merunoniaさんの「Ruina 廃都の物語」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

私が初めてPCでフリゲというものに出会った約10年前、そして私の中で今でも一番大好きな、何十週としたRPGです。ruina廃都の物語には、ファンタジー世界だからこそ憧れる情景とロマンと情念がそこには詰まって夢を見せてくれました。今の私を作ってくれた作品です。
中学生の頃、PCを親から買ってもらいました。
きっかけは忘れたけれど、当時の私はゲームっ子でゲームばかりしていた自分に、
ネットという世界は新鮮で、同時に一番の好奇心は、どのようなゲームができるかでした。

当時、ネットではユーチューブのおもしろ動画を見るのが友達の中で流行っていたのだと思います。
私も、最初は動画を見ることからネットの面白さに出会いましたが、
次に出会ったのが『フリゲ』という無料でできるゲームの存在です。

そしてフリゲという存在に出会ったと同時に、フリゲランキングに載っていて出会ったのが
今作『ruina廃都の物語』でした。
最初、ゲームをDLするという行為ですらドキドキした時間。
ゲームを解凍するという行為もわからなくて、必死に調べて無料の、たしかラプラスだったかな?
を使って解凍して。
そしてRTPというものもわからずなぜかプレイできなくてまた頑張って調べて。
今思えば当たり前にできることなんだけど、中学生ネットがわからない自分には全てが新鮮で。
そうしてやっと解凍して起動した画面に広がったのは。
今でも覚えてます。異国情緒漂う何もかもが新鮮なファンタジーの世界でした。



このruinaとは、ゲームジャンルで言えばRPGですが、TRPG、ゲームブックのような物に近いです。
舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。
謎の洞窟から湧き出た夜種という怪物。
流行病による飢饉、子供たちの謎の昏睡。
宝を求めて来る冒険者、山師まがいの者共。
そこで明かされる、帝国の歴史と野望。

主人公は4種類(騎士、賢者、盗賊、神官)から選び、それぞれ個性豊かな仲間たちを選び
知られざる洞窟を冒険する。

最初はただの洞窟かと思えば、潜れば潜るほど広がる亜空間。
空白を埋めるが如く、先に進み、謎を解いていくうちに広がる世界感。
時には仕掛けに焦って、時には強敵に倒し方がわからず悔しくて、時にはなんだそりゃぁwwとなるような笑えるイベントから、時には幻想的な世界だからこそ魅せる、異世界の世界感と一枚絵に魅入られて。

そこで見せるのは、宮殿、妖精、ドワーフ、大廃墟、時の狭間、雪国。
最初の洞窟からは考えられなかった世界がそこには広がっていて。
さらにはその舞台一つ一つにそれぞれの物語があって。

頼れる仲間たちと、強敵を倒し、謎をとき、独特の世界感にふれあい、仲間と話を掛け合い。
頼れる幼馴染たち。付き従うメイド忍者。(ツンデレ)遊牧民。老剣士に魔術師、博識な巫女に騎士。
傭兵に、そして竜娘。
TRPGの職業のごとく愉快な仲間たちと駆ける冒険。何度掛け合いに和ませてもらったか。

そしてその冒険でむかえる展開。
時には恐怖し、時には驚き、時には感嘆し。
最後には野望と真実に到達する。
最後に魅せる達成感はどれほどのものだったか。今でも覚えている。


あのわくわく感、高揚感、そして1週終わったら、次は別の主人公でやりたい、次は他の仲間を連れて行きたい。
慣れてきたから、もっとこうすればいいのではないか。
採集、調合でもっと楽に冒険ができるのではないか。
次はこの仲間とこの仲間を連れて行ったらどんな会話をするんだろう。

何度周回をしたことか。
中学生の頃出会い、高校生、大学生となり、そして社会人となった今でもつい周回してしまう。
あの最初に出会ったときの、ワクワクしたあの時間あの瞬間は今でも忘れない。
だから、今でもつい起動してプレイしてしまう。


2018年、とうとう「ruina廃都の物語」の小説版が出ました。
そこで原作者である枯草章吉氏はこう綴っています。
──────────────────────────────────────────────────────
(中略)
ファンタジーの基盤に西洋の伝統があるのだとしたら、それとは無関係な日本人がファンタジーを楽しめる理由はなんでしょうか。

一つには、原始的な世界への欲求があるのでしょう。
敵を殴って宝を奪い、問題も悪人を殴って解決、秘境や迷宮で大冒険。
人の中にある蛮性を、多くのファンタジー作品はカッコ良く解き放ってくれます。
時には、大昔の魔術的な思考を思い出させ、神秘的なイメージへの回路を開いてくれます。
異世界の風景もまた、ここではないどこかへの憧れを満たしてくれます。
中には、現代社会では表に出しづらい欲求への解放も含まれています。
ゴブリンのアジトを攻め落とすとき、その裏側にある感情は何でしょうか。
しかしそれも、現代人としての心を見失いさえしなければ、欲望の健全な解放方法であると言えます。
これらの魅力は、受け手の文化圏に関わらず、楽しみをあたえてくれるでしょう。

