xianxianさんの「帝都飛天大作戦」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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「この、頃帝都に流行るもの、怪人、鬼人、赤マント。決闘騒ぎにドッペンゲンゲル。『天狗じゃ、天狗の仕業じゃ』」。架空の帝都の街で、妖怪や人間の競争・協奏・狂想・狂騒ストーリー。
予約特典で、音楽の入ったデスクアクセサリー。早期予約でサイン色紙。ライアー会員特典で、追加ストーリーのアペンドディスク。

主人公は、帝都下町に生きる、普通の女の子・月山キトラ。ある日、偶然にも鬼と天狗のバトルを見たことから、天狗の伽藍の奴隷として、こき使われて事件に巻き込まれていくという物語。
話自体は一本道ですが、魔人・怪人がさまよう帝都を舞台にした物語で、雰囲気・キャラクターともにいいです。サクラ大戦ポサのある架空の帝都です。
乱歩の少年探偵団ネタや「帝都物語」ネタもあり、好みです。
1話目のキトラの変装とか、小林少年の有名なパロディでしょうし、「麗人M」なんて「電人M」のパロディではないかという気がします。
厨二病といわれれば、それまでですが、小学校の図書館に並べられていた、あのこけおどしともいえる乱歩作品のタイトルに”ワクワク”した感じを思いだせてもらいました。
できれば、続編でて、「鉄人28号」がアイデアの元になったといわれる「青銅の魔人」とか「妖怪博士」「地獄の道化師」なんて怪物や怪人あたりも登場させてほしいです。
芥川や宮沢賢治のネタがチラと登場して、過去の帝都という雰囲気つくりに一役かわせているものうまい使い方です。
PBMやTRPGなどで、自分も帝都に生きるキャラとして参加してみたいと思いました。
物語は一応の決着はつきますが、FCのアペンドはエンド後の話のようで、怪しの帝都を舞台にした物語として、拡げていける余地が大きく、続編やスピンオフも期待したいです。

また過去作品に出ていた道具も登場していて、過去作品との繋がりを感じ取れたのもよかったです。
「紅殻」ではもう古くなって消えゆく駄菓子や玩具が、新時代になって現れた胡散臭いものとして登場して、
過去作では衰えゆくものとしての雰囲気を作っていたものと同じものが、今作では活力ある雰囲気を作るものになっていた作りが興味深かったです。
消え行くものや駆逐されるものではなく、怪と人が同じ世界にいて、活力ある様子は魅力的でした。
ちょっとネタばれになりますが、この世界では関東大震災の被害がなかった世界です。
それは、人の文明だけに偏ったとかではなく、古いものと共存したからのバランスのよさが、災厄を防いだとも考えることが出来て、作り手の意識の現われかなと思ってしまいました。

希さん単独で書いていないことで不満の声もありますが、個人的には、そのせいか、読みやすくなっていたので、これはこれでいいんじゃないかと思います。
強烈なお酒をストレートで飲むときついので、カクテルにしてくれたほうが飲みやすいみたいなもんです。
希さん味を薄めたせいか、キャラ物としてもかなり楽しめる要素が強くなったと思います。
「食戟のソーマ」で、「スペシャルな料理には、料理人の『顔』が見える」というせりふが最近出ていましたが、そのへんです。
それこそ、審査員で品評でもあるるなら、スペシャルな料理でないといけませんが、ただ”ワクワク”楽しむだけの娯楽に、そこまでの作品性がはたして必要かどうかというところもあります。
娯楽大衆性と作品性のどちらを重視するかで、答えの出せないところです。
個人的には、これはアニメ向きだと思う作品なのでもっと注目されて、人気出て欲しいです。

(付録)
「鑑賞 スチール/70枚」「鑑賞 情景(シーン感想)/11(瑞城/2,キトラ/5,麗人M/3,鈴鹿/1)」
「鑑賞 劇伴(音楽鑑賞)6曲」、FC特典「外伝短編『帝都飛天閑話』」

(キャラクター)
どのキャラクターも魅力的でいいです。
傲慢な俺様キャラの伽藍が、ヒロインのキトラと時間をすごすうちに関係が変化し、デレていく姿がよかったです。
自分の恋心を自覚して、デレてからの愛の言葉をストレートにぶつけてくる姿は圧巻です。
人間に化けている時は短髪ですが、本性を露にすると長髪になり、短髪・長髪それぞれでのベッドシーンがあって、伽藍の魅力が倍増する一枚絵が素敵でした。
短髪時のスーツ姿が、「PARA-SOL」の主人公と似ていたデザインで、かっこいい主人公の姿として好きなデザインだったので、この偶然は個人的にはちょっとうれしかったです。
悪役である悪路一味も悪役ならではの魅力がありました。鬼なのに人間くさい弱さと潔癖さを備えた人首丸や
人の倫理から外れた大獄丸や鈴鹿も、「るろ剣」の志々雄や由美のような魅力がありました。
魅力あふれるキャラたちだっただけに一作で終わらずに、続編出てほしいです。

(音声)
効果音声でフルボイスじゃないのが残念でした。伽藍や悪路はもっとセリフをしゃべって欲しかったです。
特に終盤で、伽藍がキトラへの恋心を自覚してからの直球の愛の言葉や、大獄丸たちのかっこいいやりとりは声ほしかったです。
そのあたり今回BGMの少なさとセットで予算が厳しかったのかという感じがしてしまいました。

個人的には、緊急時の場面での声優さんの早口と呪言が少し気になりました。
私は、緊急時の場面でも、「役」の存在感を出すために、はっきりとしたしゃべりのほうがいいと思うのですが、
緊急の場面では臨場感を出すために早口がいいという考えもあるので、方向性の違いでしかないです。
また呪言も、私は「気合」と思うので、力強さの言での圧倒と思うのですが、淡々と感情がこもらないブレのない喋りが呪いにふさわしい話し方というのもあるので、これも方向性の違いです。

(音楽)
Ritaさんの歌「厭穢欣浄」があいかわらず変な民族ぽさがあり、独特でいいです。
は、間違っているかもしれませんが、「潰えぬ命こそ、奉ずるにはあたらなし」でしょうか?
BGMが少ないので不満ですが、モダンな帝都という雰囲気はでています。

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