マルセルさんの「VenusBlood -FRONTIER-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

取りあえず最凶難易度までクリアしたので感想をババぁ。良い言い方をすれば毎回確実に進化を遂げるVB、悪い言い方をすれば毎回確実に改良点が見つかってしまうVBシリーズではあるけれども、良い方から言えば今作VBFのFはFinaleと言って良いくらいの完成度を誇っているのは間違いない。純粋に戦略/育成システム(のみ)で言えば、ここ数年のエロゲーのなかでいちばん他の楽しめた作品だった。エンカウントバトルで50ユニット以上の運用を求められることもさることながら、男キャラなんて主人公以外ツカワネ可愛いユニットは正義!を餌でいく萌え豚硬派プレイをしても、所謂「捨てキャラ」のようなユニットが見当たらず、運用次第でフツーに使えるゲームバランスは素晴らしいと言わざるをえない。しかしどうしようもなくFrontierなのはシナリオと各種バグで、中ボス不在そっこー最終戦争燃え展開やロリエチが少ないのに俺は泣いたのだ。
感想に入る前に、変な言い方かもしれないけど僕のプレイ履歴を最初に書いておこう。始めは1.10で初回ノーマルロウをクリアし、二回目は「アイテム引き継ぎあり」だけでハードロウをクリア。
ver1.11に乗り換えて「全引き継ぎ固定ユニット資金ボーナス」(以下毎回この設定)でベーリーハードノーマル、ロウ、カオスルートをクリアして各種イベントをコンプリートし我が軍を最強に鍛え上げ、
最後に最終難易度をクリアして終わりって感じです。最終難易度をクリアしてからOHPに行ったら、わりと難易度が下がるような修正パッチが公開されて随分と後悔はしたモノでしたがw
なんでいちいちここまで書くかというと、そもそもこの手の難易度を云々する作品って、上の設定操作のようにユーザーの設定でがらりと難易度とプレイ印象が変わるから、
そこらへんを最初に書いた上で難易度がどーこー言わないと、読み手としては「どーせお前はヌル設定orマゾ設定でやっているんだろうがw」みたいに思ってしまうんじゃ無いでしょうかねー。
まぁ、そう考えれば、昔の、というかファミコンからプレステ1ぐらいの時代は、二周目以降のやり込み設定以外の初回プレイは、難易度設定というものがあんましなくて「中流ユーザー」みたいのが予想できた時代なのかなと横道ぶらり旅。

さて、本題に入りましょうか。このVBFっていう作品はその名前の通りVenusBloodシリーズの最新作なんだけど、細かいところはwikiを参照して頂くとして、世界観と基本システムやら基本物語展開に何らかの共通性があるぐらいで、
別に同シリーズ作品を前もってやっておく必要は無いということに成っている。まぁ本当のところは「世界観と基本物語に何らかの共通性」のところはあっているんだけど、基本システムを理解していないと初心者にはちょい辛いところはあるんだよね。
このへんは後でもう少し突っ込む予定だけど、チャートリアルとか攻略冊子の説明も「一番大事なところ」にはあまり触れていないし、「トレハン」やら「撃破金運」の重要性をまったく知らないと、
下手をするとゲームにならないってところも、ある程度シリーズの「お約束」を知っていないと辛いところかもしんない。まぁある程度詰まってきたら攻略wikiを見ないとシリーズ初心者には激ムズに思えるかも、ぐらいの作品だと思えば良いか。

逆に言うと、シリーズ経験者にとって、このVBシリーズは「早くクリアしようとすると難しいが、時間を掛ければわりと簡単なゲーム」出会ったことは間違いないし、今作もあるレベルではそうではある。
というのも、まぁいろいろと理由はあるんだけど、一つだけ大きなポイントを上げれば「制限ターン」がほとんど皆無に等しく、弱点の程度の差はあれ敵の弱点は必ず最初からわかるので、
時間を掛けてチクチク持久戦に持ち込めば、例えば「江戸川区VSアメリカ合衆国」みたいな圧倒的な戦力差の状態になったとしても(ベリーハード以降は大抵そんな感じだ)基本的にはなんとか勝てるのである。
そういう意味では、この作品、あちらこちらから「かなり難しい」作品と言われるているけど、端的にクリア出来るか出来ないかの話で言えば、わりと簡単な作品とは言えるわけだが、
しかしあるレベルでは「やっぱり難しい」と思うところも事実で、そして、この作品がおもしろいのはそのあるレベルにユーザーを巧みに誘導する「クリア以外の難易度」の存在であろう。

