マルセルさんの「CAFE SOURIRE」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

75CAFE SOURIRE
行きつけのカフェに行ったら今日は店長が休みですと言われたんだけど、まぁ良いだろと思いいつもの注文を頼んだら、運ばれてきたのはコーヒーではなく黒豆茶だったよーな「なんか違うよなぁ」を感じる作品である。コーヒーには幼女のおしっこシロップが必要だろう?というツッコミだとか、トノと比べたらテキストがなんたらかんたらみたいな話も措くとしたら、「連れ子は結婚できない」みたいなテメぇ戒律を勝手に作り出し、Hしたヒロインをやり捨てするような展開が大好きな人なら良い作品なんじゃないっすかね。SOURIREはフランス語で「笑顔」という意味なのだが、この物語は「笑顔になる喫茶店」ではなく「笑顔にさせられる喫茶店」を描くわけだ。自分達を犠牲にしてまで家族の笑顔を守らなきゃいかんと、笑顔の真綿で首を絞められてゆくポポポポーン雰囲気を味わいたい人は是非。まぁ、美百合の家族逃避エロイチャ展開はええのでプラマイゼロかな。
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☆基本データ

・総CG枚数(差分SD無し)73枚 総回想数16枠

・キャラ別CG(エロCG)&回想数

香澄 18枚 (8)   4回
芹花 18枚 (6)  5回
杏子 18枚 (9) 3回
美百合 17枚 (6) 4回

☆クリック数

簡単な説明:クリック数つーのは、既読スキップオン+テキスト速度ノーウェイト環境下で計った、ゲーム開始時から作品を終えるまで各シナリオ毎のクリックの合計回数のこと。

(1)初回プレイ時の「共通」+「個別」のシナリオの総容量が分かる
(2)2周目以降の、共通シナリオを除いた個別シナリオの総容量が分かる。

(ゆえに、一周目のヒロインルートはクリ数が多く、二周目以降はたぶん半減するが、一周目の「個別ルート」が他よりも長いというわけではないので注意)

(3)エロテキストのクリ数と。それを含んだ全シナリオのクリ数を比較すれば、両者の割合もある程度はわかる。
(4)テキスト速度の環境さえ同じなら、プレイ時間と違ってユーザーによる計測誤差は少ない。

といった四点が指標として役に立つとバッチャが言っていたような気がしないでもない。

1周目 美百合「14528」 
2周目 杏子 「7245」 
3周目 香澄 「6518」 
4周目 芹花 「8268」 

・各キャラのHシーンのクリック数

   1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
芹花 165 487 465 369 268
香澄 336 224 268 218 
美百合 489 196 208 189
杏子 489 379 468



☆作品の大まかな評価。

簡単な説明:これはもうそのまんまですな。一応Z~SSSまでの評価基準が存在するらしいのですが、大抵はC~Aの間に収まっているようです。
「C」がだいたい「やってもやらなくても別にいいんじゃね」。「B」が「やればけっこう面白いんじゃね」。Aが「やってないヤツは人生つまないんじゃね」。
といったかんじになっております。じゃあC以下はどんな評価なのかというと、それはもう六道輪廻の世界観で言うところの畜生道以下の世界だと思えばよろしいかと。並阿弥陀仏。

・シナリオ評価

美百合  B+ 
杏子   B
香澄   C
芹花   D
全体評価 C+

   
・エロ評価

美百合  A- 
杏子   B
香澄   C
芹花   B-

・イチャラブ評価

美百合  B+ 
杏子   B-
香澄   C
芹花   D

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トノ云々やら庭のパッチ早く出せよゴルぁ的なネタを絡めて、この作品のレビューを書いていたら、十分の一程度にしかこの作品に触れていないことに途中で気がついたので、
取りあえず「トノ」「おしっこ」「パッチ早く出せよゴルぁ」あたりをNGワードにして、改めてこの作品のレビューを描き直して見るテスト。トノ云々が読みたい人は下の「ワンリリ」の糞長文でも読んでくださいねと。

http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=7910&uid=%A5%DE%A5%EB%A5%BB%A5%EB


……といったところで、早くもNGワードを処女膜破りしそうなことを言えば、例の未完成ソフトの一件がなかったら、殆どこの作品には興味は持てなかったんですけどねー。
確かこの作品の「発売」が「発表された」のは去年の四月ぐらいで、その頃にゃ去年の夏か冬ぐらいには「例の未完成品が完成したあとに」出るだろうと言われていたんですけど、
それがまぁズルズルと伸びまくって、「これも庭と同じ運命を辿るのか……」と半ばユーザーが諦めかけたころの今年1月あたりにやっと発売日がアナウンスされたはいいものの、
これまた一ヶ月、二ヶ月とズルズルと発売日が延びまくって、ユーザーの関心が半ば消滅し掛かっていたこの6月にやっと発売されたという、なんともスッキリしない経緯があったわけでござる。

そして、でできたブツにしても、なんというかまぁ安易なアナロジーは慎むべきかもしれませんけど、この作品も発売経緯と同じくグダグダで最後は無理矢理ハッピーエンドにしちゃいますた的なノリが濃厚で、
まぁ良くも悪くも開発が難航していたことを伺わせる内容であります。どのルートも基本的には「いっぱい悩んだ俺たちは誠実だ」みたいな話で締めくくられているのも、発売日をブッチ切ってまで開発を続けて、
その割りにはなんというかグダグダなシナリオが出来上がってしまった開発者たちの正義の弁明なんでしょうか?という嫌味が言いたくなってしまうこの作品。そういうふうにみれば、
確かにまぁ「暖かな人間ドラマ」とはいえるんでしょうけど、その暖かはどこぞの原子力ムラのように、内輪以外の他の人間には冷たさしか感じないのが如何ともしがたいところでありまする。

しかしなんで初っ端からこうトゲトゲしい調子なのか? この作品は暖かい喫茶店のほんわかおしっこストーリーを描いていると言われているんだから、
レビュアーの諸氏もポポポポーンってな文体でもっと大人な対応をしてくれないと困るだろう……と、世の中の変態紳士淑女も皆さんも訝しげに愚息を項垂れさせていると愚考しますが、
まぁ一つには僕が悪いんである。最後とその前のシナリオに「一番僕の嫌いなタイプな」そして「完成度もやたらに低い微妙なシナリオ」をやってしまって、
どうにもこうにも最後に残していたハンバーグをあんぐり口の中に入れたら実はウマの糞だったみたいな不快感が残ってまして。レストランでふー満足した満足したと思ってレジで金払ったら、
何故かレジ打ちの店員にボコボコに殴られたよーな不条理な怒りがまだ残っているんですよね。プレイ途中「いったいなんでオレはこんなシナリオを読まなきゃいけないのか?」と何度も思いましたよええ

