マルセルさんの「らぶらぶ♥プリンセス ~お姫さまがいっぱい! もっとエッチなハーレム生活!!~」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

「期待は失望を二乗する」という名言があるが、怒りを覚えるレベルの作品はそれまでにマイナス分に相当するプラス面白さがあったとも言えるわけで、この作品は「ハーレム期待を裏切るハーレム作品」としては 傑作に達した至高のガッカリゲーだと言ってもいい。共通ルートが素晴らしいのに、個別ルート短すぎるという早漏れシナリオに加え、一部ルートではエロすらも早漏れというハクオロとーじーぼーの先には「誰得シリアスシナリオ」をハーレムシナリオのテーマ性の為に壮絶な勘違いをぶちかましてくれ、良作ハーレムゲーを期待したユーザーを絶望の海に叩き落としてくれようぞ。メインヒロインそっちのけでBBAサブヒロインが活躍する「ハーレムスキーなら嫌いなヒロインも幸せにしろよなww」アンチハーレム嫌味も最高だ。エロCGや一部エロやハーレム日常描写は良いので抜きゲとしてはわりと評価できるが、故に ツラミも増してしまう難儀な作品じゃ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆データー欄


・総CG枚数(差分無し)72枚 総回想数枠54

・キャラ別CG(エロCG)&回想数

マリー   12枚(10) 7回
アナ    9枚(8) 6回 
澪      8枚(8) 7回 
フィオ 8枚(8) 5回 
セシリア 8枚(8) 7回 
パルル 8枚(7) 7回 
アンジェ 6枚(5) 4回 
行き遅れBBA 5枚(3) 3回 
ブラコンBBA 7枚(6) 4回 
ハーレム 5枚(5) 2回 
その他 2枚 

(備考:3PエロCG&回想は基本的に片方のヒロインのCG枚数に吸収されています。3Pエロ内容を知りたい人は下のエロクリック数を参照よろ。
いや別々にしようかなーとは思ったんですけど、基本どのキャラの絡みも多くて3枚程度しかないんで必要ないかなーと)


簡単な説明:クリック数つーのは、既読スキップオン+テキスト速度ノーウェイト環境下で計った、ゲーム開始時から作品を終えるまで各シナリオ毎のクリックの合計回数のこと。

(1)初回プレイ時の「共通」+「個別」のシナリオの総容量が分かる
(2)2周目以降の、共通シナリオを除いた個別シナリオの総容量が分かる。

(ゆえに、一周目のヒロインルートはクリ数が多く、二周目以降はたぶん半減するが、一周目の「個別ルート」が他よりも長いというわけではないので注意)

(3)エロテキストのクリ数と、それを含んだ全シナリオのクリ数を比較すれば、両者の割合もある程度はわかる。
(4)テキスト速度の環境さえ同じなら、プレイ時間と違ってユーザーによる計測誤差は少ない。

といった四点が指標として役に立つとバッチャが言っていたような気がしないでもない。

(5)BCは主人公とヒロインが恋人になる前までのクリック数で、ACは恋人になったあとのクリック数ね。
「その恋人になった「まえ/あと」ってどう定義するの?というのはなかなかにむずかしい話であるが、大抵のエロゲには告白CGなるものがありますからそこを基準にします
そういうCGがなかったり、なんかズルズルだらしない感じでずっこんばっこんなシナリオの場合は、まぁ僕がテキトーに判断しますが、その場合は「?AC6992」みたいに?をつけまつ。
そういや「誰とも付き合わないシナリオ」っていうのもあらわな。そう言う場合は特にACとかBCとかは書きません。

あと注意点として、このクリック数計測というのが「正確なクリック数計測」では無いというのも、一応留意して頂きたい。
ノーウェイトで計測していても、一つのテキストに対してダブルクリックが生じる(テキストウインドウに表示されるテキストを2回以上クリックしちゃうようなこと)ことが稀にあり、
さらに「エロシーンクリック計測」だと計測時間の節約のために、高速クリックしていることが多いので、たぶんシナリオクリック数よりもダブルクリックの誤差が多いとは思われます。
(きちんと真面目に正確に計ると、エロシーンクリック数だけで軽く2日は潰れるんでやりたくないのじゃ……)
基本的にそうしたダブり誤差を考慮せずそのままクリ数をだしていますが、だいたいシナリオクリック数は元クリ数の9割以上、エロシーンクリック数は元クリ数の7~8割くらいが正しいクリ数でしょう。
ただ、この「ダブりクリ数誤差」はどのエロゲでも基本的に発生するので、相対的な比較の大小を知る上では基本的に問題ありません。例えば100クリエロテキストと、300クリエロテキストがあったとして、
両者のダブり誤差は常に一定だと考え、前者が80クリ後者が240クリと誤差修正をしたところで、前者が短く後者が長いという判断には変わりが無いからです。そのような比較対象をメインとして用いた方が良いでしょう。



・各ヒロインシナリオのクリック数


1周目 パルル(+行き遅れBBA) 「7546」
2周目 フィオ&セシリア        「4558」 
3周目 アンジェ(+ブラコンBBA) 「2758」  
4周目 マリー&アナ     「5023」  
5周目 澪     「3176」
6周目 ハーレム           「752」 

(備考:えーっと、まずACとかBCとか無いのは、基本的に即出会ってHしてハーレム入れちゃう系のお話なので、告白後とかそういうのカウントする意味ないからです。
んで「+」系のシナリオは最後に1000クリック未満のサブシナリオ分岐がある感じですね。フィオとセシリアも最後に1000クリック前後のシナリオに分岐します。
マリー&アナは、個別ルートの真ん中あたりが共通シナリオテキストっていう変な構成でして、共通テキストシナリオが2000クリくらいで、それぞれマリーとアナさんが1500クリくらいです。
これも基本的には別計測したほうがよかったんですけどねー。なんせこうも早漏れシナリオだと、1000クリ前後の個別シナリオをいちいち計測するのも馬鹿らしいかなーと)

・各キャラのHシーンのクリック数

アナ         1:325 2:179 3:223 4:256 5:172 
マリー       1:522 2:165 3:206 4:175 5:92 
澪         1:328 2:138 3:151 4:192 5:152 6:221 7:185
セシリア      1:223 2:202 3:262 4:103 5:344 6:97  
フィオ       1:216 2:276 3:171 4:135 5:152   
パルル       1:182 2:228 3:103 4:107 5:82 6:61 
アンジェ      1:153 2:179 3:193 4:133  
行き遅れBBA  1:170 2:158 3:152  
ブラコンBBA 1:142 2:152 3:202 4:141
マリー&アナ   1:126 2:421
マリー&セシリア 1:174 2:179
フィオ&セシリア 1:246 2:143
ハーレムH     1:321 2:156