そこらへんを説明するためには、基本的なシステムの説明から入るのが良いかもしれない。このゲーム独自の戦闘システムとして「エンカウントバトル」というものがあるが、まずはここを切り口にしよう。
大抵の戦略SLGは、まぁ細かい違いはいろいろとあるにせよ、ターン制を前提とする場合、ユーザー側が一ターンで攻め込めるのは一カ所の陣地であり、AI側も大抵はだいたい二カ所ぐらいである。
例えば、日本を治めるアナタが首都アキハバラから攻め込むことが出来るのは、増税党党野田が率いる千葉県か、立ち上がれ俺のティムポ党党首イシハーラが率いる尖閣諸島のどちらかしか無いわけだ。
これはこのVBFも基本的には同じである。「メインバトル」と言われるユーザーが操作する戦闘シーンは、隣接する地域の一部対に対する攻撃でしか行うことは出来ない。
わかりやすい違いは「AIターン」の挙動だろう。普通の戦略SLGは大抵は隣接した地域から自地域に対して、三部隊ぐらいが攻めてくる。
先の例でいえば、敵軍が隣接している東京とか福岡といったところに敵が攻めてくるけど、、逆に言えば敵が隣接していない大阪とか長野県とかには攻めてこないので、そこには防備ユニットを置かなくて良いわけだ。
つまり、敵軍と隣接している地域のみが「戦線」となり、そこに、そこだけに戦力を集中すればいいわけで、ユーザーが使用するユニットの数は基本的に限定されることになる。
もちろん、理屈だけで言えば東京都みたいに「他県に囲まれるような状態」ならば隣接する地域も増えて、防衛拠点が増えるんだろうけど、前述したように敵の侵攻箇所はある程度限られているのが普通である。

しかし、このVBFのエンカウントバトルは普通では無い。まぁ難易度によって数は違うけど、敵の侵攻箇所は基本敵に三カ所以上であり、隣接している地域以外からも、場合によっては北海道から東京に攻めてくるような場合もある。
もっと言うと普通の戦略SLGと「拠点」の概念が少々違うんだよね。まず、ユーザーは普通のSLGと同じように隣接した拠点の敵の部隊を攻めていって拠点を制圧していくんだけど、
その拠点に自分の部隊を置くことはできないというか、置く必要は無いわけだ。いっぽう、敵は敵の陣地に自分の部隊を置いているけれど、その隣接する陣地とはまったく関係なく、敵はところ構わず攻めてくる。
んで、そのところ構わず攻めてくる敵部隊をところ構わず防衛するのが「エンカウントバトル」ってわけだ。自軍の部隊を「エンカウント防衛用」と命令を発すると、その部隊はところ構わず攻めてくる敵の部隊に対して、
自動的にところ構わず防衛してくれる。この戦闘シーンは五ラウンドやる普通のメインバトルと違って一ラウンドだけの自動戦闘だ。このエンカウントバトルは「防衛」だけではなくて「攻撃」にも利用することは出来るんだけど、
「攻撃」の場合は「防衛」の時と少々ルールが異なっていて、こちらは通常のSLGと同じように隣接し、ユーザーが攻撃目標に選んだ一カ所の地域しか攻撃できない。その地域に複数の部隊がいた場合は、
一ターンで複数の部隊を倒し一つの拠点を手に入れることが出来るけど、一ターンで同時に複数の場所を攻撃することは(AIにはできるけど)ユーザーには出来ないってことね。

