失敗しており、残念ながら瀬尾氏には書けないと考える。
言いたいことはわかるし、完成形はイメージできるのだが、いかんせんライターの頭の中で完結しすぎている。
評価された「ポコ・ア・ポコ!」にしても双子の片方が死ぬまでを、本当なら書かないといけないのだが、ライターの頭の中にしかないものを、読者も当然わかっていることを前提として書いており、こういうのが非常に多い。
本作にも同じ問題があり、及第点に達していない(遊花ルート、寧々子ルートは別ライターだと思うから除外している)。

瀬尾氏の強みは「駄妹」「果てしなく脱線する会話」「日常」であって、現状そこ以外には見当たらない。
本作はその唯一の強みを捨てたというか、駄妹のデザインを失敗しているために全体としても凡作となっている。
幼なじみの遊花が駄妹成分の一部をカバーしており、その点は救いになっているが、「あえて無視するキミとの未来」における七凪と、幼なじみ枠に移った桐谷華の相乗効果に遠く及ばない。

瀬尾氏のシリーズの最高傑作は「あえて無視するキミとの未来」だと思う。
上述したライター自己完結という問題点が少ないのである。
本作は褒めるところがあまりないが、「大人になるとはどういうことか」のくだりは心に響くものがあった。
そこから、タイトル画面にそっと遷移して余韻を残しており、毎回ここの演出は上手い。
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