えびさんの「新世黙示録 -Death March-」の感想

絵19+文10+音20+他08 2014年を代表するクソゲーと言っても過言ではないが、一応の完結とそれなりのクオリティによって、2014年最強のクソゲー足り得ないという、良作としてもクソゲーとしても物足りない作品。単純な面白く無さがたっぷり詰まった、正統派なクソゲーである。
*映像面・・・
CGについては、立ち絵は、人丸絵の良さが感じられ、なかなか好印象。
一枚絵は、若干のバラ付きが感じられるが、特別に悪いということもない。
例によって、淡白な色指定の割に陰影の彩色が濃いXuseの塗りは、好き嫌いが別れそ
うではあるが、今回はいくらか暗色が柔らかめになっている。

RPGパートは3Dによるフィールド移動とバトルパートで表現される。
フィールドはそれなりに作りこまれているが、迷路的要素があるのは、実質的にいく
つかのマップのみ。
それ以外は、右の出口を選んでも、左の出口を選んでも次のマップやイベントへ移動
できる。
バトルパートでの敵のモデリングは、なかなか凝っているのだが、バトル開始時に画
面のパンと、敵攻撃時のズームがあるくらいで、カメラワークによる演出がない。
せっかくの3Dが活かされていない。

端的に言えば、「悪くないのだが、ショボい映像」という言葉で表現できるだろう。


*シナリオ・・・
学園の帰り道に不審者に遭遇する。
帰宅。
ママンにチーズ買ってきてと言われる。
エレベータに乗ると怪我したおっさんが意味深なことを言ってくる。
自転車置き場に行くと、つい先程まで乗っていた主人公の自転車だけ、タイヤが何者
かに切り裂かれパンクしている。
「危ないから家に戻ってろ!」
「ダメ! お兄ぃひとりの方があぶないよ!」
「……あー、もうわかったから好きにしろ! でも絶対僕から離れるなよ?」
「うん!」
「!? 怪しい物音が! 通り魔だな! 犯人はボクが捕まえてやるぞー!」
と、妹を放り出して走りだすお兄ちゃん。
ふと気づくと、妹がいない。
「しまった、僕のバカ! 僕のバカ!」
と、自分を責めるお兄ちゃん。
幸いにも、妹は近くで無事だった。
「やっぱり、僕は未熟だ……」

うん、そうですね。

その後も、「危ないからやめておけ」と判りやすい説明ゼリフのヒントを投げかけて
くれる妹を無視することで、バッドエンド直行する選択肢遊びを繰り返し、チーズ購
入イベントが終わる。
このチーズ購入イベントは、その絶壁とも言えるリスクとリターンの格差によって、
シュールとすら感じられる緊迫感を生み出しており、某所にて『チーズ』と言う愛称
を獲得した迷シーンである。


シナリオは終始そういった、シュールでかっ飛んだイベントをぶつ切りに見せつけつ
つ、かなり無理のある展開でエロを放り込んでくる。
確かに、妄想夢オチエロや、毒気に当てられ淫乱化して処女喪失など、ファンタジー
系のストーリーでは定番といえば定番だろう。
しかし、元々、エロシーンの無かったシナリオに対し、一定間隔毎にエロシーンを差
し込んでいく中での、下手な辻褄合わせが隠し切れていない。
これは、なんというか、古いテレビドラマの合成画像を見た時のような、残念さが味
わえる。


かなりグタグタではあるが、全体的な物語の構造としては面白い部分もある。
史音の一途さなどは、特にそういった部分なのだが、それを見せたいなら、いらない
キャラを悪目立ちさせず、もっと史音を中心に描くべきだろう。


なお、OHPなどのライター表記は、鈴木一也単独のように書かれているが、エンドク
レジットを信じれば、あと三名参加している。
慣れないエロシーンなどのヘルプと予想すれば、素直に納得できるのだが、そのよう
に納得したとしても、非エロシーンのシナリオも相応に残念な為、某怒りの庭のよう
な糾弾の声が上がるはずもない。


*音楽/声優・・・
楽曲はフリー音源サイトとして有名な魔王魂の森田交一が、昨年立ち上げたジョーカ
ーサウンズによるもの。
既に魔王魂としてロックサウンドには定評があり、バトルパートなどの楽曲には確か
なものがあって、OP曲ED曲もなかなか聴かせる。

声優陣は、香澄りょう、櫻井ありす、shizuku、白月かなめ、歩サラと、ここ数年で
名前の目立ってきたキャストをチョイス。
しかし、取り立てて耳に残る部分が少なく、これはこのシナリオでは仕方ない。


*ゲームパート・・・
正直、語るのも辛い。
ゲームデザイン高瀬奈緒文の名が泣いている。
というか、一部の噂話を信じれば、実質的に高瀬奈緒文は、ほとんど制作に携わって
いない様子。
永遠神剣シリーズファンなら、その噂に縋りたくなるようなゲームの出来だろう。

攻撃も防御も攻撃魔法も補助魔法も、すべて剣のみで実装するゲームデザイン。
剣には、三竦みの属性があり、それぞれ敵にも同様の属性があるため、有効打を与え
る強属性による攻撃と、敵属性に合わせた同一属性による防御がカギを握る。
しかし、これも装備する剣の効果でもあるのだが、戦闘後、自動回復があるため、防
御は各属性に適度にバランスよく配分しておけば良い。
攻撃武器選びには、回数攻撃や範囲攻撃のある武器を優先していれば間違いない。
剣は、剣を食わせて、強化・上位レベルの剣を生成するという仕組みのため、適当に
雑魚を倒しての素材用の剣集めをし、ひたすら合体させていくというゲームデザイン
になっている。
と、まるで安っぽいブラウザゲームを思わせ、『アセリア』や『聖なるかな』のよう
な、戦略性はない。
いっその事、剣が可愛い擬人化キャラなら、受けたのではないか。

また、このゲームに関し、他のレビュー等で、高エンカウント率も指摘されている。
例えば、エンカウント率の処理をどのようなルーチンで行うかというと、歩数によっ
て増加する閾値と乱数との比較というのが、昔からあるようだ。
 乱数値 Rand 1~256ポイント
 歩数による閾値 Walk 1ポイント/歩(下限値0)
 エンカウント条件 Rand <= Walk
この例で行くと、歩けば歩くほどエンカウントする確率が上がるのだが、戦闘後の第
一歩目のエンカウント率は、1/256となる。
しかし、このゲーム場合、一歩目のエンカウント率が異常に高く、三連続、四連続と
いうのが、結構な頻度で発生する。
どう考えても、乱数の指定がおかしいか、歩数閾値の下限値が高すぎるといった、傾
向が見て取れる。
もっとも、まったく異なるルーチンによる判定なのかもしれないが、バランス調整に
失敗していることは間違いない。

唯一の救いは、雑魚だろうがボスだろうが、一瞬で戦闘が終了する、高速スキップが
用意されている事だろう。
バトル中Ctrl押下でバトルのスピードが高速化出来るが、AutoボタンをCtrlを押下し
ながらクリックすると、高速化ではなく本当に一瞬でリザルトか、敗戦ゲームオーバ
ーに行き着くという仕様になっている。

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