まぁここらへんは実際に体験版なりをやらないとよく理解しにくいところだと思うんだけど、このエンカウントバトルと普通の戦略SLGの本質的な違いは、複数ユニット/部隊の運用方法の違いだと言うことだけはおさえて欲しい。
普通のSLGの場合は、隣接する地域のみで戦闘が発生するし、複数の地域に敵が隣接してもシステム的に進行箇所が限られていたので、どうしたってユーザーが使用するユニット/部隊の数は限定されることになり、
使用ユニットの二倍近い二軍ユニットがカーソルの底で放置プレイされるわけである。なぜこんなことになるのかは、まぁ大半は惰性による「戦略SLGってそういうものだし」という「日本の原発はぜったいに安全です!」と、
同じようなものであろうが、基本的には「一部隊VS一部隊」のメインバトルを前提とするゲームバランスを前提とする戦略SLGにおいて、そこに複数部隊バトルまでいれたらバランスがトチ狂うからだろう。
戦国ランスの「魔軍」のような状態がデフォルトだったら確かに面倒すぎてゲームにならないのは間違いない。しかし、このVBFは始めから複数部隊の運営を前提としている。攻める場合は普通の戦略SLGと同じように地域拠点侵略を、
一ターン一拠点と行って行くわけだが、守る場合にはどこに敵がいるか関係なくどこに味方がいるのか関係なく、攻める敵の部隊の数と守る味方の部隊の数によって自動バトルが発生するので、必然的に複数部隊の運用が求められるわけだ
しかもこれは、運用する部隊とユニットの数が通常の十倍近くなるとは言え、たぶん普通の戦略SLGよりも(インターフェイスには改善の余地はあるが)運用は楽。エンカウントバトルが自動で済むというのもあるけれども、
地域ごとにユニットを置く必要がなく、「防衛」と「攻撃」の命令を使い分けるだけでMAP場の敵を迎撃出来るんで、あそこの部隊とユニットをこーこー動かしてみたいな手間はまったく掛からない。この点は非常に革新的と言えよう。


と、はいってみたところで、別に「エンカウントバトル」自体がおもしろいわけでも無いし「革新的なモノ」それ自体がそれだけで評価出来るわけはない。デフレ下での増税とか地下原発がスゲー革新的なのは認めざるを得ないけどクソったれだし。
問題は複数の部隊を運用することの「面白さ」やその「モチベーション」をこの作品がどのように調達しているか?といったところで、ここに、この作品のシステム面の面白さがあるといってもいい。
最初に言ったように、これはエンカウントバトルも含めてのことだけど、クリア自体もエンカウントバトルで勝利すること自体はさほど難しくは無い。ハードの後半ぐらいまでは、敵の侵攻部隊の二倍近い防衛部隊を連続投入すりゃ勝てるからだ。
じゃあ、なにが「ある意味では難しくて」そしてそれのなにがおもしろいのかというと、自分の思ったような部隊をつくって、その自分の思ったような勝ち方をするのがなかなか難しくて、その試行錯誤をするのがかなーりおもしろいのである。
これは無論「自由度が高いからおもしろい」わけでは絶対に無い。確かに「自分の思ったような部隊を作る」ことが出来ること自体は「自由」ではあるけれども、さて、その「自分の思ったような部隊」とか「自分の思ったような勝ち方」を、
引きおこさせられるように仕組んでいるのはゲームの方ではないだろうか。そして、その自分の思ったような部隊がや自分の思ったような勝ち方がなかなか出来ないからという「束縛」からあるから、試行錯誤が楽しいのでは無いだろうか。
つまり、まず第一に「これこれこういう部隊が作りたいなー」という大多数のユーザーにモチベーションを起こさせるような仕組みがゲームの方(だけじゃないことは認めるけど)にあって、その「自由への欲求」を、
巧妙に遅延束縛するシステムがゲームの方にあるからこそ「自由度が高くておもしろい」と言ったような感想をユーザーに抱かせることに成功するわけである。個々の感想とそのゲームの仕組みは時としてまったく正反対なのだ。