まぁ、他シナリオに迷惑をかけるのは僕の本意ではないので、まずはその問題の二つのシナリオをザクっとデスっておきましょうか。うえのクリ数を参照なさった方はもうバレバレだと思うけど、
その問題のシナリオとは「水島芹花」と「水島香澄」の二つの姉妹シナリオ。どちらかと言えば、後者の香澄はたんに「出来が悪い(上手く行っていない)」と言う程度だから、それほど問題はないと言えるんですが、
前者の芹花シナリオは「出来が悪い」のに加えて「ムカつく」といった主に僕の主観的な感情が加わったうえに、細かいところでは変に上手くっているところがさらに怒りをかき立てるという難儀なシナリオですた
ブツでありましょう。えーっとですね、残りのシナリオについてはあとで触れますが、結果論的にはその残りの二つはこの二つに比べれば遙かにマシだったものの、ちょいと気になる部分があったんで、それがこの姉妹シナリオでは、
何とかなっているんじゃないかと半ば期待していたんですよ。ところがじっさいにやってみると、それがさらに酷くなっていたというか……いや、なんか「別の酷さ」に変わっていまして、もうなんか最悪ってガンジー。


話をわかりやすくするためには、まずは「香澄」シナリオが始めましょうか。僕は先ほどこのシナリオを「詰まらないだけでさほど問題はない」と言いましたけど、言い換えると「ありがちなつまらなさ」とでもいいましょうか。
端的に言えば、話のテーマを展開するための描写不足で、たんに「へーそーなんだ」以上の感情をユーザーに引き起こすことに失敗しているという早漏れシナリオですわな。しかもそれが実にわかりやすい形で出ている。
まずは、この作品の基本構成から押さえる必要がありますけど、体験版で四話を除いて紹介された共通ルートは五話まであって、それ以降の6話からだいたい12話までが個別ルートという話になります。
さて、体験版をやった方ならご存知かもしれませんけど、この共通ルートにて香澄の出番は他ヒロインと比べて少なく、主人公との絡みと言ったら5話の選択肢イベント以外は、殆どない、と言った状況であります。
でありますから、まずは個別ルートの6~8話ぐらいまでは、多少の退屈を覚悟しても「香澄」と「主人公」の絡みをそれなりに描いて、二人の関係がどういうものなのかを印象づけないといけない、と普通は考えるのであり、
いきなり「水島家と家族になる」みたいな突発的なイベントが共通ルートから引き継いだとしても、それはそのイベントの中で多少はそこらへんを触れてくれないと困るでしょう。え?そんな因習的な決めつけは良くないって?
うーむ、確かに因習的な決め付けは良くありませんよねぇ。だって、殆どユーザーの印象が薄いキャラが「いきなりお姉ちゃん」になって、
そこでいきなり主人公が「オレは香澄さんを女性として見ているのか?」みたいな因習的な葛藤ネタをやられても、ユーザーは「ふーん、それで?」以上の何ものも感じませんから。

わざわざクドクド言わなくても、そこらへんのダメ萌えオタ同志諸君はぴくんぴくん愚息をシャウトしてくれると思いますけれど、
殆ど主人公と(そしてユーザーと)「設定上」ではなくて「描写のうえの」接点や印象が薄いキャラが、いきなり「幼馴染み」から「お姉さん」になったとしても、
基本的には単に「設定が変わったんだな」以上のなにものでもないじゃないですか。確かに「いきなり幼馴染みが兄妹に!」みたいな設定のお話は結構ありますけれど、
ああいうお話は基本的に「そうした突然の変化を通じて二人の過去やら現在を描くところ」に主眼があるわけで、じゃあこの「香澄」シナリオもそういう話かというと決してそうじゃない。
なんというかこれは「お話の出発点」ではなくて、なんかこの「いきなり家族に!」イベントで話の半分近くが終わっているような感じなんだよね。
幼馴染みから姉弟に変わったことの「変化」を描くようなことは少なくて、「姉弟に変わった」段階でいきなり「二人はもう結婚できないんだ……」みたいな話をもって来ちゃっている。
そういうお話は「幼馴染み」としての描写とその印象が強ければ強いほど効果を発揮するはずなのに、その前提をいきなりすっ飛ばして「香澄さんはオレを弟としてしか見ていないんだ」とか言っちゃうんだもん。
そんなことをいきなり言われても「えーっと、いつからあなたは香澄さんにフルボッキを?」ぐらいしか思い浮かばないんですけど。

さらに、このシナリオを書いたライターさんは、そうした恋愛感情描写の薄さを誤魔化すためか、それとも最初からそんなの興味がなくてたんに家族のなんたらかんたらみたいなことを書きたかったのか知らないけど、
やたらに香澄の妹の芹花を主人公に絡ませて、さらには多重視点を何度か挿入しながら、「家族に対する思いと恋愛感情の矛盾」みたいな感じで物語を発展させようとしている。そして、これが悉く失敗していると思われるのだ。
まず第一に前述したように、そもそも主人公と香澄の「幼馴染み」の頃の関係性が深く描写されてないんだから、いくら「二人はもう姉弟なんだから甘えても良いのよ?」みたいなことを言ったとしても、
正直なところ何が変わったのか、何が変わろうとしているのかサッパリわからないのだ。そんなうえで「変わろうとしているのが怖い」とか「私はずるい女だ」みたいなことをいきなり描写されても、これまた一般論以上の説得力はない。
誤解している人が多いけれども、そもそも余程珍妙なシナリオを書かない限り、一般論的にはどんな人間の感情もいろいろな立場も「そういう見方もあり得る」とは客観的にいうことは出来るのだ。
だからどんなシナリオもその立場で言えば「理解出来る」。しかしべつだん作品を読むということは、そんな中学生でもわかる一般常識的な相対主義を振り回して僕って視野の広い人間なんだなぁ悦に入るためではないと僕は思っていて、
その物語が物語独自の説得力を持って語る特定の「ある立場」なり「ある人間」なり「ある状況」なりから、相対的な客観性を越えた独自の説得力や構築力を満喫するためのものだと僕は思っている。

