OYOYOさんの「性狂育 ~モンスターペアレントの理不尽な要求~」の感想

To 自慰, or not to 自慰, that is the question. (抜くか、抜かざるか。それが問題だ)
エロゲー界きっての社会派(笑)ブランド、CLOCKUPが今度は教育問題に挑戦ということで、一部で話題を呼んだ抜きゲー。赴任二年目の新人教師・早瀬理彩が担任するクラス内でレイプ未遂事件が起きる。だが、加害者の父親が地元の顔役で、しかもモンスターペアレントであったことから事態は思わぬ方向へ。「担任が処女で、性教育が出来ていないのが悪い」と言いがかりをつけられ、理彩は強姦されてしまう。その後も地域住民を巻き込んで行為はエスカレートして行き……という話。

以前感想を書いた同ブランドの『プリーズ・レ○プミー』は、ギャグのような体裁をとりながら、現代社会の性問題を独特の視点でえぐり出す問題作にして意欲作だったが、本作はそっち方面では薄っぺら。モンスターペアレント倉田も、単なる理不尽で横暴な人間のクズとしか描かれておらず、学校や育児の場で問われる「親」性に対する言及がほとんど為されないがっかりな内容。世相に切り込む鋭さは無い。よって、単なる抜きゲーと考えて良い。

さて、毎度思うのだが、抜きゲーの評価というのは大変難しい。ヒャッハー! お楽しみタイムだー! とばかりにオナニーするわけだが、その時の気分を説明しろと言われても、それはご無理無体。よしんば説明できたとしても他人の詳細な性癖など聞きたくもないし、聞かないのが武士の情けというものだろう。

『孤独のグルメ』風に言えばオナニーとは、他人に構わず、時間や社会に捉われずに、ほんの一時だけ自分勝手になって幸福に性欲を満たす行為であり、他人に見せるためにやるものではない。まさに「孤独のオナニー」。してみると、抜きゲーの勘所を他人に伝えるというのがいかに困難であるかは想像するに難くない。究極的には、「抜けた」か「抜けなかった」という十文字足らずでレビューは完結してしまうのだから。本サイトで抜きゲーを中心にレビューを書いておられる方の偉大さには、ただただ頭が下がるばかりである。

それでも、好みにジャストフィットした作品であればまだ良い。自分が感じた良さをシコシコかいていけば、雰囲気くらいは伝わろう。しかし逆の場合、つまりまったくフィットしなかった場合、これを説明するのはどうするか。正直途方に暮れる。

自分にとってピンと来なかった部分でも、とびつく人はいるかもしれない。そう思うとなかなか、評価の大鉈を振るう気にはなれない。仕方がないので、やれシステムがどうの、CG枚数がどうの、シチュエーションがどうのと「客観的に」難癖つけてみるが、そんなものは所詮重箱の隅。抜きゲーにとって肝心なのは、「抜けるか、抜けなかったか」という単純明快にして絶対主観的な真理のハズ。たとえCG一枚で、テキストが一クリックで終わろうが、百回オカズにできるならその人にとっては神ゲー。何を言っても無駄である。

以上のような前フリから何が言いたいか、賢明なる読者諸氏は既にお察しのことと思う。要するに本作、全然抜けなかった。体験版出てるんだから回避しろ、という声が聞こえそうだが、体験版(1)は奈々里の寸止めHと理彩の処女Hで、導入部分のみ。体験版(2)は前後の文脈無しで美南とちほりのシーンを一つ見せるだけ。しかも途中から(そして付け加えるなら、美南先生のHシーンはパートだけとると、割とよさそうだったのだ)。これだけで回避できる能力があったら、コメリカのエスパー捜査班にスカウトされている。

イマイチだった理由はまあ、挙げようと思えば挙げられる。たとえば各ヒロインが堕ちるのが余りに早い。美南などは明らかに強気がウリのキャラなのに、二回目でもうヒィヒィ言って屈服状態。メインヒロインの理彩は何を考えているのか理解不可能な思考回路。まともな抵抗をしないせいで、抵抗している相手を追い詰めている感じが全くでないし、倉田のイカレっぷりも目立たない。要は、キャラの言動や思考に説得力が無いし、そこを無理に補う工夫も無い。だから常に、「理彩が上手く立ち回れば終わりじゃ……」と思えてしまう。彼氏持ちという設定も、彼氏に対する罪悪感や態度がほとんど描かれず、何がしたかったか理解に苦しむ。立ち絵が寂しいから、オブジェのつもりで登場させたのだろうか。

CG数は、差分込812枚、差分無54(理彩29、美南11、ちほり6、奈々里8)。他方シーン数は、62(理彩24、美南14、ちほり13、奈々里11)。差分無しCGのほうが少ないことからも判るとおり、CGそのまま使い回してテキストだけ変えたシーンというのが結構多い。CG使い回しが多く、Hの丈が短いわけだ。丁寧な抜き系作品だと、一シーンの中で何枚もCGが変わるためにCGの方が多くなるので、この辺は「手抜き」と見られても仕方がない。また、体操服シチュなど学校ならではの状況や服装が少ない。ストーリーも適当を通り越して意味不明。物語が進むにつれ、キャラ像は深まるどころか宙に浮いていく。シリアスにしたいのかギャグにしたいのかも良くわからない。あるEDなど、オチのあまりの意外性(悪い意味で)に呆然としてしまった。ギャグにしても全く笑えない。

テキストやCGの質が低いとは思わないが、的を絞り切れていないのも痛い。客層の間口を拡げるならヒロイン四人は少ないし、属性を絞り込むなら、ヒロインがバラバラすぎる。理彩に絞ったつもりだろうが、それなら理彩への絞り方が中途半端。理彩:その他を2:1くらいの比率にして、考え得る限りの行為を理彩に与えるべきだった。

と、理屈をこねくり回してみたが、結局なんか全然ピンと来なかった、というのが全て。抜きゲーは基本、自分の属性にあった作品を買うのでそうそうハズレないのだが、今回は見事に空振ってしまった。悲しくてやりきれず、「このやるせないモヤモヤを誰かに告げようか」というノリで感想を書いてみた。何の参考にもならない感想で申し訳ないが、結局ねちっこく清純派の教師を堕とすという私の好みにはあわなかったし、あわなかった相手を無理矢理自分の土俵に引っ張り込んで魅了してしまうほどのパワーは感じられない作品だった、ということで一応の総括としたい。

基本点90点、CG+3、マッハ堕ち-5、コンセプトブレ-10、ボリューム-2、半端-3、説得力-10で63点から、抜けなかった個人的怨みで-30。

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