・謎のデーター

マリー  1:158 2:85 3:82 4:116
アナ   1:116 2:107 3:78 4:156
澪    1:112 2:152 3:221  
フィオ  1:89 2:172 3:135 4:152
パルル 1:102 2:35 3:52 4:42

(備考:謎のデーターの正体はエロ評価のところで!。まあ今回だけ(だと思いたい)のネタなので大目にみてくださいまし)



☆作品の大まかな評価。

簡単な説明:これはもうそのまんまですな。一応Z~SSSまでの評価基準が存在するらしいのですが、大抵はC~Aの間に収まっているようです。
「C」がだいたい「やってもやらなくても別にいいんじゃね」。「B」が「やればけっこう面白いんじゃね」。Aが「やってないヤツは人生つまないんじゃね」。
といったかんじになっております。あと「全体評価」っていうのは、その項目における「作品全体」から感じる何となく駄目だとかイイとかそういう評価です。
あと、これは当たり前すぎて却って説明しにくいものですけど、僕の定義による「シナリオ評価」ってヤツは「感動させなきゃダメ」とか「深いテーマが無きゃダメ」とか、
そういうヤツではなくて、基本的には「その作品が目指していると思われるものが、どれくらい達成されているか?」というような「完成度」評価に近いものかも知れません。
ですから、原理的には抜きゲであろうと萌えゲであろうとシナリオゲであろうとも、その作品が目指しているものが完成されていると判断すれば、シナリオ評価は高くなるって話です。

・シナリオ評価

マリー&アナ    C 
澪          C+
フィオ&セシリア  B
パルル        D  
アンジェ       C- 
ハーレム      C  
全体評価      C
   
・エロ評価

マリー&アナ    B+ 
澪          B
フィオ&セシリア  B+
パルル        D-  
アンジェ       C+ 
ハーレム      C+  
全体評価      B
・イチャラブ評価

マリー&アナ    C+ 
澪         B-
フィオ&セシリア  B-
パルル       D  
アンジェ      C 
ハーレム      C  
全体評価      C+


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆シナリオについて

「イブニクル」の予想外の大ヒットで、主人公が全ヒロインとエッチした状態で物語を進めるという意味での「ハーレムゲー」もエロゲ業界にそれなりに定着した感があり、いつもだったら主人公が共通ルートで全ヒロインとエッチするだけで、
「倫理的にハーレムはおかしい」みたいな感想が即返ってくるようなエロ助でも、この「らぶらぶプリンセス」はそれなりに好評を得たのだから、この作品が良作なればハーレムゲーもようやく認知される……と思ってた僕の希望は木っ端微塵ですよ!

いやぁ改めて体験版辺りの件を読んでみれば、後だしジャンケンのキライはありますが、この作品のやりたいことは明らかだったとは言えるし、そういう意味ではブレてはない作品だと思うんですよね。
ある意味でこの作品は体験版というか共通ルートのノリを良くも悪くもずっと続けている作品とも言えるわけで、その「良い面」が体験版部分にはでて「悪い面」が本編の個別ルートにも出ているとも言えるわけで。

えーっと、まずは共通ルートから行きましょうか。共通ルートは基本的に全ヒロインが主人公の所にやってきて、少しずつ主人公のハーレムが形成されるところまでを描くところで、
これはエロ助の体験版評価でも結構好評だったんですよね。主人公は「ハーレム主義」以外は多少お馬鹿の脳筋だが好青年であって、ちゃんと誠意を尽くしてヒロインを口説いてるところは良い。
ヒロインはそれぞれハーレム賛成派なり反対派だったりハーレムに対する考えはそれぞれありながらも、主人公に対する好意は確然としており、その両者の緩やかな葛藤が、
主人公に対するラブと主人公をそれぞれに愛するヒロインたちの賑やかなやり取りを生みだしていくと言った感じで、たぶんここらへんがこの作品の「一番面白いところ」で後は下り坂に一直線であった。

ただまぁ上の時点である意味、この作品の弱点というか「本当の姿」はある程度は見え隠れしていたと言える。その「一番面白いところ」であったとしても、そうした描写は、
「新しいプリンセスの登場といったストーリーの進行」または「主人公が直接参加しない三人称的な視点でのイベント」または「主人公が事件に巻き込まれる」タイプのイベントによって起こるもので、
この三つは総じて「三人称的なコメディストーリーやイベントによってこの作品が進むこと」を示しているといえる。言い換えると「ハーレム的な日常を描くこと」を目的としているというよりも、
「ハーレム的なコメディを描いてる」ような感じが、既にこの時点から臭い始めていたと言えるのだ。まぁまさかそれが「糞シリアス」を含んだものになるとは夢に思わなかったが……

そしてその悪夢の始まりが「桜」の登場だ。ヒンメルさんという方がこの作品のレビューで的確にも

>ホントーに、もう桜なんざ見たかね―!と思うほど桜の木周りの茶番にはウンザリさせられましたし、この作品の公式HPの雰囲気に惹かれて買った人のうちどれだけがこんな展開を望んだのか甚だ疑問であります。

http://quaza.blog.fc2.com/blog-entry-176.html

と書いておられるが、僕も全くの同感だ。今年の「さくら」がつくゲームには個人的にはあまり良い印象が少ない作品が多いのだけども、さしずめこれは「隠れさくら地雷ゲー」で呼んでも良いほどにさくらをディすりたくなる作品といえよう。

一応「未プレイ」の人に説明すると、この桜つーのはダブルミーミングであり、一つは登場キャラクターというか「ヒロインになって」しまった「桜」という主人公のおかーさんのことであり、
もう一つの「さくら」は先の桜かーさん関係が絡んでくる「さくらの木を巡るかーさん世代の物語」のことである。この二つがうえで言うところの「こんな展開」の正体だ。

もう少し詳しくプロットを語っておくと、共通ルートでメインヒロインたちをハーレムに入れ込んだ主人公。しかしそこに最強のボスキャラたる「桜」かーさんがあらわれて、
かーさんはそんな不純異性交遊ハーレムは許しません。ハーレムを作りたければこの母の屍を乗り越えてイケ!とゆった展開に(なったら良かったんだけどねえ……そこで死んでくれれば)。
主人公は何度も桜かーさんに挑むも実力の差は歴然としており、かーさんを倒せない。そこに三人称視点でかーさん世代の物語が入り込む。かーさんは主人公の本当の母親では無く、
主人公の父親の妹であり、さらに実はお兄ちゃんを愛しながらもお兄ちゃんには振られ続けたという過去があり、お兄ちゃんから託された主人公に兄の姿を現し見していて実は嫉妬してるねオチ話なのだ。

