amaginoboruさんの「ラヴレッシブ」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

共通パートは肉食系ヒロインなのに個別はスタンダードなイチャラブに。共通で培ったヒロイン個性が全く生かせておらず、テンプレ属性のみで組まれた個別ルートばかりで単調に感じました。コンセプトから想起されるような独自性はほとんどありません。
主人公ラブラブなヒロイン4人が同時に告白。彼氏にするため積極的なアプローチを
仕掛ける話立てです。しかし恋が成就した時点で肉食性は喪失。以降は熱々な出来立て
カップル模様のみが綴られます。終始コメディ調でシリアスはほぼ皆無。やや真面目な
シーンも重苦しさを感じることなく気楽に読み進められます。

作品コンセプトから「肉食系ならではの面白さが打ち出されているのかな」と期待して
いたのですがそれらは共通パート中盤のみ。長めのプロローグはヒロインの基礎個性と
ショートコント披露までにとどまり、個別は肉食どこいったな普通のイチャラブで
肩透かしを食らいました。

それでもイチャラブが良好なら文句もなかったのですが、そのほとんどがテンプレ属性
だけでキャラ付けられたもの。流れもイチャラブテンプレのそれ以上でもそれ以下でも
ない代物ばかり。みんな主人公にデレデレしてるだけだからぶっちゃけ飽きました。

テンプレ属性のみとはいえイチャラブは成立してはいます。なので好みのヒロインだけ
なら該当ルートだけは楽しめなくもありません。とはいえ共通までに作り上げた個性は
ほとんど書かれないため勘所はほぼ外見と属性頼り。その見た目も総じて地味な彩色で
魅力は薄め。それ目的でプレイする理由としては弱いなと。

唯一の例外が真桜。年上お姉さん属性もあってか、個別でもそれまでの持ち味を生かし
アグレッシブに関係をリードしてくれました。主人公も他ルートのような万能イケメン
ではなく及び腰な一面があり、女性主体のコンセプトがちゃんと生かされていました。
エロも真桜主導が3/4でマウント取っていましたしね。

他3人も設定では負けていません。仔虎はフリーダムな言動と懐き具合が可愛らしく、
玲緒は完璧お嬢様とは裏腹なポンコツ具合が愛らしい。涼もクールな見た目と計算
高さの中に甘えん坊な後輩らしさがあって。けどキャラクターを個別ルートに持ち
込めていないから終始上滑り。非常にもったいないヒロイン達でした。

そうなってしまった理由は2つのコンセプトを両立させようとしているから、つまり
肉食系女子とイチャラブゲーに必要(と思われがち)なテンプレイケメン主人公が両立
しているためです。あるいはヒロインをしっかり掘り下げていれば単調さも回避されて
いたのではないでしょうか。


ヒロイン個性は一般的に共通パートで積み上げられるものです。それを用いて個別
ルートを綴ることで初めてユニークキャラクターとなります。ワガママお嬢クール
などのいわゆる属性はそれこそベースとするテンプレートでしかなく、それらだけで
ヒロインを表現すれば一辺倒となるのは当然です。

であれば共通で培ったアグレッシブな面を個別にも持ち込めばいいわけです。仔虎なら
猫科の子供らしいフリーダムな縦横無尽っぷりを。涼なら計算高いハニートラップを。
真桜は概ね達成されているのでそのままで。玲緒はアグレッシブ個性がないのでやはり
そのままで。

主人公も共通パートで見られた煮え切らなさを個別に持ち込みます。大事にしすぎて
エッチへ持ち込まない、自分の好かれっぷりに疑問を持つなどです。イチャラブだからと
テンプレ主人公を用いるのではなく、アグレッシブヒロインに合った主人公個性を
当てるのです。

こうすることで共通で育てたヒロインが個別でも十分生かされイチャラブとも両立
できます。また最終盤だけ主人公がイケメン化すればオチも作りやすく、共通との
差異も明確になります。「大半のルートが似たり寄ったりのイチャラブで飽きる」と
いう本作の不満を回避できるのではないでしょうか。

唯一玲緒をそのままとしたのは、仔虎と涼が変われば玲緒ルートは必然とオンリーワンに
なるからです。元より肉食系らしくない彼女はそのままのがむしろ自然でしょう。これで
ルート間に差異がない問題も解消できるのではないでしょうか。

しかし現実は個別突入時点で肉食性が喪失。さらに主人公がヒロイン一筋となり
甲斐性を持ち始めるため、それまでの過程が個別ルートに持ち込めません。同じキャラ
同士なのにまっさらな関係に戻ってしまい、結果ヒロインの言動がテンプレ属性と
イチャラブテンプレで固定されてしまっています。

そんなのが3人もいて、挙句エロ回数とタイミングまで同じなのだからそりゃ食傷も
します。これでは「安易に属性だけ変えたヒロインを並べてライターが楽している。
楽しませようと思って作っていない」と揶揄されても仕方ありません。たとえ諸々の
事情があったとしても、です。


あるいは単純に、プロローグでヒロイン個性を掘り下げても対応できたのでは。
プロローグはコントとキャラ紹介、共通は争奪戦のみが書かれているので、そこに
「何に負い目を感じているか」「何を求めるか」などを書き加えます。出会い方を
調整して「どこを好きになったか」を弄るのも良いですね。

こうすれば肉食性を持ち込まずとも個別でヒロインを書くことができます。要するに
伏線です。サブヒロインの巳稀はこれを綺麗に体現していますよね。主人公に助けられた
から好きになるのではなく「飾らない自分でいられるから一緒にいて心地いい」
「生まれの家に縛られている」「自由に生きたいができないジレンマ」など理由を舞台
設定から個性を作り上げています。

それらを数回のコミュニケーションで順に掘り下げていき、告白シーンで主人公が
好きとする理由、ヒロインが好きになる理由へと綺麗に繋げています。眼鏡ヒロインで
人気なさそうですが、その実最もよくできたお話ですよね。起をプロローグで語り、
承転結で綺麗に話立てた良ルートです。

だのにメインヒロインときたら「助けられて好きになった」「教えてもらって好きに
なった」で終わらせてしまい、例外の仔虎でさえも幼馴染という言葉だけで片付けられ、
具体的な描写はありません。それでは個別で味を出せるわけもなく。涼なら「実は孤独
だった幼少期」玲緒なら「女の子への憧れ」など理由はいくつかあったのですが、
仔虎も含めて語られるのは個別終盤ですからね。もったいない。


提示した2案どちらかでも通っていれば中身もだいぶ異なっていたのでしょう。けど
これらに作り手が気付いていなかったとも思えないのですよね。複数ライターの弊害か、
上司や営業サイドからの命令か、あるいはニッチなコンセプトに腰が引けて個別を
無難に軟着陸させてしまったか。何がしか事情があったのだと推測します。

けどユーザからすれば遊んだ作品がすべて。肉食ヒロインモノとして最後まで通すか、
イチャラブを丁寧に作るかいずれかに特化して欲しかった作品でした。「二兎を追い
一兎をも得られなかったエロゲ」それが本作の評です。「みみちゃん先生にも逃げられる
エロゲ」と書くとなんか酷いですがw

とはいえ真桜ルートは悪くないですし、仔虎のいじましさやガルーダさんのはっちゃけ
っぷりなど、良い部分も少なからずあります。1羽は捕まえられなくとも0.8羽ぐらいは
ゲットできるエロゲです。道中のコントが楽しめて、かつ期待しすぎなければそこそこ
楽しめる作品かと思います。
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