houtengagekiさんの「戦極姫3 ~天下を切り裂く光と影~ 遊戯強化版 -壱の巻-」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

点数はアペンドディスクとしての満足度。改善点や追加システムは良い感じで、更に遊びやすくなっていましたけど、やはり、プレイした感じでは、ちょっと値段が高すぎるんじゃないかなあ、と感じた。シナリオ面では、最上家と北条家のルートが追加されたわけですが、この2ルートの出来の落差が大きかった。片方のルートは戦国時代を舞台にした意義を感じられるシナリオに仕上がっていたので、わりと満足です。シナリオに関しては80点ぐらいの評価をしたいですね。
●SLGパートについて

 遊戯強化版ということで、戦極姫3本編のシステムに様々なプラス要素が盛り込まれていました。
プレイアビリティの改善点としては…

・各コマンド実行時の各種数値の増減が視覚的に分かりやすくなっている
・SLGパートの処理の速さを通常と高速で選べるようになった。高速だとマジでスムーズ。
・国内地図画面でも各コマンドを実行可能(これは今まで出来なかったのがおかしいが)
・イベントを全部見た武将は忠誠度が絆化して裏切らなくなる

 高速化は特に評価したいポイント。ただ、たまに速すぎて何起こってるのか分からなくなるけどw
しかし、良い改善点も多いけど、相変わらず国内地図で敵の空き城がどの勢力の所属なのか判別できないのが不満かな。
ここは次の強化版で何とかして欲しい。


 他には追加要素として、群雄モード・シナリオモード共通のシステムで
開始時に全国から好きなユニーク武将を召抱えてプレイできるようになってます。
(群雄モードは全ユニーク、シナリオモードはシナリオあり勢力以外のキャラが選択可能)
抱えている兵ごと自勢力にやってくるので、強くて兵の多い武将を召抱えるとすごく有利になりますね。
スタート時に、ポイントを消費して召抱えることになるんですが、
前の周回で絆化した武将は必要ポイントが少なくなるので、絆化武将を集めれば
かなりの人数をいきなり手元に置いてスタートすることも可能。
これは、群雄モードで自分の好きな武将を集めてプレイしたりするのが楽しいので、
結構面白いシステムだと思います。
単純に初心者救済システムとしても機能するし。

 改善点で目立ったのはこんなところですが、アペンドディスクとしては面白いシステムも追加されていて
なかなか良かったと思います。
値段を考えると、追加キャラとかも欲しかったけどね。
あと、どうせなら好きな武将を当主にしてプレイを開始できるモードなんかもあれば良かったんだけど。
そういうモードがあれば、今回の好きな武将集めるシステムとの相性も良いと思うし。



●追加シナリオについて

 追加シナリオは最上・北条の2勢力のシナリオ(両ルートとも2ヒロインで、ヒロインごとのエンドあり)と
ショートストーリーが数編となっています。
最上・北条ルートは地方統一でクリアとなっており、戦極姫3本編と比べると中編的な扱い。
とりあえず地方統一でクリアになるのって思ったよりもすごく楽でした。
マンネリ感も無くプレイできるし、今後のシリーズでも織田とか三好とか武田みたいな中央志向のある大勢力以外は
地方統一でクリアになるようにしてくれても良いんじゃないかと思ったぐらいです。

ちなみに3の特典武将である江姫は、この追加シナリオでは仲間にできませんでした。


・最上家
 無印の戦極姫3でも、多くのルートで感じられたことですが、
舞台が最上家である意味や必要性がまったくない物語だったのが残念。
少しは最上家ならではのエピソードを入れないと、戦国を題材にしている意味がないでしょう。
一応、温泉で賊に襲われて撃退したエピソードとか盛り込まれてたけど
そんなどうでもいいのじゃなくて、もっと大きな戦いとか最上家には色々あるのに。
最上八楯や武藤大宝寺家との争いはおろか、天正最上の乱すらも描かれませんので、
最上家ならではの戦国ネタを期待しているとガッカリします。
 まあ、最上家の話をシリアスに描こうと思ったら義守と義光を対立させないといけないから
それはキャライメージ的に難しいという判断だったのかもしれないですけど、
織田ルートでは結構うまく出来ていたのだから、最上ルートでもできたはずなのに。
まあやっぱユニークが少なすぎたのでしょうか、天童頼貞や武藤義氏あたりをユニークで追加しても良かったのでは。

