マルセルさんの「ラブラブル ~lover able~」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

前作「らぶでれ」は「主人 公」といったイカれたキャラクターと、みみみ先輩のような真面目なヒロインの存在がおるごぅる的に合体した、へんてこエロゲーの傑作であったが、今作は喫茶店の中で白鳥堂々「野球」をするようなモブを除けば「主人公」を主体とした普通の恋愛ゲームである。故に共通ルートは「らぶでれ」の圧倒的勝利だ。舞台設定とキャラ関係を描写しすぎたため、前作のようなヒロインと主人公の友達時点のキレキレな日常描写が薄くなってしまった。だが個別ルートは「らぶでれ」と互角いやそれ以上。おどおど後輩から小悪魔系メイドさんの変身が凄いつぐみ。そこらへんのロリキャラ以上に保護欲をそそられる奈々子さん。どんどんぷんぷんぽん病がいぬ夫する千夏といった強敵が待ち構えているうえ、僕らは「近親相姦の鬱展開」をほぼぶっ飛ばしたうえで愛しのマイスタ-と同棲生活を過ごさなければならないのだから。全国の脳内兄者の健闘を祈る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆基本データ

・総CG枚数(差分SD無し)79枚 総回想数21枠

・キャラ別CG(エロCG)&回想数

つぐみ  17枚(9)  5回
さつき  12枚 (6) 3回
奈々子  17枚 (9) 5回
千夏 17枚 (9) 3回
花穂 17枚 (9) 5回

(備考:上記CGには髪型A:B 私服A:Bの差分変化があり。らぶでれのアレと同じヤツです)

☆クリック数

簡単な説明:クリック数つーのは、既読スキップオン+テキスト速度ノーウェイト環境下で計った、ゲーム開始時から作品を終えるまで各シナリオ毎のクリックの合計回数のこと。

(1)初回プレイ時の「共通」+「個別」のシナリオの総容量が分かる
(2)2周目以降の、共通シナリオを除いた個別シナリオの総容量が分かる。

(ゆえに、一周目のヒロインルートはクリ数が多く、二周目以降はたぶん半減するが、一周目の「個別ルート」が他よりも長いというわけではないので注意)

(3)エロテキストのクリ数と。それを含んだ全シナリオのクリ数を比較すれば、両者の割合もある程度はわかる。
(4)テキスト速度の環境さえ同じなら、プレイ時間と違ってユーザーによる計測誤差は少ない。

といった四点が指標として役に立つとバッチャが言っていたような気がしないでもない。

1周目 つぐみ「15699」 
2周目 さつき「3867」 
3周目 奈々子「6184」 
4周目 千夏 「6011」 
5周目 花穂 「6081」

・各キャラのHシーンのクリック数

(カダフィ大佐なかなか倒れませんねぇ……ってことでクリ数の公開)

    1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
千夏  [287」「301」「259」
花穂 「327」「246」「159」「242」[318」  
つぐみ「299」「267」「105」「162」[192」  
奈々子「345」「289」「328」「276」
さつき [348」「406」「291」

☆作品の大まかな評価。

簡単な説明:これはもうそのまんまですな。一応Z~SSSまでの評価基準が存在するらしいのですが、大抵はC~Aの間に収まっているようです。
「C」がだいたい「やってもやらなくても別にいいんじゃね」。「B」が「やればけっこう面白いんじゃね」。Aが「やってないヤツは人生つまないんじゃね」。
といったかんじになっております。こんなイチャラブ重視作品にシナリオ評価なんてないだろ?と仰る方もいるかもしれませんが、僕はべつだん特定の信条や規範によって虚構作品を批評する趣味はないので
その作品内部の構成において、エロであれ物語的内容であれ萌えであれイチャラブ描写であれ、そのシナリオが目標とする内容を充分に語っているのであれば、それをシナリオ評価だということにして採点します。
まぁ、要はどんな作品内容であっても、その作品が目指している(と僕が勝手に思う)作品の完成度を基準にして、そこからハズレているか近づいているかを採点するっていうことになりますわな)

・シナリオ評価

つぐみ  B- 
さつき  B-
奈々子  B+
千夏   B
花穂   A
全体評価 B

   
・エロ評価

つぐみ  B+
さつき  B
奈々子  B
千夏   B
花穂   B+

・イチャラブ評価

つぐみ B+
さつき B-
奈々子 B+
千夏  B+
花穂  A

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆シナリオについて


まず、手っ取り早いところからいくといくと、うえのデーター枠を見ればわかるように、今作には「ハーレムルート」はない。僕の脳内ノストラダムスによれば、2011年11月25日にSMEEから「らぶでれ&ラブラドルFD」が発売され、
そこにハーレムルートが存在するらしいのであと9ヶ月弱の辛抱である。しかも初回特典にはなんと立ち絵キャラの脳髄がX線でスキャンできる「ドキドキ(はぁと)!気になるあのイカレキャラの海馬は何ピコグラム?」パッチが同梱予定だ。
さて、下らないギャグは兎も角、前回のハーレムルートの成功あるいは失敗はおるごぅる先生の次回作は出ないようで出るかもしれませんによるところが多いのだから、彼が今は書けない以上、ハーレム反対派諸氏を押しのけてまで、
ハーレムルートをいれてもそれに見合った成功を収める可能性は少ないという判断はまぁ妥当だろう。実際やるとするなら、ちょっとしたミニイベント的なおまけで済ますのではなくて、一応は「晴れハレハーレム」という作品があるのだから、
FDなりになんなりで中規模ぐらいハーレム作ったほうが良いだろうし。んで、次は「名前変更」の部分。今回は作品中におけるデフォルトネームは決まっているけど、一応名前変更も可能という本家HOOKの無意味新システム風に言えば
「デュアルネーミングシステム」を取っているのであるが、これも基本的には妹の名字を変更できるのが気持ちいいぐらいのことでしかない。半ば予想していたけど、たぶん途中からこのシステムを考えた所為か、
台詞部分では単純に主人公の名前を呼ぶところがわりと少ない。つまり「ハル君(デフォルトネーム)」だろうが「ゴルバチョフ専務係長(名前変更後)」だろうが、そうした名前を呼ぶ箇所がもともと少ないので、名前を変えたところで変化はないし、
デフォルネームだろうが珍奇ネームだろうが、作品中でその名前が強く意識されるところは少ないのである。結局のところ「お兄ちゃん」と「先輩」の呼び名が最強ってオチになってしまうんだし。

