gurasさんの「佐倉ユウナの上京」の感想

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なんといっても無料。ってだけじゃない。高い次元で融合したテキストと音楽とイラストと演出。荒削りながらも魅力のあるテキスト。しんみりのノスタルジーに浸れる音楽、イラスト、演出。社会に出てから壁にぶつかり「大学時代のあの頃にもっと頑張っていれば……」などと考えてしまいがちな人にオススメです。私がプレイしたのはノベルスフィア版でしたがスマホ版もあります。人生の岐路に立ち迷う若者達。そんな眩く眩しい彼達の精神活動。とても興味深く読ませていただきました。
初プレイした時はセーブもまともにできずに「これ大丈夫か?まあ無料だし春は3時間ほどで終わるそうだし一気読みするか」などと思っていたのですが(現在は修正されセーブもできるようになっていますので安心してください)、読むうちにぐいぐいと世界に引き込まれて夢中になって読み進めてしまった。さりげない演出と読書を邪魔しないノスタルジーな音楽、そしてちょっと古くさいけど安心できるグラフィック。それらがとても魅力的で、あっという間にハマってしまった。今の主流である「萌え」やらとはまったく別方向からのアプローチをしていてとても新鮮でした。最初の方はもう恋愛のれの字も見えないくらいにユウナの活躍は少なく、男友達達とイチャコラする主人公を眺める事になるのですが、その友情の帰結は感動しました。ただのリア充じゃねーか!などとも思ってしまうほどに。

春はそれこそ「そこまで面白くない」という感想だった。正直いうほど面白く感じなかった。連作の導入部なのですがあまりにも掴みが弱い。しかしそれはスロースターターな物語だったというだけだった。夏になり少しずつ物語が動きだし、秋になり転機を迎える。そして冬。物語はこうして完結する。ぜひ読み始めた方は夏までは読んでみて欲しい。アニメを3話まで見てから判断するのと同じ仕様。物語の盛り上がりは夏以降になる。

主人公の鷹司は若者ならでは葛藤を持ち様々な事に疲れ初めていた。道に迷い自問自答する日々。そんなの皆が一緒で皆が迷いそして選びとる。将来になりたい仕事。大好きな星空。そんな迷いの中で鷹司は仲間達に囲まれ除々に成長していく。
そんな中、実にマイペースなヒロインのユウナ。最後まで実にプラトニックな恋愛模様。そんなところにもやきもきしながら楽しく読ませていただきました。

シナリオとテキストは一言でいうと「荒削り」。良いところも悪いところもあるのだけど「魅力的なテキスト」と表現するのが一番しっくりくる。助長さなんてまるで無くてとてもシンプルなテキストなのですが「荒削り」ならではのとても魅力のある特徴のあるテキスト。これはクセになりますね。超水道さんの他の作品にも手を出したくなってしまいました。

覚醒鷹司くんは格好良いと思うよ。こういう「実はアツイところがある」というのは実に格好いい。変に格好付けてきどってるよりもそういう生々しい若々しいパワーに私などは嫉妬を覚えてしまうのだ。人生には様々な壁があって、皆迷い、皆苦しんで、そのような中でも頑張って生きている。生きるということは迷いの連続だ。それでも前に進むしかない。

これは若者向けのティーンズノベルというよりは、ある程度歳をとったあとに昔を懐かしみながら読むタイプのノベルゲームだと思います。だってこれ共感できるのってきっと30越えてからだもの。大学時代の現役の頃にこんなに冷静に人生見つめなおしたりなんて絶対できない。できる人はほんの一握りだと思う。人生の岐路に立たされたときに、そっとその背中を押してくれる。そんなとてもやさしい物語。私もつい先日にそういう岐路があったばかりなので、最後にははらはらと涙を流してしまった。若いっていうのはそれだけでかけがえの無い宝だと思う。だからこそしっかりと生きしっかりと前に進もう。そんな作品です。

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