 ただ、そういった点に目をつぶってエロゲのシナリオとして見ても、このルートは面白くないです。
何しろ、物語としては7割方主人公の個人的な人間関係の悩みに尺が費やされていて、
ヒロインの二人の印象がイマイチ薄いのです。
一応主人公がもがみん(義守)とどう絆を築いたかっていう描写などはあるけど、全体的に薄くて物足りない。
もっともがみんと義光の魅力を引き出す方向に注力して欲しかった、特にもがみん。
彼女の設定ならば、幼くして当主の座に付かされた苦労と、健気に頑張る様子とか描いて欲しかったし、
そんなもがみんを支える形で主人公が活躍したりしてくれれば、感情移入しやすかったんじゃないかなあ
と思うし、彼女の魅力ももっと出たんじゃないかと思うんですけどねぇ。
どっちかというと、義光の方が照れ屋&ツンデレ気味のヒロインとして魅力的に描かれてて良かったかも。

 エロも薄いし、萌えに関しても「もがみん」という魅力的な素材をイマイチ活かせてないと来ては、
評価は辛口にならざるを得ません。
2の家庭用版を除いてシリーズは全作プレイしてきましたが、このルートのシナリオは
正直言って戦極姫シリーズの中でもかなりつまらない部類に入ると思います。
もうちょっと頑張って欲しかった……



・北条家
 このルートはわりと出来が良かったです。
上の最上家ルートへダメ出しした点が、このルートでは逆にしっかりしていましたから。
まずヒロインの描写が上手く、特に北条氏康の描き方はとても良いと思いました。
能力的には名将であるものの、男嫌いで、母親である北条早雲が頭を痛めてしまうような
心根に曲がった部分を持った女性に成長してしまった氏康が、
大きなきっかけを得て好ましい方向に変わっていく話なのですが、
これがもう、見ていて気持ちのいい描写になっているのです。

 主人公が氏康と仲良くなろうとして、その困難さに直面して思い悩む描写から始まり、
氏康の視点でのエピソードでは、彼女が母親とのすれ違いで自分の至らない点を思い知らされたりなど
氏康の難物ぶりが丁寧に描かれているから、一種のツンデレキャラクターとしてのツンぶりは際立っていたし、
それだけに、主人公と共に大きな合戦を戦ったことを転機として武将として成長したり、
とあるイベントで主人公への想いを自覚する描写など、ツンデレヒロインが雪解けする描写ならではの
気持ちの良さと魅力が表現できていて、実に感情移入して読むことができました。
しっかりと主人公の言葉を聴いて惚れる姿が描かれていたのが何より良かったですね、終盤のシーンは実に萌えました。
合戦といい人間性といい、このルートの主人公はエロゲ主人公として魅力的でしたので、
そんな彼の魅力に触れることで氏康が彼に惚れるのが、とても説得力があるし、見ていて気持ちいいです。

 それに、このルートは戦国モノ、北条家の物語として見ても、実によくまとまっています。
北条家の合戦として有名な河越夜戦をしっかりストーリーに盛り込んであって、
しかもそれを通して氏康の成長を描いていて、実に有効な使われ方をしている。
それに、合戦の描写もちゃんと河越夜戦らしい感じでしたから、北条家の話を読んでる気分になれましたし。
まあ、敵方である同盟軍の内訳が詳しく描かれていなかったりと、単純に河越夜戦として見ると
描写はイマイチな面もあって、やっぱ他勢力を絡めたイベントを描くのは難しいのかなあ
と感じたりもしまして、そこは惜しいなと思うんですが、
戦国モノのエロゲの合戦エピソードとしてはわりと上手い描き方でしたので、満足しています。

