OYOYOさんの「痴漢のライセンス」の感想

一色ヒカル、かわしまりの、乃嶋架菜という豪華キャストのヒロインを揃えた痴漢ゲー。しかし、キャストの適正など何処吹く風。「細けぇことはいいんだよ!」とばかり、B級街道まっしぐら。主人公・太智はライセンスを発動すると髪の毛が逆立ち、性格も豹変。お前はサイ●人か。何だかんだ笑える部分も少なくないが、ツッコミ入れるよりシコシコしたい抜きゲーマー的にはいまいちかなあ。
東京を走る環状メトロ78線には、絶対に捕まらない痴漢が出る。都市伝説めいた話だが、その痴漢は実在した。沢流太智。彼は日本で(たぶん世界でも)唯一「痴漢のライセンス」を持つ痴漢界のエースオブエース。そんな太智が目をつけたのは、三橋あおい・貴子・ほむらの三姉妹。環状メトロに彼女たちの悲鳴がこだまする。

世の男性にとって痴漢というのは、嫌疑だけで社会的に抹殺されかねない恐ろしい罠。私など電車では両手でつり革に掴まるようにしているのだが、「痴漢のライセンス」はそんな気弱な男性にとってのどから手が出るほど欲しい垂涎の品。こいつを持っていれば痴漢しても許されるというのだから、冤罪防止どころの騒ぎではない。タシーロさんもウエクサさんも大喜びの羨ましい力を手に入れた太智のはっちゃけた活躍に期待……したのだが、実際はそれほど弾けた様子もなく、パッとしない内容だった。

オーソドックスな選択肢型のADVで、基本太智とヒロインの絡みのみの独占もの。そりゃ他の人はライセンスもってないしね。

ヒロインは3人+1。独立したゲームとしてDL販売が前提だったようで、あおい・貴子・ほむらの3ルートから最初に1つを選択する形式。+1は田舎から上京した石崎乙女(幼女)を3姉妹がオモチャにするおまけシナリオ(単独のDL販売は無し)。絵はのっぺりした塗りで好みが別れそう。嫌いではないが、下着なんかの質感がイマイチ出ていない。テキストは1文が短くテンポが良い。目立った破綻も無く、読みやすかった。

まずシーン数が少ない。回想シーンはほむら16、貴子14、あおい19、乙女4で計43(CGは66枚)。ただし1シーンを分割してそれなので、実数は半分ほど。しかも1シーンが結構短くて物足りない。シゴき出すとさっくり終了することも多く(あおいの第五話の1回目は32クリック)、前戯で寸止めされた気分を味わえる。

3姉妹の絡みがほぼ無いのも惜しい。あくまで分割ゲームを3つあわせただけの「セット」であって、フルプライスに期待する統一感のような魅力は無い。シチュエーションも単調。せめて「これぞ痴漢」というこだわりが見えれば良いのだが。この太智くん、どうにも工夫が無く、あんまり痴漢が好きではないのかと勘繰ってしまう。

だいたい痴漢ものの主人公というのは、痴漢で女を輝かせる! というアーティスト気質だったり、どんな相手も自慢のテクでイかせる! という職人気質だったりと、変なこだわりがある場合が多いが、それと比べると太智は余りに平凡。考えてみると彼の特徴は、安全に痴漢できるというライセンス能力。ヒロインを追い詰めるには良いけれど、抵抗されても騒がれても何の問題も無いのだから、テクを磨く必要がない。衆人環視も、ライセンス認可された行為だと思うと緊張感を失う。黒シャツを着た麻雀打ちなら、「俺が求めていたのは完璧さじゃねぇ、手に汗握る緊張感。ヒリつくような勝負(ギャンブル)だ!」とか言いかねない。

結局、達成困難な状況に敢えて挑む醍醐味みたいなものが薄く、凌辱ではあっても痴漢ではないという印象。この辺は体験版からは伝わってこないのでご注意あれ。

豪華声優陣の活用も残念。男キャラ含め皆さんかなりの熱演なのに、Hシーンでは単調にあえぎ声が殆ど。女性視点の心理描写も所詮はモノローグで、一般セリフと大差ない。聞く人が聞けばあえぎ声一つにベテランの巧さを感じ取れるのかもしれないが、私には無理。私のような素人にも判る、明快な工夫が欲しかった。たとえば、「この声優さんに言わせて大丈夫なの!?」みたいな卑語連発とか。黒虹とC:driveが組んだらここまでヤっちゃいますよ、というギリギリの攻め。そういうのを期待していた。

展開面は、ギャグものと心得て心理変化がマッハなのは納得できる。しかし、Hシーン描写が雑なのはフォローしづらい。3姉妹の性格によるシチュ分けやセリフ変化も目立った特徴が無く、Hが作業的に見えた。加えて、中盤以降シリアス・サスペンス・純愛と目まぐるしく移行し、最後に待ち受けるまさかの超展開(特に貴子)。よっぱらいの蛇行運転を見ているようで実にユニークだが、ユーザーの求めるスリルでは無いだろう。中途半端な進行で、「細けぇこと」と流すには結構な忍耐力が要る。

作りもやや雑。たとえばあおいのエピローグ。台の上で後ろから貫くシーンがあるのだが、彼女はお尻の穴も前の穴もマスコンに押しつけていて正面から丸見え。一体太智はどこの穴につっこんでいるの……。

明確なコンセプトの割に内容は無難。完成度も高くなく、いまひとつ面白味に欠ける。他の並み居る痴漢ゲーを前にすると埋もれてしまい、正直どういう人にお薦めなのかが難しい。やはりB級路線を楽しみたい人向けだろうか。

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