具体的に言うと、ノーマルぐらいの難易度でも、わりと考え無しでゴリ押しでプレイしていると、クリアできないわけでは無いんだけど、非常に効率が悪いというか、ザコ部隊での戦闘でも主人公のエース部隊が全滅直前ぐらいまではいく。
基本的な戦闘システムは、まぁ戦略SLGの基本である兵種相性(ガーダーは包茎じゃなかった砲兵に弱いとか)と種族属性相性(女の子キャラはオナホールじゃなかったオナキューブに弱いとか)の組み合わせ+各種スキルなんだけど、
前者は普通のSLGと同じくらいでも後者のスキルの組み合わせが結構イヤらしい。例えば、相手の部隊の後列が遠隔攻撃無効スキルと回復スキル持ちユニットで固まって、前列に攻撃不可だけど防御二倍持ちのガーダーがいたりすると、
フツーに力押しや回復役を先に撃破みたいな戦法をほぼ通用しない。この場合は側面攻撃ありのランサー部隊で遠隔無効の後列を撃破して……みたいな闘い方が必要になり、
そういうスキル持ちを持ったユニットで構成された部隊を作りたいとは思っていくわけだ。まず第一に、攻略性の効率から「こういう部隊があったらいいな」と思わせる場面がノーマル難易度でも多かったりする。
この効率性の追求は最凶難易度ぐらいまでは続く。流石に最強難易度になってくると「もうこの禁じ手ユニットを使わないと勝てねぇ!」になってくるんだが、そこまでは、例えば治療費の高いユニットの治療費を節約するために、
前列用のザコキャラを育てていたら、ソイツが案外つよいキャラに育ってしまって、いや今度はこいつらだけで組んだ方がおもしろいんじゃ無いのかと浮気したりと、最初から最後までユニットの組み合わせで悩まないことは無い。
大抵の戦略SLGって中盤ぐらいにはある程度「決め手の組み合わせ」が決まったりして、二軍以下はイベント回収とか贔屓プレイじゃないと使わないんだけど、この作品は高難易度になってザコの使い道が決まったりと実に楽しいのだ。

もちろん、そのユニットの組み合わせ自体にも「制限」があって、その制限を何とか克服しようとする試行錯誤もこの作品の面白さの一つだろう。ユニットを生産するのには「メダリオン」というモノが必要になって、
これはいろいろな方法で手に入れることが出来るのだが、一般的には装備アイテムゲットと同じやり方で手に入る「トレハンゲット」がいちばんやりやすい方法だろう。
「トレハン」というのは、そのスキルを持ったキャラが撃破部隊に生存していると、アイテムがゲットしやすくなるというものだが、このトレハンが実に楽しいのである。
というのも、このトレハンには累積効果があり、同じスキルを持ったユニットが一つの部隊に集まるほどレアアイテムゲットの確率は高まる。
んでもトレハン持ちのキャラはザコキャラが多いので、トレハン持ちを集めたらザコ部隊になってしまうし、スキルが一つ塞がるのでいろいろな敵部隊に対応しにくくなるけど、
しかしトレハン持ちキャラをバラさせたらレアアイテムゲットできず……といった実に悩ましいバランスの問題がある。まぁ挙げ句の果てには、
トレハン部隊で苦労して手に入れたレアアイテムやレアメダリオンを使って、トレハン部隊だけが異常に強くなってしまうという本末転倒なオチなんだけどwそれはそれでやっている間は楽しいことに違いあるまい。

僕としては、この手の作品は効率性重視とか早解きクリアなんかはあまり考えずに、特に見た目重視や気に入った萌えキャラを必ず使い、男キャラは主人公以外必ず放置するという萌え豚硬派プレイをやる人間で
ええ、もちろんFEシリーズなんかは女キャラを仲間にするまで男キャラは生かしておき、その後は裸特攻させるのが基本。カシムなんか毎回シーダちゃんでぶっ殺るし、聖戦の系譜も子世代はセシル君のハーレム状態ではある。
まぁこんなことをやっていると、大抵どのゲームでも難易度は上がってしまうので、ある程度は効率性云々みたいな話も意識はするし、基本的には贔屓ゲーやっているなぁとはいつも思うんだけど、
今回のVBFはその自分のお気に入りの女性キャラだけでも組んでも(ウルティマカノンが使えないのは少々辛いが)、それなりに上手く組めるようなところがあって、久しぶりにまともなSLGプレイをした気分になった。
いや、たぶん僕のようなやり方がある意味では楽なのかもしれない。十の部隊があって、そこに六のユニットが組めるから、全部で60のユニットが必要になるんだけど、僕のような「見た目あんど萌えキャラ重視」の選定をやっても、
60の枠に収まりきれずに「このキャラを切る(といっても一時解雇するだけだが)のは辛いなぁ」と何度も思ったからだ。男性キャラを含めて普通に効率だけで組んでいたら、その最適な組み合わせを見つけるだけで二日ぐらいはかかるかもしれない。


