えびさんの「柊鰯」の感想

90柊鰯
絵28+文23+音15+他24 「『柊さんは俺の嫁』戦争勃発!」「じゃあ、桜さんは貰っていきますよ」などと、のらりくらりと茶化しつつ、縁側で茶でも啜りながら澄み渡った青空でも見上げてみますか。おや? どこからか祭ばやしと子供の声が・・・
■2012/04/12 ステマ目的(笑)で、ネタバレのフラグを外しました。

(※ロープライス・同人を対象に、他の項目は、最低点をベースアップしています)

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さて、まず、ご注意頂きたいのは、本作品は昨年の『東日本大震災』に関わる物語で
す。
その辺りをご理解いただいた上で、作品に触れて頂きたいと思います。
逆に、そういった描写があることに耐えられないという方は、今はプレイされない方
が良いかと思います。
けれど、もし、いつか、ふと思い出したり、誰かの感想やこの作品の美麗な絵で、再
び興味を惹かれたのなら、ぜひとも手にとって頂ければ、と思います。

以降の文には軽くネタバレのようなものを含みますし、短い物語ですので、前情報は
あまり入れない方がよろしいかと思いますが、ご購入検討をされている方へのご紹介
という語りスジで進めてまいります。
購入を悩んでおられる方の最後の一押しに、または、プレイ後の方々と余韻を共有で
きるような、レビューとなっていれば幸いです。
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まずは、HPでもDiGiketでも良いので、この美しいグラフィックをご確認ください。


・・・


どうでしたか? とても美しく、可愛らしい和装のお嬢さんが居ませんでしたか。
彼女が柊さんです。
可愛らしいでしょ? まだ一四歳なんですよ。
「はい、一名様、ご購入ぅー」


さて、この柊さんですが、家事は万能で気立ても良く、お嫁さんにするならこんな人
がいいなぁと、しみじみと思えるお嬢さんです。


この物語は、震災の悲劇を扱っておりまして、周囲の目が気になりなかなか扱い辛い
題材を扱ったなぁと思わされますが、本質的なテーマとしましては、

『伝える』

という事に尽きるのではないかと思われます。


さてさて、先程、HPなどで見て頂いた限りでは、どこか古き良き日本の薫りのする作
品のように思われますが、繰り返し言わせて頂いている通り、昨年の震災を題材に扱
っておりますので、平成の世の現代劇となります。
なぜ柊さんは和装なのかと言いますと、特に説明もありませんが、柊さんのおばあさ
んの影響と、作者のご趣味のようでして、実に良い趣味をしてみえるものだと、ほと
ほと感心させられます。
そして、それは作品のテーマとも深く結びついているようであります。

主人公は、同人ゲームのシナリオライターなどという、ほんとうに食べていけるのか
どうか、なかなか怪しい職業の三五歳の男やもめでして、残念ながら魔法は使えない
ようですが、引きこもりの童貞男のようです。
HPなどを見られた方でしたら、扉絵の右の方に居ります、文豪気取りな和装のメガネ
がそうであると申しておきましょう。
このような、皆さんが親近感を覚えるような引き篭もりニートのオッサンに、柊さん
のようなお嬢さんは、まったく似つかわしありませんが、ともかく、このオッサンこ
と鰮さんの元へ、家政婦として柊さんはやって参りました。

僅か3時間程度の慎ましい作品ですので、内容の仔細は語らぬが華でしょうが、この
どうしようもない鰮さんと、この愛くるしい柊さんとの、暖かく穏やかな日常が描か
れまして、冬の日の縁側で、丸くなった猫の臭いでも嗅ぎながら過ごす日向ぼっこの
ような柔和な作品になっております。


この作品のタイトルは、柊鰯(ひいらぎいわし)といいます。
柊の葉の付いた枝に鰯の頭を刺し、門戸などに挿して鬼避けとする、節分の風習が由
来となっております。
これは、柊鰯の柊と鰯のように、不格好で滑稽ですらありながら睦まじく寄り添うふ
たりの関係と、そしてふたりで家庭を守る、というような象徴を意図したものかと思
われます。
あるいは逆で、柊鰯から着想を得て、ふたりの関係を描いておられるのかもしれませ
ん。

そして、なぜ、そもそも柊鰯なのかと言いますと、先に述べました、この作品の本質
的なテーマである、

『伝える』

というものに関わってまいります。


日本の古い伝統、風習、風俗、文化。
柊さんが、おばあさんからお料理やお掃除を教わったように、家族で地域で、代々、
受け継がれていくものの尊さを描いており、また、それを一瞬で奪い去ってしまった
震災や原発事故への怒りも、同時に描いているように思われます。

作品の中には、コミュ障害持ちで引き篭もり気味の皆様には、なかなか身につまされ
る文面もありましょうが、この国で生きるひとりの人として、この国の良きものに目
を向け、子や孫へ伝えてまいりましょう、と、そういった懐郷の情をくすぐる、

じんわり

となる作品となっております。


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