4Dさんの「らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

75点を付けてはいるけど、実際のところ点数付けるのにものすごく悩まされた。ドラクエに例えるとロトのつるぎ持ってるくせに防具はかわのよろい一丁みたいな感じで良い点と悪い点がそれぞれ目立ちすぎてる。読む人の事を考えて体裁整えるだけでも80点以上いけたんじゃねーのと思えるくらいの可能性を感じる一方で、「これまっじクソゲーwww」と切り捨てる人たちの気持ちも良く判るという…ホント扱いに困る作品だった。でも決して嫌いじゃない。
や…やあ………(ニコッ)
今年もクリ○○スだね。丸の中に入れる文字はトリで合ってるよ。
また性懲りもなくキヨシ子がやってきたので精神の安定を図るために
裸執事でもやってみようかなって思っていたんだけど、でも布団に丸まったら何もかもがどうでも良くなった。
あったかい布団の落ち着き具合は異常。



で、この作品。
一言で表すなら学園モノだと思う。でも学生らしさを感じる描写ってのはあまりない。
ヒロイン勢の多くが生徒会に属していて、そして主人公も所属してはいないんだけど
そんな彼女らに付き従ってなんか色々する。生徒会を軸に話は動く。
でもやっぱり学生らしさってのは感じないw

つまり、まあ、言ってしまうと、学生ってのは単なるシチュエーションでしかなく
真面目に学生の物語を描いてるような作品じゃあない。といっても学園モノのエロゲーは大抵そんなもんだけどさ。
基本的にはキャラクターの言動を楽しむってだけ。これがこの作品の全てと言ってもいい。

ただその言動自体は色々な意味で突き抜けてたね。
まずテキストが笑える。これは正直、中々に非凡なものがあったと思う。
実際読んでて「ンフフッ」と声に出して笑える事が少なくなかった。俺はイチイチ笑い声すらキモい。
「おいおい金貰って文書くプロが2chネタWebスラングに頼りっきりスか…」といった失望を感じる事もなく、
勢いと不条理、単語の選択といった辺りに作者個人のセンスがしっかり表れてる。

更にこれを男衆の声優が何倍にも威力を高めてるんだよね。
ぶっちゃけテキストよりも言い方喋り方で笑わせられた、ってのも結構あったんだ。
名前とかは知らんし調べる気もしないけど、でも確実に「プロの仕事」ってのは実感した。
「○○の役をやってた有名な人」というスポットの当たり方とは正反対のモノを体験した気分だったね。



そしてもう一点がヒロインの可愛さ表現。
バカップルの域を通り越して、ドロドロと言ってもいいような
全力全壊の甘え方をしてくるんだけど…これがちょっと、うん、すげえわw
特にメイン扱いであろうエリカたまとルキナが酷すぎる。

「ぱんぱかぱーん♪じゃんけんで負けたら相手のこと可愛いって言うげぇ~むぅ~vvv」

「ごほうびあげる。何か当ててみて」
「わかるでしょ?今日まだ一回もしてなくない?」
「時間内に答えないと秋人の唇と私の唇がくっつくことになりますv」

「うーで、ねえってば、うーでー。あーっ、きたー、あきとのうでー♪」
「えへへぇ、抱き抱きするー。あきとのうでー、がっしーん♪」

「エリカたまのカバンには一体なにが詰まってるでしょーかー」
「ぶっぶー。正解はー、あーくんだいしゅきハートでしたーv」

すごいエリカたますごい頭おかしいすごい。
そしてこの、もはや幼児化通り越して残念おつむな超絶ベタベタ甘えゼリフを
またもや声優が13倍くらいにアンプリファイしてくる。この人鼻声まじすげえ…

スルーした男性声優達には申し訳ないが、この脳ミソを打ち抜く鼻声には聞き覚えがあったので
今度は名前を調べてみた。…ああー、はつゆきさくらのピンクの人かあ…
確かにあの時も驚愕してたわ。ゲームは特に何も言う事はなかったけど。
と、ちょっと話がずれたけど、あまり声にこだわらない俺でも記憶に強く残るような、プロ過ぎるお仕事だった。
あまり頻繁に聞くと飽きてしまいそうでもあるけどね。
まあ何にしろこの作品は全体的に声優がお仕事頑張ってると思った。