 関東統一でゲームが終わるのも、北条家という勢力が史実で目指した大名家としての有り様に
マッチしていて良いと思いますし、そもそも北条家という勢力がどういう理想を持っていて
どんな大名家だったのか、ということを、ある程度描こうという意思を感じられるシナリオになってましたから、
いろいろな意味で、北条家を舞台にした話としての面白さがあったと思います。
特に氏康ルートはそういう方向でまとめられていて、エンディングの後味も非常に良かったです。

 サブ男性キャラとしての北条綱成の役回りも上手かったのも大きなプラスポイントで、
こうしたサブキャラが好感が持てるキャラで、話の盛り上がりに寄与してくれていたのは素晴らしいですね。
戦極姫3本編のシナリオ群と比べ、中編としての魅力を感じられるルートで、素直に面白いと思えました。
ただ、氏康と比べ、北条早雲のルートは期待しない方がいいと思います、
あくまでヒロインは氏康という感じの描かれ方をしているので。
このルートで欠点を挙げるとすればそこですね、早雲にももう少し良いエンドを用意して欲しかった。


 なんだか、一方をこきおろして一方を手放しで持ち上げる書き方になってしまいましたが、
2ルートしかなくて連続でプレイしたため、そして実際出来の落差が大きかったため、こうなってしまいました。
まあでも、最上シナリオもキャラ自体は好感が持てる人ばかりで、そこは良かったですけどね。
特に義光は終盤でルートに入った後の描写が魅力的だったと思うし。
ちなみに北条綱成もそうですが、最上家でも池田盛周がいいキャラしてて面白かったし、
サブ男性キャラが魅力的だったのは評価したい点です。

 ちなみに、両ルートともエロシーンは各ヒロイン基本2回ずつって感じで、
北条家ルートでは親子丼の3Pもありました。
絵的にはどちらのルートも質はまあまあよかったと思います、
肉感的なデザインが好きなら北条家ルートは実用性を感じられるかも。
おっぱいが非常に豊満な描き方だし、パイズリもちゃんとあるし。


 あとは、おまけのショートストーリー集もなかなか良かったと思います。
特に武田信廉ちゃんについては、健気可愛いところが更に引き出されていて実に萌えました。
新規CGの出来も素晴らしかったし、信廉が好きなら見る価値は絶対あると思う。
あと村上義清の白スク水エッチもなかなかにエロ可愛かったし、
その他、千利休や弘中隆兼のような、戦極姫3本編で本番エッチが無かったキャラについては
エロが補強される形のエピソードがあったのは嬉しかったです。
同様に本番が無かった河野通直のエロが無かったのはちょっと不憫だなとも思ったけどw



●まとめ

 改善点、追加システム、追加シナリオ、新規CG、どれも悪くないですし、
ことに、北条ルートが良かったのでシナリオ面はわりと満足しました。
このディスクを導入すると、戦極姫3本体も確実に遊びやすくなりますから、
これから戦極姫3に手を出す方がいるようでしたら、このディスクが無くても充分楽しめるけど、
あった方が良いのは確かです。
しかし、正直アペンドディスクとしてはやや費用対効果は悪いです。
この内容ならもう2000円ぐらいは安くして欲しかった、2800円ぐらいが妥当じゃないでしょうか。
その点がやはりネックなので、点数は控えめにせざるを得ませんでした。
2800円なら80点にしてたと思います。
ちなみに不具合は特に無かったんじゃないかと思います(まあコレ自体パッチみたいな物だし)

 しかし、壱ノ巻と銘打ってるからには次もあるのでしょうが、
さらなる面白い追加システムと、ルートの追加に期待したいですね。で値段は下げて欲しいw
何にせよ、戦極姫3というのはシリーズを重ねてシステムが強化され、SLGとしての完成度は高いので
それにシナリオを追加していくという手法は悪く無いと思います、
追加シナリオの内容が今回の北条家のような水準をキープできるのならね。

個人的には、次はやはり長宗我部ルートが欲しいかな。あと佐竹や浅井なんかも。
新規ユニーク武将も積極的に入れて欲しいぞ。

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