OYOYOさんの「魔法少女ルキフェル桜花」の感想

魔法少女たちの何を描きたかったのだろうか?
コンセプトは明快。魔法少女を犯し抜き、それを見てユーザーが抜くという話だ。プレイ内容は和姦無しで、人間相手と魔物相手が半々くらい。魔物はほとんどが触手。ただし機械系の触手が多めなので、ちょっと癖がある。CG枚数は差分無し35枚、シーン数27。「羞恥と快楽の狭間で、魔法少女は悶え戦う!」というキャッチコピーの通り、ハードな調教プレイもあるが基本的に苦痛は無く催淫汁(笑)と精神攻撃による快感ハメコンボ。羞恥心は比較的最後までキープされており、だらしなく喘いでいる割に即堕ち感は薄い。

羞恥プレイには仲間の前で犯されるものと衆人環視の中犯されるものの2パターンがあって、シーンの内訳的には後者がメイン。ただ個人的には前者のほうが盛り上がった。理由はおそらく、この作品の日常が魔法少女4人の交流で閉じていたからだろう。見ず知らずの一般人の前で……というのも燃えるシチュエーションではあるが、エロシーンにしか出てこない先生や生徒の前で恥ずかしがっている光景よりは、普段一緒にいる仲間にあられもない姿を見られている時の羞恥のほうが受け取りやすかった。学園、しかも折角「学園三大美少女」なのだから、顔見知りの友人を増やして屈辱感を煽るとか、もう少し上手に設定を活かす工夫があったかもしれない。

さて多くの方が既に指摘しておられる通り、本作は明らかに2011年に放送された人気アニメ・『魔法少女まどか☆マギカ』のオマージュ。あからさまにキャラの容姿を重ねたりはせず、せいぜい設定で本家を連想させる程度だが、それは『鋼殻のアイ』などにも共通するリリス作品の基本路線。人を見下した口調で喋る謎の人形・アルから魔法具「ルキフェル」を受け取って魔法少女となった桜花は、同じく魔法少女として戦っていたなつめ、リナリア、瀬璃らと共に、地球の平和を脅かす魔物・ナイトメアと戦って行く。

『まどマギ』といえば同年の「覇権アニメ」であったのは勿論、BDの第一巻がTVアニメ史上最高の初週売り上げを記録(オリコン調べ)するなど、アニメ史全体を見渡しても抜群の存在感を放つ作品。それを抜きゲー界のトップブランドであるリリスがどう料理するか……というような期待は余りしないほうが良い。せいぜい、「リリスさんもネタに困っていたのかなあ」と思うくらいが関の山。さすが俺たちのリリス、最高のアレンジだ! と感心する人は多くあるまい。

かといって、偉大すぎる先達と比較されるから面白く感じられないだけでアニメ未見者がやればそれなりに楽しめるのかというと、困ったことにそれもNO。つまり単純に、劣化コピーとしても成立していない。

最大の問題は、桜花たちの戦う動機がいまいちはっきりしないことだ。もちろん説明はされる。しかし、ユーザーが共感できるよう描き切れているかというと正直微妙。戦いに敗れてはぼろぼろになるまで犯され、挙げ句の果てに守ろうとしている周囲の人間からは罵倒され輪姦され。そこまでやられてなお、桜花たちが懸命にナイトメアを倒し続ける理由は何か。そのあたりがさっぱり伝わってこない。決して折れない勇敢な心、人々を守る気高い精神……。魔法少女の必須要件とでも言うべきそれらの要素が、本作では完全にお題目と化してしまっている。

そのせいだろう。彼女たちが講じるナイトメア対策は力任せで、特技を生かした役割分担のような集団戦闘の「見せ場」は無い。信念も耐震偽装建築の建物もかくやという位にグラグラ。彼女たちの行動には芯が通っておらず、その場その場で場当たり的に気炎を上げるだけ。結果、中盤以降は独断専行で足を引っ張り合って自滅するという何とも言い難い展開になる。

私は残念ながら魔法少女という職業に就いたことは無いし身内にもそういう業種の人はいないので確かなことは言えないが、数々の戦いを見守ってきた経験に照らして顧みるに、この作品は魔法少女の何たるかをイマイチ理解していないように見える。

現実を脅かす魔物と戦う魔法少女というのは、どこか普通の人間よりリアリスティックなところがあるものだ。自分が戦いに敗れ犯されることも、命を失うことも、冷徹な視点と覚悟で受けとめて戦う。そういう部分を描写しないで、仲間がやられて大騒ぎ、自分もやられて泣きわめくというのでは、ほとんど魔法少女のコスプレをした一般人ではないか。いや、もちろん実際にはその通りの設定なのだとしても、描きたかったのはそんな見てくれだけ・素人崩れの魔法少女なのか。少なくとも、ユーザーはそんなもの期待していないように思うのだが……。

少女たちの「強さ」を描けていないものだから、必然、凌辱シーンでは必要な緊張感や達成感が得られにくい。口では「悔しい」とか「思い通りになんてならない」とか言うけれど台詞は見事に上すべり。ちっとも練習しなかったのに試合に負けていっちょまえに悔しがっている運動部員を見ているような、妙に白々しい気分になる。むろん、本作がギャグメインのエロパロなら何も言わない。だがシリアスな、しかも現実ではやれないシチュエーションだから妄想を膨らませることが肝心の凌辱系抜きゲーとしては、いささかお粗末。多少は心情描写の丁寧さを考慮して欲しい。

本作は結局、設定だけの魔法少女ものに終わってしまっている。リリスには『イスカ』をはじめオリジナルの魔法少女作品が多くあるのに、なぜあえて『まどマギ』のオマージュにしたのか。その理由も、そこにどうしても描きたい魔法少女のエッセンスがあったからではなく、話題性目当ての安直な逃げ道だったと言われても仕方ないのではなかろうか。あるいは、企画書に「まどマギみたいなやつ」と書いてあったので仕方なくやってみたとか。実際、たとえば『桜花』をシリーズ化しようとか、あるいはこの世界観で描かれていない別の物語を考えようとか、そういう広がりは全然感じられない。有名作品から世界観だけ借りてきたことで、かえって窮屈な動きをしているように見える。

さすがにリリス作品だけあって完全に駄作ということはなく、価格相当の満足感を得られるクオリティは維持しているし、ゲームパートは全てスキップして後からHシーンだけ回想で見るという割り切った使い方をする分には、上で述べたことはまあ殆ど関係ない。好みがあえば十分実用に耐えるだろう。ただ、それなら何もこの作品で無くても構わない。のぶしと氏の絵は相変わらずムチムチしていて表情もエロく、声優さんたちも卑語に絶叫にと迫力ある演技を披露してくれていたのに、少々勿体なかったなあと思った次第である。

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