ここらへんは、それ自体の内容としてはわりとどうでも良いことではあるが、関連性を辿っていくスタート地点としてはそれなりに面白いポイントだろう。
ハーレムなっしんぐってことは、ベタに考えれば「物語重視」とか「世界観重視」ということになるし、この中途半端といえる名前変更システムも、方向性としては「主人 公」の役割を「主人公」化したい現れだろう。
こうした方向性は、体験版を既にプレイした人間ならある程度は予想できたはずだ。体験版といってもプロローグ部分と各種ミニイベント部分しか無かったわけだが、その部分でさえ、いくら「野球部」が登場したとしても、
「らぶでれ」の時とは随分様子が違うなぁと思ったことだろう。単に主人公が口では変なことを言っても行動はマトモ、というようなテキスト部分の違いだけではなくて、もっとマクロな視点で、
作品全体における主人公の位置が違うんじゃないかと感得しただろう。それは一言で言えば、前述したように「主人 公」と「主人公」ということになるけど、まぁ一応詳しく説明しておけば、
らぶでれにおける「主人 公」というのは、共通ルート部分で言えば、基本的には作中世界に半分しか属していないというか「主人 公」はユーザーの選択肢以外の行動で深く物語とヒロインに関わらない。即物的に言えば、
序盤のプロローグ以降は殆ど、ユーザーの選択肢で選んだヒロイン以外は登場しないわけで、こうした恣意的な形式性が「主人 公」という変な名前や、彼の積極的な珍奇アクションを「これってゲームだしw」と楽しめる要因でもあった。
でも、今回はプロローグから「主人公」が作中世界に完全に属している。初っ端からフラグを立てまくるだけではなく、やれバイトの苦悩やらと主人公自身の内面もわりと強調されている。ってこれは普通の恋愛ゲームじゃ当たり前なんだが、
逆に言い換えれば「らぶでれ」みたいなちょっと変わった恋愛ゲームから、今回は普通の恋愛ゲームに移ってしまっているという大きな変化がここに生じているとも言える。

こらへんは前もって僕としてはある程度予想できたところだから、ちょっと残念だと思うくらいであるし、普通の恋愛ゲームなら普通の恋愛ゲームとして楽しめばいいわけで、この変化自体をどーこーいうつもりはないのだが、
とはいえ、この変化が完全に行われているかと言えばそれはまた微妙なところがあり、またそこがこの作品の最大の欠点となっていることを考えると、この部分についてもう少し突っ込んでおいたほうがいいかもしれない。
一言で言えば、このラブラブルの共通ルート部分は、悪い部分だけ「らぶでれ」に(たぶん自分でもあまり気がつかず)影響されていて、良い部分はまったく「らぶでれ」を引き継いでないのである。
じゃあ「らぶでれ」の比較なしならどうかと言えば、それはただ単に説得力の薄い恋愛物語が手続きに進んでいるだけという印象を与えるのであり、「らぶでれ」と比較をした方がまだ原因究明のヒマ潰し的な面白さにはなろう。。
これも即物的にいってしまえば、共通ルートで、ヒロイン全員のある程度の紹介物語と、物語内の世界観設定(これらのテキスト自体はよく描けていると思う)「だけ」を書いて、そこから個別ルートに入ると、
いきなり告白が入って恋人ルートに入ってしまうところが問題である。何故か、を長々と説明する必要はないだろう。言うまでもなくこのような構造では、一周目なら多少マシだけど、二周目以降は共通スキップしてすぐ告白となるわけで、
ユーザーの物語やヒロインに対する感情移入度がたりないまま他人のイチャラブを見せつけられたらオレ何やっているんだろう北アフリカじゃ若者が独裁者と戦っているのに以下略となってしまうわけである。

しかも、追い打ちをかけるようで悪いが、このような稚拙なルートテキスト分配のあとの、個別ルートの展開が5人中3人も「恋人ごっご」というのは非常に食い合わせがよくない。林檎にケチャプかけて丸囓りするようなものだ(案外うまいかも?)
「恋人ごっこ」の展開自体は3人とも内容が違うからまぁそれ自体は良いんだけど、このような前述の「いきなり個別ルート」状態で、ヒロインがやれ主人公に恋人の振りをしてくれないかみたいな展開を見たところで、なんというか素に、
「ああいいんじゃないっすかそれ」とか「ずいぶんわがままな頼みだなぁ」ぐらいしか思えないんである。だってこの「恋人ごっこ」のシチュというのは、まぁいろいろなやり方はあるとおもうが、基本的には、ユーザーがある程度は、
ヒロインの気持ちの動きを現在進行中で追っているような状態があるうえで、そこでヒロインの気持ちを決定づけるような「トドメの一撃」として機能するべきものではないか。
むろん、ここで重要なのは、物語自体の展開とかオチではなくて(そんなもんは99%予想できるんだから)、1%の管違いという恐れを抱きながらも、99%は確定しているヒロインの主人公に対する高まった感情を
「恋人ごっこ」というイベントでいかに表現するかというところが萌えポイントであって、そういった物語上の流れも感情移入の導入もなく「恋人ごっこ」をやられても、こちらは醒めた状態で速くくっつけば?ぐらいしか思えないのだ。
特に致命的なのは、その短めの共通ルートでさえもさらに出番が少ない「つぐみ」シナリオの場合である。こういうことを書くと「独占厨」以下数行のコピペメールがきてしまい、そのような名誉ある称号を頂くのは恐れ多いのであるが、
しかしまぁ、出番も少なくて比較的印象の薄いキャラが「実はわたし好きな先輩がいるんです」と言ってきたら、これはもうNTRとか独占厨とか全く関係ないレベルで「ああ、そんなんだ。好きな先輩がいるんだネー」ぐらいしか思えないし、
そして、後述するように、僕は今となってはつぐみ先輩の愛の虜であるが、この時点じゃいくらつぐみ先輩が「言い訳」でそういうことを言っているとわかっているとしても、こうもなんの下準備もなくてこういうシナリオをやられたんでは、
「随分ご都合主義な物語とヒロインだな」という感じしか受けない。もちろん、その原因は、エロゲご都合主義な物語とかつぐみ先輩の人格がどーこーではなくて、単に杜撰なルートテキスト分配に過ぎないのであるが、
その程度の問題で個別ルートの最初から物語とヒロインに悪影響を与えるのは非常に勿体ないだろう。