加えて、流行りの”体液サラッサラっぽそうだよね系”とはちょっと趣が異なるけど
しかし愛嬌はあり、尚且つ肉々しさを感じさせるエロ可愛い絵も相まって
とにかく常に「エリカたま、はにゃぁ~ん」と悶えていられた。今時はにゃぁ~んとかお前正気かよ。
とどめのセクロスシーンも実に宜しい。こちらも絵・テキスト・声と三拍子揃って普通に使えるレベル。
最後だけは少しめんどくさい展開になるけど、総じてエリカたまは健康的な萌え萌えワールドが繰り広げられていた。



対するルキナは恐らく「依存と自己の確立」が話のテーマらしきものとなっている…と思うんだけど
まあそれはいいとして、この依存の表現がかなりキてる。メンヘラを彷彿とさせるレベル。
最初は「こいつ俺がいないとダメなんだな」という庇護欲を掻き立てるだけだったものが
少しずつエスカレートする行為にいつの間にか身動きすら取り辛くなり、
これはヤバいぞ、と気付いた時にはもう戻れないところまで引きずり込まれているという、あのアレ。

「なんでこうなった…?まあ嬉しいからいいけど…」という予想の斜め上を行くぶっとびラストを除き、
ルキナルートはテンプレ的メンヘラの魅力(?)を表現できていると思うw
破壊に走らず自傷に走ったらもっと完璧だったね。でもそれやったらもう趣旨変わってくるか。

まあとにかく、これがねえ…傍から見ている分には、非常に可愛いというか…満足感が、あるんです。
依存の強い女は互いの身を滅ぼすと判っていても、
「リアルでここまでされたら引くっすよね(ガクガク)」的な恐怖が忍び寄ってきたとしても、
それでも”傍から見ている分”には可愛いくて、擦り寄られれば嬉しいもんなんです。
危ういものだと判っているからこそ、なんだろう…背徳的…いや破滅的な可愛さがある、とでも言うのかなあ。

とにかくルキナはヘラヘラとしたゲームの雰囲気や、度々気持ちをリセットしてくれるポエム(後述)のおかげで
ごまかされていはいるけども、実際かなり異質な魅力(って言っていいのかこれ)を持つヒロインだったと思う。
エリカたまとは逆に不健康な萌え…?萌え…?ルキナワールドがそこにはあったね。



そんな感じで、まあここまでインパクトはないにせよギ族の娘さんや副会長なんかも実に可愛く、魅力的に描かれてる。
正直なところ、全体的に笑いと萌えのクオリティはかなり高いと俺は思うよ。一般的な作品と比べても数歩先へ行ってる。
そして今ならこの二つが共にレベル高けりゃ、80点以上簡単にいける気がするんだよなあ。

でもこの作品の中央値は現時点で74点、平均は71点。
ギブアップ率も高めの11%、という結果になってる。
これだけのポテンシャルを秘めつつも、高得点を叩き出せなかった理由は俺にも判る。
恐らく、高い評価を下した人達ですら感じている事だと思う。感じている…んじゃないかな……たぶん………

ひとりよがり、勢いだけ、ライターのオナニー、とか
人によって色々言い方はあると思うんだけど、結局のところはこれ。
「読む人の気持ちを考えていない」これに尽きると思う。

そう考える理由は二つある。
一つはブツ切りなシーンの移り変わりがあまりにも多すぎる事。前フリや状況説明をしないんだよね。
何も考えず小話、小ネタをひたすら繋ぎ合わせて作りました感がすごい。
いや、お馬鹿な日常をやるだけならそんなのでもアリだと思うけどさ。
でもこの作品は笑い、萌え、シリアスを区別せずにそれをやる。
笑いからいきなりシリアスに変わり、いつの間にかイチャイチャが始まる。
唐突すぎて、何故好きになったのか、好きになってもらえたのかが冗談抜きで全く判らないヒロインもいる。
とにかく前フリや状況説明をしない。とても読み辛い。

