TASCAMさんの「蒼の彼方のフォーリズム」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

メインディッシュ楽しみにフルコース頼んだら、前菜からおいしくて「やばい、メインディッシュ期待過ぎる!」と思いながら食べてたらデザートが出てきて困惑する感じ。「おいおい」と言いたいが料理はそこそこうまかったので微妙に文句もいい辛いから困る。そんな作品。
なんかあっちこっちに弾頭が打ち込まれた焼け野原みたいになってたから、感想書くの止めようかとも思いましたが、結構楽しみにしてた作品なので頑張って書いてみます(4ヶ月ぶり2回目)

さて大まかな物量ですが

(差分含まず)
フルカラー 93枚
SD     22枚
セピア   36枚
合計   151枚

プレイ時間は24~25時間程度(±3時間)

シーン数
明日香 2
みさき 3
真白  2
莉佳  2

シーン数は少なめですが、1シーンが結構長いのと、後半のエロラッシュはこの手の作品だと萎えるので個人的には充分。まぁ、エロというかイチャラブエロみたいな感じなので、ソッチもとめてコレ買う人もいないでしょうが、濃いエロとか期待しないで下さいね。

BGMはサウンドモードが見当たらないので正確な数値は分かりませんが、歌楽曲はOP、挿入歌、キャラ毎エンディングと豊富です。インストのクオリティも高く、曲が足りないと感じる部分は無かったですね。欲しいところできちんとボーカルが流れるし、全く不満は無いです。


さて、作品ですが、まさに【王道】でした。構成も・・・。

明日香・・・空と出合った天才少女のお話
みさき・・・天才少女に立ち向かう才能ある少女のお話
真白 ・・・天才でもない才能も無い普通の少女が頑張るお話【癒し萌え担当】
莉佳 ・・・融通の利かない女の子が自分の殻を破る話。

と多方面から話を進める感じで、豊富なサブキャラクターも話に一花添えており、途中気持ち中だるみする部分はあるものの、おおむね最後まで読み進められる感じです。莉佳は外伝みたいなかんじですが、基本、各ルートも互いに交流するので違う立場でヒロインをみられるのも面白いですね。

飽きが来ないよう、しっかり構成を考えて作られてると思います。

フライングサーカスの設定も練りこまれており、見た目の華やかさもあいまってとても良いです。空を飛んで戦うと言う設定自体は多いですが、同種の中でも頭一つ抜けてる感じです。

逆に言うと【王道】過ぎて奇をてらう部分は殆ど無かったので、新鮮味は薄いです。基本暖かい世界なんで悪人は殆どいません。いても改心します。そこはご了承を。

あと、このライター(ふぁっきんさん)さんの作品、私、好きなんですが・・・やっぱり恋愛物は、あまり得意じゃない気もするwどうにも入り込む前に「好き・・・」と来てしまって、こっちの気分がそこまで準備できてない(^^;見せ方の問題なんだろうなと思うものの、展開や話は面白いんだけどそれからヒロインへの好きにつながっていかないというかなんというか。「俺は・・・〇〇が好きだ」と来た時、大体、私の感想は「え?・・・何でここで?」だった気がする。

キャラの第一印象は

明日香 = 莉佳 > 真白 > みさき

面白かった話

みさき >>> 真白 > 明日香 = 莉佳

どうしてこうなったという感じです(笑)

絵良し、音良し、構成良し。・・・なのに、どうしてこうなったんだろうと仕事しながら(ぉ)ちょろちょろ考えてみたのですが、結論としては、主軸のブレが酷すぎたんだろうなぁという考えに落ち着きました。


明日香ルートを一例に上げてみると

主人公はかつて天才だったのに、とある才能のある素人に負けて、ソコまでに色々な重圧が重なっていた事もあり精神が折れます。この経験で、少なくとも努力は才能に負けるという意識になるはずです。

第6章で乾が圧倒的な試合を見せ恐怖する中、明日香が「楽しい!ドキドキ!」みたいな感想を呟き、恐怖を覚えます。

「なんなんだこいつは・・・」

ここまでは正直面白い展開だった。主人公の立場なら明日香に恐怖というか嫌悪感すら抱くでしょう。

が個別に入ると、そんなことは忘れたかのように感動のストーリが展開されていきます。主人公のトラウマ軽っ!です。でも、そのトラウマで飛びたいのに飛べないんですよね。主人公。どっちやねん。という話です。

