armchairさんの「パコられ」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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都合の良すぎる(あるいは悪すぎる)展開が続く……という部分だけを抽出すると駄作になるかもしれないが、そうは感じなかったのは少女のモノローグの迫力によるものか、あるいはそれらを超越したままならなさによるものか。突き刺す言葉の数々が引きつけてやまず、難解な――というよりは事実を確定するのに必要な情報が用意されてないような気のする――結末におぞましい想像を膨らませられる怪作。
紹介だけを見ると「輝かしい青春の日々が、理不尽な暴力に壊されていく」ようなものを想像したが、実のところは彼らを迎える青春は、ささいな救いはあろうとも端から暗澹たるものであって、むしろ「暗い青春の日々が、暴力によって美化されていく」面すらある。

そして本編は、そこをやり過ごした者と、そこから転げ落ちた者との対比であった。

よもやこういった作風で「切り捨てなければ、僕も一緒に潰される」という言葉、そしてそれが肯定される結末に出くわすとは思わなかったが、この対比のもとで述べられてはなおさら強烈なものがある。
間違いなく主人公と同じ方角に立って、離れた場所から憐憫を垂れつつ「現実にいたら絶対相手にするのは無理だな」などと呑気に考えていた僕は、この結末に平伏するしかない。

結末において、事情は明かされているようで実のところあまりはっきりしない。
たとえば紗倉と同じ姿同じ声をした樹里の――ある意味で無責任かもしれない――正しい言葉は果たして誰の言葉であろうか。誰の発言かによって、その言葉の重みは変わってこようものである。
確定させるほどの情報は見つからない気がするが、反面、想像のとっかかり自体は多い。
個人的には、手紙が二往復したのにも関わらず「住所を知らない」という主人公の事情を出発点にして想像するのが一番恐ろしかったりするのだが。

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