さて、このお話がこの時点(だけ)でも微妙に詰まらないのは、まずこれが基本的にはそれまでのハーレム「妨害する」展開だからに他ならないが、とはいえそれ自体はシナリオの手法としてはまぁ下手なモノではある。
これがこの「展開の妨害によるシナリオの山作り」以上に詰まらなく思えてしまうのが、上にも見られるようにかーさんが基本的にお邪魔虫キャラであると言うことと「攻略ヒロイン」の面を併せ持っているところだ。
まぁこれは桜みたいなBBAキャラが性的にクルのかコナイのか?みたいなところで価値判断が変わってくるかもしれないが「BBAスキー」「かーさん相姦スキー」「精神的非処女(実は兄さんスキー)」スキーっていうのは、
メインは基本ロリヒロインを売り出してるこの作品の購入者では少ないだろうし、さらに輪をかけて「今までのハーレム展開」を真っ向から否定し叩き潰すこのヒロインに好意を感じる人は少数者だとゆってもいいだろう。
ただ、ここでかーさんが「ワルモン」キャラとして一貫しているなら、それはそれでまだマトモなシナリオになっていたと思うのだが、
途中でかーさんを「同情キャラ」として描いた挙げ句、さらにそこに攻略ヒロイン的なニュアンスをつけてしまうとユーザーとしては「なんでこんな糞BBAまで愛さなきゃいかんのか?」となってしまうのだ。
そう言う意味で、この作品は「ハーレム作品の弱点」を悪戯に際立たせてしまっている。
ハーレムゲーの美点は「一人だけのヒロインを愛することをせずに、複数または全ヒロインを愛せる」ところであるが、これは同時に「好きでも無いヒロインまで物語上愛さなきゃイケナイ」ということでもある。
そして、この作品はわざわざハーレムを否定するような「嫌われるヒロイン」を描いた挙げ句、そのような糞ヒロインをユーザーに愛せよと迫ってくるのだから、アンチハーレムゲーシナリオとしてみるならなかなかに出来の良いシナリオであろう。


この時点までが(まぁ多少個別ルートの情報も入ってるかもしれないが)基本的に共通ルートの内容であり、僕はこの時点で「桜」絡みのシナリオにそれなりにウンザリさせられていたものの、
まぁ共通ルートで主人公の出生の謎を明らかにしておきたかったのもわかるし、個別ルートで持ち直してくれるだと思った自分はバーサーカーよろしく七回殺しの憂き目にあろうとは夢にも思わなかったのである……

まずシナリオの内容以前に、上のクリック数のデーターを見ればわかるように「短すぎる早漏れシナリオ」なのが問題と言えるだろう。クリック数なんてよーわからんって人は、
僕の他レビュー作品を参照すれば良いんじゃ無いのであるが、大雑把に言って普通の萌えゲーの(二周目以降の個別ルートオンリーの)クリック数はだいたい短いので6000前後で長いので10000前後であり、
抜きゲ基準で言っても短いので4000前後で長いので6000前後なので、この2000前後つーのはどのジャンルに照らし合わせても「短すぎる」と言える内容だ。同人の1k廉価抜きゲー並と言える。
因みにヒロイン数が多いからと言うのも全く弁護にはならない。ヒロイン数はルートがあるのは7人と多いが、1ルートを多めに3000クリックと考えても合計で2万1000クリックであり、
普通の萌えゲは「少なめで」4人ヒロインと考えて「少なめで」6000クリックと考えても2万4000クリックと明らかに容量が少ない。こういうことを言うと「長ければいいってもんじゃないだろ」って、
いうしたり顔が返ってくるかもしれないが、始めから短編エロゲのロープライス作品とか昔のエロゲシナリオなら兎も角、フルプライスを前提としたキャラシナリオで「短いから良いシナリオ」っていうのはほぼ皆無なのは覚えておこう。

さらに、この早漏れシナリオの個々の出来については後で詳細は述べるとしても「澪ルート」以外は、どのルートでも最初に書いたようにほぼ共通とゆって良い「誰得糞シリアス」が待ち受けており、
よさげな個別ルートの「これから面白くなるのか?」期待を必ずぶち壊してくれるのが、ここまで来るとケラケラ笑いながらサイコーと言いたくなる酷い出来なのですよ。

この「誰得糞シリアス」の内容について少々述べておくと、これも前述の「桜」のお話と多少は関係してる「主人公たちの親世代のキャラクター」が絡んでくるお話であり、
言い換えると今回もまた「主人公」には殆ど関係なく、ヒロインの一部がちょっと関係ある程度のお話である。ルートによって多少はお話の流れは違うんだが、
基本的には今回の騒動の元になったヒロインたちの娘の「アドルフ」の兄のケヴィンという人物が引き起こす事件で、このケヴィンは数年前にもう死んでいるのだが、
王位を継いだ弟を恨んだ彼が弟を抹殺するために、特殊能力を用いて、とあるタイミングで刺客がアドルフに対する自分のの抹殺指令を思いだすような暗示洗脳を、とあるヒロインたちに用いたのがきっかけ。
んでルートによっては、とあるヒロインが暗示洗脳に掛かってアドルフを殺そうとするのを主人公が止めたりする中で、ヒロインの過去の境遇やら、親世代の物語が明らかになるといった全体ルート構造になっている。

と、こう書くと、それなりに緻密に練られたシナリオに聞こえるんだが、まぁ実際それなりにシナリオを練った形跡は見られるものの「勘違い方向に頑張ってる」批判を取りあえず抜きにしても、
「複数の攻略ルートで一つの事件を解いていくシナリオ」としては、まぁ60点くらいしかつけられない内容である。まず第一に「特定のヒロインルートを最初にやってしまうと事件の真相が大抵分かってしまう」ところ。
これは1ルートでハナっから全ての真相を明らかにするつもりだったのか、そこらへんの調整がついていないか結構謎なのだが、アンジェ、マリー&アナ、セシリア&フィオルート当たりをやってしまうと、
前述のの共通シナリオの内容がネタバレしてしまい、展開自体もあまり変わらないので、毎回毎回ネタの割れた糞シリアス展開を、しかもシナリオ自体は「ミステリー的に」書かれているものを、何度も読まされる嵌めになる。
因みに、これくらい凝った作りをしていて、さらにはハーレムルートがトゥルーエンド構造(全シナリオクリア後に開放)だと、トゥルーエンドで隠された謎が!的な展開を期待する人もいるかもしれないが、
そんなことは全くあり得ず、ハーレムルートはただ単に主人公が全員とHするだけではある。まぁそんなトゥルーエンドシナリオをやられてもそれはそれでこの出来は困るが、ならば何故こんなルート構造を……という疑問も。


しかし重要な批判点としては、やはり『勘違い方向に頑張ってる」というところだろう。
これらの「勘違い方向シナリオ」を作ってしまった要因としては、まぁヒロインルートによっては多少は異なる部分はあるが、基本的には以下のように分類できる。

(1)ヒロインの過去の境遇を語るシナリオとして
(2)主人公たちの親世代の物語を物語るシナリオとして、
(3)前述の(1)プラス(2)の効果として、主人公たち以外のキャラクター達によって織り成された主人公ハーレムの運命的な物語を語るシナリオとして、

