dakuryuさんの「はつゆきさくら」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

コンプしたら知っておきたい「はつゆきさくら」のタイトルに込められた意味
はつゆきさくらのタイトルは
主人公初雪とメインヒロイン桜の事を指しています。
ただ、それだけでは浅い。

この作品のキャッチコピーは
「初雪から桜まで 卒業おめでとう」です。
この言葉をどう解釈するか。
この作品は、初雪が桜の卒業を祝福する話ではありません。
「初雪から桜まで」はつまり期間を表してます。
「初雪の日から桜の日まで」を描いたのがはつゆきさくらです。

初雪の日とはいつか?
それは10年前桜が初雪に出会い初恋をした日です。
桜が初雪の手のひらに感じた淡い恋心。
感じる間もなく儚く消えてしまった切ない思い出。
はつゆきは桜が感じた初雪に対する初恋です。

初雪の日は同時に冬の時代の始まりでもあります。
初雪の日に桜は死に、初雪は復讐のために生きることになります。
桜はゴーストになって、影ながらはつゆきを見守り続けます。
10年後、その年の初雪が降った日に桜が初雪とまた出会うまで、
初雪は陰鬱な日々を過ごすことになります。

桜の日とはいつか?
それは初雪が卒業する日です。
復讐にとらわれた冬の時代を乗り越えて
自分に今までになかった春の芽吹きを感じる日。
さくらは初雪が桜に導かれて辿り着く卒業です。
それは桜が咲きほこる日であり、桜との別れの日でもあります。

「桜が初雪に初恋をした日から、初雪が桜に導かれ卒業する日まで」
「はつゆき(初恋)からさくら(卒業)まで」を描いたのが
「はつゆきさくら」です。



「永遠の愛を誓いますか?」

「いいえ」
「永遠には誓えません」
「季節は巡り変わっていきます。同じ場所にいられない以上、
 永遠に覚えていてくださいとは言いません」
「だけど」
「君が大人になるまで」
「いつかこの場所を卒業するまで」
「それまで、愛し守り、分かち合うことを誓います」
「そうして誓いは、今、終わります」
「だから……今こそ言うよ」
「バイバイ」



ちなみに、桜がバニーネタに拘るのは
10年前に出会った時、バニーネタで初雪が笑ったからです。
しかめっ面の初雪についバニーネタを振ってしまうのは仕方がないのです。

以下、個別ルートの解釈

●桜バッドエンド
初雪が卒業できず、復讐を実行する。
失恋した桜は絶望しゴーストとして覚醒するというワーストエンド
復讐を煽っていたゴーストの思うつぼです。

トゥルーエンドと比較して大きな違いがあるかと思いきや
おおよそホテルに引き籠もった初雪を助けだせるかどうかの差です。

●綾エンド
1年前の話。ゴーストに囚われていた綾を解放し卒業させるエンド
生者は卒業する人(ゴーストから解放される人)で
死者は卒業できない人(ゴーストに囚われ続ける人)なんでしょう。
卒業する綾に対して、残された主人公はおめでとうが言えない。
それがゴーストに囚われ続けている初雪の限界です。

綾が見せた「別の誰かの笑み」の正体。
消去法と事件の結果からいえば初雪の父親でしょうか。
初雪がゴーストチャイルドとしてやることはゴースト退治が多いのですが。

●あずまエンド
桜に導かれて春に至る1つの形
主人公は復讐を投げだし、ゴーストに囚われたあずまを助けます。
初雪は復讐からの卒業はできたみたいです。桜からは「おつかれさま」

このルートでは生き霊が出てきます。
同時にランの人形に取り憑いていたのが生き霊という話が出ます。
実は人形喫茶のオーナーこそがランです。
ランは初雪に正体を明かさず「ランは諦め大切な人のために生きてください」と伝えます。

ランの教育方針が初雪や桜に与えた影響は大きそうです。
死者として生者を応援するというスタンスは3者共通です。
ランがいい娘だから初雪や桜も根が優しく育ったんだろうなと。
(ただ、ランや桜が「生者(初雪)が死者を選択すること」に寛容なのに対して
 初雪は「生者が死者になろうとするのを許さない」という違いはあります)

●シロクマエンド
シロクマに告白された初雪はそれでも復讐を実行しますが失敗。
2年後、シロクマを人質にして再び復讐を実行しようとしますが
結局シロクマを助けることを優先してまた失敗します。
「復讐に生きるゴーストより人を導く桜の精のようなものになりたかった」
初雪も根っこの所で桜と同じ思いを抱いていたんだなと思わせるバッドエンド。
シロクマにとっても初雪は辛い初恋になってしまいました。
エンディングは「初恋を卒業する為にロシア(冬)に行ってきます」と。

シロクマの祖父で初雪が仇と狙っている相手は白咲学園の校長です。
そりゃシロクマがコネと疑われても仕方がないんじゃないだろうか。
桜が白咲学園に編入できたのは間違いなく校長のコネです。
校長は10年前の事件に責任を感じていて負い目を持っているようなので。
シロクマ卒業式での校長の話によれば「ゴーストは不安が生み出す」
「『おめでとう』はゴーストを討つための力になる」らしい。

●希エンド
初雪が希を導くエンドであり、同時に希が初雪を導くエンド
希は桜が切っ掛けで出会った訳じゃないので桜はほぼ関係がない。

1年前の事件に絡んで希の兄(妻)がゴーストに囚われます。
卒業式前夜、初雪と希は妻が卒業できるように尽力します。
別れの間際、初雪は希に「立派になれよ」希は初雪に「卒業おめでとう」
卒業式当日は桜は咲かずに雪が降っています。
これは桜の導きがなくても初雪が自らの力で立ち直るエンドです。
妻との関係も希との関係も初雪が自分で築いてきたものです。
桜というゴーストが卒業に不可欠な存在ではないということ。
「終わる1095日」はこのルートの方がふさわしい。

旧市街の爆破事件ですがゴーストチャイルドとして初雪が狙われたと考えるのが妥当?
あずまエンドと違ってランやサクヤの協力の有無が不明なのでゴタゴタが発生したのかも。

●桜エンド
「生者が死者の夢を見るように」「死者もまた、生者の夢を見るんだよ」
初雪の卒業で桜もまた卒業できたのかもしれません。

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