マルセルさんの「MeltyMoment -メルティモーメント-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

HOOKまたはその系列は、だいたい2年前くらいから今までの紙芝居ゲーの基本を押さえつつも、例えばPITとか本編と並行して語られる2ch風空間を作ってみたり、また主人公の方から積極的にヒロインに近づく物語を語るべく、積極的な選択肢をメインにした作品を作ったりと、紙芝居ゲーの「小改良」によって今までの作品では語りにくかった空間なり物語に子供チャレンジしているわけだが、この作品は良くも悪くも「小改良だけじゃ済まされねぇ」レベルにまで踏み込んでしまっているように思える。「時間差MAP移動」という「ヒロインの一日の行動がMAP上で示される」形式を使って、HOOKお得意の日常描写を強化しようとしているのだが、それがある意味上手く逝きすぎた為に、既存の「共通シナリオ」とのバランスが崩れてしまっている。まぁ他部分はいつものまったりHOOKで良いのだが、幼馴染みの新たな一面にドキリとさせられる作品でもある。
・総CG枚数(差分無し)95枚 総回想数25枠

・キャラ別CG(エロCG)&回想数

夕花  17枚 (8) 4回
すみれ 17枚(9) 4回 
操   18枚(8) 4回 
菜月 17枚(8) 6回
葵   17枚(8) 4回
その他 9枚 (6) 3回

(備考:その他の内訳は「鏡水」「千恵美」「由愛」各CG3枚ずつとエチシーン1回づつ)

簡単な説明:クリック数つーのは、既読スキップオン+テキスト速度ノーウェイト環境下で計った、ゲーム開始時から作品を終えるまで各シナリオ毎のクリックの合計回数のこと。

(1)初回プレイ時の「共通」+「個別」のシナリオの総容量が分かる
(2)2周目以降の、共通シナリオを除いた個別シナリオの総容量が分かる。

(ゆえに、一周目のヒロインルートはクリ数が多く、二周目以降はたぶん半減するが、一周目の「個別ルート」が他よりも長いというわけではないので注意)

(3)エロテキストのクリ数と。それを含んだ全シナリオのクリ数を比較すれば、両者の割合もある程度はわかる。
(4)テキスト速度の環境さえ同じなら、プレイ時間と違ってユーザーによる計測誤差は少ない。

といった四点が指標として役に立つとバッチャが言っていたような気がしないでもない。

(5)BCは主人公とヒロインが恋人になる前までのクリック数で、ACは恋人になったあとのクリック数ね。
「その恋人になった「まえ/あと」ってどう定義するの?というのはなかなかにむずかしい話であるが、大抵のエロゲには告白CGなるものがありますからそこを基準にします
そういうCGがなかったり、なんかズルズルだらしない感じでずっこんばっこんなシナリオの場合は、まぁ僕がテキトーに判断しますが、その場合は「?AC6992」みたいに?をつけまつ。
そういや「誰とも付き合わないシナリオ」っていうのもあらわな。そう言う場合は特にACとかBCとかは書きません。

1周目 操    「19239」 (共通ルート込み)BC13025 AC6214
2周目 菜月   「9344」  BC3109 AC6214
3周目 葵    「8469」  BC3125 AC5344
4周目 すみれ  「7980」  BC3025 AC4955
5周目 夕花   「7431」  BC2769 AC4662

(備考:)

・各キャラのHシーンのクリック数

操   1:412 2:418 3:406 4:335 
菜月  1:368 2:297 3:305 4:462 5:339 6:407
葵   1:374 2:398 3:338 4:386
すみれ 1:386 2:375 3:349 4:325
夕花  1:378 2:432 3:364 4:382




☆作品の大まかな評価。

簡単な説明:これはもうそのまんまですな。一応Z~SSSまでの評価基準が存在するらしいのですが、大抵はC~Aの間に収まっているようです。
「C」がだいたい「やってもやらなくても別にいいんじゃね」。「B」が「やればけっこう面白いんじゃね」。Aが「やってないヤツは人生つまないんじゃね」。
といったかんじになっております。あと「全体評価」っていうのは、その項目における「作品全体」から感じる何となく駄目だとかイイとかそういう評価です。
あと、これは当たり前すぎて却って説明しにくいものですけど、僕の定義による「シナリオ評価」ってヤツは「感動させなきゃダメ」とか「深いテーマが無きゃダメ」とか、
そういうヤツではなくて、基本的には「その作品が目指していると思われるものが、どれくらい達成されているか?」というような「完成度」評価に近いものかも知れません。
ですから、原理的には抜きゲであろうと萌えゲであろうとシナリオゲであろうとも、その作品が目指しているものが完成されていると判断すれば、シナリオ評価は高くなるって話です。

・シナリオ評価

操    B
菜月   B
葵    B+
すみれ  B+
夕花   B+
全体評価 B
   
・エロ評価

操    B
菜月   B+
葵    B+
すみれ  A-
夕花   B
全体評価 B
   

・イチャラブ評価

操    B+
菜月   B+
葵    B+
すみれ  B+
夕花   B+
全体評価 B+
   
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むかしむかし「同級生」という嘗てオタ業界を風靡したエロゲがあった――とはいっても、ここは別に昔話を語る場所ではないので端的に要点だけを語ると、その作品は基本的にMAP探索型ADVというゲームシステムを持っていた。
ざっくり語ると、今のMAPキャラ表示型のエロゲから「場所」と「時間」をもの凄く増やして、そこから「どのキャラはどの場所にいる」というキャラ表示を削ったものだと考えて良い。すると、どうなるだろうか。
当然のことながら、プレイヤーはヒロイン達が何処にいるのかわからないのだから、多少のヒントを除いて、プレイヤーの行き先はかなり「山勘」になり、初回バットエンドは当たり前級の激難易度。
プレイヤーは何十回いや何百回ものバットエンドの中で、試行錯誤のうえヒロイン攻略法を編み出していく……といった「攻略ゲーム性を」持っていたわけだ。

「同級生2」も基本的にはその同級生の攻略ゲーム性をさらに洗煉させたものだったが、その次となる「下級生」でこのMAP探索型ADVは一つの岐路を迎えることになる。
基本的なシステムは「同級生」と同じだ。ただ、今回はその「時間」がやたらに長く、また「キャラのいる場所」もほぼ固定に近いルーチンがあるので、
一部ヒロインを除けば、基本的に初回また2回目ぐらいのプレイで、簡単にヒロインを攻略出来るようになった。感覚的に言うと、同級生は毎日どのヒロインが何処にいるかを探すゲームだったか、
下級生は毎日何処にいるかある程度わかっているヒロインに会って話をして好感度を上げるゲームになった。さて、こうなってくると、MAP探索型ADVという形式の必要性は薄くなってくる。
何故か。もしも「ヒロインとあって話をして好感度を上げることが面白いゲーム」ならば「ヒロインに会うまで」のMAP探索というゲーム性は余分であり、その「ヒロインに会う」という感覚だけを残したいならば、
MAP探索という形式は残しつつも、大幅にそれを簡略化しても構わないわけである……ザックリまとめるならば、以上が現在にいたるまでのMAP探索型ADVの流れである。
一つはそのまま現在のエロゲで主流になっている「MAPキャラ表示形式」へと簡略化していき、もう一つはエルフがそうであったように、それを恋愛ADVに使うのはやめて「臭作」などの盗撮ADVや「絶望」などの陵辱ADVに特化させていく。

(「まいにち遭ってお話をする」のにその場所がわからないと言うのは確かに不自然であるが、不自然な目的でヒロインを探す(盗撮とか誘拐とか)場合には、全裸変態マントが幼女を探し冬の街を闊歩するMAP探索ADVがピタリとあうわけ)

別の観点から言うと、これはエロゲの「選択肢」または「ゲーム性」に関する分岐点だともいえる。同級生のMAP探索型ADVをゲーム性の高いエロゲと評し、下級生以降のMAPキャラ表示形式を紙芝居と評す典型的な言説があるが、
正確に言えば前者は「ハッピーエンドを目指す「正しい選択肢を選ぶ」攻略ゲーム性の面白さ」であり、後者は「自分にとっての正しいヒロインは「誰であるかを悩む」懊悩ゲーム性の面白さ」に特化しているというべきだろう。
これを別のADVから言えば、前者は基本的にPC98時代からの「探偵ADV」であり、そこでは概ね「無数のバットエンドの中から真犯人を見つける一つのハッピーエンドを探す」というゲーム性と物語性を持っていて、
後者はいわゆる「鍵ゲー」言説に代表され他萌えゲーの多かれ少なかれ含まれる「選ばれなかったヒロインは可哀相」というゲーム性を物語性を付与されやすいわけだ。この両者は、基本的には相性が悪い。
何故なら、もしも「真犯人が複数いる」もっとおかしな言い方をすれば「探偵によってその事件後の真犯人が変わる」探偵ゲーというのは、メタ何とかみたいな言い訳を持たない限り、まぁ基本的にはギャグゲーにしかならないだろうし、
5つのヒロインルートのうち4つのルートが、そのヒロインの女陰に餅が詰まって突如死ぬバットエンド直行ルートで、1人のヒロインを選べば全員とハーレムハッピールートという作品は、少なくともまぁヒロイン恋愛ゲーとは呼べないはずだ。
つまり「(ひとつのハッピーエンドに向けての)正しい選択肢を選ぶ攻略ゲーム性」と「(複数のヒロインのヒロインエンドの中から)誰を選ぶ選択肢を悩む懊悩ゲーム性」は基本的に両立せず、エロゲの大半は今のところ後者をチョイスしている。

但し、目聡い読者の方々は以上の議論に何か「欠けているもの」があるんじゃないかと、おぼろげにも疑問におもうだろう。御名答。そして、この「MeltyMomen」こそ選択肢の第三の物語性とゲーム性を素敵に発揮した傑作なのであーる。


