OYOYOさんの「リヴォルバーガール☆ハンマーレディ」の感想

マリアちゃんは何か反則的にエロいです。童顔ムチムチ。これがアンバランスの美学でしょうか……。
舞台は大異変「ザ・クラッシュ」を経て荒廃した世界。わずかに生き残った人類は各地にコロニーと呼ばれる居住区を作り、異形の化け物「デッドヘッズ」と戦いながら細々と生き延びていた。主人公のマリアとキリコは、トリージアスと呼ばれる特殊能力に目覚め、賞金稼ぎとして生きる二人組。意志を持った車・レミーを操り、デッドヘッズたちを狩るのが生業だ。そんなある日、二人は法外な報酬で奇妙な依頼をもちかける少女と出会う。少女の名はネーナ。訝りながらも二人は、高額な報酬と未知の冒険を求めて彼女の依頼を引き受けるのだった。

KAI作品は何と言っても、〆鯖コハダ氏の描く凌辱とは縁遠そうな可愛らしいヒロインと、そんな彼女たちが見るも無惨な凌辱を受けるというギャップがウリ。可憐な美少女がボコォでひぎぃ! という確立された芸風は健在で、萌えキャラにハードな責めをしたいという欲求を正面から受けとめてくれる。余り残酷なのはちょっと……という人には「ソフトモード」で快楽に染め上げるようHシーンの内容を変更できる「ラプラスビジョン」でケアもバッチリ。これは姉ブランドAmolphasの『斬死刃留』で導入された「凶見システム」の後継だが、よりシンプルで使いやすくなっている。『斬死刃留』以来、味のある演技でこのスタイルを支えてきた金松由花・青井美海のコンビが共にメインヒロインから外れるという事態で声優陣に一部不安の声も囁かれていたが、まったくの杞憂。パワフルなあえぎ声で不安を一蹴した。

自称「B級アクション風」などと言っている脚本も、ウェスタンものの格好だけ真似た粗製濫造の品とは違い、愛とレスペクトに溢れている。オープニング、「Are You Ready?」のかけ声と共に始まるデッドヘッズとの戦いは、圧倒的かつ一方的。マリアが二挺拳銃をぶっ放し、キリコが巨大ハンマーを振り回すと、ゴミのようにデッドヘッズ達が消し飛んで行く。

これが和月漫画なら、主人公たちは襲われている可憐な美少女を助けるのかもしれない。正義の味方の登場というのは、そういうものでなくてはいけないからだ。しかし、マリアとキリコがデッドヘッズを皆殺しにするのに、そんな高尚な理由は存在しない。彼女たちは金のため――生きるために殺す。もっとも、そればかりではない。彼女たちは明らかに、愉しんでいる。誰かを助けるためでも、何かを守るためでもなく、自分たちの愉しみのため遊びのように殺す。ほとんど虐殺に近いその光景で、ユーザーは自分たちがどんな世界に誘われたかを一瞬にして理解するだろう。デッドヘッズもトリージアスも普通の人間たちも、誰もが平等に生き、平等に死んでいく。舞台に渦巻く荒廃と暴力を雄弁に物語る、見事な導入である。

この二人のコンビ、態度も考えも刹那的なようでいて芯があり、荒れ果てた世界を逞しく生きているのに、悲しんだり怒ったりする様子は妙に普通の人間くさい(マリアの処女ネタとか)。その辺は中盤明かされる二人の過去との絡みもあるのだろうが、荒っぽいけれどコミカルでどこか憎めないキャラ付けが良い。多くのユーザーは、彼女らが「キャリアタウン」に吹きこんだ変革の風をどのように受けとめるのかを好意的に見守ることができる。バトルシーンなどは特段見せ場があるわけでもないが、キャラクターがしっかりしているお陰でダレることなく物語を引っ張れていた。