この作品はハイテンション学園ラブコメなんだそうだけど、ハイテンションってのが
「観客完全無視で脈絡もなくひたすら芸を披露し続ける」という意味なら、確かに合ってる。
要するについていけないんだよね。話を追うのが疲れるんだよ。
作者の頭の中では上手にシーンが移り変わってて自然な流れなのかもしれないけど
俺は作者じゃないから、そのシーンとシーンを繋ぐであろう端折られた部分まで補間しつつ読むのはいささか疲れる。
「お話は・順序良く・頼む」ほんとこれだけ。
この散らかしてるだけに見えるシナリオも味だと、個性だと言ってしまえばそれまでだけどさ。
でも個性って言っちゃうと何でも肯定されちゃうしねw



そしてもう一つ。
キメのシーンではほぼ100%始まるポエム&モノローグ発表会。いわゆるポエローグ。これちょっと、あかんわ。
どういう事かというと、この作品は大切な事、重要な事に”限って”はっきりと言わなくなる。

なんて言えばいいのかな…なんかねえ、本当に突然なんだけど、「舞台」みたいなのが始まるんだよ。
セリフもなんか比喩が行き過ぎて何が言いたいのかわかんねえし
何言ってるのかわかんねえから殆ど覚えてもいないんだけど、まあ上手く説明できる自信もないから
記憶を頼りにルキナの心を溶かすラストシーンの再現を頑張ってみると、



                                           ルキナー >λ =з=з=з=з


  Ω <私ハ最強ダ


                                  カエッテコイヨ オレタチノモトニ! >λ


((<Ω>)) <私ハ暗イ世界デ吼エテイルノダ!!大地ヲ打チ続ケネバ!!


                                        泣イテルノカ? >λ


  Ω, <コレハ、雨ダ...


                            雨ニナリタイノカ。アノ光ヲ消シタイノカ... >λ


                                  ...デモ、オ前ハ太陽ダ!! >λ





\しかし太陽は、全てを焼き尽くす!!/

          Ω
                                   \ならば、焼き尽くせばいいさ!!/

                                             λ



           \俺がお前を焼いてやる!!一生世話を焼いてやる!!!!/
                     v~
                        Ωλ ~v



                                              ~Fin.~




端折ってるけどセリフは大体合ってる…と思う。小学校卒業式の答辞みたいなあの空気感も出せてるといいんだけど…
ごめんやっぱ自信ないから、ポエローグの感じを上手く表せる人いたら書いたってw

まあとにかく、ゲームやってないと全く判らないだろうから一応解説すると、
ルキナちゃんは昔主人公を助けるために主人公の家へ放火したんだけど、そのトラウマにかこつけて
太陽とか焼き尽くすとか比喩始めちゃってるみたい。雨ってのもその過ちを消し去りたい、っていう思いを表してるっぽい。
これを聞いて↑を見直して見ても良くわかんないだろ?実は俺もイマイチ良く判っていない。
いや正確に言うと何が言いたいのか判るのは判るんだけど、でもぶっちゃけあんまり理解したくないwww

繰り返しになるけど、この作品は物語的に重要なシーンになればなるほど
普通に喋るのを止めてこういったポエローグが始まる。
ただでさえシーンブツ切り展開なのに加え比喩に比喩を重ねすぎて、もう何言ってんのかサッパリわからん事も多い。
「やだステキ…とても知的なのね」と酔える頭の良い人もいるのかもしれないけど、俺はバカだから無理だった。
個人的には、正直、

(………あのさあ…………………普通に、喋って、もらえませんかねえ……?)