……とはいったところで、いわゆる「正しい選択肢を選ぶ」攻略ゲーム性の面白さ」が好きな御仁……まぁだいたいは九尾とかアリスとかそこらへんが好きな御仁は、この作品の何処が「ゲーム性重視なんじゃぁ!」と怒り狂うかも知れない。
それに一般的なエロゲ言説においても「ゲーム性が優れている」というのは、先の「攻略ゲーム性がすぐれている」を大抵意味するから「こんなヌルゲーゲームじゃないのよ」とか尤もらしくいうインテル入ってる諸君もいるだろう。

確かにこの作品、そういった「正しい選択を選ぶ攻略ゲーム性の面白さ」はほぼゼロである。MAP移動で言えば、この作品は前述のMAPキャラ表示型と「攻略性には」ほぼ同じで、キャラ表示があるから、
「そのヒロインの攻略フラグを確定する」ことに置いては何ら迷うことは全くなく、他の時間式選択肢等々においても「そのヒロインのハッピーエンドに辿りつく」には、何ら難しいことはなにもないのだから。
基本的にはこの作品も、普通の萌えゲーと同じく「誰を選ぶ選択肢を悩む懊悩ゲーム性」を元に置いたマルチエンド嫁選びADVであることには変わらない。とはいえ、この作品が他の作品と微妙に異なるとしたら、
ゲーム性重視エロゲだからといって「攻略ゲーム性」を突き詰めるのではなく、また紙芝居ADVだからといってゲーム性といえるものは無くていいやと割り切るのではなくて「好きな選択肢を選ぶ」という第三の機能に注目した点である。

「好きな選択肢」ときくと、なんだか狐に摘ままれたような気分になるのは僕だけだろうか。これは少々鈍感な反論である「いや、エロゲでいつも俺たちは好きな選択肢を選んでいるんだろw」を考えればわかりやすい。
これはある意味でイエスでありある意味でノーではある。イエスというのは、確かに僕らは表面上「好きな選択肢を選んでいるという擬制を取る」。ノーであるのは、だけど僕らはその前に「攻略フラグ」に大抵縛られているということだ。
もうちょい正確に言えば「好きな選択肢」は常に「(その作品の攻略フラグにおいて)正しい選択肢」の後ろに置かれていると言うことだ。自分の趣味や嗜好としてはA選択肢を選びたいんだけど、
どう考えてもB選択肢じゃないと願ったヒロインの攻略フラグが開けないとき、僕らは大抵Bを選択するだろう。そこでも「ヒロインルートを選ぶか、それを外すかはユーザーの選択に委ねられている」から
「好きに」選んでいるとも言えるが、しかしこれはある種の悪徳商法のレトリックと同じであり、そのヒロインルートを選ぶように士向けさせるような物語と作品を構築した作者の意図はスルーして、選択者の意思は「自由(好き)だ」は詭弁である。

興味深いことに、この手の「ヒロイン攻略フラグには一切、または殆ど関係しない選択肢の数々」は、一般的には「ダミーフラグ」と呼ばれている。ダミーフラグと聞いてエヴァを思いだしたオッサンたちは、
今すぐアスカの死んだ眼をズリネタにして床オナする田口ロミオニーしなければならないが、冗談はさておき、このオタ界隈とエロゲ界隈にちょい広がっている「ダミーフラグ」の説明はなかなか難しい。
一般オタ的には、だいたい「物語において伏線にみえたものが実はあんま意味が無かった」といった了解をされており、まぁ昔の紫作品のOPみたいなものを意味するわけであるが、
これが転じて「エロゲの選択肢というのは、今後の攻略フラグ(分岐ルート)に必ず関係するはずなのに、それがまったくない選択肢だからダミーフラグってわけ」という応用が為されたのであろう。
実際これらのダミーフラグと呼ばれた実際の作品の選択肢の多くはそういう「物語伏線や分岐に関係ありそうな選択肢」をダミーとして装っていることは殆どなく、その選択肢自体は「どれを選んでも構わないと」ほぼわかるものであるのに、
なのにそれを「攻略フラグ(分岐ルート)と必ず関係ある」と思い込んでダミーと称したのは、いかにエロゲ自体のゲーム性や選択肢に関する機能性が「正しい選択を選ぶ攻略ゲーム性」に呪縛されていたかを立証するものである。
別に慣用句を悪戯に変えたり、些細な言葉狩りの趣味はないのだが、ただ僕は惰性の無意識の呪縛にはあんま荷担したくないので、以下「ダミーフラグ」を「フリーフラグ」と置き換えることにしよう。


それではその「フリーフラグ」または「好きな選択肢」というのは、この作品において、どのような物語を語ろうとしていて、またどのようなゲーム性の面白さを生み出しているのだろうか?
細かくゲームデザインを見ていくと……といっても、それほど細かく見るところは無いだが、先ほど紹介したMAPキャラ表示形式が、他のエロゲとは微妙にだが決定的に異なっている。
「微妙に」というのはまず、これが初期のエルフゲーのように「場所」だけではなく「時間」も選択の枠内に入っているからだ。午後3時の学園と夕暮れ午後5時の教室とかが選べるようになっていて、
厳密に調べたわけじゃないけど、だいたい1キャラあたり一日のMAP選択のなかで4つぐらいの時間と場所から「ひとつだけ」を選べるようになっている。先に述べたようにそれは「どれを選んでも問題無い」自由フラグである。

決定的に違う点は、もう答えを述べてしまったが「単体ヒロインの四つの選択肢の中のひとつを自由に選ぶ」ということである。これた「複数ヒロインの4人の中の一つ」を選ぶ通常のMAPキャラ表示とは決定的に異なる点だ。
後者の選択肢は「どのヒロインを選ぶか」に限定されているが、前者の選択肢は「(後者の選択肢を選んだ上で)さて、そのヒロインとなにをするか。どんな思い出を作るのか?」を選ぶという選択なのだ。
まず、この点「攻略フラグとかヒロインを選ぶ悩ましさから解放されて、純粋に自分の嗜好や思考を満足させる選択肢を選べる」というある種の開放感が基本的に面白いと言えばおもしろい。
まぁここらへんは考え方次第で「全てのイベントをコンプしないで落ち着かないのー」チューペット噛みまくり系の人は「手間が掛かって仕方が無い」と思うかもしれないし、
逆に「久しぶりにイベントコンプの面白さがあってええのう」とヒロインの乳首を噛み尽くす喜びに萌えるかも知れないが、そこらへんの判断をユーザーの自由に任せている点がおもしろいと言うこともできるだろう。

(実際のところ、最初に言った探偵ADVにもこういう「全バットエンド制覇」みたいな楽しみもあった。多くのユーザーが覚えているところでいえば、フェイトの「タイガー道場」の小ネタコンプみたいなのも同じである)

とはいえ、そういう「単なる自由度だけがおもしろい」というのは、些か短絡な議論であって、もっと本質的なところでは先のゲームデザインが、物語という制限された空間に何をもたらすかを解明する必要がある。
まぁやや浅いところから言えば、これはそのヒロインの私的周回ルート(つまりループとか特定EDの為ではなく、ただ純粋な楽しみで同じヒロインルートを楽しむ)の楽しみを深めるとは言える。
こうした自由フラグと好きな選択肢は、基本ストーリーに全く影響を与えないが、しかし細部のテキストには微妙な影響を与えるので、プレイヤーは私的周回の度に前と同じヒロインの魅力を味わいながら、
ヒロインの台詞の微妙な変化によって、新しい魅力を発見するように毎回「いつものすこしちがう」ヒロインと作品世界のなかでいっしょに過ごすことができる。

しかし、ある意味このゲームシステムは、主人公とプレイヤーをヒロインから他のエロゲとは微妙に異なる形で「突き放す」ような感覚を与えるのは事実だ。
このゲームシステムがプレイヤーに与える感覚とは、ヒロイン達がこの作品世界内のなかにおいて「物語」や「選択肢」にあまり介入されないレベルで「普通に生活している」と言うような感じだろうか。
どういうことか。そりゃ原理的には別に主人公がヒロインを選ぼうが選ぶまいがヒロインはその世界に存在し続けるわけだが、とはいえ、実際の物語描写の中では、
大抵のエロゲヒロインは主人公との関係において書かれるのだから、まぁ大半は常にヒロインがおつきのメイドかよっ!って感じで主人公の側にいて(逆に言えば、主人公の側にいないヒロインは特別な事情がないと描写されない)、
MAPキャラ表示場面においても「主人公が選んだヒロインは側にいて、選ばれなかったヒロインは大抵主人公の近くにはいない」のだから、ヒロインは物語と主人公とプレイヤーの関係において存在するという感覚が強まる。
まぁこれを一般的な言葉に言い換えれば、エロゲの主人公とヒロインは常に「物語の上で仲間グループ」として常に行動していると言った感じか。こうした「女グループの中に1人男主人公」という形式がモテハーレム感を強めるわけだし、
余談で言えば、こうした形式が物語のテーマ(グループコミニティにおける人間関係)またはテキスト上の特徴(空気読みコミュ力バトル展開)にも繋がっていくわけで、その目指すべき到着点が全ヒロインとHするハーレムゲー(以下略