とゆった感じである。(1)の要素が大きいのはアナとアンジェぐらいで、実のところヒロインに直接的に関わるシナリオ自体が少ないのが誰得気味なのであるが、
これらのシナリオの基本的な意図は(3)の要素だろう。つまり、物語の作りとしては、親世代の因縁話を子世代の主人公やその娘のヒロインたちが「全てハーレムという愛の形」で解決しました!的な方向に持っていきたかったのであろう。
確かにこうしたレベルにおいては、この意図はそれなりに実現されているといってもいい。だが意図が実現されていると「そのシナリオが面白いか」レベルは全くの別問題であり、
そしてこのシナリオが「勘違い方向で頑張ってる」というのは「親世代の因縁が子世代のハーレムという愛の形で解決される」という抽象的なテーマ解決が、物語で描かれる実際のハーレム描写と有機的に結びついていないからに他ならない。

まず何が問題なのかと言えば、アンジェルートを除き、そのケヴィン関係の事件というのは、各ヒロイン&主人公にとっては「偶発的な事件」に過ぎず、積極的に関わる意味は殆どないと言うところだ。
「ヒロインたちの一部は知らぬ間に暗示を掛けられている」と言うことを思いだそう。と言うことは、ヒロインたちは今回の事件について、自らの意思で動いてるわけではなく、基本単なる操り人形に過ぎない。
(アナルートは、そこらへんを微妙にボカしているが、ボカしたことでアナさんの意思とケヴィンの意思が判断つかないだけであり、そこでアナさんの意思に絡んでいたところで深みの出る物語にはなっていない)
もちろん、ヒロインたちはその事件の最中、親世代のキャラクター達から事件の真相なりを聴いて積極的に事件を解決しようとはするし、そこで何かしらの感慨を得たりはする。
だが、それらは今までのヒロインのパーソナリティと基本的に関係ない「単なる偶発的な事件」に過ぎず、今までのヒロインシナリオと積極的な関係性を持たない。せいぜい事件の中で思いを再確認できたり、
みんなで頑張ってやっぱハーレムって良いよね話を、無理矢理気味に(3)に繋げているだけなのだ。なので(2)の親世代のお話云々が「なんか浮いた話」になってしまう。

さらにクリティカルなことを言えば、トゥルーハーレムルートが、まぁこのルートが「ケヴィン関係」のお話を通過した後かもしれない可能性は捨てきれないとしても、
「ケヴィン関係」のお話を全くしない状況でも、いや「しない方が」とゆった方が良いかもしれないが「主人公たちのハーレムは成立しちゃう」というのが、皮肉としてはなかなか効いてる。
「桜」がど-こーとか、ケヴィンの暗示がどーこーみたいな話でなんとなくハーレムって良いよねって話の無理矢理さが、そんな話をしないでも「ハーレムは成立しちゃう」とトゥルールートが示しちゃっていることで、
個別ルートの親世代の「勘違い方向シリアス」のナンセンスっぷりを端的に物語ってしまうのだ。何ならヒロインシナリオの4番目の選択肢(ヒロインルートのラストシナリオ)を全部トゥルーハーレムに置換しても物語は丸く収まるだろう。
こうした点から、以上の物語は「ハーレムをテーマ的に正当化する」という抽象的な物語構造に拘る余りに、実際の主人公のハーレム形成や描写とは関係ない物語を延々と語ってしまったのであり、
典型的な意味での「糞シリアス要素」と言えるだろう。糞シリアス要素とは、別にシリアス自体が糞なのでは無くて、作品のメイン物語に関係が薄い物語を作者のテーマ性主張の為に無理に結びつけた時に起こる現象なのだから。


それでは本来の意味での個別ルートの出来、つまり「個別ヒロイン」を物語るルートとしてみるのはどうだろうか?
取りあえず出来の悪い順から語っていくと、ダントツに最悪なのが「パルル」ルートだろう。今までの僕の批判は「最後の糞シリアスが詰まらない」という話だったが、パルルのシナリオはそれまでのシナリオも詰まらなく、
さらに「ハーレムシナリオ」の欠点をわざと露悪的に拡大したようなところがもうなんか最悪ではある。僕は滅多にDクラスの評価をつけない僕でも、E評価すら検討したほどだから。
まず、である。ヒロインが実は性格が反転するとか、いきなり眼鏡キャラになったりする、ってところまではまぁ許すとしよう。しかしその展開の後にパルル以外のサブヒロインを登場させ話しに絡ませるとか、
これはちょっとエロゲのシナリオを書いたことが無い素人レベルの仕事じゃないかと言えちゃうレベルである。それはお話の内容がどーこーという話し以前に「ユーザーが個別ヒロインを選択する」という、
エロゲーにおけるユーザーの能動性を全くスルーしてるとしか謂いようが無い暴挙である。ヒロインの性格が個別ルートで分裂した挙げ句、サブヒロインとか大活躍とか、共通でパルルに萌えた人は何を楽しめば良いのだろうか?
前にも書いたように、ハーレムゲーの弱点とは「気に入ったヒロインを集中的に愛することが出来ず」に「気に入らないヒロインまでも愛さなきゃいけない」点にあるわけだが、
共通で気に入ったパルルを愛することは出来ずに、個別ルート以降基本的にお邪魔無視として登場するサブヒロインたちを愛することを求められるこのシナリオは、先の桜シナリオに続くアンチハーレムシナリオの傑作とゆっても良い。

んで、その「桜かーさん」が唐突に「何故このヒロインルートで分岐するのか?」ちっともワケワカメなのがアンジェルートである。まぁこの分岐&桜ルートについてはオマケ程度の長さ自体しかないので、
特に論評するものではないし、アンジェルートに直接関わるものでも無いからさしてマイナスでも無いのが、殆どプラスと言える要素が無いのもこのアンジェルートだ。
作品全体のルートの位置づけとしては、ただ一人だけケヴィンの事件を知るヒロインではあるものの、それは他ヒロインと同じく最後の糞シリアス展開で同じように明らかにされるだけなので、
その立場を生かしているとは言えず、それまでの主人公との恋愛やエロに関わってるわけでも無い。魔眼という特殊能力の持ち主なんだから、もっといろいろと調理できるのにそこらへんも全くするー気味であるし。