おそらく、このような結果になってしまったのは、まぁイチイチ開発者の心理がどーこーといっても星占い程度の話にしかならないのかもしれないけど、しかし作品のなかにもある程度根拠づけられるものがあるとすれば、
それは「らぶでれ」の「好感度システム」をこの作品にも、無意識に前提としていたところがあったからではないだろうか。確かに「らぶでれ」的に、ユーザーの選択肢でヒロインを選択し、それらの選択イベントの中の好感度フラグをキーに、
個別ルートに入るという構造にすれば、確かに共通ルートと個別ルートの話は直接繋がらないから、個別ルートでの接続で多少無理が入ったとしても、それは仕方がないと思えるところがある。
この作品の共通ルート部分も、メール選択とかわりと「好感度調整」を意識しているところがあるから、もしかしたらそうした線で「らぶでれも共通と個別のつなぎはいい加減だから、今回もこれでOKだろう」と思ってしまったのかもしれない。
これは言うまでもないように全くのナンセンスだ。「らぶでれ」的な繋ぎが許されるのは、ユーザーがヒロインのイベントを自分で選択して「ヒロインの好感度を上げている」という主観的ゲーム性感情が強まるから
ああいうギャグ気味な告白シーンが許されるのであって、基本的に一本道強制の共通ルートでは、いくら「好感度フラグ」の選択肢が途中で何個かあったとしても、それは形式的なフラグ調整程度の意識しかユーザーには与えない。
「らぶでれ」の白眉の一つであったイカれたモブキャラたちも、今回も野球部とか天然パーマーとか良いキャラは揃っているのだが、残念ながらこうした構造的な要因によって印象が弱くなってしまっている。
キャラ自体の魅力(?)もさることながら、「らぶでれ」の池面太郎とかええっと誰だっけ母さんを寝取られた岡○大臣風の彼とかかニンジャといったモブ夫たちが良い味を出していたのは、彼らの登場シーンとヒロインの登場シーンが、
美女とモブ夫の壁の如く殆どくっきりと隔離されていたからである。もうちょっと正確に言えば「普通のキャラ」と「ちょっと変なキャラ」と「ニンジャ」といったキャラの出番がくっきりとわかれていたため、
変なキャラはとことん変だし、ヒロインはヒロインで可愛いしとコントラストの効果でそれぞれの個性を充分に発揮していたのだ。今回は「学校」と「バイト場所」をわけて、さらにキャラ同士の絡みも多くしたせいか、
必然的に「変なキャラ」と「普通のキャラ」が入り交じることが多くなってしまい、両者の個性が相殺されているようにみえる。まぁ、これはギャグテキストが絶叫とか勢いだけで突っ走るものが多い所為なのかもしれないが、
それでもそのテキストは「らぶでれ」の20%の威力も発揮できていない。


わりとザックリでぃスってしまったわけだが、とはいえ、一応僕はこの作品に「86点」といったわりと高得点をつけているのだから、なんか点数といっていることが矛盾してね?と思われるかたも多いかもしれない。
僕としては、欠点のない作品なんて殆ど存在しないわけだから、別に欠点を指摘したところで「それがその作品に対してどれほどの欠点なのか?」という論点によって点数は変わってくるかもしれないけれど、
欠点の指摘それから自体と点数の評価は前述の論点がしっかりしていれば、矛盾は起こらないと思っている人間の一人である。そして、この作品の場合、なるほど共通部分の欠点は「わりと致命的」といえるものではあるけれども、
逆に言えばその欠点が共通部分だけに押さえ込まれており、さらに作品の本質の大部分を占めるのが、これから論述する個別ルートであるため、共通部分の欠点が全体的な評価に及ぼす作用は小さいと考える。
まぁ、ここらへんは理屈の問題と言うよりも、欠点と美点のどちらを重視するかみたいな感性の問題みたいなところもあるんで、特に共通部分の欠点が気になる人にとっては、僕と違った評価をしてもおかしくはないかもしれないが。

前述したように、「らぶでれ」もイチャラブ描写の上手さが評価された作品であったが、この「イチャラブ描写」という言葉は、あらゆる流行のオタ用語がそうであるように、今ではわりとなんでも意味する言葉になっている。
むろん、そういった言葉「だいたいこんな感じ」程度の意味内容を指すものだから、別にそうした融通無碍な言葉が悪いとかそう言うことではないのだが、一言コメで「イチャラブ描写がうまい」と言う程度の軽い使い方の場合はそれでもよくても、
たとえば、こんな糞長文のレビューで「イチャラブ描写がうまい」とだけ言ってその対象に踏み込まないのはマズイだろう。比喩的に言えば、普通の会話で「今日は良い天気ですね」と言ったところで、その人は当日の気温や湿度や高気圧の配置を
述べる必要性は全くないわけだが、天気予報のおねーさんが「今日は良い天気になるとおもいます」で糸冬では流石に困るし、「良い天気」という、基本的には状況によって変化する(冬の陽の良い天気と夏の日の良い天気は異なるだろう)
評価基準をあたかも不動的なものと思い込んで、「良い天気指数」がどったらみたいな話をやられては、一般論めいたものと気象学がごっちゃになってしまう。つまり「イチャラブ描写が良い」といったところで、なるほどそれが「良い」か「悪い」か
という一般論めいた軽い判断を行ううえでは、「イチャラブ描写がよかった」というような評価は妥当ではあるが、しかしその「良さ」がどんなものであるかという点を考えると、その「良さ」は作品ごとに多かれ少なかれ異なるのは至極当然であり、
それを詳細に説明するためにははその作品の内容について触れるしかない。むろん、あらゆる作品に共通する「共通要素」というものは存在はするが、こういうものは得てして「美味しいケーキ」の共通点を探った結果、
「美味しいケーキはバターを使っている」という、至極当たり前のことを萌え記号がどうこうとかザッハリッヒ気分に動物化するポストモダンだもん♪しているだけで何も語っていないのと同然である。
谷崎潤一郎が述べたように、ある魚の美味しさを語るのにアミノ酸がどうこうといったところで、それは「魚類」全体の美味しさの基本的な成分についての因果関係を証明したことにはなるかもしれないが、
いま口の中に入っている「ある魚」自体の独自の美味しさにはついて彼は全くの味音痴である。まぁそうはいったところで、「本当のイチャラブ描写とは何か」とか「ツンデレの定義とは?」みたいな所謂「属性議論」というのは、
オタの基本的な社交の一つであり、そうした「全体的な真実」を巡る議論のなかで、個別の作品について語るという照れ隠しツンデレ風味フォーマットこそが萌え属性議論というものなのかもしれないけれど。