この作品もそこらへんはある程度は同じであるが、しかし決定的に異なるところは「ヒロインの四つの場所と時間と中からひとつだけを選ぶ」ということは、逆に言えばヒロインが「残りの時間と場所」において、
何らかの生活を送っていたと言うことが朧気ながらもユーザーに認識されると言うことだ。例えば、午後三時に校庭にいて、午後四時には図書館、午後五時には街の踏切にヒロインが表示されている場合、
そこで「図書館」を選んだとしても、残りの場所と時間の中から僕らはヒロインのその日一日の行動を何となく妄想しちゃうわけ。なので、このゲームシステムによってプレイヤーまたは主人公とヒロインの物語関係は、
「主人公やプレイヤーの意思とは無関係に存在するヒロインの生活に主人公またはプレイヤーが外から介入する」といった形になる。上の一日の場合「図書館」を選ぶことで、そのヒロインの一日の変わるわけだから。
ここらへんが同級生やら下級生やらと少し似ている部分だ。常時ヒロインが主人公の側にいる毎日ではなくて、あくまでヒロイン達は主人公といくら中が良かったとしても、常に主人公の「外」にいて自律的な生活を送っていて、
主人公=プレイヤーの方からヒロインに介入(それを昔はナンパゲーといったわけだが)することで「ヒロインと一緒の時間を過ごす」という、まぁリアルにおける他者との付き合いにも似ているところがあるものだ。
別に抽象的また哲学的な意味において深いことを言うつもりは全くなく、人は基本的に平均的に即物的において1人でいることがおおい。いくらリア充であってもトイレでいるときは1人だし、仕事中や移動中も大抵1人である筈だし、
その「1人の状態」がデフォルトの上で「さて、ヒマだから友達やら恋人やらとなにかしよう」という話になる。この作品はエロゲでは珍しくそうした「自分1人と1人のヒロイン」という個人の距離感がそれなりに確立されている。
前作から引き継いだ諸システムも以上の文脈に嵌まるものなのは言うまでも無い。この作品の諸システムとゲームデザインは主人公とヒロインを「物語」と「仲間グループ」の軛から解き放ち現在進行形のリアリズムを語ろうとしている。

実際のところ、僕が最初に言及した下級生やら同級生やら、何らかの「ゲーム性重視エロゲ」つまりは「正しい選択を選ぶ攻略ゲーム性の面白さ」が基本のエロゲであっても、
こうした「フリーフラグ」または「好きな選択肢を選ぶ」ことから生まれる、ある種のゲーム性リアリズムのようなモノは多かれ少なかれ存在している。
そこでの主眼は「ゲームをクリアしなければならない(正しい選択肢)」また「このヒロインを選びたい(誰であるかを悩む)」といった「単一の方向性や誰かを選ぶ義務」(むろん、これもゲーム性リアリズムの一種だ)から外れたところから、
ただ純粋に、わりと後先考えずに「この選択肢を選んだらどうなるだろうワクワク」と言った感じの、やや大袈裟に言えば未知への妄想力をほんの少しばかりくすぐる類いのものである。
そうして、そのような「プレイヤーのある種の義務」から離れた選択肢が存在するということは、そこにおけるヒロインや物語や世界が「プレイヤーの選択肢だけによって」構築されるものでは無いことも図らずも示し、
その選択肢による認識はひいては作品全体の雰囲気から大きく言えば作品全体のテーマまでに関わる可能性があるだろう。別にこの作品を作った製作者たちは、そこまで深いことを考えてこの作品を作ったわけではないと思うが、
そういうちょっとした切っ掛けが広がった「フリーフラグ」が、今後「それを必要とする」エロゲにも少しずつ広がっていけばいいとおもう。但し、以下の駄長文にあるように、その自由への道はそれなりに厳しいものではあるものの。


「え-、でもHOOKのしかも「らっこ」ラインって基本的にアンサバみたいな、ヒロイン達との共同生活の日常を基本としたまったりゲーじゃないの?」とHOOKファンの皆さまは思うかもしれない。
そう、実のところ、そこらへんの「いつものHOOK」の基本雰囲気と、今まで語ってきたゲームデザインが「不協和音を奏でている」とは言わないが「もう少し練り込む必要があった」ところが、この作品の基本的弱点だとおもう。

どういうことか。まずはこのゲームの基本的構造を押さえておくとプロローグ部分はいつも通りとして、そこから先は共通ルートに先の「時間差MAP移動」が幾つか組み込まれて、後者で選んだヒロインが個別ルートに選ばれる。
まぁこの基本構造自体は他のエロゲと大して変わらないわけだが、問題はその共通ルートのシナリオと時間差MAP移動が与える前述した雰囲気や諸特徴が微妙に噛み合わず、存分にデザインを生かし切れていないように思えるところだ。
この「微妙に噛み合わない」のを説明するのは結構マンドクサイのだが、一応やってみよう。まず共通ルートのシナリオは基本的に主人公が今年の文化祭で行われる選挙管理委員会のボスに選ばれるというきっかけで、
幼馴染みの夕花や友達のすみれ以外の諸ヒロイン達と出逢い、委員会のお仕事を通じてそれぞれのヒロインと仲良くなると言う話である。これはまぁお約束的なシナリオ進行だが出来の方は悪くないし、この手のシナリオで悪い意味でお約束な、
個人的にはその手のお話の何が面白いのか良くわからない(何故ってリアル選挙のアレな事件の方が100倍面白いでは無いか!)選挙バトルみたいな話は無く、淡々と地味な作業のなかでヒロインと時々遊んでますみたいな軽さがあって良い。

ただ問題なのは、この共通ルートのシナリオと先ほどの「時間差MAP移動」のイベントに、フラグ的な繋がりもなく、物語または雰囲気程度の繋がりも基本的に薄いので、やや極論を言えば両者が別もののように思われてしまうところだろう。
先ほどは説明していなかったけれども、個別ルートの物語は基本的に「文化祭」の後の話であり、共通ルートのテキストは文化祭の終わりまで続く。そして時間差MAP移動イベントのそれぞれは文化祭ネタと関連性が薄い。
そうなると、一周目は兎も角として、二周目以降は基本的に文化祭関係のテキストがほぼスキップ状態であり、残りは「文化祭ネタ」とあんま関係の無い時間差MAP移動のヒロインイベントを見るだけになる。
もうこの時点で、物語前半の一応「物語の舞台」となる「文化祭の準備までの期間」をあんまし有効に生かし切れていないじゃん!ってことになるわけだが、それよりもさらに問題なのは、
なるほど、確かに「時間差MAP」移動でヒロインの特徴やヒロインとの日常を楽しく過ごせたとしても、その後の個別ルート上では二周目以降は基本スキップされる「文化祭での主人公の大活躍を見てヒロイン達が惚れた」
というような基本物語がベースになっているわけで、どうもここらへんの歯車がキッチリではなくジャリジャリ音を立てながら何とか回っているなぁという不器用感をつい感じてしまう。

ここらへんは「時間差MAP」移動とそれに伴うわりと大量のイベントテキストによるヒロイン描写という、HOOKにしては「今までに無い試み」をしながらも(むろん、その試みとそれ自体のそれなりの完成度は僕も称賛する)、
それじゃあ、その「他」の部分はどーしたら良いのか?と考えたときに「いや、他の部分はわりと今までのママでいいんじゃね?」といった感じで軽く流したか、もしくは問題点に気付きながらも、対処するのに間に合わなかったのだと思うのだ。
まぁこの「共通シナリオテキスト」と、その「時間差MAP移動」のような「選択肢によるイベントまたはテキストの変化」を「どうマッチングさせるのか?」というのは難しい問題で、その難しさにもいろいろとあるわけだが、
基本的には「共通シナリオ」を中心に置くと、テキストやイベント自体に変化が少ないので、以降の共通シナリオや個別シナリオにも「選択肢による変化」を反映させる手間が少なくなり、
「選択肢によるイベントまたはテキストの変化」を中心に置くと、そうしたイベントまたはテキストの変化を、以降のシナリオにおいてもどれだけフォローする必要があるのかを考えたり、その変化に対応させる手間も増える。
また共通シナリオを中心にすれば、その共通シナリオをユーザーが読んでいることを前提とした物語またはテキストの連続性を構築することができるに対し、
選択変化を中心とした場合には、どのシナリオまたはテキストを読んでいるかは読者の選択肢によって随分と変わってくるところが多くなるので、少なくとも「ひとつの中心テキスト」を前提とした連続性を構築するのが難しくなる。
これを図で表して説明するなら、共通シナリオをCと表し選択変化テキストをMとするならば、Cを中心とした普通のエロゲの共通ルートの場合だと、


>C1→C2→C3→C4→M1→C5→C6→C7→M2→C8


といったようになる。それぞれの各数字Cテキストはそれ以前のC1やらC2やらのテキストまたは物語を「既読」していることを前提とすることができるわけだ。それは大きなレベルで言えばプロットの「伏線」であったり、
小さなレベルで言えば各キャラの性格描写であり日常描写の雰囲気であったりするわけだが、それらのテキストはいくらバラバラに書かれているように見えながらも、Cの連続性によって何らかのレベルで繋がっている。
上に置けるMは大抵ヒロイン選択イベントであり、そこでまぁ1a~4dのヒロインイベントを選んだりして、その複数のMの中でいちばん多く選ばれた1a~4dの中の仮に1が、個別1ルートを形づくるという形式になる。
ここにおけるCとMの関係は非常に単純であり、Cは大抵全てのヒロインを含んだ何らかの物語や舞台設定を語り、MはそのCの中での個別ヒロインの日常なりイベントを語る。つまりMはCの中に「内包」されている形になっているので、
C無くしてはMはあり得ないが、但しMなくしてもCはありえるので、CはCとして普通の虚構作品のように「一本の物語」を作ることができるし、MもCとの関係性を考慮する必要が多少はあるが、ただ数は少ないし、
そのMがCに与える影響については考える必要は無いので、基本的には「Cの物語舞台の中に含まれるが、しかしテキスト内容としては個別ルー1a~4dに繋がるテキスト」言い換えれば「個別ルートの序章」を書けば良いのである。
これが選択変化を中心とする場合になると、