マリー&アナルートは、まぁ正確に言うと「マリー&アナルート」と言える「双方に共通する共通シナリオ」が全体の半分くらいで、あとのもう半分くらいはそれぞれ個別のシナリオが存在する。
「マリー&アナルート」と僕は便宜上使っているけども、物語の内容としては「3Pルート」的なモノを共通ルートして含みながらも、実際にはその後に「マリー」ルートと「アナ」ルートの二つに分岐するというものであり、
しかも物語の長さは前述の通り短いので、基本的には「3Pエロ」と「それぞれのヒロインのエロシーン」を組み合わせただけのルートとゆっても過言ではない。ツートップヒロインとしては酷すぎる。
もちろん、たぶんシナリオの書き手としては、ツートップヒロインに相応しい役目を彼女たちに与えたとは思っていそうで、だからこそアナちゃんがこの物語の最強の敵キャラであり、
それをマリーさんが3P関係ネタでやっつけるという、如何にも「ハーレムゲーに相応しい」シナリオを書こうとしているのだが、そこが猛烈に滑っているのだからご愁傷様と言うしかない。

そもそもアナちゃんが「ケヴィンに操られているのか、それとも自分の意思でやっているのか分からない」みたいな設定を入れてライター氏が書こうとしている、
「ケヴィンの怨念を書きつつ、それと同時にアナちゃんの思い詰めた同情心を描こうとする」という過重シナリオ設計な上に、そこに「アナちゃんの底知れぬ性格」まで書こうとしているから無茶なのだ。
「ケヴィンの怨念に同情したアナちゃんが、自分の意思で今回の事件をやったみたいなセンでシナリオを進めようとするとどこかで無理が出るので、そこらへんを「アナちゃんの底知れぬ性格」で煙に巻こうとしてるわけだが、
この三つの結合はそれぞれ不協和音を奏でるだけに終わってる。
ケヴィンの怨念に同情するようなアナちゃんなら、そもそも今回の事件を起こそうとは思わないだろうし、今回のような糞シリアス経てアナちゃんの方から何らリアクションを起こさないのは、いくらアナちゃんと言えどもも変だろう。
このシナリオはそういう意味で糞シリアス展開の典型的な駄目さが凝縮されていると言ってもいい。
つまり「シリアス展開で描こうとしているものが、登場人物の意思が凝縮された結果起こるような避けられない衝突では無く、登場人物の行動や思想を物語展開の為に散漫に用いる都合主義の結果起こる「いくらでも避けられるもの」でしかなく、
さらにはその「シリアス展開」で起こったものを、作品自ら積極的に茶番劇に仕立て上げるかのようなガッカリ感が「いったいあの下らないバトルシーンはなんの為にあったんだ?」と読者を怒らせるわけである。

このようなシナリオのなかで、マリーさんに「なに自己完結してるのよ」的なことをハーレムネタに絡ませて言わせたとしても、それはアナちゃんに向けられた言葉と言うよりも、
ライター氏またはPとかDとかの「自分のなかでは面白いと思ってる自己完結したシナリオ構想」に向かって言うべき台詞であるとしか思えないのだ。自分で雑なシナリオを作っておいてその罪をアナちゃんに擦り付けようとは良い度胸じゃねぇか。
さらに言えば、マリーさんにとっても今回の事件は全く自分には関係ないので「なにわけ分からないことゆってんのよ」以上には響かないし、
そのうえその「共通シナリオ」が終わったら、そのままその流れで3Pルートに行くのでは無く、単にマリールートとアナルートに分岐しちゃうのだから、これまでやれ女の友情はゆってた話がどこかに吹き飛んでしまう。
確かにハーレムシナリオにおいて「個別ルート」における「攻略ヒロイン以外のヒロイン」をどう書くか?というのは難しい問題ではある。
とはいえ、この「途中までは3Pシナリオと個別シナリオを交互に進めておいて、最後に個別ルート分岐」っていうのは「誰も得をしない」という意味で最悪の構成なのは間違いない。
3Pルートを書くなら書くで、ヒロイン個別ルートを書くなら書くで、きちんと分離して最後まで書くべきだったと思う。


さて、残るは「澪」ルートと「フィオ&セシリア」ルートになるが、どちらが「良い」と言えるかは結構むずかしい。正直完成度としてはどちらも似たようなものであるが、
まぁ「個別ヒロインルート」としては1番出来が良いのは「澪ルート」だろう。知り合いの某氏は「内容が無い」と批判していたのだが、正直「内容が無いだけマシ」と言えるもので、
澪ルートだけは誰得糞シリアス展開が無く、ケヴィンとかも親世代の話しも全く絡んでこない。ヒロインといろいろとHしまくってイチャついていたら、無事に桜の試験も合格できてメデタシメデタシという素晴らしい無内容シナリオだ。
いや、嫌味とか皮肉で書いてるわけでは無く、この作品に求められているシナリオは、まぁこのシナリオも御多分に漏れずに早漏れシナリオではあるものの、それ以外を除けばこの澪シナリオのようなものだったと思う。
攻略ヒロイン以外の話を抜きにして、親世代の敵キャラとかは純粋に敵キャラと認定して、ヒロインと一緒にそれやっつけたり、あるいは全くそれをスルーするような話しにすれば、ここまで酷くはならなかったんじゃ無いか。

「フィオ&セシリア」は3Pルートシナリオとしては、多少粗く図式的なところはあるが、一本のルートの中でふたりのヒロインの魅力を描きながら、
片方のヒロインの存在が片方のヒロインを描くのに必要不可欠であると思わせる点で3Pルートしては成功してる部類に属する。この手の成功シナリオはまだ珍しいのでそれだけにも評価に値するとは思う。
一応ルート構造から先に説明すると、ルート後半に選択肢によってフィオルートとセシリアルートに分岐するが、その分量も基本的に1000クリック以下なので、メインはそれまでのフィオ&セシリアルートと言える。
んでその内容としては、基本的にはフィオのお話とセシリアのお話に分けることが出来る。最初は概ねフィオから始まって、此方はこの作品で澪ルートと同じくまともにイチャラブ出来るシナリオになっており、
プリンセスに成り立てで未だに自分に少し自信がないフィオを、主人公を日常生活の中で優しく支えてあげながら、メイド姿でメイドのお仕事をするフィオにお兄ちゃんとかご主人様とかいろいろ奉仕してる現状を見てセシリアが、
いかんいかんフィオ様はあんなゲス主人公に相応しくない!イザ尋常に勝負ぅぅな何故貴様のおティンポには勝てないのだくっ殺せいやセシリアのおま○こをぐちょぐちょに殺してくださいませぇオーク様ぁぁという痴態をフィオが見て……
とゆったように、基本的にヒロイン単体の物語を進めながら、その物語を他ヒロインが見てそれに影響を受けて……とゆったように話を進めるために、3Pシナリオでありながらもヒロイン単体の魅力もきちんと描けているわけだ。
どちらかというと、3Pシナリオとしては、セシリアの方が目立っていると言える。姫様に痴態を見られながらも興奮してしまう~とか姫騎士エロ妄想に悶えながら、それを微笑ましげに見てるフィオちゃんとかなかなか良い構図であり、
このシナリオだけは「3P関係」とか「ハーレム関係におけるヒロインの恋愛シナリオ」と言った点をきちんと描けているとは評価できる。こういうシナリオをこの作品でもっとやりたかったんだよ僕は!

