tkktさんの「ワールド・エレクション」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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媚びず驕らず、どこまでも対等な個と個として、分かり合うことを決して諦めない主人公の姿に素直に胸を打たれました。
グラフィック(17/20)
 まみずさんは今が一番脂が乗ってる時期でしょうか。めっちゃ可愛い。こもわたさんの安定感も半端ないっすけど。逆に心配なのがてんまそさん。GIBで少し持ち直したかと思ったんですけどね。原画格差でアレコレ加減点を繰り返して結局この点数。


ストーリー(43/50)
 テーマはわかりあうこと。異文化理解。ぶっといテーマ性を奇を衒わず王道的に展開して、キチンと描ききっています。自分がやってきた渦巻作品の中では、ちょっと頭一つ抜けた面白さですね。以下は箇条書き形式になります。

 1.胸の奥で光ってる熱い想い
 敬の誰とも分かり合いたいという優しい願いは、なにも選挙戦の中で培われたものじゃなくて、子供の頃に願ったものでした。つまりは彼の根っこの根っこ、背骨と言ってもいいかもしれません。それがソフィアとの一件からくる誤解で丸まっていた時期があっただけで、やるしかないと背筋を伸ばして前を向いた時にかつての純粋な願いが再燃しただけの話だったわけですね。OPの歌詞にあるワンフレーズの解釈は、燻っていても消えていたわけではない、彼の胸の奥にあった熱い想いを指しているんだと勝手に確信してます。世界最強の魔王の娘にも、「お前は間違っている」と真っ向言い放ち、さりとて突き放すわけじゃなく、言葉を尽くして分かり合おうとする。噛み付かれても魔獣を抱きしめる、言葉が通じないんだったら体温を交わして分かり合おうとする。トゥルーを見れば、彼自身も向き合うことへの怖さを克服したわけでは決してないということを述懐していますが、それでも人類の脅威に向かって「俺たち分かり合おう」と吐けるんだから、テーマの体現者としては満点じゃないかな。

 2.コミュニティ全体が許容する、幼く本能的なスキンシップ
 敬の能力の発動が相手の体に触れることを条件にしているのに引きずられてか、今作はスキンシップがとても多いように感じます。主人公がヒロインの頭を撫でて、ヒロインがキャッて照れるテンプレ的なものは少なく、恋愛的おいしさの無い純粋な接触と言えば良いのか、いや観念的で凄く言語化しにくいんですけどね。例えば、クルルと出会って間もない頃、彼女は敬にやたらと触れてきます。後にクルルは「父のようだった」と述懐していますが、そういう幼子のスキンシップだったんでしょうね。これに対して、主人公も触りかえすわけです。記憶喪失の割に変な手管を見せる脳が詰まった頭をノックし、機械帝国出身と説明を受けていたのに引っかき傷をこさえた頬に触れてみたり。敬はその接触を「何となく」と説明してます。彼自身も言語化できない衝動に動かされてのことでしょう。しいて言うなら、わかんないからこそ触れてみる、てことなんだと思う。すんません、本当に感覚的な話になってますね、自分の語彙が貧困すぎて。
 他にも例を挙げると、オリエンテーションの参加者が集まらなくて凹んでいる敬に対して、肩を抱いて慰めながら覇王の鐘の情報を教えてくれるファウラや、同じく凹んでいるポン子を抱きすくめて頬にキスしながら知恵を授ける伊織、等々枚挙に暇がないほど挙がるわけですが。
 いずれも共通するのが、こういったスキンシップを誰も本気では拒絶しないことですね。メロウやパフといった敵対関係に近いような相手同士で頬を突き回して挑発しあっても、決して「お前に触れられるのは嫌だ」といったような決定的なことは言わないんですよね。コミュニティの中心である敬の相互理解の第一歩が触れることだから、それに彼女たちも影響されているのか。それとも、どこか彼女たちも寂しいのかもしれません。  