もう一つには、生まれたときに既にあり、慣れ親しんだゲーム文化への親和性があるのではないでしょうか。
若い人々にとってファンタジーは異文化ではなく、幼い頃から楽しんできた心の遊び場です。
(中略)
エルフやドワーフは、ジャンルを示す記号であり、選択できる種族の一つです。
それらのルーツが伝統的なものだとは皆が知っていますが、その上で「ファンタジー」は、
いわば誰でも使える共有設定として利用されています。
そしてもっと大事な、今現在の人々のリアルな欲求を応えることのための土台になっています。

現代の日本人がファンタジーを楽しめる理由には、これらの複数の要素が絡まりあって存在しているのではないでしょうか。
(中略)
もし可能であるなら。わたしがよく知らないままに憧れた、遠い異郷や、遥か古代の残り香を感じ取ってもらえたなら、
どんなに良いでしょうか。
──────────────────────────────────────────────────────

この文章を読んだとき、私の心の中にストンと落ちるものがありました。
あぁだからこんなに私はこのフリゲが大好きなんだなと。
かつて小さい頃からいろんなゲームを通して楽しんだ全ての原点がここにあって。
ファンタジーの欲求の全てが詰まっていて。
そしてそこで見える情景に憧れ魅入られて。
作者の丁寧で想いが詰まってる作品だったのだと。
そしてこの作品に中学生の頃プレイできたことに本当に、本当に嬉しくなりました。

このゲームって、舞台背景の設定はすごい作りこまれてるのですが、イベントやキャラが前に出て喋ったりって
実はそこまでしないんです。もちろんDQ7でいう「はなす」コマンドはあるのですが、そこで見えてくるキャラの掛け合い、一緒に冒険するときのコメントで彼らに愛着が沸いてきて。
なんていうんでしょうか。
すごい妄想が膨らむバランスなんです。
きっと彼らにはこう見えているんだろう、と。
語りすぎないことで、見えてくる古代の情景があって。世界感が感じ取れて。
そして何周しても飽きずに浸ることができる。自然と潜在的な欲求を満足してくれる楽しさ。
絶妙なバランスなんです。

さらに大好きな点として
このゲーム、タイトルにあるとおり『廃都』の物語なんですよね。
全ては現代に置いて行かれた過ぎ去りし遺物。
最初に足を踏み入れたときは空白だった舞台が、一歩新しい場所を探索するたびに見えてくる。
そこで調べて見えてくる手がかり。手記や書物。
かつて過去にここには何があったのか。ボロボロに朽ちた部屋でかすかに見える当時の残滓。
呪いというが如く、過去の影響が残るダンジョン。そしてリスクと引き換えに手に入る宝。
こうしたイベントを繰り返すことで最後に踏破した時に見えてくる全体図。
そこにはかつての廃墟だけが残っていて。哀愁だけが残る。
廃墟の魅力といいますか、かつての暮らしに思いを馳せ、そこに残されたものを手がかりに冒険する楽しさが
そこにはありました。

物語の結末自体も、まさしく廃都なお話でしたよね。
かつて栄えた帝国は今は滅びさり。
そして現代でも栄えた公国は、遠い遠いはるかに遠い未来でもやはり朽ち果てる。
しかしそこには新しい国ができていて。栄枯盛衰。
遥か昔から遥か未来まで残る大河アークフィアの元に、いくら滅びようともそこに残されたものがあって。
だから世界は繰り返されて。いつまでも続いていく。
哀愁と達成感とが詰まった作品なんです。





フリーゲーム界隈って本当に素晴らしい、作品が多く出てます。
この作り込みのハイレベルなゲームがフリーでできるの!?って何度も驚いた経験があります。
きっとフリゲを多く嗜んでいる人たちにはわかってもらえると思います。
その魅力にとりつかれたのが、私でした。
その中でも、今でも私の中で一位に輝く作品が、この『ruina 廃都の物語』です。
思い出補正もあるかもしれません。
ただ、それでも、10年経って今でも大好きだ と胸を張って言える作品に出会えたことが本当に嬉しい。

ぜひ、みんなもプレイして欲しい。
そしてこの世界の魅力にハマって欲しい。
そう思います。

ありがとうございました。



P.S.
みんなキャラ大好きだけど、一番大好きなキャラは、フランさんです。
メイド忍者、騎士主人公のとなりでいつも一緒なのを妄想して一緒に冒険する姿が本当に大好き。
料理()には何度も助けられました。
あとは幼馴染のネルさんもあの元気さにはいつも助けられて大好きだし。
と語ると止まらなくなりそうなので、みんな大好きです。