と、このように「ほとんどベタ褒め」なゲームシステム評価であり、ここ数年のエロゲのなかでは、否、別に洋ゲやらコンシューマーやらを含めても
(余談だけど、ここ最近の洋ゲやらコンシューマの期待作をやっていると「コンシューマと比べたらアレですが」というエロゲの奴隷根性的なテンプレ評言が馬鹿らしくなるものが多くないッか?)
まぁ五本の指に入るくらいにはおもしろかったことは事実ではあるけれども、不満が全くないわけでは無い。確かに前作AやEから比べたら、スキルの組み合わせによって各種兵種が生きてきたのは事実であるけれども、
それでも一部スキルや一部兵種が強すぎるのは否めないだろう。ベリーハードぐらいになると、遠隔もしくは必殺増加&致命必殺30やカブト割を持たない攻撃キャラはマトモにダメージを与えることが出来ず、
上であんなに褒めたキャラの組み合わせの面白さもやや単調になりがちなのはおもしろくない。やり込みモードなんて廃人向けなんだから、どうでもいいちゃどうでも良いんだけど、なまじ最初のほうがおもしろかっただけに、
あとからわりとつまんなく、やり込めばやり込むほどつまらないというのは後味としてよろしくないだろう。まぁ僕は最初から萌えキャラ贔屓縛りでやったからそれでも楽しめた方だけど、フツーにやったら二割ぐらいつまんないじゃないの。
あと「トレハン」も上で褒めたのに何なんだけど、これほど「一部スキル」を使わないとクリアできないつーのはゲームバランスとしてはよくないとおもふ。「レアアイテム」だけなら別に良いんだけど、
軍資金もダメリじゃなかったメダリオンの調達と言った、必要不可欠の要素もコレ一つで全部揃ってしまう、逆に言うと、コレを使わないと難易度がノーマルからベリーハードぐらいまで上がってしまうのはマズイよなぁ。
これ、本来なら「内政」でどうにかする部分だったはずなのに、内政があまりにショボすぎて、「トレハン」の方でなんとかバランス取りました-って感じなんだよねぇ。
トレハンを「一部スキル」じゃなくって、固定コマンドとしてもっと内部に埋め込むか、内政とうまくリンクさせたりすればもっとおもしろい作品が出来るような気がしたんですがー。

まぁ上の欠点は「今までもできなかったもの」だから、ある程度は仕方が無いと言えるんだけど、「今まで出来ていたモノが何故か今回は出来ていなかった」シナリオ方面の弱点に関しちゃ少々厳しくならざるを得ない。
弱点つうかねぇ。これマグナムが出る前のランスクエストにもウスウス感じたことなんだけど、たぶん単純にシナリオが追いつかずに「未完成」ギリギリ直前で何とかまとめ上げますたって感じかな。
いや、ランクエみたいに「最後に辿り着く前に終わる」っていうよりも、こちらは「最後に行く前の話を5話ぐらいすっとばした」って感じでして、さぁこれから話が盛り……ええっ、もう最終回なんですかぁ?ってノリだ。
具体的に言うと2話から5話まで女神の話で、これはユーザ-の選択肢によって選ぶ順番を変えられる。んで6話から7話までがいよいよ腹黒兄貴と狂ったオヤジとのバトルで、最後の八話がロウルートとカオスルートにわかれる構成。
んで、まぁ最後の分岐が八話だけっていう物足りなさもわるとあるし、AやEと比べるとこの八話も薄っぺらいんだが、もっと問題なのは6話と7話の後半への繋ぎのブリッジがぜんぜん上手く行っていないところ。
まずこれは攻略要素の点からいえば、六章が前の五章以前に比べるとかなり難易度的にもヌルて拍子抜けするのもある。おでんの聖獣部隊とかリグレットのクマー&ウルティマカノン部隊とか、
ユーザーに「これはっ……」と思わせる敵が殆どいなくて、単にザコ部隊の数が増えただけだもん。三姉妹が一気に出てくるところが「驚き」のポイントかもしれないけど、協力しなきゃ前の章で闘ってたからそんなに驚かないしねぇ。
それに輪をかけて酷いのは七章の存在かな。何周もプレイした僕でも、「六章」と「七章」がどこで区切りがついたのか、正直良く覚えてないくらいこの「ラスト直前」の七章も難易度的に印象が薄い。
攻略MAPが六章とほぼ同じ劇場っていうのもあるし、強い敵キャラを集めた所為なのか敵部隊の数が少なくて、すぐにクリア出来る所為だろう。しかも強いって言ってもシンモラ以外はヘル姉さん部隊と大してかわらないから印象薄いし。

