OYOYOさんの「無法恥態 ~格闘美少女達の淫辱バトル~」の感想

白いほうのseal作品でした。よかったε-(´∀`*)。
抜きゲーをプレイしているとときどき思うのだが、私は「字で抜く」タイプだと思う。たとえば「絵で抜く」とか「声で抜く」というのそのままで、文字なしのCG集やボイスドラマで抜けちゃうやつ。「字で抜く」というのは、別に後背位セックスをしている人間の姿に由来する「色」の文字をみて興奮するとかそういう種類の変態さんではなく、エロ小説のイラストがないページでもシコシコできちゃうタイプである。「文で抜く」でも良い。もちろん各要素ののバランスで成り立っているにしても、どちらかといえばこれが好み、というのはあるだろう。私にとってはテキストの占めるウェイトが結構大きくて、文章が気に入らないとどうもダメ。途端に萎えてしまう。

若かりし頃は、Hシーンに突入するもエロテキストが気に入らないと自分でポチポチ文章を書いてそれで抜いたりしたこともあったのだが……今となっては厨二病患者も裸足で逃げ出すような黒歴史である。押入れのダンボールから、昔書いた脳内設定資料集が見つかっても顔が赤くなる程度で済むが、HDDの奥底から「使用済み」の自作エロテキストが出てきたら三回爆死してもなお足りない。そう思って数年前に全部バッサリ削除したのだが、同じようなことをしたことのある人は少なくないのではないだろうか。いや、きっとたくさんいるものと信じている。

それはさておき、本作はそういうタイプの私が絶賛する……とまではいかないにしても、まあ無理なく抜けるかなというくらいにはテキストがしっかりした作品だった。

一応外形的な情報を示しておくと、ダーク・凌辱系抜きゲーブランド・Devil-sealの41作品目。タイプミスではなく、ほんとうに41本目の作品である。しかも、ペースがおかしい。ブランド自体は2009年からあるが、2作目の発売は2011年の7月。そこからおよそ3年半で、40作品を作っている計算になる。粗製乱造と揶揄する向きもあるが、ここまで量産できるというのならそれはそれで凄い。一時は微妙な調教SLGを見かけたこともあったが、継続は力というやつなのか、最近はクオリティもそれなりに安定してきている。

エロゲー界の徳川家斉とでも言えばいいのか、スーパー多産主義のDevil-seal。だが、本作のような格闘少女モノというのは実はこれがはじめて。古くは『レッスルエンジェルス』のようなものからルネの『美脚エージェント・麗華』、クリムゾンの『女格闘家乱舞』、最近では5bitの『レッスルファイトガールズ』など、格闘家ものはメジャーではないにしてもそれなりに数があるし、春麗やかすみといった格ゲーヒロインたちのおかげか同人の方ではもう少し確かな地位を築いていることを思えば、少々意外だった。

舞台は日本最強の学生を決めるコロシアムと化している無法地帯・矛峰学園。メインヒロインは、その中で圧倒的な力によって君臨するプロレスの使い手・姫神響と、転校生の格闘少女、狂犬タイプの藤城菖蒲。あと、学園の秩序をいろいろな方法で守っている獅子堂千尋。大筋は響と菖蒲が戦い敗れた側が辱めを受けるという話だが、2人を影からつけねらう、かつて菖蒲を辱めた謎の男の存在が見え隠れし、ストーリーに大きく関わってくる。

EDは4種類。響と菖蒲がそれぞれ堕ちるEDと両堕ちED。そして大逆転のハッピーEDという具合。人死にが出たり、リョナ成分満載でズタボロになったりという感じはないが、Hシーンがヌルいかといわれるとそうでもなく、凌辱はきっちり仕上げてきている。ただしバックブリーカーやらパロスペシャルのようなプロレス技をかけながらHに突入……という展開があるので、人によっては笑ってしまうかもしれない。

さて、格闘少女という未知のジャンルへの船出だからなのかどうかはさておき、本作はスタッフがなかなか豪華だ。

まずCVは、メインキャラがひむろゆりさんと手塚りょうこさん。お二人ともLilithの『対魔忍アサギ』シリーズでメインキャラを演じている(ユキカゼとアスカ)、折り紙つきの実力派ひぎぃ系声優。更にサブキャラの花南さんも九尾の『VenusBlood』シリーズをはじめ多くの凌辱作品に出演していて実績は申し分がないし、『ユキカゼ2』ではメインキャラの静流に抜擢されている。これは期待するなというほうが無理だろう。

原画の神藤みけこ氏はLilith系やアトリエさくらあたりでのお仕事もあり、私の中では結構認知度が高い。絵柄が安定しているのに加え、構図や表情といったエロ要素に不満を感じたことがあまりないし、過去にDevil-sealから出た『くノ一葵、悪ニ堕チル』がかなり気に入っている(いまだにインストールしっぱなしだ)こともあって、割と安心して見ていられる。そしてさすがはSeal系列で、塗りのクオリティが高い。CGとしての完成度はかなり高く、期待以上の内容だった。

そして、シナリオライターはhatsu氏。あまり話題にはならないし代表作がどれというのも難しいのだが、『ド田舎ちゃんねる5』などソロで手がけた作品もあるし、『隠恋ぼ』や『LOあんぐる!!』、『かみぱに!』といったそれなりに知名度の高い作品にも多数参加している。なお、批評空間でデータを見ていただければわかる通り、ブランドもジャンルもばらばらな20作品ほどに関わっていて平均点の最低は55点(50点台は2本)。もちろん好みにあう/あわないはあるから点数だけで単純にシナリオの判断はできないにしても、基本的には大崩れしない安定感のあるライターである。