あとはまぁ「良いところ探し」をするのであれば、全ルートを通じて個別ルートを描きながらも、他のヒロインとちゃんとHしてるような、ハーレム雰囲気をちゃんと維持しているところは評価できるとは思う。
ルートによってはその手のハーレム描写がメインと言ってもイイくらいで、そのぶん個別ルートのヒロインが印象薄くなってしまうところもあったのだが、
主人公とヒロインが始めから終わりまでハーレムを大事にしているところは失われなかったのは、辛うじてこの作品を「駄作」または「何の取り柄も無い凡作」から救っているところだ。
前作の「らぶらぶらいふ」みたいに、個別ルートの結末になると基本ハーレム放棄系みたいなシナリオにならずに済んだことだけでは、正当な意味で「進化した続編」であるとは言えるだろう。
以上で批判した物語内容としても「ハーレムを変に正当化しようとした為に」失敗したものだと思えば、製作者の意欲だけは評価できるとはおもう。その方向性が激しく間違っていたのは否めないものの……

既にこの製作スタッフの新作であると思われる「わんにゃんアラモード」が新作発表されており、

http://www.sky-fish.jp/sf-poco/wannyan/index.html

もうこの時点でヒロインが8人とか、このらぶらぶプリンセスを彷彿とさせる「ヒロインの数は普通のエロゲの二倍近いが、シナリオ分量はヒロインあたま普通のエロゲの三分の一以下」を悪寒してしまうのだが、
多くは期待しないものの、攻めて「ヒロインルートの展開が(ソノママの意味で似てるとかでは無く)共通シナリオ」とか「ラストは全ルートで誰得シリアス展開」見たいのだけはヤメテ頂き、
まぁ「わんにゃん」の次回作当たりは、ちゃんとメインヒロインを4人当たりに絞ってサブヒロインとかを一切無くすような、ヒロインの数で誤魔化さない完成度の高いハーレムゲーをつくって欲しいものである。
ヒロインの数を増やしてどーこーってやると、結局はヒロイン数を悪戯に増やして薄いエロと薄いシナリオを増産するような廉価版抜きゲーと同じ轍を踏むだけだと思うので……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆エロについて

イブニクルのレビューでも書いたことであるが、エロにおいても、ハーレムゲーの最大の弱点はハーレムである。これを説明すると、ハーレムゲーとゆったところで、
別にCG枚数が普通のエロゲ以上に増えるわけは無いのだから、エロシーンで使えるCGにも普通のエロゲのように限度はある。しかしハーレムゲーは普通のエロゲ以上に、
普通の一体一のエッチと、複数プレイも描く必要が出てくるために、エロシーンの配分が問題になってくる。ここで、普通のエロゲよりも「一人あたまの一体一のエチが少なく」
それでいて「そこに1~3個くらい複数プレイが追加される」ようなシーン配分だと、なんだか普通のエロゲよりエロ薄いなぁと思ってしまう。

そこに、この作品(あるいはイブニクルでもそうであったように)のようにメインヒロインの数も普通のエロゲの倍で、さらにはサブヒロインにまでエチを追加するとなると、
まだこの作品は「回数」だけはまだ用意されている方だが、先にもゆったように「ヒロインあたまの一体一のエチが少なく、そこに申し訳なさげに3Pやハーレム全体エチが用意されてる」だけみたいなエロ薄の風景が広まってしまうわけだ。

なぜこのような事が起きてしまうのかというと、それは未だに「ハーレムエロゲ」の「エロの魅力」が何処にあるのか、ユーザーも作り手も確固たる意見を持っていないからだろう。
だからこそ「幅広いユーザーの支持を得るため」に「ヒロインの数は多め」で「一体一のエチ」も多めでさらに「3Pやハーレムエチ」も用意しなきゃとなって、結局はどのユーザーからも不満を覚えるという事になる。
因みに昔で言えば「萌えエロ作品」とか今で言えば「イチャラブエロゲ」が「エロ」の方面において成功したのも、それはその作品に求められるエロ方向性がユーザーと作り手の間で概ね一致するからだ。
つまり、各ヒロインとのイチャラブが重要と言う事になれば、和姦を中心としたヒロインとの一体一のエチを中心に置けばまず間違いなく、作り手は「幅広いユーザーの支持を」とゆったことに余り頭を悩ませないで済むし、
ユーザーの方も自分の気にくわないエロシーンで萎えることも少なくなるわけだ。作品のエロテキストのレベル云々以前に「ハーレムゲー」は未だにどのようなエロが一般前提なのか?って点が曖昧なので難しいジャンルではある。

例えば、実際に普通の萌えゲのエロシーンクリック数とこの作品のクリック数を比較してみれば、このハーレムゲーの「ハーレムゲーなのに(だからこそ?)エロ薄くてモノ足りない」って感覚はそれなり実証出来る。
上のデーター欄の一部と恋想リレーションのエロシーンクリック数を比較してみると、

――☆らぶらぶプリンセス

・アナ   1:325 2:179 3:223 4:256 5:172 
・マリー  1:522 2:165 3:206 4:175 5:92 
・フィオ  1:216 2:276 3:171 4:135 5:152   
・パルル  1:182 2:228 3:103 4:107 5:82 6:61 


――恋想リレーション

・唯華           1:689 2:582 3:906 4:724 5:801 
・アリサ         1:762 2:522 3:1089 4:852
・陽葵          1:902 2:1205 3:942 4:778
・由羽子         1:874 2:768 3:821 4:723 5:655 



で、あり、明らかにエロシーンの長さはそこらへんの純愛ゲーの方が長い。もちろん、エロテキストは長ければ良いってモノじゃ無いという考えは正しいし、
こうしたエロシチュ発展優先のエロシーンでは、わりと短めのエロシーンを繋げてヒロインのエロ度が高まっていく感じをテンポ良くチンポに伝えるという手法もあるわけだが、
そうしたエロ構成を作るためには基本的にはエロシーンの数が必要になるのに、エロシーンの数は「ヒロイン一人あたま」は「普通の純愛ゲ」と同じなので「尺&量不足」を両面で感じるわけだ。
基本的にエロゲのエロシーンは「長いエロシーン(300クリック前後)をそれなりの数(3~5回)くらい入れるか、それとも「短いエロシーン(150クリック前後)」をたくさんいれる(7~10回)か?
色んなコストやらを考えると、そのどちらかの選択を迫られるわけだが、ハーレムゲーはたいてい「たんさんのヒロイン」の「みじかめのエロシーン」を「それなりに入れる」という致命的な誤りを犯していることがおおい。

