KYさんの「いろとりどりのセカイ」の感想

真紅ルートがよく出来てる反面、その他のルートは正直なところ凡作~佳作レベル。終わり良ければ…とは言うけれど、さすがに手放しに高評価は出来ないかなぁ、と。
簡潔に纏めれば、「真紅ルートのみ前作(星空のメモリア)レベル、それ以外はいつものフェイバリット」と言った所。
シナリオ重視の方向性は前作以上に強調され、設定に力を入れた成果はトゥルー=真紅ルートで確かに結実してるんですが
他4人のシナリオが、設定上も単純な出来にしてもただの「道中」になってる感が否めず
トゥルーまで読み進めるのが辛い作品になってしまっています。


もう少し踏み込んで言えば、シナリオの出来の問題だけでなく
4人の個別の間に「共通の謎」や「真紅ルートへの伏線」といった『横の繋がり』がほとんど無いという事。

前作は、攻略するごとにサブキャラ同士の人間関係やその背景設定が分かってきたりと
真ヒロインを除いても「クリアする度に謎が解けていく」という楽しみがありました。
反して今作は、4つのルートそれぞれが独立してしまっているためにそういう楽しみ方が出来ない。
「横の繋がり」はあるにはあるが、どれも些細なものばかり。

その上、共通ラスト以外に設定の推理ができるような伏線が出てこないため、
4人の個別の途中で「真紅や主人公の正体・世界の謎について推理する」
→「真紅ルートで答え合わせをする」という楽しみ方もなかなか難しい。

…まぁそういった訳で、今作はルート同士の間に言わば「溝」が出来てしまっており、
もともと良く出来ているとは言い難い他ルートをやる意味があまり感じられず、かなり退屈な道中を味わいました。
段々と謎が解けていくような伏線の張り方をしてあれば、まだ熱心に読めたのだけど。。


更にキャラ萌え方面も劣化。Hシーン数の減少(澪3、真紅1、その他2)に加え、
イチャラブ自体もシリアスパートに押されて尺・内容ともに真紅以外はかなり物足りなくなってしまってます。
エロ・イチャイチャを期待していた人は肩すかしを食らう薄さに。

結果、シナリオも萌えも「真紅のみ良、それ以外は凡」な作品、というのが正直な感想ですね…。


■共通
体験版が5章くらいまででしたが、実際は全12章とかなりの長さ。
ヒロインの紹介や世界観の提示など中身は詰め込んであるのだけど…どうにものめり込めずダレ気味でした。
「謎を次々と残したままで進むから」「途中のバトル展開に付いて行けなかった」などなど色々思い当たる理由はあるんですが、
個人的には主人公の消極的というか無気力な性格が一番の原因なんじゃないかなぁと。

主人公は基本的にノリがあまり良くないため会話があまり弾まず、
その結果としてかけ合いがつまらなくなってるんじゃないか?と感じる場面が多い。
ヘタレ・鈍感な面もあるけど、主人公に対して一番不満を感じるのはこの点ですね。

ヒロインやサブキャラ同士での会話が他の作品と比べて少なめなのもそれに拍車をかけてます。
同じ寮で生活しているにも関わらずあまりワイワイとした雰囲気が出ない上、
主人公が↑のような感じなので、主人公⇔ヒロインという会話だけでは盛り上がらないのも当然というもの。
ここら辺が共通の冗長さを強調させてしまってるんじゃないでしょうか。

まぁ、これに関しては体験版で確認できる範囲なので、気になる方は是非確かめて頂きたい。
体験版までが退屈に感じるようであれば、その後の共通から個別に至るまでかなり苦痛かも…。


ちなみにヒロインの登場頻度にもかなり差があります。
真紅≧加奈&澪>つかさ&鏡、と言った感じかな?
つかさと鏡が気に入った人は、個別シナリオの出来もあってガッカリすること請け合い。
また、加奈のキャラ付けに関してはその押しかけ女房的な性格が苦手な人も多いんじゃないかと思います。


■個別
4人のシナリオは微妙だと散々書いてきましたが、
加奈と澪のルートは起伏もあって満足出来る人もそれなりにいるんじゃないかと。
特に、加奈ルートは回想シーンとサブキャラをうまく使い、驚きと共にグイグイ読ませるよう上手く構成されていたように思います。
逆につかさと鏡のルートは3日で忘れそうなほど薄い内容で、あまり褒められた出来ではないかな…

トゥルーである真紅ルートは二転三転する展開にワクワクしながら進められました。
感動と言っても、ある場面で一気に泣かせるようなタイプではなく
最後に幸せになった主人公とヒロインを見て感慨深さを覚えるようなタイプですかね。
イチャラブもそこそこ取ってあり、シナリオ・萌え共に大満足。

ただ、投げっぱなしでも気にならない程度の事ですが回収されてない謎もちらほらあります。
展開自体もかなり無茶しているので、キッチリ整合性を求める人や伏線は全部回収してないと気が済まないって人には厳しいのかも?

■その他
・Hシーンの回数は上に挙げた通りですが、当然ながらかなり薄いので期待は禁物。
・CG枚数は真紅21・加奈22、澪20、鏡14、つかさ13、その他14、SD15。やはりつかさと鏡は少なめ。
・インターフェースに関しては前作同様、デザインや選択時のSEなどかなり洗練されていて素晴らしい!
・eufoniusの歌うOP「アレセイア」がかなりの名曲。…EDはあまり聞いてないので分かりませんが(汗


長々と書きましたが、要するに「もう少し、もう少し真紅以外の事を考えてくれてもいいじゃないかって、思う」訳です(笑
シナリオの完成度はもちろん、設定上でも真紅ルートにおける他4人の扱いは酷く、
それぞれの個別でさえ明らかにハッピーになりそうにないエンドがあったりするので
せめて星メモの各ヒロインくらいには尊重してほしかったかなぁ、と。

正直なところ、真紅ルートが無ければここでの評価は中央値75とか、そのくらいに落ち着く作品じゃないかと。
キャラ萌えに関しても微妙なため、なんとも勧め辛い作品。真紅が気に入ったなら…というくらいかなぁ…
良くも悪くも真紅ルートが飛び抜けている作品なので、プレイするなら是非最後までやって頂きたい。

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