 3.みんながみんなで居られる場所
 彼女たちの多くは、敬の周り以外に馴染めている様子がない、いわばハミダシ者同士でもあるわけです。ソフィア、ファウラも仲間は多くとも、対等に話せる相手じゃないですからね。
 一番わかりやすい例がパフで、彼女自身が言っているように敬が虚勢を許してくれているから甘えて幾らでも調子に乗れるわけです。実際、支持者の女子たちとちょっとした行き違いで距離を取られてしまったと報告してくる場面があります。一見、我々の(現代ジャポン)価値観に近いように思えて、パフも大概異文化で、愛ある行いであればオールオッケーに思っている節があって(お悩み相談室の辺りで描写されていますね)結局敬のコミュニティ以外には真にありのままで受け容れられてはいないんですよね。逆に言うと彼の周りは彼女たちにはさぞ居心地が良いのでしょう。みんながみんなのまま、個性全開で過ごせるから、あんなにキャラが生き生きして楽しい共通になったんでしょう。ぼく共通二周しましたからね、シンセミア以来です。

 4.独特のワードセンスとナチュラル畜生
 「恋する想いと~」っていうシュガポのゲームでこのライターさんの独特のワードセンスに大いに笑わされた記憶があるんですが、今作でもそれは健在で、ボイス登録がヒロインたちの畜生発言で埋まりましたwギャグの解説みたいでやりたくないんですが、ひとつ例を。
 「このお肉はおじさんのどの部分?」「まー面白い趣向ね。豚小屋で豚を食べるなんて」この二つの発言はソフィア、クルル両ヒロインから飛び出したもので、いずれも豚系の魔族が経営するラーメン屋にて。一歩まちがえたら、ただの悪口ですよね。でも彼女たちだから、で許されるのは、2で書いたような幼い雰囲気が作品内に漂っているからかなって思います。ナチュラル畜生の真髄は、子供の無邪気な残酷さが面白くて憎めないどころか、生意気可愛さを感じること。敬も、クルルに自分のどこが好きかと聞かれ「面白いところと、不思議と可愛いところ」と答えていますが、この手の回答で「面白い」が出るのは相当珍しい気がします。しかも実際面白くないと話にならない、ライターのオナニーで終わる問答になるんですが、今作は文句無く敬に同意って感じです。

 5.キャラの暴走
 こっからは悪い点になります。
 3で書いたようなキャラがストーリを突き動かすような躍動感の裏で、やりすぎに感じる部分がどうしても出てきてしまいます。ムシュアとメロウですね。特にムシュアは、きつかった。人を騙すような真似が出来る筈もない、ちょっと接したらすぐわかるような気の弱さを抱えたポン子に対して一方的にやりこめるのは、はっきり言って気分が悪いです。しかも本気で傷つけておいて謝罪もありません。メロウ共々制裁を受けますが、処分が弱すぎて、また反省の色は見えず、制裁後も変わらず癒着を続けている様には絶句。みんながみんなで居られる学園は、誰かを傷つけても歯牙にもかけずにいて良いってことではないはずです。誰かの自由を侵害して得られる自由は本当の自由じゃない、って話。

 6.砂上の楼閣のようなハッピーエンド(ユースティアかな?)
 僕が読み落としているだけだったら申し訳ないのだけど。クルルの覚醒の条件が定まっておらず、他ルートではどうなるのか不透明なこと。いわば世界を壊す時限式の爆弾がいつ爆発するかわからないまま、他ヒロインとの日々を過ごしているのか。はたまた人知れずクルルが自身の命を差し出して安寧をもたらしたのか。なんつーか、萌えゲーのエンドでこういうこと考えさせられると嫌だよね。

 総括としては、まあ傑作。めちゃ笑ったし、ほろっと来たし、あったかくなったし。ただ、プレイヤー側にも異文化への寛容がある程度要求されるのが、ちとハードル上げてしまう。「暴力ヒロイン、ダメ絶対」と恋天使が説いてましたが、甲斐なく暴力ヒロイン多数だからね。


エロ(19/20)
 口で言ってもわからない強硬なヒロインは子宮に直接言い聞かせる、名チンコ男優としての顔も持つ獅子堂敬とかいうユーティリティ。微Sくらいの性癖の人には刺さりそうよ(ソースは俺)。にしても乳輪に対してやたらデカイ乳首を書く下品なおっぱいは素晴らしい。まみずさんは今のうちに特許申請した方がいいんじゃないか。


音楽(9/10)
 OP大好き。BGMは「クールテイル」「恋天使パフエル」あたりが好き。

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