toto712さんの「恋する乙女と守護の楯 ~薔薇の聖母~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

もともと期待して購入したわけではなかったので、裏切られたという感覚は薄い。それでもシナリオについてはとても誉められたデキではない。
前作はAXLの名前を一躍世に知らしめた作品でしたが、これまで頑なにファンディスクや続編をリリースしてこなかったAXLからして、まさか10年近く前の作品を今更のように持ち出してくるとは思いもよりませんでした。ここまで時間が経過していると前作を覚えているファンが果たしてどのくらいいるのか疑問だからなわけでが、それでもここのデータ数を見る限り、前作の良い印象はまだファンの頭の中に強く残っているのかと改めて思い知りました。

といってもぼくは実のところ前作には辛目の評価を付けているのです。特に伏線を畳めないシナリオに対しては散々に貶した記憶があります。ではなぜそんな作品の続編を購入したのかというと、シナリオは別としてキャラクターに関しては非常に良いものがあったからです。前作は体験版や序盤のデキから相当高い期待をしてプレイを始めたために、裏切られた感が半端なかったわけですが、最初からキャラゲーと割り切ってプレイしたならば大丈夫なのではないかと思ったのですね。

そしてそのぼくの予想は概ね間違ってはいませんでした。前作と比べヒロインの可愛さに関してはやや見劣りしたのですが、それでもそれなりのレベルは保っていました。真愛のおバカさは微笑ましかったし毒舌家の麻衣とのやり取りは軽妙でした。ただ前作でぼくの一押しだった設子さん級のヒロインが不在だったのは寂しく思えましたが・・・
といってもこのゲームのメインヒロインといえば山田妙子こと主人公になるわけで彼(彼女)の魅力さえ劣っていなければそれなりに楽しめるはずなのです。それが今回は明らかにレベルダウンしていました。これは主人公女装潜入ゲーについて面白さの主要部分を占めるはずの女装バレについて全くその気配がなかったことによるものが大きかったのではと思うのです。
それくらい彼(彼女)の女装がもはや超人級となっているわけですが、その上、女装バレの危険性が一番大きい筈の水着シーンまでアイギス社の最先端技術で押し通してしまっているのはさすがにどうなのか。もはや開き直りとしか言いようがないのですが、これでは女装潜入ゲーのレゾンデートルを問われかねない。このあたりの決め細やかな配慮に欠けたところが、このゲームのデキを悪くしてしまっていると思うのです。

そして当初から大して期待していなかったシナリオも、やはり予想どおりとしか言えなかった。メーカー発表を信じる限り前作と同じく今回も長谷川藍氏が一人で担当しているようなのですが、とても信じられないくらいルート間での齟齬が目立つのですね。
特に気になるのがボスの設定。このゲームはルートによって犯人(ボス)が変わるのですが、それはまあ良いとしてキャラ設定まで変わってしまうのが困りもの。希望ルートで主人公に執着する楓先生が、莉里ルートではそんな気配も見せないのはいかにも不自然だし、すべてのルートで登場するカルキノスの見てくればかりのポンコツぷりも話を寒くさせています。希望ルートの敵陣営の作戦なんてお粗末といっていいくらいですし、まだ前作は多少なりとも伏線を畳もうとする努力は見られたのですが、今回はもはやそれすら諦めたようなライターの仕事ぶりには、がっかりさせられました。

(総括)
シナリオの酷さをキャラクターがカバーするという典型的なキャラゲー。シナリオに関しては前作以下といっても過言でないのですが、救いはヒロインの魅力を損ねるような話にはなっていないこと。ソーニャに関してはルートによってはやや辛いところがありますが、まあそれも許容範囲。ただ主人公に関しては他の女装ゲーの主人公と比べるとやや魅力に欠ける面は否めません。どちらにしても前作同様に事件の証拠や背景を推理しようとして読むのは禁物で、あまり深く考えないようある程度アラを流して読むのが肝要なところ。まあそのアラがかなり目立つので相当プレイヤーの努力を強いられるのは間違いないでしょう。

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