傷が癒えてきてるならきてるでいいんですよ。だったら飛べや!もう飛ぶのに興味が無い。この才能ある少女に羽を与えたいなら与えたいでいいんですよ。だったら、いちいち「そろそろ飛ぶよ~飛んじゃうよ~飛びたいよ~」みたいな思わせぶりな演出をこれでもかと出すな。バランサー解除したみたいにぶれぶれですわ。

その点、みさきルートが一番しっくり来た。特に主人公の「俺を助けてくれ、みさき」ってあたりはとても面白かった。その後の展開も天才に努力で立ち向かう熱血ストーリーのお手本みたいで良かったです。

ただこのルートでも、多分驚かせたかったんだとは思いますが、とある伏線をみさきに繋げてしまったせいで、今度は乾がよくわからん存在になってしまった。このルートではラスボスですらないので【ただFCが強いだけの人】まで落っこちてしまい、明日香ルートの盛り上がらなさに拍車がかかります。

そして、この先品で最大の不完全燃焼は・・・。


【結局主人公自信が戦うシーンは殆ど無い】


コレに尽きる。


構成のところで、あえて〇〇と【主人公】の話と書かずに少女しか書きませんでしたが、だってそうなんだもん。主人公は交流で少しずつ癒されると言うか立ち直るんで、物語的には主人公と入れられない。別に主人公は空気でも無いし魅力的だし、しっかり頑張ってるし、好きな主人公ですよ。

ただ一番見たかったシーンはソレじゃないんだよ。

まぁ、こう書いちゃうと、出てくる反論はもう手に取るように分かるんですけど(苦笑)それでもこの作品は
自分にとっては不完全燃焼だったとしか言えないんで、あえて書く。

確かにね「これはそういう作品ではない」というのもありますよ。でもね、この作品は、そこかしこで主人公の
トラウマをバンバン出して、合宿でもこっそり飛んでたり、主人公も「実は飛びたいんだ!」って伏線貼りまくって復活の予兆を巡らせて。

挙句に明日香ルートで、イリーナとの会話のシーンですよ。

「ついに・・・ついにきたのか・・・!」

と、そりゃ期待しましたよ。おじさん胸熱のwktk展開が!!!!ってね。


で、これですよ。


「ねーわ」ってなりますでしょ。


主人公が一歩引いて支えるという良作品もありますよ。でもそういう作品って、プレイ中に「あぁ、そうなんだな」と思える時があるんですよ。「あぁ、そういう作品なんだな」って。少なくともこの作品はそう思えなかったですね。「いつくるんだ・・・!」ってずっとずっと期待が膨らんでくる作りでしたし。

ユーザーがそう期待する作りになってて、最後に「そういう作品じゃありませ~ん」とか言われても、困る。

そういうのを世間では【期待はずれ】と言うんです。

まぁ、最近は主人公が活躍すると

「流石お兄様です!」
「なかなかできるもんじゃないよ」

とか言われちゃうんで、難しいところではあるんでしょうが。

別に活躍しなくてもいい。泥臭くあがくシーンだけでもを見せていただきたかったですね。昌也君には。それなりにクオリティは高い作品だっただけに、心の底から残念です。ぱっと出が天才の一言で勝つのは問題なくて、努力を積み重ねた天才がブランク後に活躍すると「スポーツなめてる、ブランクはうんぬんかんぬん」とかいわれてしまうのも滑稽な事ではありますがねぇ。


そしてトドメを刺す事になる、エロシーン1回よりも短い謎のファイナルルートです。一応、誰とも結ばれない
パラレルルート扱いになるんでしょうか。

ここで、主人公の秘めた思いが明かされ、別れと共に爽やかな、そしてちょっとほろ苦い感動の余韻エンドとなります。もともとゲーム中「これって、主人公と葵の話だよな・・・」と思ってしまうぐらい頻繁に差し込まれる回想とあいまって・・・。

「結局、どこに主軸をおいた話なんだよ、明日香カマセじゃないかクソワロ」

という感想と共に筆をおくことになるのです。



総評

絵良し、音良し、構成も良し。全てが79点と言ってもいいぐらいクオリティは高いが、全てが79点なので特出する部分も無い。やっぱり全部平均点よりも、どれか一つ高い点数を出す作品の方が、娯楽としてみれば面白いね。しみじみ思いました。

自分は文才も無いし、ゲームはあくまで娯楽として楽しめたかどうかが全てな人なので、文学的な批評は専門の人にお任せしたいと思います。まる。

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