がらがらさんの「恋×シンアイ彼女」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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炎上する理由は推察できたが欠片も共感できない
TRUEが面白かった。というよりも締め方が良かったので好きになってしまった。今時のエロゲじゃまずしないようなことをする心意気も気に入った。むしろTRUEがなければ菜子が可愛いだけでそれ以外は可もなく不可もなし、欠片も心に残らない凡作だっただろう。江頭の『1クールのレギュラーよりも、1回の伝説』という名言が頭に浮かぶ。もっとも、この作品は伝説には程遠いインパクトしかないのだが。
話を本題に戻すが、そこで疑問に思ったのはなぜこれで炎上するんだ?ということである。
ハッピーエンドじゃないか。ちゃんとフォローされてるじゃないか。そんなに二度裏切られたことは精神的に堪えるものなのだろうか。
なんでも、姫野星奏は発売前一番期待されてるヒロインだったらしい。まあ所詮は見てくれがいいとかそういう理由でそうだったのだろう。実際見た目は超かわいい。そういったこともこの炎上に加担したのかもしれない。
しかし、だからこそ擁護するべきじゃないのか?惚れた弱みって概念はないのか?主人公より夢を追っちゃいけないのかよ。その境遇がなければ二人は普通に幸せに暮らしてたと容易に予想がつくし、叩くなら星奏じゃなくてライターだと思う。
自分はてっきり姫野星奏ちゃんが音楽がテーマの某ゲームに出てきた優等生のふりをした邪悪ヒロインのようにえげつのないヒロインなのだと思って期待して買ったらこのザマである。コミュ障なのが玉に瑕だけどいい子じゃないか。
これだったら、新島夕を殺せ!でいいだろうが。どこぞのクソアフィまとめサイトではなぜか星奏が性格が悪すぎて炎上とか書いてあったが、本当に性格が悪いのはてめえと新島夕じゃねえかと思わされる。
では、なぜこの作品は叩かれているのだろうか考えてみよう。
コンセプト詐欺だからだろうか?多分これは違う。しつこいほどコンセプト詐欺だと叩いてる人間は言うが、コンセプト詐欺だろうと面白ければ許されるのだ。いつ空然りがっこうぐらし然りまどマギ然り。まあいつ空以外よく知らないけど。
ならば、コンセプト詐欺なのが問題なのではなく、どういうふうに詐欺したかが問題なのだろう。
要するに『ヒロインに裏切られたよー!二次元は裏切らないと思ってたのにー!ばぶぅうううううう!!!!』ということなんだろう。いきなりバトルモノになればここまでキレられなかっただろうし。
こういった感じにキレる人は主人公を自分の分身のように受け取っているのだろう。だから、まるで自分が裏切られたような錯覚に陥ってるというわけだ。主人公と自分の切り離しが上手く行っていないとこうなってしまうのだから恐ろしい。そう、自分は主人公を独立した一登場人物としてしか大概の場合見れないので平気だったのだ。
しかしそんなプレイヤーとは対称的にこのシナリオで洸太郎は星奏を信じ続け追い続けた。それはとてもすごいことであり、何度裏切られようと信じ続ける、愚直なまでの在り方はまさに"主人公"である。
本当に好きだったら何度裏切られても信じ続けろよ!ということだろうか。現実でやったら財産根こそぎ奪われそうだが、ここは創作だからいいのだ。これは他人の受け売りだが、シンアイ彼女の”シンアイ”は洸太郎の星奏への信愛であり、深愛だったのではないか。
それが出来ず星奏にキレて叩くだけの人間に対して、『しょせんお前はエロゲ主人公はおろか分身にさえなれない。画面の外でブヒブヒ言ってるのがお似合いなんだよ』という嫌な皮肉を感じる。
『本気で叩いてるとしたら完全にアスペだし病院行ったほうがいいと思う』と修正前の自分の感想では書いてあったが、もしかしたら"何故かこの作品にキレてる人"はアスペでもキ●ガイでもなくただただエロゲのプレイスタイルが自分と相容れないだけなのではないかと気付かされた。でもそっちの方が菜子可愛いあとはどうでもいいよな自分よりも今作を楽しめてるし得していると思う。