>C1→C2→M1(1orbor3or4)・M2(1orbor3or4)・M3(1orbor3or4)・M4(1orbor3or4)・M5(1orbor3or4)・M6(1orbor3or4)・M7(1orbor3or4)・M8(1orbor3or4)


といった、ハッキリ言って図で露わそうとした意味ねぇじゃねぇかサッパリワカラネぇYO!って話になる。まぁどういうことかというと、最初のC1~C2は言わば物語のプロローグみたいなものであるから、
これは普通のエロゲと同じだと言って良い。ただ以降のM1・M2というのが問題で、これは「最初の選択肢1」と「次の選択肢2」以上の意味は顕していない。先ほどの「C1→C2」のように、
「C2はC1のテキストを読んでいることを前提とする」つまりは「C1からC2に続く何らかの物語なりテキストが存在する」と言うことを意味してない。というか、そのような連続性物語を単純には構築しにくいことを意味する。
Mの選択肢が先ほどと同じように1a~4dのヒロインイベントを選ぶものだと仮定しよう。そうるとM1のテキストは細かく言えばM1(1orbor3or4)となり、そこで仮に1aを選んだとしたらM1(1a)となる。
しかし次のM2は、まぁ細かく言えばM1自体のテキストを「既読されたもの」と前提とするとことはできるが、ただその次の(1orbor3or4)については、書き手はユーザーがどの(1orbor3or4)を選ぶかは予想できないので、
そのM2のテキストにおいてM1の(1orbor3or4)を反映することは「難しい」。「無理だ」と言わないのは、やろうとすれば、例えばM1(1a)~(4d)全ての選択肢を反映させた、M2(M1「1a」)からM2(M2「4d」)テキストを
書くことは理論的に可能であり、さらにM2(M1「1a」)を認めるならば同じことのネズミ家系図選択肢を反復拡大できるといえるわけでM2(M1「1a」)からはさらにM2(M1「1a」)(1orbor3or4)分岐が生まれるのだから、
次はM3(M1「1a」)(M2「2b)(1orbor3or4)を書かなければならないと言うことになり、もうここまでくると物語または作品の問題と言うよりも、今すぐこんなサイトを見て算数の授業を思いだす嵌めになってくるワケである。

http://oto-suu.seesaa.net/article/310359155.html


まぁここらで抽象論に先走りしすぎた頭を一般論で醒ましてみると、むろんこれは「選択肢を沢山作るエロゲがエロ「ゲ」であるから素晴らしい」とか、そういうバカなことを僕は言いたいわけじゃ無い。
その点について僕の持論を述べるならば、別に選択肢が1個であろうと100個であろうと「選択肢という存在が「複数の物語」を作り出すことによって、その作品がどのような完成度を持った虚構を作り出すのか?」という点が重要であって、
Cを中心とするかMを中心とするかは、その時点では「単なる手法」の問題に過ぎない。これを一言で言うと、ゲーム物語における「既読」と「未読」と「変化」の諸バランスを考えたうえで、全体的なゲームデザインにたった物語構築と、
その物語に必要なテキスト作業を分担させるチームワークが必要になるわけで、「共通シナリオ」を中心とするそれと「選択変化シナリオ」を中心とするそれでは、求められる作品作りやスキルが結構変わってくるわけである。
以上の点を押さえたうえで、この作品の「共通」「選択変化」を図で表してみると、

>C1→C2→M1(1~20)>C3>M2(1~20)>C4>M3(1~20)>M4(1~20)>C5>C6>C7>M5(1~20)


といった感じで、これまた先ほどではないものの「図で記されても何だかワケワカメ」図式ではあろう。まぁ一言で言えば「共通テキストと選択イベントの割合が半々くらい」ってことなんだが、
それを図で即物的に示すと「普通のエロゲはこんなに途中に無数の選択イベントを入れねえぇよなぁ」ってと思うので、そこで違和感が発生するといった感じだろうか。
実際に作内において感じるのもそうした「共通と選択のバランスがなにか変」といった、しかしこちらはさきほど以下のように書いた、


>「時間差MAP」移動でヒロインの特徴やヒロインとの日常を楽しく過ごせたとしても、その後の個別ルート上では二周目以降は基本スキップされる
>「文化祭での主人公の大活躍を見てヒロイン達が惚れた」というような基本物語がベースになっているわけで


物語内容自体の違和感となって現れるわけだ。これにはいろいろなレベルがあって、まず「C」つまり共通テキストを中心としたエロゲのテキストは、一般的にはある程度連続した長さが用意され、
そこから作品の物語なり雰囲気なりを感じ取るという一般様式になっているのに対して、この作品がそこらへんが微妙に破壊されているので、物語雰囲気をあまり感じ取れないというつらみがあるとも言えるし、
それはまた、CとMの「テキスト内容」そのものに共通性が薄いために、その両者がバラバラに感じてしまうと言うつらみもあるとも言える。基本的に、各Mの選択イベントによって、
告白シーンや最後のシーンのセリフが少々変化するような構造になっているので、その決定的な部分でCとMの連続性を設けようとしているんわけだが、まぁ「オマケ」以上の感慨は少ないのよね。
このように、一般的な「共通シナリオ」を中心としたエロゲ作りから、ほんの少し離れて「自社作品のよさをもっと引き出すために、形式を変えようとした」HOOKの姿勢は僕から見ると称賛に値するものの、
やはりそれで最初から全て上手く回る作品を作るのは難しかったわけだ。

とはいえ「そんなに上から目線で叩くんだったら、じゃあテメえに何か上手い代案があんのかゴルぁ」と思われる方も多いと思うので、取りあえずこの作品の物語と諸システムを基本前提とした上で適当な代案を出すとすれば、
まず基本的に「共通シナリオ」と「時間差MAP移動(その他諸デザインも含む)」の割合を、ここは思い切って2:8ぐらいにした方が良かったとおもう。今作は5:5ぐらいで「良いところ取り」をしようとしているが、あんま上手く逝っていない。
共通シナリオまたは個別シナリオの内容からして、おそらく製作者の方々が気を遣っていたのは「共通シナリオの文化祭関係テキストで、主人公その他ヒロイン達の日常生活をちゃんと書かないと、いつものまったりHOOKじゃないのでは?」
といった危機感だったとおもうけれども、僕はこれは「ガーリー」選択イベントを今の2倍程度に増やせば問題無いとおもう。そこで「ヒロイン達の日常描写による横の繋がり」は充分描けるはずだ。
実際のところ「最低限の共通シナリオ」において最低限のキャラ設定や物語設定を描き、「時間差MAP移動」で主人公とヒロインイベントを描き、その合間あたりの「選択ガーリー」でヒロイン達の会話を描けば、
共通シナリオに日常描写を依存させている今のエロゲのシナリオ自体に大きな変化をもたらせるはずだ。これはHOOKにとっても基本的にはイイ話であり、まずは一周目以降はあまり味わえない「HOOKの日常描写のよさ」が、
基本全ルートまで応用できるようになるし、そのようになれば「時間差MAP移動」や「選択ガーリ」といった「大量の個別イベント」を書く必要が出てくるけれども、HOOKはこの手の小さなネタを書かせたら天下一品のライターが大勢いる。

そして、基本的には文化祭までの「時間差MAP移動」をこれまた今の2倍ぐらいに増やして、そのイベント内容に何らかのかたちで文化祭や選挙管理ネタを盛り込む。要はヒロインとのMAP移動イベントで文化祭物語を描くのね。
んで「共通シナリオ」は「文化祭の準備」までに留めて、個別ルート突入は「文化祭当日」から始まるようにして、それまで選んだヒロインのMAP移動イベントと関連するような文化祭イベントをここで描く。
……ってこれは「口先だけで言うのは簡単」の代表例みたいなもので、実際にそれをどーやるかはかなり難しいのだが、まず「中心シナリオ+変化シナリオ」って考えを基本に置くと問題点をクリアに理解しやすい。
「中心シナリオ」っていうのは、普通のエロゲにおける個別シナリオと全くおなじで、それ自体は「選択肢イベント」によって全く影響を及ぼさないものね。まぁ一枚絵のある大事なシーンとががコレと考えればわかりやすい。
「変化シナリオ」っていうのは、先ほどの「選択肢」によって変化を被るシナリオのことで、どの選択肢の総量によってどのシナリオがどー変化するのかみたいなフラグ計算が非常にマンドクサイのだが、そこらへんは製作者に丸投げry

んで、この場合「中心シナリオ」は基本「主人公の活躍で選挙が上手く逝きました」で良いと思うのね。もちろん、これはヒロインの個別ルートに入っているから「ヒロイン毎に違った」イベントを書かなきゃいけないわけだけど。
それで「変化シナリオ」の方を「選挙管理ではない文化祭イベント」のほうにあてるわけ。これで共通シナリオに必要なある程度の物語と、選択肢イベントによる作品世界の構築イベントを「選挙」と「文化祭」の二つにわけて両立させることができる。
ただ、いちばん難しいのは、その「選択肢イベント」の選択の結果をどう「文化祭イベント」に反映させるかってところで、これは「細かくやろうとすればどこまでも細かくやれる」オタク無間地獄に入る恐れがあるので、
まだ慣れていないウチは、だいたい三つのイベントに分岐するぐらいが丁度良いとおもう。文化祭関係のイベントをチョイスしていればヒロインがクラスの文化祭イベントに参加し、選挙管理関係なら選挙管理イベントが発生し、
両方のフラグが成立しない場合には主人公とヒロインがブラブラするみたいな。この三つのイベント分岐を基本として、今後のシナリオにもちょくちょく影響を与える(例えばエロシーンが一つ変わるとか)とかできれば、まぁ成功作かなと。
後述するように「すみれ」と「夕花」の二つのシナリオは、どちらかと言えば僕がここで書いたようなフラグ構成を念頭に置いてるような感じはあったので、次回作もこの路線を続ければ結構完成度の高いものが出来上がりそうだ。
HOOKの「オリジナルゲーム性w」はだいたいシュシュや苺あたりから、まぁその内容は兎も角として確かにメーカー独自のカラーを彩り始めており、今作においてはいよいよ「独自萌え甘ゲー」の片鱗を見せているので
「オリジナルゲーム性w」とかさんざん嗤われながらも、地道な継続を続けたHOOKはやっぱり正しかったといえるだろう。