次に、主人公と芹花と香澄を使った多重視点の操作がどうにも立体感に欠ける。というか、ぶっちゃけてこのシナリオで結果的に一番印象に残ってしまうのは「芹花」だと言う時点で失敗しているだろう。
これはこの作品のシナリオに共通する弱点であるが、主人公がたんに僕は悩んでいるダーを繰り返し、ヒロインはヒロインで従順に主人公のオナニーに付き従っている状況では、第三者の行動と視点をもって状況を打開するしかないわけだが、
それが結果として、主人公と香澄の存在感を薄め芹花を引き立てることに繋がってしまっている。このシナリオの場合はそれが特に致命的で、実際のところ主人公と香澄は「抽象的なことで悩んでいるだけ」で何もしないに等しいんだから。
さらに「家族愛」云々にしても、まぁ家族愛を云々するような香澄が「連れ子は結婚できない」とか「世間体が云々」とか強調するのはそれってお前家族愛じゃなくて「私は世間様が一番大事です」ってだけのことじゃないのってツッコミは兎も角、
「水島家」と香澄の「複雑な事情」ということも、最後の方にちょっとええ話をするためだけに使われているだけで、具体的に春菜さんや芹花や主人公の家族との日常でその複雑性が描写されることは殆どないのである。
後半の主人公のガム張りシーンも謎だよなぁ。「子供っぽいけど香澄の為に頑張る主人公」を描きたかったのかもしれないけど、試験頑張るぜを終わらせたあと、いきなりやっぱ仕事するぜとかなんの説明もなく言われちゃうと、
子供っぽい以前に人間としてのフツーに鳥頭なんじゃないかと思えてしまう。告白前の「悩んでいる振り」主人公と同じ人間には見えないんですが。
ま、総じて言えば、「骨組み」はよく見えるんだけど、「肉付け」が弱いくせに、やれ家族愛だとか姉弟とか抽象的な感動話をしようとするから、それがユーザーにとっては骸骨の一人踊りにしか見えないのである


まぁ、一応弁護する振りをするなら、確かに「家族」みたいなテーマを上手く物語の中で語るのは難しいとはいえる。僕みたいな萌えオタが家族愛云々を語るのは滑稽だから手短に済ませれば、
これは「自然」を語る難しさと同じようなことだと言えばいいだろう。つまり、言葉自体は漠たる定義しかもっていなく、基本的には広い対象についても当て嵌まるような気がするのに、その反面には、
「確固たる」規範的な「自然」とか規範的な「家族」みたいなイメージが存在するもの。しかしながらその「規範的なイメージ」は単なるイメージでしかなく、実際の家族や自然はそこから離れているのにもかかわらず、
必死に「規範的なイメージ」を多くの人が守ろうとするもの。故に、現実に存在するある独自の「現実的な家族」を語ろうとしても、それがいつの間にか「規範的な家族イメージ」に変わってしまっていることがよくある。
別に僕はフェミニストでもなんでもないので、家父長制度がどーこーとか「聖家族」がどーこーみたいな話をする趣味はないが、確かにこの「規範的な家族イメージ」がかなり厄介だということは認めよう。
それは現実においてまともに機能している家庭が「規範的な家族イメージ」の抑圧の所為でバラバラになる、わりとありがちな「みのもんた」的悲劇においても見られることだし、何よりもエロゲにおいても、
その被害は実に甚大だといってもいい。やれ家族を巡る物語だとか言っておきながら、実際は「規範的な家族イメージ」を巡る観念的なやりとりに堕して背徳云々シコりながら最後は結局ご都合主義というアレだ。

僕はこの手のシナリオが昔から大嫌いで、その理由を挙げればやれ家族の倫理だみたいなことをエラソーに語っているくせに、それは単に「規範的な家族イメージ」の戒律を無批判に垂れ流して繰り返しているだけという、
お前らいっぺん小学生の道徳の教科書から倫理やり直してこいという基本的には野蛮人めいた無倫理性にあり、いや、野蛮人なら野蛮人で厳格に部族の戒律に従うぶんまだリスペクトたるところはありえるが、
こういうシナリオは大抵「でも、欲望にはさからえれねー」みたいなものを、「背徳感が云々」だとか三文エロ小説的なよろめきをもって描き出したうえで、そこらへんの無倫理性とだらしなさを「人間性が云々」とかいった安調子で誤魔化し、
平気でヒロインをヤリ捨てるような主人公を「オレは大人だから一生懸命悩むんだ!」みたいなテメぇの傲慢をチンケな公共論で正当化しようとするこの唾棄すべき欺瞞性を僕は弾劾する。そういう人間は、たぶん僕のこの攻撃に対して、
おそらくはこういうことをいうだろう。「うるせぇ。お前だってそんな立派な人間じゃないだろう!」と。つまりはこういうことである。「オレとお前だって同じダメ人間なんだから非難するな」という麗しき人間愛じゃなかった自己愛の持ち主なのだ。
なるほど、別に僕は大して立派な人間ではないし、ダメ人間だとは自覚しているが、だからといって自分と他の人間の「ダメさ」が別のものであることぐらいは知っている。敢えて言えば、僕のダメさというものは、
わざわざ「たかだかエロゲのシナリオ如きにこんなにムキになる」ところがダメなのかもしれないが、今から述べる糞シナリオの糞さを黙って看過するぐらいだったら菅直人にフェラチオされた方がまだマシである。

さて、ボルテージも上がってきたところで、私的には今年ナンバーワン「糞主人公」である「真一くん」が嬉しいことに大活躍してくれる芹花シナリオについて語ってみよう。
とはいっても、何らかの派手なアクションや鬼畜な所行を期待するパフォーマー的な糞主人公にご期待している人は、残念ながら、あまり期待に応えられそうにない。
単に行動上の糞っぷりと言えば、何回か「欲望に流されて」Hしたヒロインを、あとあとやっぱり「自分が真剣に思い悩んだ結果」ヤリ捨てしようとするという、ヒロインのお股を使った肉体的あーんど精神的オナニー行為が酷いだけで、
この程度の糞主人公なら一年に軽く10人ぐらい入るだろう。僕も確かに、この種の糞主人公はかなりムカつくタイプであるが、ある程度慣れていると言えば慣れているわけで、ここまで長文でデスる必要はないと言えたかもしれない。
しかし、別に読み上手云々を言う必要はないけれど、テキストをわりとじっくり読み進めるタイプの糞主人公フェチには、この「真一くん」は今夜のオカズにばっちりだと言わざるを得ないのだ。