さて、じゃあ、この作品の、あるいは「らぶでれ」独自のイチャラブ要素はどういうもので、この二つの違いはどういうものかと考えると、まず基本的な共通要素から行くと、些か大雑把な言い方にはなるが、
この二つの作品のイチャラブ描写が主に評価されている点は、あらゆる面において「信頼感」という言葉がピタリと当て嵌まるようなところにあると思うのだ。それは単純によく言われる主人公が良い奴だとか悪い奴だとか、
ヒロインがDQNだとか○○たんは天使だとかそう言うことでもあるし、さらには超展開がどったらとか鬱シリアスがどうこうみたいな話にも繋がってくるものであるが、これらを「信頼感」という言葉から探ってみると面白いことがわかる。
もちろん、主人公やヒロインや登場人物の性格が単純に気に入る気に入らないと言う話もあるんだろうけど、特にイチャラブ描写云々の話で批判されることが多い側面は、主に彼ら登場人物の行動や言動の総体において「信頼できない」という
ところが挙げられる。これは、彼ら登場人物の行動や言動が「納得できるか」或いは「説得力があるのか」とはわりと違う問題で、それというのも、例えば妹シナリオで二発ほどセックルしたあとに「やっぱお前は異性として認識できない」
という糞主人公の行動や言動について、それが「納得できるか」或いは「説得力があるか」は個々人の倫理観や読解方法によって変わってくる可能性はあるが、「彼は信頼できる人間か否か?」と聞かれたら9割近くの人間がノーと答えるだろう。
もちろん、そういった「信頼できる主人公か良いか悪いか」なんて問いは基本的にナンセンスで、そんなものは作品のないようによって変わってくるとしか言いようがないのだが、しかしイチャラブ系の作品の多くの場合これは忌避されることが多い。
そりゃまぁそれは当然で、別に殊更イチャラブを強調しない作品なら、彼ら登場人物の「突然の行動」を遠くの視点から納得できるかもしれないが、5分に一回「愛している」を繰り返しているような主人公やヒロインがいきなり、
「あなたのためを思って私は身を引きます……」的なナスの天麩羅を揚げだしたら「キミは僕のアナルだけが目当てだったんだね!」と此方もキンピラゴボウを投げつけて対抗する他はない。
イチャラブ作品でよく言われる「鬱シナリオ嫌悪」というのは、詰まるところそう言う話であり、別に「鬱シナリオ」(まぁなにを持って鬱とするかは微妙なところだが)展開を嫌っていると言うよりも、
主人公とヒロインに対するユーザーの信頼感を損ねるような「急展開」が嫌われているといったほうが正しい。トノ作品にしろ旧しとろん作品にせよその他好評作品にせよ、ヘタをしたらそこらへんの作品よりもヘヴィな話が多いではないか。


こういった「信頼感」をらぶでれの場合は、共通ルートでの友達関係の噛み合わないようで偶然相手の乳首をあまかみはむはむしちゃうような日常イベントによって培われる。そのココロはスーパーココロンやぷんぷんぽんといった名言が的確に
語っているように、スーパーココロンやぷんぷんぽん!って何だよwと思いつつも、会話がいきなり変な方向に吹っ飛んでも、しかし二人は兎にも角にもなにか楽しげに喋り続けているというそのコミュニケーションの持続性の保証こそが、
どんな感動シナリオによる「好きになった理由」よりもヒロインと主人公の関係に対する信頼感を高めるわけだ。みみみ先輩の「嫁です!」発言が強烈なのは、もちろん基本的に真面目だったみみみ先輩があんなことを言うという意外性もあるわけだが、
しかしその意外性とともに、どうみてもちょっと怪しげな「主人 公」を軽くあしらいながらも、一応はちゃんと相手をしていたという几帳面な優しさが共通ルートで語られているからであり、そんなみみみ先輩なら「嫁です」発言もありえると納得
できるからである。少々ディスらせてもらうと、こういったテキストに対して表面的に「キチガイだらけで気持ち悪い」とか言うチミたちは、読解力とかはマジどうでもいいが、明らかに童貞力が足りないので一遍小学生から包茎やり直してこい。
ラブラドルがらぶでれのような「信頼感」が足りないのは、先ほどの共通ルート批判で先刻承知済みだろうから短く触れるだけにしておこう。まず共通ルートと個別ルートの繋ぎで言えば、一応物語的な設定で言えば、基本的には共通ルートの初期の、
「初期好感度MAXフラグ」で、しかもつぐみのようなもともと出番が少ないキャラの場合は、たった一つの胸キュンイベントでヒロインの好感度はMAXと言うことになっている。今期の某サンライズ作品並みのちょろい感じが萌え萌えだ。
まぁその批判はもういいとして、そのあとの長大な恋人個別ルートで、ヒロインとのコミュニケーションを深めるという構造にこの作品の場合にはなっている。

ただ、全く個別ルートと共通ルートを切り分けられるかというと、それはそうでもないわけで、シナリオの評価にもそれは結構深いところで影響を与えているとは言える。
おそらく「単に短い」というだけで、ネガティブ評価を与えられそうな「さつきシナリオ」は、まぁ確かにクリ数からみても短いし、CG枚数も他キャラと比べて冷遇されているとは言えるが、
そうした「量」の問題だけではなくて、さつきのような微感情ボクっ娘の恋人になってからの表情や感情の変化を強調するシナリオにおいて、前もって「共通ルート」の描写が(さつきはかなり優遇されている方だが)薄いと、
「ギャップ萌え」と言うほどのものは必要ではないと思うのだが、別に前からとあんまり変わってないんじゃね?というようにしか感じないのである。いや、ボクはキャラ的に言えば、この「さつき」が一番最初に好きになったし、
共通ルートのイベントも個別ルートのイベントも両方とも好きなのに、どうにもこうにも共通から個別までただスラーっと適当にイベントが並んでいるだけというように思え、別に劇的なんたらとかは必要ないと思うのだが、
シナリオの方向性にキャラの感情の流れが伝わっていないのが気になった。まぁ、春乃伊吹のレア微感情演技に萌えるだけならこのシナリオでも充分おつりが来たからヨシとしよう。。