この点で今作は、基本的には「一体一のエロシーンを重視」して「3Pやハーレムエチは特定キャラと特定ルート」だけに限った作りをしているようには見える。
「前もって公表された3Pシナリオ(フィオ&セシリア)」とお約束のハーレムルートに複数プレイを集中させて、他のヒロインはなるべく一体一に限定するというのは、
ハーレムスキー以外のユーザーの前予測に準ずるという意味では良いと思うし、3Pやハーレムエチの数が少ない以上、もっとヒロインの個別エチも増えて良さそうなのだが……
やはり、このメーカーは肝心なところでズレていたのだった……

まずっすね。先ほどのレビューで書いたように「メインヒロイン」がもう7人もいるにも関わらず、この作品は桜かーさんだのいき遅れBBAだのシロクマロリだのサブヒロインを増やしちゃったんですよ。
んでとーぜん彼女たちのエロシーンも入れるわけでね。しかもこの点だけは「勘違い方向」気味でサービス精神旺盛でメインヒロインと同じくらいに3~5回も入れちゃってるの。BBAなんて要らないよ!
さらにもう一つ、こういうところがこの作品のアタマッおかしいなぁと言うか、明らかに「計算ミス」なところなんですけど、特に序盤当たりの「どーでもいいすぐに終わる未遂エロ」とかで、
無駄にエロCGやら回数を浪費しちゃっている。いや、何も僕はそんな姑じみた細かい粗探しは本当はしたくは無いんですけど、こう言う後先考えないエロシーン配分が何をもたらすかって言うと、
それは端的に「抜きゲー」を謳っているのにメインヒロインのエチシーンがたんねーじゃんっていう、ハーレムゲーではありがちな結果になるわけですよ!

えー、その点で特に「最悪」だったのが、パルルのエチシーンな。これの酷さをユーザーの皆さまにも理解して頂くために、今回は始めて挿入耐久力(クリック数)というものを発明してみました。
まぁこれは今回だけの余興であり、今後よほど酷い早漏れゲーにぶつからない限りやらないと思うので、わりとテキトー調査ですが、基本は挿入セックスシーンで、主人公がヒロインのあそこに突っ込んでから、
エロシーンが終わるまでのクリック数をカウントしたものであります。上の「エロシーンクリック数」と全く同じクリ数もありますが、それは主人公が始めから突っ込んでいるシーンってことでよろしく。
因みに今回も恋想リレーションの挿入耐久力を比較のために置いておく。

――☆らぶらぶプリンセス

マリー 1:158 2:85 3:82 4:116
アナ  1:116 2:107 3:78 4:156
澪   1:112 2:152 3:221  
フィオ 1:89 2:172 3:135 4:152
パルル 1:102 2:35 3:52 4:42


――☆恋想リレーション

唯華   1:314 2:258 3:582 4:326 5:316
由羽子  1:226 2:402 3:557 4:270 5:327


いや壮絶っすな。早漏れキングダムのハクオロ様に比べたら雑魚クラスだけど、今年の商業エロゲの早漏れランキングだったら結構イイ線逝くとは思いますよこの人。
エロシーンクリック数で言えば、他よりも「ちょっと短い程度」だけど、こうやって「射精耐久力」だけを比べると、こんな酷いエロシーンに遭遇した僕の怒張したティムポのやり切れなさ汁の敗北の臭いが想像できると思いますわ。
しかも何故かこのパルルルートだけ、主人公が変な抑制を持っていてのう。何時もだったら速攻でがっつく主人公なのに、このルートに入ると「パルルは子供だから」とか今さらなことを言い始めやがって、
まぁ一応「小悪魔エロが売り」とかOHPに書いてあったから、主人公を受けにしてパルルに責めさせようってノリにしたかったんだろうけど、そういう誘惑シチュとしてみても全くクソなエロテキストでしか無く、
ヒロインに主体的に誘惑させるんじゃなくて「フェラをしていたらマリーさんがやってきて」描写をしたあとはひたすらパルルのフェラ音だけが続き、マリーさんが言ったあとにすぐに主人公射精みたいな、
「エロ状況だけ書いてヒロインを全く能動的に喋らせない」ようなエロシーンしか書けないライターさんだから、いざヒロインと主人公が一体一でマンコとチンコが向き合う場面になると場が持たず早漏れするしかないって話ですなぁ。
もちろん、人の性癖はそれぞれなんで、そういう特定の挿入シーンが苦手なライターさんがいても良いみたいな話は僕も認めるとしても、だったら「挿入以外」のエロシーンでもっとウリになるエロテキストを書くべきであり、
そんなのが全くなくてしかも早漏れテキストと来たら、ユーザーはどこでオナニーすればいいんじゃあという怒りを込めて、たぶんエロ評価としては久しぶりの「Dマイナス」評価をつけさせて貰いますわ。

エチシーンの並びもコレと同じくらい最悪でしたねー。パルルは結構好きなキャラだっただけに、この「共通ルートで滾った性欲がものの見事に本編でスルーされる」エロ構成の邪悪さは以上。
本編のエチシーンが薄くて全く満足できないのに、いきなり「別人格しかもメガネver」のキャラを出すとか、いき遅れBBAサブヒロインを目立たせるとかあたまが狂ってるとしか言いようが無いわー。
はぁ?お前はエロゲで一回も抜いたことがあんのか? パルルのエロシーンで抜きたくても抜けないオレのティムポの落とし前をどうつけてくれんねん?って思わず似非関西弁で問い詰めるほどの酷い出来でして、
しかもシナリオがエロとは全く筋違いの方向に進んでイクから更に腹が立ちまくりですよ。そういうお話をしたいなら共通ルートの未遂エロで高めたユーザーのティムポをどうにかしてからヤッテ頂きたい!

アンジェルートはパルルよりもエロシーンテキストはまだマシなんだけども、エロシーン回数が圧倒的に足りない。「実はSだと思っていたけどM]のシチュエーションを描こうとしているんだけども、
この「だんだんMになっていく」っていうシチュエーションが中途半端で最後のエンディングの軽いエチシーンで完全にMになったオチなので、Mマゾ化したアンジェたんとHしようと思っていた僕としては不完全燃焼なのよ。
というかさ。この手のエチシーンを書く場合に、主人公に対する呼称が一貫しないつーのは大問題と僕は思うね。悪い意味で萌えゲのコスプレ系の影響受けすぎで、
コスプレ系エッチで最初は「ご主人様」となりきりHしていたのに、Hが進むにつれて感極まってベタ名前を呼んじゃうっていうのあるじゃん。僕はアレ苦手なんだが、まぁ純愛エチとしてはあり得る話である。
でもこの手の調教系Hっていうのは、ヒロインが「実は心の底ではご主人様なり王子様を求めていた」って言うところが最大のエロポイントなわけで、そこらへんの呼称が一貫しないのは全くデリカシーにかけると言わざるをえない。


