ypwa39さんの「貧は僕らの福の神 ~貧乏の神さまだって幸せになりたいと思っているのだ~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

期待値よりもだいぶ楽しめた。デバックの時間はなかったっぽい。
新規ブランドボンボンカンパニーさん。
絵柄、キャラビジュアルがツボだったので購入。
シナリオ自体は結構楽しめました。
ただ、演出が甘いのと、テキストとグラフィックの齟齬がある事。
音声の再生ミスがある事など、完成度の低さが目立つ。
発売直前のマスターから見ても、時間が無かったんだろうなぁというのが伝わってきます。

シナリオの前後で不自然な点などもあり、そういった不具合がシナリオの面白さを少々削いでいる。

以下に、プレイしていて気になった不具合や不自然な点を表記。気付いてない所でまだあるかも。

・グループデート一日目に実際に居たメンバーと、後に千代子が読み上げる名前が一致しない。

・吉乃の正体を追求するため千代子が教室に呼びに来た時、「昼休み前最後の授業が終わり」と言っていたのに、
 オカルト部室での会話終わり際には「授業を受けて、昼休みにまた話す」と言ってる。(今が昼休みなのでは?)

・同日、真奈美は前日にタタリを受けて金銭的被害を受けたため弁当を用意できていない、と言っていたのに、
 昼休みには普通に弁当が出てくる。

・彩と吉乃が洗濯しているCG。CGの吉乃は制服姿なのに、その後の立ち絵は普段着になってる。

・全員が風邪をひいた日の翌日、料理を食べるシーンのバックが玄関前。(居間との差し替えミス?)

・吉乃が住んでいた場所は三春館のすぐ隣のはずなのに、越してくる間に三回警察に呼び止められたと語る。

・真奈美が風邪をひいた日の夜。「みんなの夕食が済んだ後、真奈美の部屋に~」となっているが、背景が居間のまま。

・テキストは夕方と言ってるのに公園の背景は昼。(夕方バージョンが無い?)

・真奈美の過去回想シーンの少し前から、真奈美のボイスが台詞とずれてる。

・千代子ルートで禍神の台詞も一つ違うボイスが再生される。

・禊が終わったはずの吉乃の立ち絵にきのこが付いている。デフォルメCGにも一枚(くじ引きのヤツ)。


後、これは不具合では無いかも知れませんが、気になった点。
プレイしていて僕は、このゲームは「男性からの視線」を気にして作られているな、と感じました。
車のライトに照らされた彩と薫の裸に気付かない運転手。
パンチラスポットで幸運にも難を逃れる吉乃と真奈美。など。
そして、吉乃に下着を着けさせる会話で先に気絶していたり、全員の服が消えてしまうシーンには居なかったりと、
本来、その「男」には美樹先生も含まれていたのではないかと思います。

ですが、薫ルートで、薫は美樹先生の前で全裸を晒してしまいます。
他のシーンでは下着姿すら晒さないよう配慮されていた為、ここだけギャップが酷くて不自然な印象を受けました。

これは、ライター間で注意事項の伝達が不十分だったのか、もしくは製作中に「美樹先生が男である」事を
失念していたのでは無いでしょうか?

特に、先生が男性であることをライターが失念していたのではないかと思わせる要因が、
真奈美ルートの「吉乃が先生の部屋に泊めてもらいに来るシーン」です。

「他の男の部屋に泊めてもらいに行く女」と書けば、これが
純愛ゲームのヒロインとして、どれだけやっちゃいけない事なのかが良く分かると思います。(本人にその気は無くとも)
吉乃のように貞淑なキャラならば特に。

男性の視線に配慮しようと考える製作陣ならこのくらいの事は分かっているでしょうし、
やはり、これらのイベントでは美樹先生を女として扱ってしまったのではないかと思います。
そもそも、先生が男である設定は必要無かったのでは?


キャラごとの感想。

吉乃
キャラデザがツボ。彼女には悪いが、きのこの髪飾り可愛すぎる。
自責の多いキャラですが、それが嫌味にならず、
思いやりがあって一途でどこか抜けてる、守ってやりたくなる可愛いヒロインです。
吉乃にとって主人公は、世界でただ一人の特別な存在。
自分は貴方だけのモノだと口にし、その傍にあることを至上の喜びとする。そんな男の独占欲を満たしてくれるキャラ。
・・・なんですが、上記の「先生の部屋で一泊」とか、「当馬とラブホテル」などの余計なイベントが・・・。
独占厨としては とても とても とても勿体無いキャラクターでした。
勿体無すぎて一番下↓に長文愚痴を書いてしまったほど。
ラストの火事は流石にもうちょっとそれっぽい演出が欲しかった。緊迫感に欠ける。
後、Hシーン一個削られた臭がひしひしと・・・。

真奈美
王道なのにベタではない幼馴染。なんだか主人公との距離感が凄く気持ち良かった。
ベタベタするでなく、かといって気持ちを押し隠すツンデレでもなく。
その上で主人公への愛情は本物で、甘甘な空気もしっかり出しまくってる。
シナリオも、作品全体での重要な要素に絡んでいて面白かった。
ちょっと自己犠牲が過ぎる部分もあるけれど、過去の話を見た後ならその理由にも納得できる。
終わり方もスッキリしてるし、不快感を覚えるようなシーンも無かった。
特別突出した要素は無いのだが、何故だかとっても好きになったキャラ。ホントに自然に一緒にいるというか・・・。
個人的脳内ランクトップクラスの幼馴染になりました。