ただ、それ以上に問題なのはやっぱりシナリオの方だろう。これはいろいろな問題点があるんだけど、切り口としては「中ボス不在」ってところからいろいろと見えてくるところが多いと思う。
「中ボス」っていうと、この物語のなかでは三姉妹キャラがその位置づけにあって、事実、二章から五章で女神戦と共に三姉妹(選択によっては)と闘うところでは、それなりの盛り上がりと存在感があったのは事実だ。
でも、それはあくまで物語的には「女神戦」つまりは序盤から中盤にかけてぐらいの役割の話で、六章から以降はイミル兄さんと狂ったオヤジにしぶしぶ付き合ったり、操られているサブキャラでしかないじゃない。
なにかこう、Eにおけるフィガネスだとか、Aにおける乳首隠しオヤジみたいな、真のボスの前に立ちふさがる強力な敵キャラみたいのがいない……いや、一応イミル兄さんがその役割なんだろうけど、
難易度的にもザコキャラだし、物語的にもイミル兄さんは結果的にわりと良い人っぽいことをやっていることが多いので「敵キャラ」って感じが殆どしないのだ。だからいきなり「最後の大ボス」にぶち当たってしまう感じがする。
まぁその「最後の大ボス」がそれなりに存在感があれば、それはそれで良いんだけど、カオスルートもロウルートも典型的な破壊ネ申なんたらみたいな感じで、こういうのは最後の最後に「真の最凶の敵」として出すのがお約束だろ。
ハナっから最後の大ボスがハタ迷惑な厨二病破壊ネ申です。もうなんかセカイとかぶっ壊しちゃいます(はぁと)みたいな話をやられても、最初はおおなんかすげぇ!とか思っても、最後までそれだけじゃ盛り上がらないんだよねぇ。
唯一、過去作よりもよかったのは、ロウルートでティルカが一応メインヒロインらしい役割を持っているところぐらいかな。それにしたって、ああいう設定をするぐらいなら、最終戦の前に超パワーアップみたいな話をやって欲しかったけれど。

もうちと細かく語ってみると、たぶん今回は、まぁシナリオが未完成ギリギリってところもあったかもしれないけど、たぶん前作よりも「意図的に薄め」といったら御幣があるけど、
全体的に「わりと長い」と評判があまり良くなかった「戦闘テキスト」なり「世界観テキスト」なり「戦略テキスト」を短めにしようという印象がある。わりと大雑把な言い方をすると、
今までだったら各章に「プロローグ」→「戦闘の始まり」→「中盤でやられそうになる」→「一発逆転の秘訣を狙っている」→「最後の勝利」って感じに五段階のシナリオパートが会ったとすると、
今回は「始まり」→「中盤でやられそうになる」→「でも一発逆転で最後の勝利」って感じの三パートぐらいに短縮しようとしたんじゃなかろうか。6章から7章までの話もEやAだったら4話ぐらい使いそうなのを2話で短縮したのかも。
結果として、確かに今までの作品よりも「テンポは良くなかった」とか言えちゃうのかもしれないけど、元からある程度は「重たげに」語らないと雰囲気が出ない燃えシナリオが、なんか薄っぺらい燃えシナリオパロディみたいに思えちゃう。
まぁ僕は別に燃えシナリオのファンでも無いし、カオスルートがヨルムたんのおかげで萌えシナリオ化しているのをわりと楽しく読んだバカのひとりではあるものの、だったら始めから萌えシナリオやりゃいいのにと不満を覚えるのは事実だ。