逆に「さつき」と正反対といえるのが、共通ルートではたぶん店長以下の出番しか与えられていなかった「つぐみ」先輩である。この影の薄さが、逆に個別ルートでの彼女の変貌ぶりを強く意識してしまう。
いや、変貌ぷりというよりも、共通ルートの「他人」関係では全く知らなかった部分がだんだんわかってくるところが印象深いのかもしれない。つぐみ先輩の場合、小キックスタン中パンチ崩し巴投げ後ご奉仕フェラみたいな、
ささやかな萌え描写からの連続攻撃がなによりも宇宙ヤヴァィ。しかもつぐみのオッパイ膨張しているらしいし。ヤバイよ、膨張だよ。だって普通はひんぬーキャラとか膨張しないじゃん。
だっておどおど系後輩キャラが恥ずかしげにつぐみタイムとかいって充電してきたらだんだん鼻の下が伸びて困るじゃん。トイレでメイド姿でご奉仕とか精巣的に超困るっしょ。
一緒にいる時間が延びていって、最初のうちは学校とバイト近くで会うだけだったのに、夏休みの終わり近くには一週近く同棲生活ってマジうれし泣きでしょ。
だから遠野そよぎとかは一気にデレデレ演技しないで最初から小さな声で囁くようにユーザーの脳髄をジワジワと責め立ててくれる。話のわかる良い声優さんだ。ブログのほうはかなりアレだけど。

けど千夏はヤバイ。そんなの気にしない。デレデレレしまくり。共通ルートと個別ルートの最後の方じゃ最も遠くから到達する光とか観測してもよくわかんないくらい別人過ぎ。ヤバイ。
ってまぁ今時の若者は「宇宙ヤバイ」のコピペも知らない非常識な人間が多いのでこれくらいで止めておくが、しかし千夏の無常識っぷりを前にしては彼らも自分の凡庸な常識に恥じ入るばかりだろう。
千夏も共通ルートの段階ではつぐみ先輩と似たようところがあって、一応設定的には、始めから主人公が多少なりとも心を寄せているヒロインと言うことにも関わらず、出番は店長と同じくらいの頻度で、
しかもボケキャラ風味を漂わせつつも、口調と立ち位置振る舞いは正統派ヒロイン然とはしているから、なんかキャラ紹介の最初に登場するのに結局は人気投票四位ぐらいの煮え切らないメインヒロインといった印象が強い。
しかしこれは世を忍ぶ仮の姿ということが個別ルートでは明らかになる。先ほど僕は「ギャップ萌え」と言ったが、まぁ千夏の場合は萌えることは萌えるにしても「ギャップギャグ」といったほうが正しいだろう。
まず初エッチ前の「メール誤送信事件」でその片鱗が暴かれるわけで、そのあまりにもスィーツ(笑)な文体と内容に初エッチのドキドキ感は見事粉砕されるわけだが、千夏たんの恋愛物語(笑)はまだまだ始まったばかりである。
次なる笑劇は夏野こおりの衝撃的な演技力……といったところで、元からこの人はうまいと言われている人だからそう言われてもピンとこないかもしれないが、僕としてはヨスガの穹以来の名演技だと評価したい。
いやぁ、だってなんかもううまい棒のチーズ味で頭をぽこぽこ殴りたいほどすげぇムカかわ(ムカつく+可愛い)演技じゃないですか。ホームランチョコバットで「調子ぶっこいてるんじゃねぇぇぇぇ」とケツバットを是非是非かましたい。
もちろん、テキストの方も見事の一言で、このちょっとアホな高校生が急にできた彼氏をまるで身内の人間のようにタメ口で甘えまくってしまうダラシなさが上手く描けており、「喫茶ジャラシー」イベントに至っては、
「喫茶ジャラシー」という昭和風の看板に、表情はしかしジャラシーどころではなく既に泣きが入っているツラを晒しながらお猿さんの如く抱きついているCGも見事であり、「らぶでれ」のイヌ夫イベントに匹敵する名ギャグシーンといえよう。


奈々子さんとマイシスターの話をする前に、今作のこの個別ルートの全体的な構造について少々整理しておこう。基本はらぶでれの千歳シナリオの構造を全部のシナリオで踏襲しており、要は基本的に恋人同士のミニイベントを物語的展開を経ずに、
ゆったりと続けながら、最後のオチに、こうした日常のミニイベントにおいて何気なく語られるヒロインの言葉なり会話なりから、鬱というほどではないけれど、意外な真実が語られて、その真実に主人公が向き合うといった展開になる。
って随分抽象的な話だが、もうちょっとわかりやすい言い方をすれば、普通のエロゲでは大抵こういうのは最後のシリアス展開といった場合、その問題がどういうものであっても、それは「問題の解決」といった展開をとることになる。
この言い方は、物語のレベルでその物語内の「問題」が解決するといった物語内容を意味しているんじゃなくって、そう言う意味ではこのラブラドルを含めて殆どのエロゲの物語の問題は最終的に「解決」するわけだが、
ここで僕が言いたいのは、大抵のエロゲは伏線というかたちで、最後の最後まで何らかの謎や登場人物の「問題」を残しており、そしてその「問題」や「伏線」の「解決」がシナリオの流れとして意識されているという形式的な問題である。
こういう言い方はわりと大雑把で「広い」言い方で、この定義を拡大すればどんなフィクションもこうした形式に含まれると言えてしまうんだが、まぁ僕としては微妙エロゲの微妙シリアス展開の微妙なオチといった程度のケースしか考えていない。