物語の粗筋は先にちょっと触れたように、「自分は家族の幸せを優先するから、家族になった芹花には恋をしてはいけない」とか言いながら「感情に流されて何回かセックスしちゃった」あと、
賢者モードに入った真一君が「オレは大人だから家族のためにヒロインをヤリ捨てて当然」と芹花を突き放そうとするが、、結局のところ最後は相手から別れ話を切り出されると、
「俺に相談なく何を勝手に決めているんだ」とかなんとか逆ギレして、独占厨の本性を丸出しにしてメデタシメデタシという噴飯モノを最初から最後まで延々と続けるわけだが、それ以上にMOX燃料ものなのがそれを語るテキストである。
彼の必殺技は、君のぞのキングダムのように自分の傲慢をねちょねちょぐちょぐちょねぇねぇ僕ってこんなに苦しんでいるんだよォォォォォォとネバネバ粘液を吐き出す鬱汁攻撃ではなく、
ある種の連続猟期殺人犯を思わせる、相手を人間だと思っていないような、冷酷と言うよりも子供がカマキリの首を悪戯に括り殺すように軽薄なギロチンテキストである。
こういう酷さを皆さんにわかって貰うには、僕の拙い文章よりも、ゲーム内のテキストを引用するのが正しいのかもしれないが、残念ながら、この酷さは「何か特定の酷いシーンがあった」というよりも、
「延々と酷いシーンが普通な感じで進んでいく」というものなので、どうにもこうにも引用に適さないのが誠に残念である。僕はあんな酷いテキストを引用せずに逆にホッとしているのだけれども。

その酷さの特徴を幾つか挙げれば、まずはこの真一くん、基本的に自分から何も動こうとしないばかりか、自分が何らかの責任を取るような行動や言動を「ほぼ100%」避けようとするという素晴らしき回避能力がある。
最初のセックスにしても、最後の告白にしても、全ては芹花からのアプローチであり、真一君はそれまで何もせずにただ悩んでいる振りをしているだけである。
まぁ別に僕は「男がリードしろ」なんていうつもりはないが、そういった芹花からのアプローチを受けた後も、決して自分が「それに乗った」ということを自覚せずに、「ただ流されただけ」と上手い具合に流しちゃうのだ。
芹花は必死に明確なかたちで、主人公に好意を打ち明けてセックスまでしているのにもかかわらず「あのときの僕は、ただ欲望に流されただけなんじゃないのか? それは本当に恋なのか?」とアリバイ作りに余念がない。
しかも「欲望に流されたのは自分」ということを軽く認めつつも、「芹花だってただ欲望に流されただけなんじゃないか?」とまるで芹花が誘惑してきたのが悪いと言いたげでもある。でも、これらは決して「断言」はしないわけで、
日常の会話であれ自問自答であれ、真一くんはアレコレ上手いことを言い抜けながらも「○○をしなくちゃいけない」とか「××は良くなかった」という認識に至らずに、悪戯に時間を稼ぎ、ユーザーと芹花をイライラさせるばかりである。

まぁこの辺は「屁タレ主人公」の常套戦略ではあるが、彼がそこらへんの屁タレ主人公よりも数ランク上なのは、彼が基本的にヒロインに対して日常的に冷酷なクズ野郎だということだろうか。
基本的に屁タレ主人公というのは、中長期的な観点から見ればどうだか知らないが、短期的な観点から見ればヒロインに対して優しいというか、まぁ悪く言えば厳しいことがいえない人間だとは言える。
だからこそ「優しくて屁タレな主人公が大好き」という典型的屁タレ主人公シナリオが一応は感情上は成立するわけだが、この真一くんは芹花に対してめっぽう厳しいというか単に残酷である。
なるほど、確かに理屈上は「僕たちは兄妹だから必要以上にくっついちゃいけないんだ」と言うことはわかるが、こういうシチュは大抵主人公の方が劣情やら感情にほだされてついつい、ヒロインの手を焼いてしまうものである。
しかし、真一くんは家族や他の知り合いがいないような無人の場所でも「エッチのとき以外は」基本的に冷酷だ。エッチをして、しかも相手がある程度自分に好意を持っていると知っている異性に対する真一くんの対空砲火はいつだって
「何か用?」である。言い換えれば「何も用がないならくるんじゃねぇこの糞ビッチ」ということなのだろう。しかも、この時の真一くんのモノローグがなかなかの傑作だ。
一応、悲しんでいる芹花を見て真一くんも「悩んでいる」ようなことを言うが、その内容は「自分がやったことの責任」について問うことは殆どなく「どうしてこんなことになってしまったんだろう?」だの、
「昔みたいな空気に戻れたらいいのに」だの、挙げ句の当てには「芹花はもっと遠慮して欲しい」とまで言い放つような常時上から目線である。真一さまにとって芹花は御身の心の安定を乱す存在でしかないわけである。