金持ち然としているのに嫌味を感じないお嬢様。ルート突入後のラブラブっぷりが凄い。
ポジティブでサバサバした性格は好感が持てますね。
シナリオも波乱万丈な感じで面白い。ただ実父はムカつく。
こんなポジティブなノリのシナリオなのに虐待設定は蛇足だったのでは?
簀巻きにはちょっと笑った。受け入れるな借りれよと(笑)
CGは確かに他に比べるとちょっと生っぽい感じ。でも嫌いなタイプじゃない。気にはならなかった。
むしろHは一番使えた。

千代子
プレイ前「なんか微妙」 → プレイ後「千代子可愛いよ千代子」
萌え要素弱いかと思ってたら裏切られた。あの性格で攻められ弱いとかツボ。
自白剤プレイとか悶えた。ドジっこ属性まで完備。
立ち絵も眼鏡取ったバージョンだけかと思ってたら予想外に可愛いのが来た。
差分豊富。ジャージな妹に謝れ。
あと大地君、この娘の時だけ「出す」量サービスしまくってる気がするんだけど気のせい?
シナリオはなんか、予測範囲内の事を普通に起こして終わった感じ。
山場はあるが演出が弱くていまいち盛り上がりに欠ける。
ただ、貧乏神の設定を補足する意味では重要なシナリオだと思う。
でも、吉乃が罪を背負ったのは十年前なので書物に書かれていた貧乏神とは別だと思うけど、
そこは千代子の勘違いだったのかな? なんか罰の内容も他ルートと違ってる気はするけど・・・。


ルートがちゃんとあることにビックリした。
お兄ちゃん大好き設定妹を攻略できないゲーム多すぎて不満だったからウレシイ誤算。
ただし流石にオマケっぽい感じ。短め。
ヤキモチ焼きな妹はやっぱり可愛いです。


上で書いたとおり、不具合、不自然な点が目立つ上に、演出が弱め。声も特別上手いわけじゃない。
なのに、それでもプレイして楽しかったと思えるゲームでした。
物語は、唸るほどの複線や、斬新な設定、奇想天外な展開が待ち受ける訳ではありませんが、安心して楽しめるレベル。
何より、どのルートでも全てのキャラが活きていて、空気になるヒロインが居ない事が大きい。
彼女達は皆はっきりと区別された個性を持っており、かつ、存分に魅力的。掛け合いも面白い。
彼女達との貧乏共同生活を存分に堪能できます。

話自体は短いですが、
選択肢一つですぐに個別ルートに入り、以降は共通部分無しなので、プレイ時間以上にボリュームを感じる。
CGの枚数やHシーンの回数も予想より多かった。
ブランド処女作として、次以降が期待できる出来だったと思います。








 ↓以下、「先生の部屋で一泊」と、「当馬とラブホテル」に対する独占厨の愚痴です。


こういう、男女間の関係を連想させるイベントは、たとえヒロインに「その気」が無かろうと、
少なからず彼女達の「潔白性」を削ぐ結果となります。
何故ならば、たとえ内実がどうであろうとも、客観的視点から見れば「最愛の人以外とそういうことをした」という「事実」
は残されてしまう事になるからです。
例えば吉乃は、ラブホテルの従業員や、そこに入るのを見た人達から、「当馬とそういう事する関係の女」だと認識されて
しまったでしょう。
第三者にとっては二人の内面など関係なく、ただ「二人でラブホテルに入った」という事実のみが与えられるわけですから。
吉乃は大地が相手だからこそ恋人同士になった筈なのに、第三者に「他の男でもつき合える女」と認識されてしまうのは、
例え事実無根でも気分が悪いです。
先生の部屋に泊まるのも、「男の部屋に一泊した」という事実として残ります。
これらの単純な「事実」は、当人達の内情がどうであったとしても、決して揺らぐことなく残されてしまいます。
そりゃもちろん、「そういうつもりがあってやる」のに比べれば全然マシでしょうが、
それでも、「していない」に比べれば、少なからず「潔白性」は翳ります。

また、潔白性の点以外に、独占面に置いても大きなマイナスを生み出しています。
例えば、「吉乃と恋人同士だと第三者から思われる」という、恋愛シュミレーションに置ける「嬉しいシチュ」ですが、
これは当馬に与えられてしまったため、主人公が独占することはできませんでした。
同様に、「男女で同じ部屋で眠る」という分かり易い「嬉しいシチュ」も、先生に取られたために独占できていません。

吉乃は確実にプレイヤーの独占欲を満たせるようなキャラとして設定されているのに、
そして性格や台詞回しはそれに成功しているのに、
上記のような余分なイベントが、それを台無しにしてしまっている。
ラブホに入らなくても散財の手段はあるでしょうし、あえて先生の部屋に泊まりに来る必要も無かったはず。
絶対に必要なイベントでは無いはずなのに、これらの存在が吉乃というヒロインの完成度を削ってしまった。

ちなみに本編内には、主人公の押入れで寝泊りしようとする吉乃に兄妹で説得を試みるシーンと、
主人公が「ベビー用品売り場に二人で居たら、他の人に勘違いされるかもな」と思うシーンがあります。
つまりライターも、「同じ部屋で眠ること」や、「特別な関係だと勘違いされること」は純愛ゲームにおいて「嬉しい」
要素である事を分かっているはずなのです。
なのになんでそれを他の男とやらせちゃうのか・・・。
複数の男に与えられたら有り難味が激減するのは分かりきってるでしょうに。

本当に悔しい。こういうキャラを作るなら、どうしてそういう所、もうちょっと気を配ってくれなかったのか。

 もっと完璧に独占させてくれ!

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