では、このようなモデルと「ラブラドル」や「ラブデレ」といった作品のシナリオはなにが違うかと云えば、「最終的には問題が解決する」という物語内容こそ同じであるが、その最終段階に至るまでユーザーはその「問題」を感知しにくく、
問題や伏線が残っているというような意識も弱くて、その物語的な解決内容にしても、それはいきなり問題発生そして問題解決のイベントが浮かび上がるというよりも、むしろ今までの何気ない日常イベントの中で既に問題は何気なく半ば解消されており、
あとはその「残っている」というよりも「見いだされた」問題に対して主人公がどう振る舞うかと言うことが残る。らぶでれにおける「千歳」の最後の選択肢の問題を思い出してみよう。
あの選択肢はどちらを選んでもハッピーエンドになるわけで、なんかおかしいぞと言う人もいるらしいが、僕の見解では実に適切なエンディングだといえる。なぜなら、あの選択肢は千歳の「問題の解決」の正解法を問うているわけではないからだ。
千歳はその時点でもう充分に幸せであって、なるほど確かに主人公のあの選択肢の行動によって「もっと幸せ」になるかもしれないが、別にそれがあってもなくても不幸にはなって幸せにはなれないと言う意味では問題ではないと言える。
あそこで問われているのは、ヒロインの不幸やヒロインの問題を何とかするといった類の問題解決ではなくて、ヒロインの中にあって、そして今もほんの少しは残っているかもしれない問題について、主人公がどう向き合うべきかという、
「解決」ではなくて「態決」、つまり態度を決めるということが問われているわけである。感覚的に言えば、最後の最後まで物語の問題が展開されていくといった感じで物語の全体性を直線的に確保するやりかたというよりも、
最後の最後に今まで見えなかった問題が「あった」ことに気付き、その発見が今までの日常イベントにおいて何気ない伏線として語られていたことを思い出して、直線的にではなくて遡行的に物語の全体性を確保するやり方だと言えようか。

物事はそんな綺麗にサッパリと分かれているわけでなくて、ラブラドルやらぶでれにも、前述した直線的なモデルは全くないとは言えないのであるが、ラブラドルの実例を言えば、さつきシナリオとつぐみシナリオは、
この遡行的モデルの典型だと言える。もっとも、さつきシナリオの場合は端的に量が短いので、直線的か遡行的かなんて意識する時間もなくサクっと終わってしまうし、さつきの母さんからあの話を聞いたところで、
「うーん、よかったですねぇ」と他人事感覚ぐらいしかないのであるが、しかし形式的に言えば、なんの最後の問題を持ち出さすに物語が綺麗にと言うかまぁ適当に終わってしまうのは遡行的モデルのおかげだと言える。
つぐみシナリオの過去の話は、個人的に似たような話を10回以上、近く(別に知人ではないが)にいた人間が全く同じことをやっていたことを5回くらいは見たことがあるので、シナリオ云々以前にうーんキッツイなぁと感じ入ってしまったのだが、
つぐみの「男性不信」を語るには説得力のあるお話であるし、奈緒との友情を再確認するという意味でもええ話だと言ってもいいけど、それまでのイチャラブ話との関連性という点では少々弱い。いや、もちろんあんなことがあったらつぐみ先輩は、
あんなに主人公を慕うんだなぁ程度のことはわかるけど、逆に言えばそれぐらいしか効果はないのであり、こちらもそれなりに綺麗に終わるとは言ってもいいけど、こういうやり方はそれなりに適当に終わってしまう危険性があると言うことも否めない。
意外にイイのは、千夏シナリオの締めで、まぁネタ自体は中盤あたりでわかるような内容ではあるが、しかしあの抱腹絶倒な喫茶ジャラシーと無防備にというか無遠慮にデレデレしなだれてくる頭のユルそうな千夏ボイスを聴き続けたあとに、
ああいう話を聞かさせると、千夏のぷんぷんぽん!っぷりが今まで以上に可愛く見えてくるのだ。特に髪型をショートにしていると、コイツガキの頃からちっとも変わっていないアホっ娘なんだなぁという印象がますます強くなり、
そういう感動とちょいロリエロめいた犯罪臭が回想シーンのエロシーンをもう一度美味しく頂くのに非常に役に立っているわけである。

しかしロリという点では奈々子さんに負けるものはいない。是非今年の11月に発売される予定のFDでは(もう確定事項にきまっているじゃないですかっ!)あの年増センセのエロしーんなんてどうでもいいから、
自分の娘にデレデレする主人公に嫉妬した奈々子さんが年を弁えずスパッツ姿で主人公のあぐらのうえに居座り(重そう……なんて言ってはいけないっ!)絵本を読みながら主人公の下半身の鬼退治をしてほしいものである。
いやだって、共通ルートからツボに入るシーン大杉じゃないですか。最初はなんかええ先輩だなぁオレも高校の頃にこんなバイトの先輩がいればもっとマトモな人間にってな青春シーンのあとにあんなシーンを見せられては、
やっぱエロゲ最高だわと共通ルートで奈々子さんが頑張れば頑張るほどついついかまいたくなっちゃうじゃないですか。そこらへんのロリキャラよりも保護欲をそそられはしませんかね?
これもつぐみの個別ルートとおなじで、それほど強烈なインパクトはないけど、日常シーンでの細かい引っかかり萌えがうまくて、千夏ルートの時でも思ったけれど、このライターさんは意外と屁タレヒロインというか、
いや表面的にはまったく屁タレてはいないんだけど、物欲しげに屁タレ救難信号を送っているようなヒロインもよくかけていると思うのだ。
両親のゴタゴタネタも、基本的に理屈で言えば奈々子さんの言っていることが正しいわけで、一回目の時はまぁこれで問題解決でイイじゃんと思いながらも、二回目のときに奈々子さんが正しい理屈を言いながらも言葉が詰まってしまって、
なんで正しい理屈を言いながらも相手の言葉に屈してしまいそうになるかといえば、そもそもここで争われているのは理屈じゃなくって、主人公が奈々子さんに与えられているものを両親がちっとも与えてくれないからなんだよね。
これは、奈々子さんの個別ルートのイチャラブ描写でも何気なく触れられている点で、いや別に両親との関係がどうこうみたいな話は殆どないんだけど、年上の奈々子さんを主人公が結局のところリードしてしまうのは、
主人公がやや過剰と言えるほどのも理解と共感をガキ臭くながらも奈々子さんに与えているから、奈々子さんは待ちきれずにオナニーとかしちゃうわけで、こうしたヒロインと主人公の関係性の描写が最後の「問題解決」のイベントに説得力を与えているわけだ。