いろいろとグダグダ批判してみたが、ここまで書いてしまったら、前に書いたこのシナリオの評価である「出来が悪い」については、ほんの少し修正する必要があるかもしれない。
まぁ、普通に考えたら、ここまで酷い主人公を無意識に書いてしまうと言うことはあり得ない(まぁその可能性も捨てきれないけれど)ので、一応、シナリオの意図としては、
「酷い主人公に振り回されても健気に主人公につくす芹花たんハァハァ」といった感じのシチュを描くために、糞主人公を導入したと考えるのが理性的な判断だろう。
実際のところ、このシナリオは主人公が「俺たちは兄妹なんだ」みたいな考えた振りの言い訳を連発するくせには、家族に関する描写は比較的薄くて、その多くのテキストは、
芹花の健気なアタックと、主人公の冷酷なシカトからなる二人の日常描写から成り立っているわけで、僕がこれほど主人公の非道をあしざまに書き立てるというのは、ある意味ライター氏の狙い通りだとはいえるだろう。
しかし狙いが一点だけ外れているところがある。それは、こんなに酷い糞主人公を芹花が好きなった理由や、芹花がこんな糞主人公を許している理由が、このシナリオのなかではトンと語られていないところだ。
別にその理由は「実は芹花は案外マゾっぽい性格だった」というものでも基本的に構わず、それならそれで調教シナリオとして楽しめば良いわけだが、生憎のところこのシナリオは最後にググればすぐにわかるオチで、
家族愛がどーことか(春菜さんのアホ丸出しの演技に大注目!)実は主人公は最後に案外頼れる男だったみたいな説得力ゼロの話を展開させて終わらせているのだから救いようがない。と、なれば、やはりライターの意図はどうたら云々するよりも、
こんな糞主人公の糞恋愛話が泣ける感動話だと思ってこのシナリオを描いた人間は首を洗ってで直してこい!と正面から罵倒するのがエロゲオタクとしての礼儀なのだろう。ライター氏には一遍小学生から童貞をやり直すことをオヌヌメする。

もちろん、僕だってCUFFS作品をやってこんな悪口を書くとは思わなかったけれども、もしもこの作品をまだやっていない人が「この作品ってほのぼのした喫茶店の雰囲気を楽しむ作品じゃないんですか?」と質問されたならば、
「少なくとも水島姉妹ルートはこの喫茶店にチャッカマンしたくなること請け合いの作品です」と答えるしかないだろう。ここまで悪口を書いてようやっと明確になったのは、おそらくのところ、僕が特に芹花ルートを「憎んでいる」のは、
もちろん主人公が糞だとかテキストがすげぇムカつくとかいろいろな理由はそれぞれ正しいとしても、本質的にはひとことコメに嫌味で書いたようにこのシナリオが「CAFE SOURIRE」というこの作品のタイトルを侮辱しているところにあるとおもう。
いや、これは今までのCUFFS作品並びに全ての雰囲気ゲーに対する堂々たる侮辱であると言い換えても良い。この水島姉妹ルート、特に芹花ルートのキモは、家族の笑顔、いや「みんな」の笑顔のために個人の不幸は押し殺して、
みんなの前だけではなく一生のあいだ「作り笑い」を続けたまえという思想にあることは言うまでもないからだ。家族愛、なんてものは当然のことながらシニカルに冷笑されているのはご覧の通りである。
最終的には「最後にはハッピーエンドになるから良いじゃないか」という人は基本的に幸せすぎる人間なので、今すぐベートーヴェンの第九でも聞けばいいじゃないっすか。Und wer's nie gekonnt, der stehle Weinend sich aus diesem Bund!
だいたい、家族のみんなは真一と芹花の仲を半ば知っていたのに、みんなの前じゃ明るく振る舞えだの、父さんと母さんを祝福しないのは親不孝だのと真綿で首を絞めるように言い続け、
母親の春菜に至っては「でも、わたし再婚したかったし……」と娘の幸せよりも自分の幸せを優先するビッチ妻じゃないか。いや、別に僕はこういう家族を「糞な家族」とは言わないし、そういう糞な家族を物語るつもりならそれはそれでいい。
しかしながら、そういう糞な家族をそれとなく描きつつ、こともあろうに物語の大半は家族の笑顔の圧政による個人の笑顔の虐殺を中心に肯定的に描いて、しかも主人公がそれにイヤイヤながらも積極的に荷担するような物語的展開を、
僕は「家族愛」の物語なんて死んでも呼びたくないし、これがもしも「終わりよければ全てよし」でポポポポーンっと雰囲気ゲーと呼ばれるならば、蠅がわんさか集っている東北被災地で休日返上ボランティア活動でもしてたほうが余程気分は良い。


ま、悪口はこれぐらいにして、と。「家族愛」と「まったり雰囲気ゲー」という二点の要素で言えば、その両方は一つのシナリオでは満たすことができないものの、杏子シナリオと美百合シナリオはそれぞれの特質を生かしているとは言えそうだ。
いや、先に言った「杏子と美百合シナリオに気になった点が、姉妹シナリオでは完成されているかも」って言う期待は、主に雰囲気ゲーと家族愛云々がマッチしていなくて、どうもCUFFS作品っぽくないなぁってことだったんですけど、
まさか姉妹シナリオがそれ以上に酷いとは夢にも思わなかったんですけどね。取りあえず、上の悪口長文を描いたあとに、荒んだ気分でこの二つのシナリオの感想を書くのは忍びなかったんで、
もう一度この二つをサクッとやり直してみたんだけど、こちらは芹花シナリオに比べたら月とスッポンというか、なんでこの二つのシナリオを描いたどちらかさんに、芹花ルートを任せなかったんだろうと疑問に思うほどであった。
姉妹ルートの悪口はこれぐらいにするしても、根本的に姉妹ルートとこの二人のルートだと、主人公の性格が変わりすぎていると思うんだけどなぁ。姉妹ルートは基本的に臆病で内向的かつ冷笑的な冷酷な人間なのに、
こっちの二人のルートは、臆病なのは変わらないけど、基本的に鈍感かつ優しい性格で、イザとなったら行動する人間に変わっているもの。この辺のすりあわせの悪さも、発売延期の原因なのかのぅ。

杏子シナリオは一応はTOPに紹介されているヒロインだけあって「CAFE SOURIRE」のタイトルに相応しい内容であった。とはいってもメインプロットの展開自体はあまり上手くない。
というのも、杏子の現在の状態が主人公の過去の発言によるものなのか、それともおそらくは昔から続いていたであろう、杏子の家族の問題なのか、そこらへんの峻別があまり明確に語られていないのである。
いや、単に因果関係を云々すれば「どっちもどっち」と言うようなことになるんだろうけれども、ここで重要なのは「主人公の過去の発言」が主に主人公と杏子の恋愛感情に関係する問題なのに対して、
杏子の家族の問題は「主人公を含む新しい家族との問題」に関係してくる描写なのだが、どうにも基本的に前者に関するまったり描写が作中のメインになるので、最後のシリアス展開が基本的に唐突というか、
オヤジ預かっている子供なら子供だと最初から言えば良かったじゃんみたいな話になっちゃうのである。しかも、それとなく触れられている杏子の家族関係のお話の断片だと、どうにもバイオレンスな家庭に育ったらしいから、
最後の杏子のお母さんの説教も基本的にはまぁ「アンタに言われたくないんじゃないですかねw」ぐらいにしか思えないわけで、そんな話にしか見えないなら、一発ガチバトルでもやった方がスッキリしたんじゃないかと思う。