ただ、パルルとアンジェリカ以外のヒロインのエロは、いろいろと細かい不満はあるものの、総じてそれなりにエロいとは言える。ただ、これもその半分近くは「シナリオとかエロテキスト云々」レベルの話では無く、
単に美麗エロCGの物理エロと声優さんのエロ演技ででチンポコぶん殴られているだけじゃないか?っていう気がするのはちょっとアレではあるんだけど。
まぁ今回のエロCGの出来は素晴らしかったですよ。エロ下着変更パチのクソ仕様は兎も角として、るぴ様とヨリさんのエロCGは先のエロ下着のおかげでいつも以上に着エロCGのエロさが際立っていたし、
イツキさんのCGはセシリアみたいな巨乳系はややバランスが崩れがちだったけども、フィオはヒロインの可愛いらしい表情とふっくらと丸まったひんぬーのボディラインが素敵でしたー。
せっかくこれだけ良いゲンガー陣を揃えているんだから、ヒロイン大量動員じゃなくて、いっそのこと1ゲンガー1キャラの3ヒロインメインでハーレムゲーとか作った方が良いんじゃ無いかと思うんですけどね。

個人的にエロCGだけで言えばいちばんよかったのは澪ちゃんだ。エロCGだけじゃなく立ち絵の和服を取り入れたような制服デザインとかも本当に素晴らしくて、
和服の方もエロゲだとたいてい淡色一辺倒で「地味」にしか思えないことが多いんだけど、これは桃色を基調にしながらも薄い文様を透き通るように一枚絵の中で見せることでじんわりとアクセサリー的な華やかエロを感じさせてくれる。
まぁエロ下着がバンソーコーっていうのは何かの間違いだとは思うし、制服エロもちゃんとしたのが無いのは残念であるけど、エロシーンの展開自体は「エッチが出来ないので自慰とかフェラとかで我慢」から、
Hができるようになったので、これからはちゃんとイチャラブエッチをするっていう王道展開であり、変に自慰にマニアックに拘っていないのは個人的にはアリでした。
「らぶらぶ」シリーズは前作から「ヒロインには個性的な性癖を」っていうエロ方向で行ってるようだけど、前にも書いたとおり、ヒロインの数が多くてエロシーンが削られると、
「マニアックシチュを展開しようにも最後までちゃんと書けない」ことが多いので、今回くらいに「結局はわりと普通の和姦に落ち着く」方がエロ安定するんだよねぇ。

そういう意味で1番エロ安定度が高いのはフィオちゃんですね。これはOHPにもちゃんと書かれていたことだけど、フィオちゃんは「正統派和姦エッチシーン」といっけん特徴なさげだけど、
僕の見たところ、この作品の中でいちばんちゃんとシナリオをエロに生かせていたと思う。フィオちゃんの日常的な行動(メイド姿でお掃除とか)がシナリオのなかでちゃんと描写されていて、
そういう行動がそのままメイド姿で御奉仕をしてくれるみたいなエロゲのお約束をきちんと踏まえているのが良いのですよ。始めにエロ性癖ありきではなくて、
ヒロインの生活や性格があって、そこから「こんなエッチをしてくれるといいなぁ」というのをエロ欲望にきちんと答えてくれるのが良いエロゲのエロシーンでありまする。
フィオちゃんの「基本的には控えめだけど、エロ知識だけは豊富なので時には大胆に迫る」って性格も、鈴宮まいさんの健気ロリボイスと嵌まっていて素晴らしい。
お兄ちゃんまたはご主人様に気持ち良いですか?じゃあもっと頑張りますね!と一生懸命まじめに御奉仕トーンで、そのままお兄ちゃんの気持ち良いですうぅとか、
あまりアヘアヘトーンを協調せずにピュアな健気ボイスのまま感じてくれるので、ロリヒロインの健気可愛さをそのままセックスでも味わいたい僕のような人間にはとっても満足できる内容でした。
セシリアのくっころせ系の姫騎士調教エロは、まぁ僕はオーク系のそれはあんま趣味じゃ無いんで評価の対象外ですけど、一通りの主人公による堕落仮定は踏んでいるんでまぁいいんじゃないですかねと。

ただシナリオとかエロの安定度を抜きにして、単体エロで1番破壊力が高いのはやっぱ「マリー&アナさん」と「アナ」のエロシーンでしょうかね。
此方はシナリオのところでも触れたように、シナリオ的には基本的にあまり評価できるものでは無くて、エロとしても「マリー&アナさん」の3P関係をシナリオ上では触れておきながら、
そのちゃんとした3Pは一回しかないっていうあんまりな感じはするんですが、その一回しか無い「マリー&アナさん」の雌犬奴隷ワンワンエッチが最高にエロいのですよ!
というかまぁ、この手の「首輪をつけたヒロインのご主人様エッチ」が性癖的に最高っていうのもあるんですが、スカイフィッシュ系はこの手のエチだけは何時もパーフェクト級だから切れないんだよなぁ。
最初はアナさんの変態エロ趣味に唆されて、真夜中の露出散歩エチに参加するご主人様主人公とマリーさんであったが、エチが進むなかマリーさんは雌犬役にどんどんはまっていき、
主人公のご主人様っぷりにも板についてきて、アナさんが最初に書いたシナリオを逸脱する羞恥行動をアナさんにも要求し、戸惑うアナさんを巧みなご主人様プレイでアナさんを屈服させ、
そこで始めてアナさんとマリーさんがが主人公を真のご主人様と認めて身も心も捧げるエッチとか、このシーンを見られただけで僕はこの作品をやって良かったとマジで思いましたね。
そしてアナさんのエッチは基本的に最初から最後までご主人様プレイなんですから、まぁシナリオ展開が「全くご主人様エロ」とは関係ないことを除けば、調教シチュスキーにはこれだけで良作モンでしょう!
マリーさんのほうも「恥辱H」とは言ってますが、基本的な流れはアナさんと一緒ですな。アナさんはわりと最初からノリノリ奴隷で、マリーさんは途中で自分を子ブタちゃんだと白状しちゃうタイプ。

っていうか、スカイフィッシュ系は、ヘンテコに捻ったラブコメディものじゃ無くて、そろそろちゃんとした調教エロゲを出した方が良いような気がするんだよなぁ。
版権の都合上難しいのかもしれないけど「ナチュラル」シリーズの続編みたいので、そこにハーレム要素をぶち込んで複数調教展開とかやったら結構受けるとは思うんですが。
そこでストーリーに凝りたきゃ、調教したヒロインを敵のヒロインと戦わせるみたいなバトル展開とかやれば、サブヒロインのエチも無理なく入れられるだろうし、、
まぁ別に最終的に調教ゲーに拘る必要も無いけども、ヒロインの萌えとエロ関係をベースに置いたようなシナリオの作品を作って欲しいものだなぁと思いましたさ。

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい1324回くらい参照されています。

このコメントは1人の方に投票されています。