さて、いよいよ最後はマイシスター花穂のシナリオに移るけれど、高得点をつけている割りには、このシナリオについて語るべきところは非常に少ない。一言で言ってしまえば、これは単なる仲のよすぎる兄妹の日々の記録でしかないのだから。
もっと正確に言えば、このシナリオは共通ルートにおける仲良し兄妹の日常生活が、個別ルートに入ったらそのまんまエッチするほど、将来を自然に誓い合うほど、近親相姦のタブーといった戯れ言を完全にシカトして、
真っ昼間から白昼堂々とイチャイチャする兄妹の日常を最初から最後までなんの動乱もなく平静に描くシナリオに過ぎないのだ。。些か誤解の受けるような言い方をすれば、これは最初から最後まで神さまに公認されたような兄妹の
日常を萌え四コマ的に描き続けるようなシナリオだといっても良く、まぁ別に正史ルートだとかトゥルーエンドみたいな話はどうでもいいけど、主人公が誰も選ばなかった場合にはこのような物語が最後に用意されていたのではないかと思うくらい、
共通ルートと個別ルートの生活感や主人公やマイシスターの感情といったものが、驚くべきほどの持続感を持って語られている。むろん、告白シーンやエロしーんに至るまでの流れには、多少の展開があると言えるわけだが、
そのあとのイチャラブ描写を見てしまえば、結局のところこれらは「今までちょっと我慢してできなかったものを今からやっている」程度のことでしかない。よく、妹シナリオの典型的な問題に、まぁエッチするなり恋人になるなりしたあと、
主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び続けるかそれとも名前呼ぶかと言った、要するに「ふたりの関係を兄妹のまま維持するか、それとも恋人になるか」といったような問いかけが生まれることがあるか、このシナリオの場合はもうそんなの
序盤のうちにすっ飛ばしてしまい、この兄妹はいくらエッチしたとしても恋人的な振る舞いをしたとしても、ふたりの生活と感情は以前として昔から変わらない兄妹のまま動じず、ウェディングドレスを着ても結婚式ごっこで永遠にイチャつくだけなのだ。
もちろん、最後には、たぶんこの作品の中で一番盛り上がる狂気のデスマッチが開催されるわけだが、そんなものもこの兄妹にとっては愉快なイベントの一つしか感じられないほどの、このシナリオのヒロインとの一体感。
もうこういうシナリオを読んでいると、僕がここまでクドクド書いていた、共通ルートと個別ルートのテキスト配分がどうこうとか、物語の終わり方がどうこうみたいなシャラ臭い話が全てがもーど-でもよくなる。
僕は「エロゲーなんてイチャラブがあれば他は良いんだよ」みたいな極論を吐いて悦には入る人間ではないし、このマイシスターシナリオだって各種「シナリオ」的な構築によって出来上がっているシナリオだと分析できなくはないだろうが、
ここまで「近親相姦のタブー」だとか「兄妹と恋人の違い」だとか「背徳感がどうのこうの」といったものが排除されたマイシスターとのユートピアが完成されているとなると、
あとはもう自分の脳髄が殺されるがままに身を任せ現実逃避安心立命幽体離脱絶対実妹宣言と訳のわからぬ御経を唱えつつマイシスターの笑顔にうっとりとする他はないのであった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆エロしーんについて

いきなりシモネタ、しかも自分のアレの状態が立ち上がれ日本だとか幸福実現フルボッキだとか言う話になって誠に恐縮であるが、エロゲの発売日当日から3日ぐらいたって、2~3本コンプしたと称して、
しかもやれエロかったとか抜きまくったとか(むろんその人がエロしーんで抜かないと公言しているなら別だけど)言っているようなレビュアー(別に特定の人間を指しているわけでもないが)さんや、
某匿名掲示板で発売三日後ぐらいで「○月のランキング」とか嬉しそうに貼っている人は、人たちは、いったいどんな下半身を持っている人間なんだろうかといつも疑問に想う。僕は知り合いに勃起薬といったら失礼なのだが、
まぁED治療薬の販売に関わっている人がいて、その人からその手を話を聞くことがあるから、だいたい人間が通常の状態でどれくらい勃起して、どれくらい射精して、どういう状態だとどれくらい気持ちいいのかみたいな平均的なデーターは知っている。
なんか話がズレまくりだけど、所謂「バイアグラ」や「シリアス」と「レビトラ」といったED薬を使えば、勃起自体はペニスがボロボロになるまで何回でも(30回以上からやばくなるらしいが)立ち上がれニッポンが可能であるし、
こういった薬を使わなくても、ある種のテクを使えばリメンバーイシハーラーフォーエヴァーもわりと可能らしいのだ。とはいえ、ED薬を使った経験があるならお分かりのように、これらの薬は「興奮剤」ではなく、ただ単にペニスを勃起させるだけの
効果しかないから、別に下半身がフルボッキしてそれを刺激したところで、性欲が刺激されない状態だと別に気持ちよくないのである。性的快感と下半身の勃起は=の関係ではなく、いくらED薬を使って何回も立ち上がれニッポンをしたところで、
女の人を満足させる聖剣エクスカリバーの役割は働くことができたとしても、男の人はほとんど気持ちよくないということになる。カラ勃起状態でチントレをしているような状態だと言えばわかりやすいだろうか。
つまり、純粋に医学的に言って、一日に男性が気持ちいいと思えるような射精を含んだオナニーなりセックスなりはだいたい五回以内であって、それ以上になってくると薬を頼るのであってもある種の「苦行」に近づくと言うことらしいのだ。

とはいっても、べつだん僕は、そういうコンプしまくって抜きまくってますという人たちが、嘘をついているんじゃないかというようなことを言っているのではなくて、きっと彼らは「逸脱」というエロゲに出てくる異常精力の主人公のように、、
五分に一回は「オレは射精した」を繰り返し、一日に20回以上は射精しないと精巣にザーメンが詰まってチン玉大爆発死してしまうような、過酷な特殊能力を運命を背負った悲劇のヒーローなのであろう。彼らの終わりなき射精に幸あらんことを!
まぁ、馬鹿な冗談はこれぐらいにして、何が言いたいかというと、ここ最近のエロゲ-は多少の例外はあれど、エロしーんがモノ足りないと言うことは少なくて、場合によってはちょっと大杉なのではないかと思う時があり、
べつだんシナリオもヒロインも微妙だった場合には興奮しないからどうでもいいんだけど、この作品のように自分の好みのヒロインが3人以上はいてしまった場合は、これはもう僕の立ち上がれ以下略も解散寸前の末期症状に至るのである。