ブランドの過去作に比べて内容が薄まったとの声も聞かれるが、私は一概にそうとも言えないと思う。肉体的ないたぶり(リョナ要素など)が少なくなったのは確かだが、ウォーピッグとマリアの因縁や我が子のために戦うキリコの絶望など、精神的にダメージを与えるような描写は増えている。むしろ本作の比重はそちらにあったと言っても良いくらいだ。

肉体的にこれ以上エスカレートする路線といえば、パッと思いつくのはTinkerbellの『蠱惑の刻』のようにダルマ(手足を切り落とす)にしたり、眼球を穴として使ったり……で行くか、BLACK CYCの『GUN-KATANA』のように血みどろになるまでズタズタに切り刻むような方向性。だが、どちらも〆鯖氏の絵柄の良さをスポイルしてしまう可能性が高い。もちろんやってみなければわからないのだが、割と繊細なバランスのうえに成り立っているブランドカラーを無理をして崩すより、違うベクトルでの掘り下げによってエロさを追求しようというのは、懸命な判断と言える。

もっともKAI作品の場合、精神的なエロさというのは堕ちの過程を丁寧になぞる、というようなものにはならない。基本、Hシーンを見るとBADEND直行。本作でも、一度捕まったヒロインたちは死ぬまで犯されるデッドオアアライブの世界が継続している。だから本作の精神的なエロさというのは、その一度きりのシーンでどれだけ蹂躙を徹底し、ヒロインたちに深い絶望を与えられるかにかかっている。凌辱する側の視点でいえば、尊厳から命まで、全てを奪うような征服感を一太刀で得られるかどうか。

過去作ではヒロインに「使命」を与えることでそこをクリアーしてきた。『ヴァルプルギス』も『ブレイズハート』も、ヒロインたちは世界を護る存在であり、怪異に敗れることで信念や使命感が砕かれ、人類も滅ぶ。これは非常にわかりやすいのだが、最終的にヒロイン自身とは関係のないところへ問題が飛んでしまうせいで私にはちょっと乗りにくいところがあった。オリンピックで、「応援してくれた人に申し訳ない……」と泣いている選手を見ているような感じ。作中でその使命感を共有できるくらいまで丁寧に描写がされないと少々キツい。そこへ行くと本作の場合、一応世界の運命のような要素は絡んでくるが、基底を流れるのはキャラクター個人の心情なのでだいぶ接続しやすかった。エロの内容的には、方向こそ違えど、前作までとひけを取らない出来映えだったと思う。特にウォーピッグがマリアを犯るシーンは、どれもとても良い。

ただ、ストーリーの構築には少々失敗したかな、という側面もある。というのも、前半のウェスタン調がうってかわって、後半からはSFの香りが漂ってくるのだ。両者のとりあわせが必ずしも悪いとは言わない。ただ本作では、叙情性と娯楽性をメインに据えて個人の生き様にフィーチャーしていくウェスタンの作風が、世界の謎や意味(価値)の問題を扱うSF的内容に接続するプロセスで、どうにも説明不足になった感が否めない。結果、ウェスタンものとしては説教臭く、SFものとしてはディテールが弱いというどっちつかずな作風になってしまった。その点だけが残念。ノリ的に後者に絞る話でもないだろうから、最初から最後まで軽快なガン・アクションとして通せば堅実なエンタテインメント作品に仕上がったのではないだろうか。

少々詰めが甘かったとは思うものの、全体としてはなかなかの出来映え。最後のネックはボリュームくらいだろうか。さすがに少々短かった。ただ内容的には、この手の作品が好きならそれなりに満足したと思えるだけのクオリティを持つ納得の一本。秋の夜長のお供にどうぞ。

シーン数はアペンド等無しで41シーン。マリア・キリコが10ずつ、ネーナが4、JJとシエンが3ずつ。複数Hが8。モブキャラ姦が3。和姦は一切無しなので、耐性が無いかたは(そもそも手に取ったりはしないでしょうが)、ご注意ください。

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