一番好きなステージは、
ロマンあふれる大廃墟、童話の世界を思い出す妖精の森、独特の世界感と閉鎖空間を思わせる小人の塔、巨人の塔
たくさんあるけれど、
一番は様々な思い出を作ってくれた宮殿ですね……。
当時は本当に怖かった。あのリアルな描写は本当にトラウマ。まさに地下迷宮ならではだと思いました。








merunoniaさんの「Ruina 廃都の物語」の感想へのレス

自分も「人生において一番好きなゲームって何?」「記憶を消してもう一度プレイできるとしたら何?」
と聞かれたら迷うことなくこの作品を挙げます。
多分、客観的に見てこの作品より優れたものはたくさんあると思うんです。時代は進みました。
merunoniaさんと同じく思い出補正もあるのかもしれません。
自分自身、この作品と同じだけの高得点をつけたフリゲも他に存在します。そしてそれはどうしようもないくらいに素晴らしい作品でした。

ですがやっぱり、自分もこのRuinaです。
大げさじゃなく自分の人生に影響を与えています。
少なくともフリーゲームというものへの考え方を決定付けました。
初プレイから8年くらい経ってると思うんですが、未だにフリゲ探訪やってますしね。

良い所はたくさんありますが、「ロマン」ただその一点がぶっちぎっていると個人的に思います。
シナリオも、古代都市も、隻腕ジジイも、忘却界も、アイテムや碑文、場景テキストも
何もかもがロマンに溢れていました。何度想いを馳せたことか判りません。
1年に1回は懐かしくなってプレイするんですが、今クリアセーブデータ数えたところこれまでで23週してましたね自分w
初プレイのきっかけはもう思い出せませんが、この作品に出会えたことは本当に幸運でした。

「好きなんだ!楽しかったんだ!そして今でも!!」というお気持ちが伝わってくる
素晴らしい感想だと思います。楽しく読ませていただきました。



※小説版が出ていると聞いて仰天しました。
ちらっとレビューや反応を見た感じしょっぱいご意見が目立つのは10年越しの愛ゆえか…?
二次創作と割り切って買ってみるかなぁ。
2018年04月30日07時12分39秒
4Dさん感想のレスありがとうございます。
そして同時に、読んでいただきまして本当にありがとうございます。

私も大げさではなくて、このruinaがあって、今の私があるのだと影響を与えてくれました。
今でもフリゲのランキング等の確認をしてしまうし、プレイしてしまうのは、
当時ruinaをプレイしていたあの楽しさがあったからなんですよね。

また、今でもふと思い出して一年に一回プレイしてしまう気持ち本当にわかります……!
あの世界感にまた浸りたくなるといいますか、そして周回して満足するんですよね。
またあの世界に戻りたくなるといいますか。

「何もかもがロマンに溢れていました」
本当にそのとおりだと思います。
大廃墟の過去と現在を行き来する中で見えてくる、当時栄えていた古代アルケア帝国の姿。
失われた超古代文明。
妖精の森の迷路の森と童話のような仕掛け、妖精の塔のエルフと天上の夜空。
宮殿のまさに禍々しい地下ならではの恐怖と朽ち果てた部屋の数々。
最初の碑文の古代文字から、年代記や手記などのアイテム。
地下なのに天上なく映し出される夜空、空。
ランタンを片手にツルハシを片手に、ロープを携えて、怪物を倒し、仕掛けを解き深淵を目指す。
そして個性すぎる老剣士に竜娘には、こう心をくすぐられるロマンが詰まっていましたよね。
特にエンダの他の竜を倒すことで覚醒するとかもう個人的に最高にロマン?の心をくすぐられました。
憧れそうな全てのロマンの要素が何もかもが詰まっているんですよね。


こう4Dさんにレスを頂いたことで、
『そうだよね!ほんとそうなんだよね!だから最高なんだ』とより思えるようになりました。
本当にありがとうございます。同時にまたプレイしたくなりました……ww

※小説版について
小説版ですが、レビューや反応を見ると、どうしても意見が賛否両論で
私自身もけっこう同意する部分は多かったりです。
というのも、ここからは私見ですが
ruina自体がキャラがあまり喋らないことも多く、ユーザーにある程度委ねられている(妄想部分?)ところがあって、かつどうしても小説なので尺の問題もあって
けっこう端折ったり、キャラの設定が著者に委ねられている部分が多いのがあるので……。
「あのイベントないのにどうやってry」とか「あのキャラはあんな性格じゃない!」
とかですね。

ただ、それ以上に、ruina廃都の物語の舞台背景や設定自体はとても忠実でして、原作ではあまり出てこなかったあのキャラめっちゃ前でてくるやん!とか
原作で見たあのイベントがこうキャラたちが実際に動いて話をしてる!という楽しさがあります。
二次創作と割り切ってというのもいい意味で、アリだと思います。
何より原作者のあとがきが必見だと思います!
よろければぜひどうぞ!
2018年04月30日12時35分00秒

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