って思いながら見てた。
どうでもいい日常シーンでそういう言葉遊び?をおっぱじめる作品はまあ、珍しくはない。
が、ここ一番のシーンでばかり寝言…じゃないごめんw言葉遊びを始める意味が俺には良く判らなかった。
作者の中では「上手い事言ったぜ」感で溢れているのかもしれないが、だからどうしたっていう話で
重要なのは上手い事言うかどうかじゃなく、自分の思い描いた世界へ如何に読者を引き込むかって事じゃないのか。
ヘンに気取らず、普遍的で単純な物言いでも良かったんじゃないのかなあ。そっちの方が共感しやすいよ俺には。

そして大事なシーンがほぼ全てポエローグで占められているという事はつまり、
これを理解、あるいは許容できない限り、この作品を物語として理解し成立させる事すら難しくなる。
だって要所要所で意味わかんなくなるんだもん。色々と無理だよ。

わざとそんな形容をしたんだけど、実のところは萌えと笑いしかない作品じゃあない。
ちゃんとヒロインそれぞれテーマと山場みたいなものはある。
あるんだけど、でもこれらポエローグが邪魔して全く伝わってこないんだよね…
なのでバカゲーとかそういう評価ばかりになるんだと思う。
感動的な方向に持っていきたいんだな、とかそういうところまでは感じ取れるんだけどね。

別にポエム自体を否定している訳じゃないんだ。ただいきなりおっぱじめても情緒不安定にしか見えないってだけでさ。
ポエムはポエムでお作法があると思うんだよ。読者をその気にさせる為のさ。ぱっと思いついたのは湾岸ミッドナイトとかねw
あれは人、車、物語の全てがポエムの為のお膳立てになっててすごいと思うよ。
誰でも、車に興味のない人だってあの恥ずかしい世界へ入り込めるし、酔える。そういう風に作られてる。

だからまあ、そんなところからするとやっぱり、この作品は「読む人の気持ちを考えていない」んだと俺は思うよ。



やる前の品定めとしてチラッとレビューを見て回ったんだけど
稚拙、ゴミ、クソゲーという評価や拒絶も、プレイした今ではよーく理解できる。
せっかくの笑いと萌えまでをも殺しにかかってしまってる欠点が確かにあった。

が、それでも輝きを失わず、画面の前にいる俺を穿ったのがこの作品の持つ「双つの牙」だ。
………ほらぁ…俺までちょっとポエミーになってきたじゃんか…なんなんだよもう!

まあ実際、結構叩いたような気がするけど、しかしそんな欠点を差っ引いても
この笑いと萌えには十分な評価をもって然るべきだと思ったんだよね。
なんか話がループしてる気もするけどさ、すげえ面白かったし、可愛かったのも事実でさあ。
丸く、最大公約数だけを求めて作られた優等生よりは、欠点を持ちつつもとんがっている作品の方がやっぱ魅力的に見えるんだわ。

だからこそ、すごくもったいないと思う。
誤字脱字に文章の見切れ、ヒロイン名の語表記なんかを見るに時間もなかったんだろうけど、
これでもう少しまとまり良く作られていたら一体どれだけの作品になれたのかなあ、と考えずにはいられない。
本当に惜しいね。副会長の扱いなんかも特にね。
話の流れは最悪だったハズだけど…無表情系のヒロインにときめいたのは久しぶりだよ。
あの短い期間でエリカたま超えたよ俺的に………クソッ一体なんなんだこいつ……



ホント、付ける点数に迷ったよ。
もっと高くても、もっと低くても俺的に間違いじゃなかったんだけど…まあ日和って大体中間くらいにした。
一言「良い!」とも「悪い!」とも、「普通でした!」とすらも言えない、なんとも難しい作品だった。

とまあそんな感じで…うん、個人的に今年のエロゲーライフを締めくくるにはピッタリの作品だったな。
下らない感想だけどさ、私的にかなり熱入ったもんなあ。
気軽に人にはオススメできない作品だけど、一風変わった笑いや萌えが好きで
尚且つ地雷だったとしても泣かないキャパがあればやってみてもいいかも。
少なくともあーだこーだ言いたくなる作品だって事だけは間違いないと思うよ。
もう最悪、ポエローグはクリック連打でやりすごせばおkwww



大体こんなところかな。
言いたい事全部言ったし、副会長に会えたおかげで余裕で年越しまで持つから、
んじゃまあそういう訳で…メリークリトリス!!



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