さて、共通ルートの話はここまでにして、個別ルートはどうだったかというと……と、その前に前述の「時間差MAP移動」とこの個別ルートの関係について少々話しておく必要があるだろう。
基本的には、個別ルートにも「時間差MAP移動」は何個かある。主にヒロインとのデートイベント当で、何処に行くのかを基本選択肢の中から選ぶといったもので、ぱっと見レベルでは同じだけど機能性は結構違う。
共通ルートの時間差MAP移動は、前述の通り基本的に「ヒロインの一日の行動」を現せるところに本質があったわけだけど、個別ルート以降のそれは「主人公とヒロインの行動を選ぶ」ものでしかないわけで。
共通ルートにおいても、周回プレイ用に選択イベントを作ったのだから、個別ルートにおいても作るべき!という議論も何となく説得力がありそうなんだけど、個人的にはあんましピンとこない。
というのも、個別ルートでこの手の「選択イベント」をやると、まぁ時間と手間暇をかければ別かも知れないけれど、個別ルートのヒロインとの描写の濃密度が薄くなってしまうんだよね。
細かく言うと、途中で「分岐選択イベント」を挟むということは、テキストの勢いとか連続性が途中で断ち切られることを意味するわけで、イチャラブ重視系の萌えゲーだと「短めのイチャラブシーンを選択する」になってしまうわけで、
共通ルートにおける友達関係のレベルと、個別ルートにおける恋人関係のレベルの違いがなんか「どっちも同じじゃん」みたいに思えてしまうところが今作には多少はあったりする。

じゃあ「個別ルートはいっさい分岐無しの一直線で良いのか?」と言われたら、それは前にも書いたように共通ルート時点でのフラグによって、個別ルートの「選択イベント」を固定化するようなシナリオフラグ構成にすればいいと思う。
これって基本的には、先のケースと変わらないように思える(前者が個別の中でイベント選択で後者が共通によってイベント選択が決定されるのって何が違うの?って話)んだけど、こっちの方が、
共通のイベント選択の傾向を個別のイベント選択の内容により反映しやすくて両者の結びつきが書きやすいというメリットがある。先の例で言えば、共通で委員会関係のイベントを選択した場合には、
個別でも学校関係のイベントがより多く発生するようになるとかそんな感じで……とはいえ、ここらへんで「でも、だんだん難しい方向に逝っているなぁ」と気付いた読者さんがいたとしたら、その人はかなり重度なエロゲオタだろう。、
そう、こうなってくると「だったら最初から個別ルートを三つぐらいに分岐させた方が良いんじゃねーの」って案が出てきてしまうわけ。学園ルートとかイチャラブデートルートとか妊娠ルートみたいに三つぐらいに。
だって、共通ルートの選択肢イベントや個別ルートの選択肢イベントによって「ちょくちょく」テキストやイベントが変わったとしても、だいたい9割近くは同じテキストなわけで、
それをまぁ7~8割ぐらいまで下げることはできるかもしれないけど、そういう開発コストとユーザーのシナリオ回収コストを考えたら、選択分岐イベントは共通に集中させ、その反映を個別ルート3分岐ぐらいにしたほうが良いじゃんって話になる。

ただ、そうなってくると、問題は「選択肢がどーこー」という話よりも「仮に一つのヒロインに対して三つのルートを作った場合、CG枚数だのエロだのテキスト量の配分はどーなる?」みたいな話になって、
「普通の紙芝居エロゲをちょいと改良します」だけじゃあ済まされなくなる。「エロゲの未来っぽくて良いじゃん」みたいな人も「だって、それだと1ルートあたりヒロインエロ2回ぐらいになるけどいいの?」と言えば基本黙るだろうし、
いくら複数のルートを作ったところで、その分量が普通の個別ルートの三分の一じゃ賞味一時間ぐらいで話が終わっちゃうから基本的には「モノ足りない」って意見が強くなるだろう。
まぁ余談はさておき(まぁ余談の続きを言えば、ヒロインの数を3人ぐらいにして、サブキャラ攻略とか無しにすれば、1人のヒロインの3つのルートに今よりちょい薄い程度のボリュームを維持するのは充分可能だと思うけど)、
取りあえず今作のHOOKはそこまで進むつもりはなくて、あくまで複数回周回プレイにおける細かな楽しみが増えていいですねレベルに留まっている。それはそれで僕も基本的には正しい判断だと思えるのだが、
個別ルートの出来を見る限り、今後HOOKはまぁ上のような「三つの個別ルートを作れやゴルぁ」の道を辿るかは兎も角として、一本道と選択イベントの物語関係性をどーするか?みたいなところを考えざるを得ないと思うのだ。

そういう意味で「操」ルートが1番出来が悪い……と言うほど出来の悪いルートではないんだが、一本道と選択イベントの物語関係性の意味で結構引っ掛かるシナリオなのは否めない。
いや、正確に言うと、この操ルートが共通ルート付近ではいちばん「優遇」されているキャラクターだといえる。共通シナリオの委員会関係のイベントにおいて基本的にクローズアップされているのは操であり、
そのクライマックスではある意味いちばん「美味しい」イベントを演じる。特に何か深い理由もなく何となく一番目の攻略ヒロインに選んだ僕であったが、もう共通ルート後半あたりでわりと普通に、
「ああ、もう操ルートに入っているんだなぁ」と思ってしまったくらいに、共通ルートの委員会シナリオのなかで主人公と操の恋仲は進んでいく。そういう意味ではわりとよく書けているシナリオだと言っても良いのだ。
基本は面倒見の良い先輩主人公と、多少は照れながらも真面目な後輩ヒロインとして接する関係性をメインとしながらも、そこはそれCVゆかり教育であって、真面目であるが故に時々感情を思わぬ方向で爆発させたり、
自分の感情を上手く照れ隠せず勘違いな方向に1人で抱え込んでしまうような高○生低学年らしい幼さがよく書けているとはおもう。実質、この作品の共通ルートは操ルートであると言いきっても良いくらいには。
(まぁその替わり、二周目以降、操以外のヒロインを選んでも相変わらず操推しが変わらない共通シナリオを見て、多少ウンザリするような欠点もあるわけだが)。

ただ問題は、個別ルートのテキストが前述の共通シナリオよりあんまし良くないところと、さらにその個別ルートで書かれるべきところの「素の操」と「文化祭で変わろうとした操」と「恋人後の操」の段階がイマイチ書けていないところだ。
最近のエロゲレビューにおいて、結構困ったことは、最近はこの手の「どこも悪くはないんだけど、同時にどこもあんまし良くない」みたいなシナリオがけっこう多くて、アレコレ言おうにもアレコレ言いにくいということがある。
この操の個別ルートもそうで、基本的には他シナリオ同様、物語展開を極端に薄く、というか殆ど無くして、恋人後のイチャラブ生活を描くという展開になっており、それはそれで個人的にはまったく問題が無い。
ただ、同時にこれも他の萌えゲでも結構ありがちなんだが「イチャラブテキスト」を書いてはいて、確かに表面上はそれなりにイチャイチャしているんだが、本当になにか表面上にイチャイチャしているだけで、
恋人になってからヒロインの新しい魅力を感じるとか、もっと別の側面が見つかるとか、今まではわからなかったヒロインの即物的な生活を知るようになるとか、まぁ別段「ヒロインと腹を割って喧嘩しあえ!」とかオヤジ臭いことは言わないけど、
端的に言ってそういうイチャイチャだけのテキストだと「ヒロインと恋人になってからさらに嬉しいことが起こる」みたい感覚が薄いのだ。これはある意味「イチャラブブーム」というかその種のメタ言説の弊害の一種で、
軽薄な訳知り顔の人たちが「エロゲのシナリオなんてただヒロインとイチャイチャしていればいいんだよ」とかゆっていた所為だと僕はここで弾劾しておくが、
イチャラブとはあくまでその物語とヒロインと主人公の関係性の上に独自で成り立つ「シナリオの重要な一部」であり「こういうイベントを書けばイチャラブ」みたいな「個別シチュ」ではないのだということもここに宣言しておこう。
確かにエロゲにおいては「どうでもいいシリアス展開」というのはあって、それはそれで批判するべきだけど、だからといって一緒に「真面目なもの」全てを投げすてるのは、産湯と一緒に赤ん坊を投げすてるような話である。