個人的な印象になるが、hatsu氏はストーリーよりもキャラクターを描くのが上手い。そしてキャラクターを描くのが上手いライターには、キャラが勝手に動いていくタイプと、散らばったイベントの総体からイメージを立ち上がりやすいタイプがいるが、氏は後者。1つ1つのイベントを読み進めていくうちにキャラが像を結び、後でイベントを見直すと腑に落ちる感じを与えてくれる。

ストーリーはありがちながら読ませるものがあるし、Hシーンの質もなかなか。テキストは読みやすく、展開やセリフにもそこまで大きな無理はない。というか、Hシーンになると心情描写がペラペラになって喘ぎ声だけでお茶を濁す作品も少なくない中、しっかりとセリフや心理も描いてくれるので盛り上がる。ただ、Hシーンに俯瞰テキストが入るのは邪魔だという人にはまったくあわないかもしれない。

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本来であれば排泄器官であるそこに、入口をこじ開けた肉芽が深々と突き刺さる。
「ぐ……くぁ……あが、かは……ッ」
暴力的な挿入を受けきれず、彼女の菊座がひくつく。
腰の裏側に、抗いきれない圧迫感がある。ともすれば、酸っぱいものが喉に込み上げそうになる。
「ひ、ひひひッ、ひぁ、あははははははッ! どうだい、ケツ穴の処女を奪われた感想は。感激して腰震わせることしかできませんってか? どうしようもなく卑猥な女だな、てめぇはよ!」
「ち、ちが……なに、とち狂ってやがる……。そんなところに、お、男のモノを、入れるなんて……」
「あ、知らねーの? こっちも立派な性感帯だぜ? つーか女なんて、開いてる穴全部、チンコ穴だっつの。結局、女は男を悦ばせることしかできねーんだ。てめーもそうだぜ、菖蒲ちゃん?」
改めて、藤城の腰にぞわりと走るものがあった。久々に名前で、しかもちゃん付けで呼ばれたこと。それが、赤子のように扱われた結果であること。その身を犯し、穢している男が、そこまで余裕をもって自分を扱っていること。
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たとえば上に引用したシーンだが、Hシーンの中で性感以外の感覚や感情をいれているし、同じ表現を繰り返さずに読みやすい文章になっている(抜きゲーで文章に引っかかると途端に「戻される」ので、ストレスのない文章というのは結構重要だと思う)。また「呼び方」で心が折れる様子などシーンの中にしっかりした起伏があるから単調になりづらく、シーンごとの差別化もしっかりしている。敗北したヒロインの屈辱的な様子や、それぞれの性格にあわせて「堕ち」の様子も変化をつけるなど、私的には満足のいく実用的な描写がされている。

……と、まあ理屈っぽい話をやろうと思えばできるのだが、発電運動中にはそんなことを考えているわけではないし、これ以上続けても無粋だろう。とりあえず上のようなタイプのテキストでいけるな、と思えば突撃しても玉砕は避けられるし、ちょっとピンとこないなという場合は回避推奨。わからない場合は……体験版がないので諦めてサイコロでも振るしかないか。

雰囲気的にはクリムゾン作品に近いように見えるかもしれないが、あちらが堕ちのプロセスに強烈なこだわりを見せるのに対して、本作はどちらかというと堕ちる前と堕ちた後のキャラ立てを丁寧に行い、そのギャップで勝負している感じがする。

不満点がその「違い」と直結していて、プロセスの部分があまり丁寧に描かれない。響のほうが顕著で、強さを残したまま淫乱堕ちするのは良いとしても過程がなく唐突な変化が訪れるせいで、どうにも盛り上がりに欠けた。また、堕ちきった後の描写が少ないことから、ヒロインたちへの凌辱に対する達成感や征服感がいまひとつ得られなかった。やはりこういう作品は、目に見えるかたちでやりきった感を得たい。

また、良くも悪くも教科書的で突き抜けたところがないのも気になる。バランスが良くオールマイティーに通用する要素を詰め込んでいるといえば聞こえはいいが、これが見せ場、というようなシーンがない。

抜きゲーをやっているとそれなりの確率で、自分が気に入ったかどうか、抜けたかどうかとは別に、やたら力が入っているなとかこのシーン楽しんで書いてるなとか、そういうのが伝わってくるシーンというのに出会うことがある。ライターさんの趣味と作品の傾向がマッチした結果なのか、プロ意識のあらわれなのかはわからないけれど、とにかくそういうシーンがあるとこちらとしても自分に新しい属性を目覚めさせてくれるのではないか、という楽しさがある。たとえるなら、お互いの「おかず」を持ち寄って交換するような感じというのだろうか。そういうのは、フルプライスだろうがロープライスだろうが無関係に入ってくる嬉しいサプライズで、ないからといって悪いとはいわないけれど、あったほうが嬉しいのは確かだ。

とはいえ既に述べたように、全体としては均整がとれていて穴が少ない。キャラも立っているし、この世界観を継続して次は世界の似たような学校同士が国際抗争する(今回のヒロインたちは日本代表で)フルプライスゲームを作るとか、そういうかたちで続きが出てくれないかな、と想像(妄想)を膨らませられる程度には楽しい作品だった。

もっとも、普段ならネタ的に盛り込まれていたであろう要素がことごとく話しの中に普通に溶けこんでしまっているせいで、「こんなまともな作品sealじゃない!」という末期seal病の方にはいささか物足りないかもしれないが。

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