その点を言えば、全体的に雰囲気が萌えゲっぽいのは別に良いし、日常イベントのほうは結構楽しめたんだけど、どうもこの全体的な軽い萌えゲ雰囲気とエチシーンや各ヒロインエンドのオチのギャップが気になりましてね。
細かい話を言えば、今回の「悪墜ち」ってますますシナリオ的な要素と言いますか、所謂「言い訳」が殆どないじゃ無いですか。今までは、女神が悪に染まると結界が決壊するんダーとか、魔族を増やすために仕方が無いんダー、
みたいなシナリオ的な言い訳があったから、ある程度はハードなプレイがあっても、悪落ちエンドでわりとキツイことになっても「そういう世界観とシナリオだから」とか納得がいっていたんだけど、
今回の悪落ち調教って単にロキきゅんが女神ちゃん達とキュンキュンしたいからやっているだけだよね。つまりは純粋な調教SLGな話になっていて、まぁそれはそれであんまし問題ないんだけど、
そういうお話の流れで輪姦シーンがデフォルでついていたり、悪落ちエンドが大抵悲惨なモノばっかりすると「なんかズレているなぁ」とはちょっとおもう。その癖、悪落ち女神サマは善の状態よりも人間的に打ち解けているんだから、
どうもシナリオとテキストとエロのバランスが今回は少し崩れていたような気がする。悪落ち要素が全くない三姉妹日常シナリオやエンドのほうがはるかに纏まりは良いけど、こっちはこっちでエロが萌えゲよりも少ないときたもんだし。
そうそう、その点を言えば、悪落ちリグレットたんのエロがたった三回しかなかったのは何故なんですかっ! ばばぁとのエチはいい加減お前ら年考えろ!って言うぐらい充実しているのに、
おでんやリグレットたんは凶落ちのエロも含めても、悪系のエチは五回ぐらいしかなかったし、リグレットたんは日常イベントも少な目だったのですよ!
最後の幼児姿CGはネ申ではあったけれど、悪落ちリグレットたんの魅力は「男を騙す妖艶な小悪魔的へと変貌したリグレット」なのであって、あの幼児姿でロキきゅんを誘惑するぐらいのエロしーんが無きゃダメじゃ無いですかっ!
今回は他シリーズと比べたら「全体的に」キャラクターの魅力は上がったとは思うけど、池ポチャ女神とか立体キューブとか「これはっ!」っていうキャラやシーンは無くて、その点はなんか残念ですた。

ああ、いろいろとゴチャゴチャ書きましたけど、良くも悪くも「今作はこれがイマイチだったら、次回作ではアレを頑張って欲しい」という九尾作品の伝統を引き継ぐ作品だったとは思います。
ただ、VBの次回作は「これ以上進化の方向があるんだろうか?」はけーまる氏が発売前に呟いていたように、確かに「前作からの改良」といったようなわかりやすい進化はなかなか難しいのかもしれぬ。
「戦闘/育成」システムの完成度は今作で90点以上はつけられるし、あとはこのシステムを応用して、もっと完成度の高いシナリオやテキストを……と言ったところもあるんだろうけど、
上の悪落ちとシナリオの間にギャップがある、つまり「悪落ちさせた方が人間的なのに悪落ちエンドは大抵バット」みたいなギャップのように、シナリオとシステムの間の関係性をもう一度、一から見直す必要もあるかもしれないしね。
VBAとからFへの流れと同じように、次回作もまた「番外編」見たいのを作ってから、そこで得た成功と失敗を応用して、正当編を作っていく、みたいな流れになるのかならないのか。
とはいっても、九尾系列はとっととVBシリーズ以外のフェルシス的な作品も早くつくって欲しいし、今回わりと好評だったCGでその手の「メジャー風RPG」を作れば、もっとメーカーも大きくなるとは思うんで、
今後の九尾の動向は見逃せないなと改めて思いました……って、こんなこと三年前ぐらいから書いているような気がするし、三年前だったら今回の「バグ関係」も「大手になるまえでは許してやるか」とは思っていたんですが、
もうそろそろユーザーに「誰が見てもわかるような」デバッグ潰しをやらせるのは辞めて頂いて欲しいものである……って嫌味で占めようと思ったんだけど、その点を言えばアリスもエウも大して変わらんし、どっちもどっちという酷い墜ちで糸冬。
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