boningenさんの「すみれ」の感想

92すみれ
素晴らしいの一言。最後の展開は多少駆け足気味だが、それまでの過程が丁寧に描写されており、物語に強く引き込まれていく感覚を味わうことができる。
ねこねこソフト作品は銀色、Scarlett、ルリのかさねのみプレイ済み。
流石に銀色を超えるほどではなかったが、他二つと比較しても甲乙つけ難い程に素晴らしい作品だった。


シナリオ総量としては多少短めだが、精神的に重いと感じる展開が続くため短さを不満に思うことはない。
続きが気になる怒涛の展開というわけではないが、それぞれの登場人物が内包する闇とそれに対する葛藤がとてもよく描写されているため、強く物語りに引き込まれ読み進めることを止められなかった。
主人公が社会人なので感情移入しやすいというのも要因の一つ。営業職を経験したことがあるならば、より共感することが出来るだろう。

日常会話ではコメディ要素が散りばめられており、これが意外と面白い。シリアスな場面との対比が丁度良い塩梅となっている。
特にお気に入りなのは主人公が妹に吹き込む9割以上デタラメないもうと豆知識。これは別の意味で酷い。


本作品は15周年ということでファンサービスの一面もあり、過去作品の人物が登場するifストーリーが存在するが、物語の本筋には一切関係しないものなので、過去作品をプレイしたことのない人でも気にする必要はない。
また本作品では物語に同ブランド過去作品である「みずいろ」の日和ルートが関わってくるため、日和ルートのみが実装されている。
これは選択肢によってスキップすることが可能であり、仮に未プレイの方がスキップをしたとしても問題の無い作りとなっている。
シナリオ総量で多少短いと評したのは「みずいろ」とifストーリーを除外しているためであり、これを加算するならば長めの部類となるだろう。


システムは最低限の機能は実装されている。
足りない部分は以下に記す。
・解像度を変更せずに全画面化するのは良いが強制で最前面となってしまう
・マスター音量調整
・ムービー音量調整
特にムービー音量は致命的で、私のようにPC音量が大きめに設定されていて作品毎にゲーム内設定で音量を絞るようにしている場合、OP映像で突然大音量が流れ出し非常に耳に悪い。
なので音量調整をする場合はPC側の音量ミキサーで音量を下げた後にゲーム内設定で調整という流れになるだろう。
ムービー音量の項目がない場合はBGM音量がその機能を兼任している事が多いため油断していた。
ねこねこソフトはバグが多いことでも有名な為、バグの可能性が高い。

例:「みずいろ」ではアンインストールの際に保存先によってはHDD自体が初期化されてしまうという深刻なバグが存在していた。

本作品では深刻ではないが、テキストの表示されるウインドウが表示されず黒帯となってしまうバグが存在する。
設定にてウインドウの透明度を変更すると本来のウインドウが表示されるが、場面転換すると黒帯に戻ってしまうというもの。
あまり見られない種類のバグであり、ほぼ影響がないことから気づかれることなく作品を終える方も多いのではないだろうか。
私自身ウインドウの透明度を変更する事は稀な為、気付いたのはこの感想を書いている最中でした。


音楽はかなりの高水準。
元々ねこねこ作品には素晴らしい曲が多いので期待していたが、予想以上の出来でした。

お気に入り音楽は
・「Sleeping Pretend」…これはオープニング曲であり、起動後最初に流れ出すTOP画面BGMでもある。正に「すみれ」を象徴するともいえる音楽である。最も気に入っている曲。
・「ピアノ」…古き良き昭和時代の雰囲気が強く感じられる曲調の名曲。元は2010年発売のアルバムに収録されていた曲だが「すみれ」ともよく合っている。

お気に入りBGMは
・「つぼみ」
・「雨のマージナル」…ナルキッソス オリジナルサウンドトラックスに収録されている同名の曲とは全く別のものだが、私はこちらの方が好き。
・「6月の雨」



総評としてはねこねこソフトらしさを十二分に堪能することの出来る素晴らしい名作。
ねこねこソフトは初めてという方にもお勧めすることが出来る。

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