それじゃこのシナリオの何がマズーなのかと言えば、先にもチラっと書いたけど、シナリオのオチとして操が「変わりたかった」と言うことを持ち出すのであれば、その結果がどうあったとしても、
先に書いた操の変化を感じさせるような日常描写なり、主人公との会話なりを「最後だけ」ではなくて、そのイチャラブテキストの中にそれとなく書き込むべきだったとおもうのだ。
これ、共通シナリオではけっこう上手く書けているんだよね。共通シナリオの共通テキストの方では「委員会の仕事」で変わろうとしている操が、同時に時間差MAP移動の選択イベントで素の操が書けていたから、その両者の合わせ技で。
だけど、個別ルートになると、先にも書いたように表面上のイチャラブしか書けていないから、操が「書記になって学校の仕事を頑張る」みたいなフラグが発生したら、普通に「そっちの方が良いんじゃね」とおもってしまうわけ。
まぁそこで最後のオチになるから、操たんは可愛い後輩だなぁってことになるし、別に僕もこのオチに対して「物語は人間の成長を書かなきゃあかんのじゃー」みたいなキレ方はしないけれども、
そのオチをもっと効果的に輝かせるためには、例えば前半の時間差MAP移動選択イベントにあったような、操のインコの話とか好きな本の話とか、そういう操の普段の日常生活を主人公と一緒にわりとディープに過ごしたりして、
本当に「主人公と一緒になったから、わたしはどんな平凡な毎日も楽しくなりました」とユーザーも思えるような個別ルートシナリオを書かなきゃいけないと思うのだ。この個別シナリオは残念ながらそこまでいっていない。
ただ、これは「時間差MAP移動の選択イベント」の縛りもあるんだよね。「選択イベントで描いたような日常描写を個別ルートでも描け」といったところで、前者の選択イベントが選択イベントでユーザーが何を選択するかわからない以上、
僕が先に言ったような「共通ルートのフラグ選択で個別ルートを幾らか縛る」ような方法を取らない限り、共通ルートの選択イベントシナリオと個別ルートを有機的に結びつけるのはとても難しいわけだ。

菜月ちゃんのようなヒロインシナリオの場合はその点わりと楽だ。菜月ちゃんシナリオはシュシュの「ロマンチックレシピ」を彷彿とさせるロリ甘シナリオである。
これなら最初から最後まで菜月ちゃんが主人公に引っ付きながら、それでも大人になろうとする日常の小さな頑張りを書けば良いわけで、選択イベントによって大きく印象が変わることは少ない。
なんだかさっき「イチャラブとは~」みたいなデカイ口を叩いたあとに、こういう言い方をするのは矛盾ではなかろうか?と僕も多少はビクビクしているけれども、
この手のチワワ系ロリキャライチャラブシナリオだと、もう圧倒的に主人公とヒロインの関係性が固定化されているのが逆に魅力なわけで、最初のウチはロリの背徳感をちょくちょく強調しながら、
しかし恋人になったら菜月ちゃんの性的に無邪気なぺったんこボディの密着感によって理性を少しずつ崩壊させて、最終的にはふにふにのお尻をもみもみ舐め舐めするような展開に持っていけば満足するんだからロリオタなんてチョロいものである。
まぁ自虐ネタはさておき、お約束展開ながら良いシナリオだとおもう。恋人になってから、最初の2回の未遂エチにいくまでの菜月ちゃんの性の目覚めドキドキ感情もガーリーを使うことによって、
普通のロリゲ以上によく書けているし、主人公が菜月ちゃんにロリ変態性欲を晒しながらも、それでも最初の2回は徐々に身体を慣らして逝こうねっていうような変態紳士っぷりが、さらにヒロインのつるぺた感をいや増してたまらねぇっす。
こちらも日常生活のいろんなところをイチャラブテキストに絡められるんじゃないかなぁっていう不満は多少はあったけど、上で語ったようにシナリオの基本モチーフとエロ展開がしっかりしているため、さほどマイナスには感じない。


葵先輩シナリオは兎角テキスト芸とRTCだけで持っているシナリオであーる……ってこう書くと、なんだか勢いだけなシナリオに思えるけれども、別にそう言うノリだけのシナリオって意味ではなくて、
RTCの応用を前提としつつ「お互いに責める時は強いが責められると感じすぎイキ過ぎ」な主人公と葵先輩の突っつき合いイチャバトルを書きながらも、恋愛関係と恋人関係が進むにつれて、徐々に変化していく葵先輩を描くお話だ。
RTCっていうのは、前に説明していなかったけど、基本的には「時間差選択肢」ってやつで、まぁこの作品の場合その選択肢はひとつしかないんだけど、選択肢の表示ともに時間のカウントが開始されて、
「早くその選択肢を押す」か「ちょっと待ってその選択肢を押すか」それとも「敢えて時間切れを選んでその選択肢を選ばない」ぐらいをカウントの中から選ぶことが出来て、それによってヒロインの反応も変わるという話だ。
んで、この葵先輩シナリオの場合、大抵は先輩のほうからちょいエロイ挑発的なアプローチを仕掛けてきて、そのアプローチに対してRTCでどう対応するのか?っていうのが基本パターンになっているんだが、
この取り扱いが非常に上手い。まず基本的には、そういう先輩の挑発に対して此方も正面から立ち向かって撃退するか、それともなすがままその挑発にタジタジ気味になるかっていう分岐がRTCによって語られるわけですが、
ほら、たいていこういうシナリオの場合は主人公の方が反撃しちゃうじゃないですか。もう基本受けスキーで誘惑スキーの僕としてはそれが毎回「ノーモア逆転!」とかゆって魂の叫びを挙げていたわけですが、
この作品の場合そこで自分からもんむすクエスト的に「葵先輩にいいようにやられる」のを選択できる(RTCで言えば時間切れを選ぶ)のがなんとまぁM心を満足させてくれるのでしょう。CV:かわしまりのに良いようにされるなんて最高じゃん!

まぁ僕の個人的性癖はさておくとして、まぁ個人的性癖で言えばこの葵先輩が各種個別ルートに誘惑逆NTRキャラとしていたら超サイコーっていう僕の変態性欲もどうでもいいんですが、
先に言った「上手い」っていうのは、この「挑発に反撃する」でも「挑発にタジタジになる」のどちらを選んでも、まぁ細部のテキストは変わるとは言え基本的な展開はあまり変わらないんですが、
その「あまり変わらない」っていう細部の表現が実に上手いなぁと思いました。作中で言えば、挑発に反撃しても、挑発にタジタジになっても、どっちも葵先輩はなんだか逆に恥ずかしがってしまうってオチでも、
その恥ずかしがり方が微妙に異なるのが良いんですよね。挑発に反撃する場合は、まぁセオリー通りに打たれ弱いかわしまりのボイスの蕩けたひゃいいん♪ボイスを聴けて、
挑発にタジタジになった場合は、主人公のあまりにも可愛い反応が葵先輩の許容萌え範囲を超えてしまったのか、そこで赤面しちゃって押し黙ってしまうなひゃあああ♪が飛び出してしまうんですから。

要はRTCを通じて、ヒロインの積極的なアタックにどう反応するのかというユーザー反応回路を通じてヒロインに対するSまたはM方面の感情移入を刺激すると同時に、
「どちらに転んでもヒロインのある一面を描いている」と解釈させるような複数の反応をヒロインにさせることによって、葵先輩というキャラクターを多面的に描くことに成功しているわけですよ。
それにしても、テキストもRTCも使い方が上手いけど、こういう「主人公とヒロインのやりとりによって性格のいろんな面が日常生活や独白ボイスのなかで出るシナリオ」をやらせたら、
ほんとかわしまりのさんは上手いですねーって僕が言うまでもないことですけどねー。こういうのは過剰に表面とか裏面とか「演じ分けすぎる」とあんま面白くないんですけど、
かわしまさんはこの「主人公に攻められるのも良いし、主人公を可愛がるも良すぎて、もうどちらが良いのか困っちゃう♪」みたいな、ヒロインのいろいろな感情や表情がゆっくりとうつりかわっていくその移行の音色がとても心地良くて。
最後のオチに至る展開もスマートな流れで、まぁ詳細は主にエロ方面で語るとしても、これ、最終的にヒロインが主人公のほうにベタ惚れで性格変わっても良いじゃんみたいな話になっていますけれども、
2人の日常描写の流れとか物語全体の流れを見ると、最終的に主人公が葵先輩のペースに巻き込まれているってところが素敵ですよねぇ。表面上は主人公が勝っているように見えても、実はタマキンを良い具合に握られているみたいな搾取感が僕はもう!

逆に「すみれ」シナリオのほうは、いっさい変化しないというか、ヒロインの変化のほうはもう「物語以前」に終わっていて、あとはそれを主人公が確かめるだけのシナリオである。
言い換えると、はこれはもう「CV:五行なずな」の前半は「きゃうーん♪」ボイスを、後半はその「きゃうーん♪」ボイスが主人公との付き合いのなかでいつ爆発するか期待するだけのシナリオと言っても良い。
むろん、以上の記述は別に貶しているわけではなく100%賞めている。基本的にこの作品の全シナリオについて言えることだけれども、もういちいち「萌えゲには深いシナリオは必要ないw」とかわざわざ言う必要も無く、
当たり前のように何らかの物語展開抜きのまま、ただ日常の萌え描写の絶妙な繋がりだけで作品が構成されているのを見ると、エロゲは全く進歩がないという訳知り顔の言説がイカに嘘っぱちがよくわかるものだ。
といっても、原理的に「物語が全くない作品」というのはあり得ないし、別の訳知り顔が言うように「単に無意味に萌えイベントを並び立てれば作品が成立」するわけでもない。
この「すみれ」シナリオも基本的には前半は「主人公たちの前ではクールキャラを演じているすみれ」が主人公の前ではあっさりと本性を表しそうになる綱渡りの日々を描きながら、
中盤から後半に掛けては、主人公に正体をばらしてしまったらもう止まらないデレキャラすみれの萌え暴走を描き、それでも皆の前では正体を隠そうとしながらも主人公とのイチャラブ生活の中で徐々にまわりにバレてしまうって展開がある。