というわけで、菜子が可愛い。マジで可愛い。今作でダントツに可愛い。秋野花はすげえよ…。
なんか微妙に古いギャグをかますところも、しっかりものだけどたまに空回りするところも、兄想いでいい子なところも、年頃らしく繊細なところも可愛らしい。
ああ、この子もきっといい人見つけて兄以外の誰かと結ばれるのだろうなあと思うと胃がキリキリ痛むが、洸太郎もそうやってもらった手前祝福するしかないのだろう。個人的には菜子に彼氏ができる方が星奏が二度も裏切るより炎上要因になると思うのだが、実際はそうじゃないのだろう。
朝は妹に起こされおはようと挨拶し妹の作った朝食を食べる。そして道が同じ所まで一緒に登校する。別れるときは名残惜しいけど、そういう空気感は好きだ。昼は妹の作ったお弁当を食べる。帰ってくると妹がいて、いろいろと駄弁る。夜は妹の作った晩ご飯を食べ、妹におやすみなさいと言って寝る。まさしく素晴らしき日々である。
思えば洸太郎が一番イキイキとしているのは菜子といる時だ。お互いに面白くないギャグを言い合ったり、そんなことは他人同士ですることは難しい。おそらく意図的にだろうが國見兄妹の会話におけるギャグは他の部分と比べクオリティが低い。つまらない冗談を言い合える関係って素敵だ。
おそらく菜子は、作中で誰よりも洸太郎の幸せを願っている。星奏は結局自分の都合が最優先だったし、他のヒロインはそもそも自分がよく覚えてない。だけど、所詮は他人なのだからそんなもんでいいのだ。
家族である菜子は、この人になら兄を任せられると思った相手にはキューピッド役になり、彼女が出来たと言われれば相手が兄を幸せに出来るかどうかを見極め、デートの際には服をコーディネートしてくれる。大学生になり下宿するようになっても社会人の兄を電話で起こす。特に最後のは最高だと思う。洸太郎てめえ社会人にもなって妹に起こしてもらってるとかどんだけダメ人間なんだよと。しかしながら、妹にそんな風にお世話されているときの彼がどんな時よりも一番輝いてるのだ。
ここまで行くともはや母親である。彼女は洸太郎の育ての親を自称していたがそれはまさに事実だったわけだ。洸太郎が菜子に全くと言っていいほど報いておらず温度差が激しいのもまるで親子のよう。
ならばママ~と甘える個別ルートが欲しかったか?と言われると、そうでもない。攻略できないことに魅力があるが、仲良しエンド的なものが欲しかったなあと言った感じだ。天使のいない12月の恵美梨と同タイプである。性格はほぼ真逆なのだが。
これでFDなりCS版で菜子が攻略出来たら、洸太郎は『こんなにも可愛い妹と恋仲になれるかも知れなかったのに他の連中にうつつを抜かした情けのないダメ男』であり『こんなにも可愛い妹の気持ちに気付けなかったダメ兄』になってしまうのでいらない。まあいざ攻略できるFDなりCS版が出たら多分買うだろうけど。
かくして、彼女は裏切る(星奏がそうだったかは微妙なところだが)けど、妹は裏切らないし最後まで味方だよ!的なメッセージを自分は勝手に新島夕から受信したのである。

つまり総合すると、『しょせんお前はエロゲ主人公はおろか分身にさえなれない。画面の外でブヒブヒ言ってるのがお似合いなんだよ』という熱い皮肉と、持つべきものは彼女じゃなくて妹だなあってのが自分がこの作品をプレイして受け取った全体的なテーマです。

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