まぁただそこらへんの不満は主に「最後だけ」の部分であって、それ以外は杏子とのまったり喫茶店生活が満喫できる良シナリオだ。個別ルートに入った段階では、何故か主人公に対してだけは一歩退いたところを見せる杏子だが、
これが徐々に一歩一歩惹いたところになっていく過程がなかなかに良い。「一歩退いた」にしても「一歩惹いた」にしても、原因は例の主人公の過去の発言にあるわけだが、その発言の意味を杏子と主人公が理解した途端に、
その発言の意味と同じように、杏子の本当の性格が明らかになって、見た目を完全に裏切るような母性溢れるロリっ娘に徐々に変化していくところは見物である。そもそも、最初から主人公が杏子を引っ張っているというよりも、
一歩退いた態度を見せながらも、肝心な所では杏子が主人公を誘導しているところが多かったし、他ヒロインルートでの杏子もそういう地味な活躍をしてくれるのだが、杏子ルートの主人公は完全に杏子の小さなお尻に敷かれていて実に嬉しそうだ。
個人的には元の髪型のほうが好きで、それは髪型自体の好みと言うよりも、髪の重さに表情をわざと埋もれさせているような元の髪型の杏子が、それでも主人公に心からの笑顔を向けてくれるときの可愛さが半端なかったからだが、
ショートになってアホ毛がちょい見えている杏子もなんか一層ロリ化に拍車が掛かったようでなかなかに犯罪的かもしれない。そんな状態になった杏子が「わたし、真一君のためならなんでもできるよと」無邪気に言ってくるわけで、
当然のことながら我らCUFFSユーザーが望む聖水は以下エロ感想に続くと言ったところだろうか。惜しむらくは、エロをやったあとすぐに上述のシリアス展開に入ってわりと早めにエンドになっちゃうところで、
もっと日常的なシーンでブルマおしっことかスク水おしっこを一歩退いたところから主人公の顔にぶっかけ(以下変態自主削除)

さて、そういう変態プレイを進んで喜んでやってくれそうなのが美百合たんなのであり、恐らくこのゲームの仲で人気ナンバーワンのヒロインだと思われるのだが、まぁキャラ人気云々だけではなく、
エロからシナリオの全ての面でこの作品のなかでダントツによく描けているシナリオだろう。たぶん、僕の予想では企画段階で始めから「主人公とヒロインたちの子供たちと、親たちの関係」といった、
この作品の全てのシナリオに共通するモチーフが採用されていたんだと思うのだが、実際、このシナリオでそこらへんはそこそこ上手く書けているんだから、何も芹花シナリオみたいな屑な話は元から要らなかったんではないかと。
前述したモチーフをもうちょっと正確に言えば、要は親の都合に子供達はどう対処すれば良いのか?といったような問題系列である。姉妹ルートは結局のところ「親を大事にする」と名ばかりに言って、結局はじぶんたちが傷ついた挙げ句、
親は親のほうで子供達のことなんて大して考えていなかったというまぁコメディとしちゃおもしろいネタを感動話に仕立て上げる三文芝居だったが、こちらはきちんと親に対して反撃のルルーシュを試みるのだ。

だいたい、自分たちの都合で勝手に何回か再婚しているような親や、好き勝手に離婚しながら未だにつかず離れずに屁垂れている、一般的にはまぁ「ダメ親」に分類されるようなこの作品の親たちを、
「大事にする」一般的な理由なんてないわけで、杏子や美百合シナリオのように子供達が反旗を翻すのは、保守主義者であり家父長制度主義者であり人力発電主義者たる僕からみても「伝統に適った」と言っていい素晴らしい判断である。
「親は大事にしなくちゃいけない」は確かにその通りかもしれないが、それは抽象的な命題として単に「全ての子供は全ての自分の親を等しく大切にすべきだ」という意味ではなくて、具体的にそれぞれ異なる家庭の「親」と「子供」が、
それぞれ異なったやり方や判断のなかで自分の親を大切にしろと言うことなのである。そして、これらのシナリオの場合、親が子供を不幸にしていると子供が親に伝えることが何よりの親孝行なのは自明の理である。
特に上手くできているのは、まずは逃避行をした二人の通帳ににわざわざ大金を払い込むようなダメ親の甘さとその反面のイヤらしさと臆病さだろうか。基本的にはちゃんと生きていけるかどうか心配だし、それに通帳から場所がわかるし、
それでも警察に届けるといった強圧的な手段を執るほど自分に自信がないわけである。もちろん、コレをみて美百合たんが激怒するのは言うまでもない。逃げたところで親からは逃げられないし、逃げたところで親は何も変わらないわけである。
また、主人公サイドには義兄弟の雅史くんを当てたのもなかなか上手い。そもそも、主人公と言い、前述の香澄と言い、主人公や水島家には元もと複雑な家族関係があったんだから「ふつう兄妹とはセックスしません」なんていう、
ふつうの家族の倫理観を持ち出しても何ら説得力がないのに対し、雅史くんのそもそも「ふつうの家族」を前提としない自分の痛い経験に基づいたお話には、主人公の置かれた状況に対して実に説得力を持つ。家族愛云々をいうならこれくらい言えよ。
まぁ、もちろんツメの甘さも否めない。最後の交通事故はまぁ許すとしても、そのあとの両親との和解はどうにもおかしい。和解するな、と言っているわけじゃないけど、あんなに普段から仲よさそうなら、
別居云々はほぼ100%親たちのエゴイズムなわけで、どこからどうみてもひっぱたたかれるべきなのは親父達のほうではないだろうか。そこらへんアッサリ納得して留学しちゃう美百合たんも物わかり良すぎてアレだったなぁ