ただ、この作品はそのような「物語展開」を「物語」としては語らないで、あくまで日常生活の隅々のなかで描写させて静かに展開させているわけだ。
例えば、すみれが「正体を隠している」ところは、初回のガーリートークー自体で初っ端からネタバレされるので、ユーザーにとってなんら「ミステリー的な引っ張り」は起こさず、
そのネタバレを知った上で、ユーザーは「すみれ」の普段の言動やボイスからその「本音」をいろいろ妄想して楽しむようにと、テキストまたは声優さんの演技からしても構築されている。
普段の「完全に演じている」すみれたんでも、主人公にかける言葉自体は多少キツくても声音はなんだか優しくてといったように、物語展開からではなく日常描写の数々からその「本音の感情」を知るようなシナリオだ。
とはいっても、いちばん強力なのは普段の日常のボイスの「やや優しげツンデレボイス」とガーリーの「萌えまくりきゃうーん♪」のあまりにも壮絶なギャップだろう。いったい五行さんにどんな薬物を投与したのか?と思わせるほどの甘さだ。
これは他ヒロインのガーリーが比較的マトモと言ったら変だけど、どれもが「普通の恋に興味のある女の子」から「主人公に恋しつつある女の子」の独白という、まぁ手順を踏めば理解できるものであるのに対し、
すみれたんは最初からフルスロットルで振り切って、どんなときでも主人公ラブを正当化するように妄想と嬌声を上げまくるのだから素晴らしい。正直「すみれたんは今回のガーリーでどんな醜態をみせてくれるのか?」だけで、
このすみれシナリオの物語エンジンは常に最高速度でぶっちぎっていると言って良い。諸君、作品を先に進ませて読ませようとするのは、別に物語だけじゃないのだよ。

まぁこのシナリオも他のシナリオと同じく、日常描写が比較的あっさりしすぎといった不満はあるし、このすみれシナリオは実質上「学園祭とかもうあんま関係ねぇ」流れの学園生活主導シナリオになっているのだから、
もっとこの際そこらへんを集中して書く必要もあったとおもう。例えば後半のプールイベントとか、最後のお泊まり肝試しシナリオとか、もっとその「イベント」の「過程」を描くことによって、
すみれたんの「実は家庭的なところ」を描いた方が良かったんじないですかねー。最近のエロゲはこういう「余分なところ」を切りつめすぎな印象があって、HOOKもそれに乗るのは少々残念だ。
とはいえ、シナリオ内容に直結する描写は基本的に手堅くて、学園内でみんなと一緒にいるときは、前半部分よりは多少甘めでありながらも柔らかクールキャラの声音を維持しつつ、
主人公と2人だけになると徐々に円やかになっていくように、特に物語展開で引っ張らなくてもヒロインの細部の変化の萌え描写だけでシナリオを最後まで持たせてしまうのは流石だ。

最後となった夕花シナリオは、なんかこれだけ「アンサバ」の頃に戻ったかのような、ゆったりとした空気がそれとなく流れる空間になっている。
昔から母親同士の付き合いもある幼馴染みで、時には夕花の母親と一緒に近所の婆さんズの冷やかしを軽く躱しながら団地の前で談笑に耽ったりしていて、
時には夕飯の残りをタッパに詰めて主人公の家にやってきては、すぐ近くの家まで軽く10分くらいの真夜中の散歩を付き合ったりしておやすみなさいまた明日もおはようございます。
シナリオのほうもそんな秋の眠たげな陽気に隙間風を決して入れることはせず、繊細にだけど繊細さを全く感じさせないように好い加減な感じで、生活から生まれる恋愛感情の芽生えを静かに見守る。
基本は主人公ラブだけど、あまりにも長い間主人公ラブ期間を続けてしまった結果、主人公が異性であることを半ば忘れているような間柄で、無雑作にエロい姿を見せつけてしまったり、
ぽっこり巨乳ボディを無邪気に押しつけてしまったりして、急に自分の客観的状況に気付いて頬を赤らめるような「幼馴染み」と「異性」が絶妙に入り混じったロリ巨乳風のほんわかさが実に良い。

とはいえ、やはりこの手の幼馴染みシナリオの最大の魅力は「同居シナリオ」だろう。主人公と恋人となっても、2人の関係は告白前と大して変わっていないけれども、
少しずつキスの味を覚えて、次は身体の感触を味わって、その次は2人だけの時間をもっと欲しがるようになる自然な欲望を叶えるように、シナリオ展開によって主人公と夕花は同棲する。
もうね、このシナリオだけ基本的に一日の描写の繰り返しを基本としているってところもあると思うけど、この最初は夕ご飯を作るだけだったのが、だんだん家に帰るのが寂しくなって、
主人公の側にもっといたくて、なし崩し的に幼馴染みが同居するようになっていくこのベタベタずるずる感が堪らないのですよー。いや、実際こういうのも偉大な「物語展開」のひとつであって、
最初は基本的に「朝起こしに来る幼馴染み」だったのが、時間と空間の積み重ねによって「朝同じベットで目覚めるようになる」ってだけで凡百の叙事詩の千倍の感動と一万匹の精子が蠢くわけですよ!
そんな秋の深まりだからという理由でここぞとばかりに毛布を取り出し一日じゅう布団のなかで身体をくっつけ合うような同棲生活のなか、終わりに向けて徐々に広がっていくのが、
ふたりの幼馴染みの子供のころの思い出で、あの頃からお前は変わったいや健ちゃんはなにも変わっていないとか子供の喧嘩のようなイチャ話に興じつつ、もう何度目になるかもわからない、
「これから先もずっと一緒にいる」宣言を繰り返していたことを思いだしてのシナリオは幕を閉じる……これで眠くなった人がもしいたとすれば、その人はきっと良い夢を見られるに違いない。



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☆エロについて


別に企画自体に反対だとかそういう感じではなかったし、まぁ僕は昔からこの手の企画にあんまし積極的な人間ではないというのも大きいのだが、どうも「らっこさんラスト」キャンペーンにはイマイチ乗れなかった僕であったりする。
根本的なことをいうと、僕はそういう個人の人生にわりと深く関係する出来事を他者たちがどーこーする「儀式」やら「イベント」みたいなものが好きじゃなくって「卒業式」とかもイマイチ乗りきれないタイプだ。
その社会的役割や社交的意義は充分にわかるから、猛烈に反対するわけじゃないんだけど、なんつーか、深く知っている人なら兎も角として、浅い付き合いの他人がそこまで気軽に他人の人生に乗っかって感動したりするのはどうなん?
とか思ってしまうことがおおい。または、そういう自分の人生の行動の意味なりを、そうやすやすとそういう「社会的儀式」に差し出して、そのノリに乗らないと「エロゲを卒業するんだ」とかキレない弱さが気にくわないのかも知れない。
(むろん、これは「らっこ」氏のついてどーこー言っているわけではなく、あくまで一般論の話だ。いろいろ繊細なことを言い募る人が、やれ卒業式がどーこーとか言って感動しているのみると「卒業式を桜の木ごと爆破せよ!」以下略

あと、もう一つは、歴代のらっこキャラ一覧をずらっと見て、そしてそのあとにこの作品のらっこキャラクターたちをみて、そして実際にこの作品をいまやり終えてみると、、
「らっこ氏がエロゲゲンガーをやめる」とか「これがらっこ氏の最後の作品なんだ」といった、らっこ氏の画風の「発展とその完成形」とゆうような「まとまり」が今ひとつ思い浮かばないというのもある。
むろん、これはらっこ氏の「作家性がない」とか「全部似たようなキャラクターだから」といった話ではなく、強いて言えば今作をやり終えたあとも「らっこ氏の次回作の進化が楽しみだ」と普通に思ってしまうような、
他のエロゲゲンガーの大多数と同じく「現在進行形で成長しているゲンガー」というような印象を受けるのである。実際のところ「夕花」はまぁ「クレア→愛」ラインの系統のキャラだと言っても良いレベルだけど
「すみれ」に関しては今作でらっこ氏が新しく確立した絶妙なバランスのキャラデザで、ほんと次回作でもこの路線のキャラデザを突き詰めて欲しいなぁとか思ってしまうのだから。
むろん、だからこそ「らっこ氏がやめるのは惜しい」という感情もあるわけだけど、そういった感情を押さえて無理矢理に笑顔を取り繕うとする健気なM根性は僕にはないので、
らっこ氏の新しい船出はそれはそれとして祝福しつつ、ただしエロゲオタはそこらへんの儀式めいたイベントが好きなわりには結構忘れぽいので、いつ戻ってきてもわりと大丈夫なんじゃないかなぁと後家呪文も唱えておこう。

まぁらっこ氏が戻るか戻らないかはさておき、しかし今後のHOOKゲンガーはどーなるんだろ?っていうのは結構予想のつきにくい話ですけどねぇ。
「まかこ」ラインはTOPはまかこタンで安定でしょうけど、それ以外のゲンガーは未だに誰を据えるかは安定していないっぽいし、
この「らっこ」ラインの次回作のトリを飾るのは誰でしょう?って話になると、ラブクエ発売当時なら「桜はんぺん」氏で決まりだったのに、
はんぺん氏はラノベがアニメ化でそっち方向に逝きそうではあり(でも、ラノベ路線も基本安定しないから、また戻ってくる可能性も高いけど)、
そーなると今作で2キャラを担当した「たかやKI」あたりに白羽の矢が立ちそうだけれども、氏も氏である程度は人気のあるゲンガーなので今後の予定は不透明だしなぁ。
むろん、今後のHOOKがどういう方向で進むかによって、その原画のチョイスも変わってくるわけだけど、僕はHOOKが10年間やってきた「ゲンガー」固定っていうのは、
その作風の安定感と濃密に絡んでいたものだと思うので、別に今後も10年間固定させろと言うつもりはないけど、最低でも3作連続ぐらいはゲンガーを固定させてほしいものである。