なるほど、確かに一部で言われているように、この作品のエロテキスト自体はそんなによくない。早漏れっていうほど短くないと思うけど、まぁちょい短め程度には言えるかもしれないし、
長さよりもエロしーんのテキストがどのキャラも共通コピペっぽいのがちょっとねぇ。まぁ全キャラにパイズリだとかフェラだとか制服エッチを完備しているのは褒められる点だと思うけど、
全員のエロシチュをある程度統一するのは良いとしても、全員のエロテキストを全部にたような感じにしてしまうのはよくないだろう。別になんか特殊シチュを増やせとってわけじゃなくって、
キャラによって、たとえば愛しのマイシスターはもっとえっち中のキスを増やすとか、千夏は他のヒロインよりイキやすいとか、奈々子さんはじつはおもらし属性とか、そういう性癖をちょっと書き加えて、
それを支点にエロしーんのテキストとエロシチュを構成するだけで、キャラごとにエロしーんは随分変化が生まれると思うのだ。これは、まぁそんなに酷いエロテキストではないし、似たようなレベルは結構あるけれど、
この手の「似たようなエロテキストコピペ」だと、だいたい2周ぐらいすれば、エロテキストの内容が70%のぐらい確率で前もってわかってしまうからロマンが掻きたられないのであります会長!
さらに、エロCGのほうも、これもエロテキスト同じでそれほど悪くはないが、どうにもエロCGの表情が通り一辺倒というか、場合によっては「この表情差分ってつぐみ先輩のと同じだよな?」と思ってしまうようなこともある。
もちろん、エロゲのエロCGというのはそういうものであるんだけど、この作品の場合特にそれを感じるのは、髪型の差分弄りの機会が多い所為で、ユーザーの注目が表情部分に注目しやすいからかなぁ。
なんかイリュの3Dゲーをやっているような気分になってしまった。まぁ、さつきとマイシスターのエロCGはグットでした。逆にイマイチなのがつぐみで、ちょっと顔が小さめで顎が尖り気味だから実は彼女の正体はエイリアンなのではないかと。

ただ、エロテキスト自体やエロCGはまぁまぁ程度だとしても、エロテキストに至るまでの流れはひじょーに乙カレーの国の独裁者なのであります。基本的に物語展開めいたものが少ないから、最初のエッチ以降は、
いつエッチが入ってもおかしくないし、また逆に抜きゲーみたいにエッチを繰り返すことだけがシナリオの至上命題にもならず、健全な付き合い以上エロエロ未満と言ったヌルヌルな雰囲気に浸りながらも、
次のエッチをゆっくりと待っているような状態が個人的にははぁはぁですた。この点は全てのヒロインに共通しているので、どのヒロインのエロしーんもシナリオのイチャラブ描写と合わせて美味しく頂いしまい大変に下半身が疲れますた。

まず一番最初にやったつぐみルートでは、最初のエッチをすましたあとの、つぐみ先輩の「つぐみタイム」攻撃による遠野そよぎの囁き攻撃にて、エチシーンに入る前から臨戦対戦にはいってしまって、まだ一周目だというのに、
つぐみ先輩の小悪魔メイドさんフェラとイケナイメイドさんのトイレでのエッチなおねだりと最後のコスプレエチで我が心臓の三つが打ち抜かれたと言う次第。ダイの大冒険のハドラーだったらとっくのとうに死んでるぜ!
いや、これは初っ端からマズイ。最後にオレはマイシスターを残しているんだから、今のうちに精液を回復しないとと、エロしーんが三回と比較的少ないさつきに手を出したらコイツも意外な伏兵だったんだなコレが。
思ったよりもエロCGがエロいというか、普段微表情気味なボクっ娘のエロ表情にオレは弱いということをすっかり忘れていたのも悪かったが、春乃伊吹のエロボイスが遠野そよぎのエロボイスとは全く違う方向性で魅力的で、
つぐみ先輩みたいに小悪魔チックにジワジワと責め立てるのではなく、日常シーンの微感情演技とあまり変わらないボクっ娘トーンで素直に喘ぐのが妙にエロくて、一日四回以上は射精禁止というボクの性生活ルールはあえなく崩壊。

こんな調子で僕ののオナニー日記を綴っても誰も喜ばないと思うので、ここらへんで止めておくけど、兎も角エロシーンのテキストやエロCGが「まぁまぁ」レベルでも、日常の萌え描写でちょっとでも興奮するような人なら、
この作品は「かなりエロい」に属することができる作品だとは思う。恋人同士のくっつきとかいちゃつきとか、それ自体は特別にいやらしいと思えない小さな描写が、時にはエロしーんの伏線になっていたりあるいはそれが全くはぐらかされたり
するときのドキドキ感やエロしーんに入るときの自然な劣情の高まりはかなり丁寧に描写されている。しかも今回は声優さんが特にその辺頑張っているからなぁ。初エッチのときの千夏のまだ外向けモードの演技と、
タメ口聞き出したあとの、殆ど下品ギリギリとさえいえる千夏の甘え艶技とかもうこれ陵辱ゲーじゃね?ってほどのギャップのエロさ。奈々子さんのオナニーも流石最年長ヒロインの貫禄が滲み出たどうしようもないほどの濡れ濡れだし。
まぁ、結局は最後のマイシスターを攻略する日には、一日半下半身に休憩を与えて、最大五回のエロしーんに耐えるべく頑張ったんだけど、もはやこれぐらいになってくると「エロしーん」と「日常シーン」と「シナリオ」を分ける必要がないくらい、
萌えとエロと物語展開がごく自然に流れていてエロ云々どころじゃなかったねぇ。最後にマイシスターを残していたからいいけど、これ最初にマイシスタ-を攻略してしていたら、そのあと他のヒロインを攻略していても、
マイシスターの軽いエロジョークに即座に下半身が反応して他ヒロインどころの話じゃなかったと思いまする。少なくとも体験版の時点の花穂にグッときてしまったダメなお兄ちゃんは、自分の下半身のHP残量に気をつけて妹と楽しいエロゲライフを。
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい4452回くらい参照されています。

このコメントは2人の方に投票されています。