僕としては、もっと物わかりが良さそうに見えて、実は心の底ではちっとも納得していないから、あの綺麗な黒髪ロングとあの意外にどんなことでも出来てしまう白い手を使って、主人公をたぶらかす美百合たんが大好きだったのに。
いちおー、個別ルートに入ってすぐに、美百合たんが何を隠しているのは誰でもわかると思うし、ある意味で美百合たんが主人公を騙していることもまぁ誰でもわかると思うんだけど、それがちっとも嫌味にならないのは、
☆の18番であるところの黒髪ロングキャラデザの破壊力と、美百合たんが表面上では主人公を騙しながらも、その行為があまりにイチャエロ過ぎて強力なので、もっとそれ以上のことを主人公に望んでいることがわかるからだろう。
本来ならば「わたしをさらってくれて始めてあなたが本当に好きになりました」みたいな台詞は結構危ないものだと思うんだが(逆に言えば、さらってくれなきゃ良い思い出オナニーってことなんだし)、
個別ルートに入ってからすぐに、鈍感主人公に対して猛烈に「さらって?さらって?」と暗にアタックをかけていたようなものなのだから、此方はよろこんで美百合たんに騙されてちゃおうってな気分になってしまう。
そこらへんは主に「エロシーンについて」で語ることにしてと、駆け落ち前のエロ度満点の美百合たんも最高に可愛かったけれども、駆け落ち後の現実逃避温泉旅行の時間が止まったようなイチャラブシーンもえがかったなぁ。
ああいうシーンをみたあとに芹花シナリオみたいな糞家族愛なんたらをみていると、あんな喫茶店なんてほったらかして良いからこのまま二人でお婆さんとお爺さんになるまで温泉に浸かり続けましたメデタシメデタシでええじゃんと思っちゃう。
連絡先を書いたメモをひったくるシーンもエロいよね。アレ絶対わざとよなぁ。美百合たんは主人公から自分以外の絆を断ち切って愛の鎖で雁字搦めにすることに無意識的な欲望を感じており……って、えーっとこのゲームの元テーマってなんだっだけ?
まぁ、お父さんお母さんゴメンなさいぼくはやっぱり幼女のおしっこと腹黒美少女に誘惑されるのが大好きでふつう兄妹とはセックスすると思います――と、父親か母親に告白すれば、有り難い家族愛が返ってくるということなんでしょう多分。


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初っ端から他エロゲの話で申し訳ないんですが、この「CAFE SOURIRE」と同日発売の、所謂萌えゲーと呼ばれる作品のエロ回想数をいろいろなところで調べてみると、Hyper→Highspeed→Geniusがキャラ数が多いためか一人2回で、
なでしこドリップが一人3回、すきま桜とうその都会を萌えゲと分類するのはどうかと言う人もいるかもしれないが、買った友人の話によるとおそらく一人あたり3回ぐらいじゃないのということらしい。
どうにも、この辺の萌えゲにおけるエロ回数の大まかな統一は未だに為されていないようで、今月発売のソフトだと「夏雪」が一人4~6回で、ここエロ助でもわりと評判の良いカミカゼは一人4回、5回が一人で、
「愛しい対象の護り方」はサブヒロイン1回、メインヒロイン3回と5回が一人。「でりぱらっ」は夏雪と同じで一人4~6回あたり。どうもこれをみていると、例えば「でりぱらっ」と「夏雪」をやったあとでは、
一人エロ3回は少ないナーとか「なでしこドリップ」あたりをスルーしようかと思うんだけど、前に挙げた2本は今のところ例外的な作品と言えるかもしれないわけで、萌えゲにおけるエロ回想数の基準をどれくらいにしたらはいいかは、
この1年ぐらいではまだまだ決着がつかなそうな悪寒である。まぁ以前にも書いたように、エロ回想数だけでその作品のエロさがわかるわけではないが、その作品をやっていないユーザーにとっては、
何よりも一番目安になると考えてしまうのはそこなのであって、それとエロしーんの質と物語との関係性を巡ってのいろいろな調整はまだまだ安定しそうになさそうだ。

僕にしても「なでしこドリップ」かこの「CAFE SOURIRE」をどちらを先に買うかで、結局のところ決め手になったのはエロ回想数が後者のほうが多いということなんだけど、
結果的にはエロ回想数5回の芹花が全く使えなくて、エロ回想数の4回の美百合と一番数が少ない3回の杏子が一番使えたんだから、やっぱ回想数だけでエロ度が決まるわけでもないんですけどね。
芹花が全く使えなかった件に関しては、シナリオに「憎しみ」を感じるぐらいのレベルになってくると、これはもうエロどころじゃねーなwということになるってことを久しぶりに実感しました。
たまに主人公に全く感情移入できなくて、主人公とのエッチがNTRに見えて興奮するという奇特な性癖をお持ちの方がいるけど、NTR属性を持っていない僕にしてみると、ぶっちゃけ単にムカつくだけなのである。
いつもだったら主人公に対してだけムカついていれば良いものの、今回のようなシナリオになってくると、なんかもう相手のヒロインだけじゃなくって、そのキャラを演じている声優さんも原画家さんまでムカついてきて、
僕に陵辱属性があればそれはもう思う存分怒りのティンポを大いにふるっていたに違いありません。生憎、そんな属性を持ち合わせていない僕は、ただ愚鈍なサルの交尾を見ているようにエロしーんを眺めたに過ぎないのですが。

一応それなりに客観的なシーン内容を書いておけば、芹花は1回目がオナニーでこれは主人公とまぐわっていないぶんだけそこそこ使えたんだが、2回目と3回目は「ただ欲望に流された」という主人公が主張している割りには、
芹花の好意を示す台詞に関しては注意深くシカトするという、実に計算高いセックスシーンが見られるので鬼畜スキーの皆さんには結構イイかもしれません。4回目と5回目は、一応は主人公が「覚悟を決めた」あとの恋人同士のセックるシーンで、
芹花のフェラシーンがなんか某ラブルのララに似ているのがええ感じなのですが、ここでも糞主人公真一君は「芹花にフェラをされるのは悪い気がしない」だとか相も変わらず上から目線でウェイトレス姿の芹花を犯しているわけでして、
恋人をヤリ捨してまで家族が大事だと言い張ることが大好きなユーザーさんにはもってこいの鬼畜ふうエロしーんだとは思いました。どうせなら主人公がヤンデレ気味になった芹花にたんまり犯されるシーンがあれば僕も楽しめたんですけどね。

