OYOYOさんの「瞳の烙淫3 ~双眸の洗脳調教~」の感想

Hシーンは悪くないんですけど、2、3回抜いたらそれで終わりそうな感じでした。やっぱり抜きゲーこそ、エロさを掻き立てるような構成が必要だと思うのですよ。
随分昔のこと、テレビである脚本家がサスペンスを書くコツについて喋っていた。曰く、サスペンスのキモは「制限」をいかに上手に使うかにある。事件が緊張感を保って進行するには、物語にも読者にも、どこかで不自由を強いなければならない。そのために用いる不自然な設定を、不自然と思わせず調整するのが重要なのだそうだ。私はサスペンスを書いたことがないので真偽の程は判らないが、本作をプレイしていて、そんな話を思い出した。

はっきり言うと本作は、初期設定に大きく躓く原因があったと思う。

ネックは主人公・櫻見宗也が持つ能力。これが何せ、「視界に入ったすべてのものを操る」。しかも相手の肉体を操作するだけでなく、視界を共有したり、感情や記憶をのぞき見てそれを改竄することもできる。使用制限やデメリットも無いというのだから、ほとんど何でもアリ。私が見てきた数多くのエロゲー主人公の中でも、能力だけなら最強クラスである。前作の「望んだ結果に繋がるルートが見える」主人公もたいがいチートだと思ったが、あれがかわいく見える。

サスペンスの話と繋げると、要するに宗也がムテキング過ぎて、物語に緊張感が生まれない。制作側もそれは分かっていたのだろう。何とか「制限」をかけようとした気配がうかがわれる。

それはたとえば主人公が慎重で野心の少ない性格であるということにしたり、ゲーム冒頭のトラブルで能力の大半を失わせるなどの部分。ストーリーの進行に辻褄をあわせようとする努力が見える。だが、そんなものは所詮、苦肉の策にすぎない。

有り余る力をフル活用せず、どんなことでもできるはずなのにこちらの想像未満のことしかしないとなると、ユーザーは「どうして一気にやっちゃわないんだ」とストレスを抱える。ましてそのせいで自分がピンチに陥ったとなると、「バカじゃないのか」と冷やかに見ざるをえない。

一方、ひとたび能力が活用されだすと、あきれるほどに無敵。途中のイベントでは、目隠しによって能力を封じられたかに思われた宗也が、その目隠しに付着していた微生物の視界を共有し、そこからヒロインの身体を乗っ取って大逆転。マジともネタともつかない展開に、しばらく乾いた笑いが止まらなかった。確かに彼の能力の解釈としては可能なのかもしれないが、それにしてもぶっ飛びすぎである。

ストーリーの都合にあわせて自由自在に設定が変化する。こういうのを世間では、ご都合主義と言う。片方のチームが必ず勝つようにルールが変わるスポーツを見ているようなもので、露骨にやられると、正直あまり面白いものではないだろう。

抜きゲーなんだからストーリーなど二の次で、エロさえよければ良いではないか。そんな風に言う人がいるかもしれない。だが、私がいま述べた部分は、実はそのエロと深くかかわっている。

本シリーズの醍醐味のひとつは、「強いヒロインとの対決」である。ハイスペックなヒロインを相手に戦い、ひれ伏させ、自分のモノにする。それが支配欲を刺激してちんちんおっきおっきになるわけだ。

だが、主人公の能力が強すぎると、その達成感が無い。しかも本作のメインライバル枠である静葉は、ハイスペックなわりにいろいろ抜けていてあまり強敵の感が無い。それどころか、自分の初めてを奪った主人公を意識しまくり。憎んでいるのは表向きで、あわよくばヨリを戻そうとしている。あまりにチョロすぎて、敵としての魅力がほとんど無い。これならいっそ対決路線を無理に入れず、無敵の主人公があらゆる抵抗を圧倒的な力で制圧して、やりたい放題やらかす感じにしたほうがよかった気がする。

なお、これはフォローでもなんでもなく、Hシーンのデキは相変わらず良い。いわゆる独占ハーレムもので、輪姦などは無し。ヒロインを快楽攻めにして、身も心も虜にしていくパターンだが、ヌルい和姦には成り下がらず、陵辱モノとして十分実用に耐えるできばえ。特にかるた(メイド)と奏子(理事長)が私の好み。

かるたは、主人への忠義が踏みにじられ、心折れていく様子がツボだった。理事長は、処女をこじらせた男嫌いのBBA。強がってもあっという間に快楽の虜になるあたり大変かわいい。やっぱり、純情年上キャラは最高や。

前作「2」との比較で言えば、「2」が67シーンだったのに対し、本作は73シーンとシーン数が強化された。ただし、ヒロイン数は12人から5人へと激減。その分、ひとりひとりのシーン数が増えた。これは、個別ルートの少なさなどへの反省があったのだろうか。キャラクターも、実妹、メイド、理事長とバリエーションを散らし、差別化を図っている。

能力で身体を動けなくしてHするとか、五感を遮断してバックから犯すといったこれまでのシリーズでは余り見られなかったシチュは、直接的な身体操作ならでは。心では拒絶しているのに身体が否応なく反応して流されていく淫らさが、いつも以上に出ていて良かった。作品の特性にあわせたシーン構成はお見事。

同時に、性感を増幅させて自慰にふける様子をピーピングするとか、妊娠腹ボテコースのような、シリーズファンへの配慮も欠かさない。Hシーンはそれぞれきちんと意味を持っており、このシーンがこの順番でなければ成り立たない、というような作りになっていて、巧い。

だがそのあたりの長所は、これまでの作品の延長線上。シリーズファンやシチュエーションに特別惹かれるという人を除けば、パワーダウンした感のある本作を積極的に選ぶ理由は無い、というのが私の結論である。HDDに未だ残っている「2」より先に、「3」にはご退場願うことになるだろう。

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