そこで、この「らっこ」ラインに必要なゲンガー、それもここは「エロ」語りの場所だから、エロ方面からそれについて語ってみるとしたら、
まず普段着とか私服とか体操着とか、そういう日常生活の衣服をふんわりと暖かく描きながらも、エロシーンではその衣服が肌にしっとりと絡みつくような衣服と柔肌の湿度を感じさせるような絵が描ける人が良いとおもう。
何故そうなるのかというと、それはもちろん僕が半脱ぎエロが好きだからという僕の個人的嗜好によるところは30%であり、残りの70%は作品のエロ構築とエロシーンによって説明できる。
エロ構築というのは、エロシーン以外の描写において、直接的にド直球のエロを描くわけではないにせよ、ある程度は意識にしてユーザーに「この作品のエロはこういうエロだ」と妄想または期待させるような描写の数々のこと。
まぁ平たく言えば、スク水がなんだかわりと沢山でてくるエロゲなら「スク水コスプレでエッチしたいなぁ」とか思うようになるとかそう言う話で、まぁその単純なレベルで敷衍するならば、
HOOK作品は日常描写において、制服はもちろんのこと、学園では体操着から水着、そして下校後の生活における普段着や外出着とか、一日の描写のなかでヒロインの立ち絵の私服がそれなりに替わり、その一日の場面に応じた、
ヒロインの衣服とその生活感が密接に結びつくので、なんかこうフェティシュ的なコスプレ着エロ感を出しながらも、同時にそのヒロインとその衣服が「いつも馴染んでいる」ようなフィット感が出せるエロCGが欲しいところなのだ。

その点で言えば、まぁらっこ氏は当然のこととして、ハコネ氏もたかやKI氏も結構イイ線逝っているとおもう。基本的にHOOK系のゲンガーチョイスはハズレがないんだなぁといつもおもう。
特にたかやKI氏は衣服の質感とヒロインの特徴を絶妙に重ね着させるのが上手いとおもう。葵先輩の場合はカーディガンのようにゆったりとした柔らかい衣服が活動的な性格と生活と包容力を示しており、
操ちゃんの場合は比較的地味な服装でありながらも、一枚絵全体から漂う衣服の折り目正しさから漏れる微かなパンチラが、操たんの生真面目であるが故のムッツリスケベさが感じられだからウェディングドレスでセックス以下略。
まあ一言で言うと、キャラデザのボディラインと衣服の質感が自然に重なっていて、あまり萌え記号操作を感じさせずに直接的にエロかったり可愛いなぁと思わせるところが良いのよねぇ
(別に、ゴテゴテの萌え記号操作で媚びまくるキャラデザがダメだと言っているのではなくて、いやむしろ僕はそっちの方が好みではあるが、とはいえHOOK作品には「たかやKI」のやり方の方が良いって話だ)
立ち絵と一枚絵にあまり落差がないところも良い感じで、普段見なれたヒロインの衣服が一枚絵のなかでこと細かく描写され、それが次々にはだけていくのみるだけで、もっとも単純であるが故にエロイ脱衣の快楽を強烈に味わえる。


もう一つの、このライン作品の独特のエロ構築といったら、なんといっても「ガーリー」によるヒロインのちょいピンク妄想吐息ボイスによる脳髄洗脳だろうか。
流石に最近はあまり言われなくなったけど、昔から「○○声優さんもっと抜きゲに出て淫語とか卑語とか喋ってくれないかなぁ」といったような要望はそれなりにあって、
ただ今は萌えゲラインでも淫語やら卑語やらを使うことはそれなりにあるから、全くなくなったと言うつもりは無いが、淫語や卑語自体の「希少価値としてのエロさ」は小さくなっていると思われる。
そんな現在、HOOKのらっこライン作品の「ガーリー」は、なんというか「声優さんに如何にして可愛らしい妄想モノローグを吐かせて、萌え萌え乙女ボイスでユーザーの脳髄を勃起させるか?」みたいな、
エロゲメーカーでは唯一「甘萌え語ボイス作品」としての地位を築けているのではないかと妄想する。別に今作の声優さんが悪いとかベテランの声優さんが悪いとかでは全くないが、
しかし僕のなかではこのらっこラインの作品に出て「思う存分甘萌えモノローグを演技して欲しい!」と願う声優さんはたくさんいる。基本的に二次元ボイスだけで余裕でガンダーラに逝ける僕としては、
この「ガーリートーク」があるだけで、らっこラインの作品はそこらへんの抜きゲーの100倍以上にエロいもうエロエロゲーって感じなのだ。

この「ガーリー」が上手くエロシーンと繋がっているのは「菜月」「葵」「すみれ」の3人だろうか。「菜月」は前にも書いたように未遂エチというかまぁ開発エチを2回やってから、
本番に進むエロ展開であるが、開発が進む前はいろいろと主人公を想いつつも、あまり性的なニュアンスが感じられなかったガーリーが、開発が進むにつれて、
徐々にモノローグと声音がピンクっぽくなって、純粋なロリボイスからちょいエロっ娘ロリボイスへと悩ましげに変わっていく吐息とそれを反映したエロシーンの鳴かせ方が凄く良い。
葵先輩は最初の1~2回目は主人公に攻められ気味でガーリーでも受け気味にドキドキしているんだけど、エッチになれてくると……いや、ここで「攻めに転じる」わけではなく、
基本的には主人公に攻められるのを望んでいるんだけど、その受け身の姿勢があまりにも積極的なため、自分から自然に主人公を軽く誘惑しちゃおうかな♪とか、前半の半ば作っていた挑発的姿勢が
後半になるにつれて天然エロ誘惑状態になってしまうそのナチュラルなイケイケボイスがとてもエロい。「あまり年上過ぎず過度にお色気を強調しない」薄化粧なかわしまりの年上ボイスが好きな人には堪らないだろう。
しかしなんといっても真骨頂はすみれのガーリーである。こりゃもう共通ルートのすみれ選択イベントから初めてのエロシーンまでずっと前戯エロシーンがすん止めされ続けているような快楽拷問を受けているに等しい。
だって、日常イベントでは露骨にそこまでやらないけど、そのすみれの日常イベントが終わったあとには必ず「きゃううん♪今日も健ちゃんと手繋いじゃった♪これならもうすぐベットにも……」とか、
まぁ端的に言えばすみれの「オナニー一歩直前のピンクトーク」を聴かされるんであり、こんなの聴かされ続けた日にゃ「いつになったらすみれちゃんは主人公を襲うのかなぁハァハァ」とエロ妄想にも磨きが掛かるってもんだ。
しかも、シナリオはそうしたユーザーの妄想とエロを絶妙に煽りつつ、これ以上は無いタイミングですみれが主人公を押し倒すからねぇ。もうこんな感じでヒロインボイスに洗脳された状態でエロシーンに入ると、
普通のエロゲだったら、それこそSE程度にしか感じない喘ぎボイスがもの凄くエロく感じるのだから凄い。特にすみれルートのように、毎晩のように吐息妄想トークに犯された耳になってしまうと、
全てのすみれの喘ぎ声のなかにもの凄いエロイ感情が秘められているように聞こえてしまい、そこらへんの卑語やら淫語やら以上に興奮してしまうのだ。エロゲのエロのひとつのやり方を極めていると言って良い。

とはいえ、まぁ最後にちょいネガティブなことを書いておくと、上のガーリーが上手くいっている3人はエロテキストの方もそれなりに上手く書けているけれども、
全体的にみた場合に、少なくとも「ラブクエ」あたりと比べた場合、やや今回のエロはトーンダウンかなぁという感じがする。ひとつは、これは他の萌えゲでも最近みられることだけど、
どうもエロテキスト全体が、何らかの監修の下で均一生産が為されたようにどのキャラも似たような感じなのだ。その「類似性」のレベルといったら、
ヒロインのセリフの大半が喘ぎ声で、盲半分くらいがと主人公のエロ行為に対する反応で占められており、なんというか端的に主人公とヒロインがエロシーンのなかで「対話」していないのである。
別に喘ぎ声が悪いとか、キモチイイのぉ♪みたいな類型的なボイスそれ自体がが悪いと言うつもりは全くない(そんなの使い方次第ではある)が、全ヒロインのエロテキストの大半がそんな感じだと、
最初のウチはどうあれ、だんだんとエチシーン自体に新鮮味が薄れてきて、萌えゲのエロシーンでいちばん重要である「このヒロインとはどんなエッチができるのかハァハァ」妄想が薄れてきてしまうのだ。
なんとか、この作品は「エロシーンに持っていくまでのシチュエーション」作りが結構上手いから、流石に「エロ薄」とまでは感じなかったけれども、エロシーンの単調さに潜む罠については強調しても強調しすぎることはない。

個人的にいちばんエロかったと言わないまでも、いちばん面白かったのはサブヒロインであり、1回しかエロシーンがない由愛のエロシーンだったんだけどね。
これは1回のエロシーンでも、ユーザーに興奮させようとして「無理に詰め込みすぎた」結果生まれたものだと理解した方が妥当だろうけど、
エロシーンが進むにつれて由愛が思ってもみなかったエロいことを自分から喋り出して、主人公もそのペースに巻き込まれてエロペースが上がっていくところは非常に宜しい。
まぁ、おそらく今作は「時間差MAP移動」やらで、今まではとは多少毛並みの違う作りの所為で、多少は今まで通りに上手くいかなったところもあるだろうけど、
次回作は今回の多少の失敗にもめげず、時間差MAP移動の良いところは大胆に進化させて、そのうえで今までのHOOK伝統のまったりとした日常描写のよさや、
「ガーリー」の甘萌えモノローグのエロさや、他のメーカーの追随を許さない乙女チックモード満載のヒロイン描写といった点を融合させた傑作を是非是非作って頂きたいなと。

それでは「さようなら」になるか「また今後」になるか「お久しぶりです」になるかはわからないにしても、10数年間の長いエロゲ付き合い、此方から勝手に「ありがとうございました」らっこさん。
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