香澄のほうは4回ありますけど、コレもシナリオと同じようにどれもハッキリしないエロしーんでインパクト薄かったなぁ。だいたい、一発やったあとに、イチャイチャするヒマもなく主人公が
また傲慢にも「オレは香澄さんを支えられるようになりたい!」みたいなことを相手の気持ちを考えずに言いだして香澄をシカトし出すもんなんだから、物語的なエロしーんの興味はそこでストップだよね。
んで、結局2回目は寂しくなった香澄さんが主人公にいきなりフェラチオ&パイズリするんだけど、これも主人公のノリが悪くて一発抜いたあとに香澄さんに対してもうこないでくれとか言うんだぜ?ホントこいつさいてー。
3回目はまたすったもんだあったあとに、一応落ち着いて香澄さんとスーツ姿でセックスするんだけど、これも香澄さんのキャラが今までのシナリオで確立されていないが故に、おねえさん口調で主人公を責めるのか、
それとも主人公がオレも男だって感じで責めるのかはっきりせずにエロCGの優秀さとこおり嬢の熱演が虚しく響き渡るだけ。最後は取りあえずエロ回想のノルマをやっつけなきゃとエプロン姿でとっとと突っ込んで早もれでオシマイ。
まぁ、どれもこれも声優さんはガムばっているし、エロCGのほうも悪くないんで、シナリオが合えば抜けるかもみたいなアリバイ作りフォローは言える感じですけど、僕としてはシナリオが致命的なダメならエロも致命的にダメになるって感じで。

杏子は残念ながらさ3回しかなく、しかもあと1~2回あったらもっとエロいシーンがあったのになぁと思わせるほどのええエロしーんが揃っており、嬉しいやら悲しいやらおや目から涙がと思ったらなんかアンモニアの匂いがしますよ?
ああ、始めに断っておくと、今作における放尿シーンは杏子の3回目のエチシーンだけであり、これでCUFFS作品の変態飲尿性癖の主たる戦犯はトノイケダイスケただ一人と言うことが白日の下に晒されたわけである。
むろん、B級戦犯を自負しているワタクシメからみると、この3回目の放尿シーンはなんか感極まったら漏らしてしまったという、そこらへんのふつうのエロゲにもあるような「イキ尿」の一種であって、トノ作品の熱い御茶になれた我らからすると、
こんなヌルイ尿はのめねぇ!とイシハーラーの老いたるアナルにうまい棒を突っ込みたくなる気持ちはわからなくないが、しかしまたれい諸君、☆のミルク色の幼女体(なんか保険体育の授業で使われそうな言葉ですね)のつるつるオマタから放たれる、
黄金のライン川はいつ見ても素晴らしいものだということは忘れてはいけない。放尿テキストに関しては完璧にダメだか、今回の☆のCGは庭よりも遙かに進んでいることは確実な事実だと思われるのだ。
それにまぁ放尿云々を抜かせばエロテキストも悪くはないしね。1回目はふつうの処女喪失シーンで、しかもすぐあとにいきなりシリアス別離シーンがあるから流れ的にもイマイチなんだけど、2回目は野外の雨宿り場所で、
身体を温めあいながらついでに下半身も温めあうシーンで、雨と汗と愛液の滑り気がムンムン漂ってくるような水に滴る良い幼女の肌の質感がすげぇエロっぽく、猛烈にキスと主人公を求めながら高まっていく杏子のエロボイスも良い演技している。

しかしやはり一番エロかったのは、シナリオ評価のところでも少し触れたように美百合たんだろう。だってなにしろシナリオの中心がまず最初は主人公の誘惑にあって、次には主人公との現実逃避エチが主題にあるがうえに、
☆のお得意の黒髪ロングキャラが今年最高といってもいい恍惚な表情をしてフェラシーンをやってくれるんだからこれで発情しないヤツはもうロリコンの資格はないとさえいってもいいだろう。しかし、☆もいろいろ画風が変わったけれど、
なんでこんなに人間離れした美しさとか、エロい表情が描けるんだろうねぇ。僕は東方界隈のネタにはたぶん普通のオタよりも通じていないけど、巷に聞いた話では東方フォロワーのわりと新人系の絵師に☆信者が多いという話は頷けた。
もちろん、二次元系のキャラが「ふつうの人間とは違う」ように見えるのは当たり前の話なんだけど、ふつうの二次元系絵師の場合は一応はふつうの人間キャラを描くのにさいして「二次元系の普通の人間キャラ」を作り上げる。
でも、トノの場合は、もうそれとは少しズレたところで「普通の人間キャラ」を描いたとしても、なんか「普通の美少女妖怪キャラ」になってしまうのだ。人間なんだけど、どこか人間離れした妖しい魅力を身にまとった美しい存在者。。
そのフェラシーンは、美百合のエロしーん2回目にあるわけだが、もうアイスキャンディーを加える前から絶頂寸前の「アへ顔」の臨界点一歩手前な蕩けきった表情をしており、これがアレを加えたらどんな表情になるのか……と想像しただけで、
どんなエロゲのエロしーんの数十倍はエロい。もちろん、これは「エロしーん単体」だけの効果によるところではなくて、その前のシナリオで美百合たんと遂に結ばれて、遂にその本領を発揮した美百合たんが、これが最後のチャンスとばかりに、
猛烈な誘惑ラッシュを仕掛けるところからあのフェラシーンは始まっている。特筆すべきは、エロしーんの前に入るおパンツ誘惑CGである。これは、正直最初見たときは「まぁまぁエロいけど、表情がちょっと歪んでいるなぁ」と思ってしまう。
しかしこれが罠なのである。確かに最初は歪んでいるなぁと思う。でも、先のフェラシーンで何回か抜きまくったあとに前のパンツ誘惑CGをみると、これが最初見たときと違って崩れながらもそこに妖しげなエロスを発見してしまうのだ。
つまるところ、エロしーんの前のちょい崩れ気味なおパンツCGは、☆ワールドの妖怪幼女天国に知らぬ間に引き込むための一種の罠であり、まるで宇宙人の言語を叩き込まれるごとく、脳内に侵入した☆のエロス記号は完全に理性と性欲を掌握し、
あとはもうユーザーに残された行動としては、美百合たんの求めるまま彼女と駆け落ちし外界に閉ざされた温泉街で美百合たんに中田氏しまくるしかないのである。全てが水の流れのようにセックスと溶け込んでいくような混浴と浴衣エチはまさに神。
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