armchairさんの「蒼穹のソレイユ ~FULLMETAL EYES~」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

客観的に見ても主観的に見ても、恐らくソレイユシリーズ中最低の出来。
(いろいろこじらせてますが勘弁してください)


蔓木絵とMANYO音楽は今回も上質で特に文句はない(BGMは若干地味な感があったが)。蔓木絵は一時期あった癖もやわらいできて、順調にレベルアップしてるように思う。

悪い点は、きっと誰もが思うように、シナリオとSLGパート。

まずシナリオ。
展開や設定自体は、とりわけ目を引くかというと疑問ではあるがさほど悪いわけでもない。冒頭のあらすじを読んだときには「これはひょっとして期待できる…?」とも思った。ただそれを読ませるテキストが、プロットかダイジェストを見ているかのように味気ない。
シリアスな場面では、主要キャラが殺し殺されする重いシーンも大した葛藤がなくあっさりと進み、親が殺されたり恋人を殺したりとかいう結構重い過去もただ説明が垂れ流されるだけで、まさにダイジェスト。たまに劇的なシーンが盛り込まれてもそれまでの描写が軽すぎるので「ふーん」で済んでしまう。
また日常シーンでは、字の文がなく会話の連続で話が進んでいくのだがそのやりとりがあまり面白くない。シリアスが微妙なせいでキャラ同士の関係性も伝わってこないというのも大いに手伝っているだろう。そのせいかキャラが過去作に比べると無個性な感もあって魅力を感じられなかった(今回キャストの多くを占めている若手の声優さんには悪いが、過去作に比べると声の質もよろしくなかったように思う)。一番可愛いキャラがキングってどうなの……。
そしてそこに、エピソード選択制によるストーリーの「ぶつ切り」感が相まって、物語に全く引き込まれない。
またその各エピソードも、SLGパートを多く使うためなのか「敵襲→戦闘」「探検→戦闘」の流ればかりで、メリハリがない。そしてその割にSLGパートがスキップ可能というちぐはぐな設計。

また、いままで売りの一つであっただろうHシーンが非常に劣化している。DreamSoft時代に調教ゲーを出してきたスタッフのものとは思えない。各シーンが短すぎる上に内容も微妙。量が多いわけでもない。

最後にプレイした、主人公兄妹の母親が絡んでくる深紅ルートがまだマシに見えたが、客観的に見て面白いのか自分の中のハードルが下がったせいなのかはもはや定かではない……。

まだあと一つ、シナリオに文句があるがそれは後に回そう。



そしてSLGについて。
鋼炎にもバトルパートはあって、あちらも確かに作業感もあったが、ポイント計算だとかカードのデッキ残数の兼ね合いだとか、より確実に勝つためにはそれなりに頭を使うので、楽しい面もあった。
が、今回は力押しor数押しで勝ててしまう。駒の少ない前半は威力の高い範囲魔法で一網打尽だし(しかも消耗がほとんどない)、後半ではデバイスや駒の数が増えていくらでも圧倒することができる。かといって普通のプレイでサクサク進むかと思えばそうでもなく、やたら数で押してくる敵とかやたら体力だけ高い敵とか大量召喚を使ってくる敵とか広範囲回復を多用する敵とか、とりあえず時間がかかってうざいばかりの相手との戦闘だらけで不快になる。
縛りプレイとしてデバイスをつけないとか魔法を使わないというのもありえるにはありえるが、後半ではデバイス強化しても通常攻撃0ダメージとか、強化してないせいで盤面の端から端への遠距離魔法で一撃死とかされてしまう無理ゲーになるので、それはそれでバランスが悪い。
深紅ルートがマシに思えたのはラスボス戦が割と戦略性を求められたというのもあるかもしれない……?(正直感覚がマヒしてる) ただ、やはり1時間くらいはかかった。ひたすら長い。
また、演出のムービーも過去作と比べると明らかに質が悪い。どうにか頑張ってほしかった。

蔓木イラスト集によるとSLGにしようと提案したのは蔓木氏だったらしいが、それを使って面白くできない……むしろシナリオに支障をきたすのなら最初からやるべきではなかったと思う。



そして最後に、ファンとして納得いかなかったのが、『白銀のソレイユ』の扱いである。
わが最愛のエロゲキャラであるソルが成長して出てくるのは、自分は受け入れられた。ロリじゃなくてもソルはやはり可愛い。問題はそこではない。

まず一つに、琉平。
ポッと出の新キャラがその妻の座を持っていって(これも例にもれず、その過程が特に語られるわけでもなくさらっと説明されるだけ。そのキャラのエピソードがあるわけでもないからキャラの個性もわからない)、そしてそいつのせいで琉平がなかなか酷い目に会わされるとか……それでは琉平への愛に葛藤したソルやハガルの立場がない。白ソレキャラと琉平の関係性が結構好きだったのに、ぶち壊された気分である。ついでに言うと、そこでのハガルの扱いも納得いかない。
そして声優が変わってるというのはいかがなものなのか。まさかルネ山=滝沢アツヤ、ではないよね? 少なくとも自分には全然違うように聞こえる。使えないのなら、わざわざ出す必要があったのか。個人的な都合ではあるが体験版で「ひょっとしてこいつ琉平なんじゃね…いや、声違うから違うな」と思っていただけに、妙に裏切られた感がある。


また、ソルのHシーン。スパイダベルセルクによる凌辱だが、やたら軽い。「うわーんおかされちゃったー」のレベルである。白ソレのBADENDでの悲壮感のカケラもない。処女じゃないからとかそういう問題じゃないだろう。ソルは琉平のことが大好きなんだから、体を汚されたことの苦痛とか悔しさとかそういうのがあってしかるべきじゃないのか。

白ソレファンとしては納得のいかない設定の広げ方だったし、ファンじゃないプレイヤーとしてはよく意味のわからない設定。まさに誰得だったと思う。
これくらいなら、SkyFishお得意の単なるゲストキャラ扱いの方がまだ納得がいった……というかそれを覚悟していたのだが、想定以上に裏切られた気分である。



これまでSkyFish作品をシナリオ以外……特に絵と音楽に価値を求めて買ってきたが、正直このレベルを今後続ける気なら蔓木絵&MANYO音楽でも買い控えすることを考慮しないといけない出来であった。
それでも60点「も」つけたのは、これからの改善への一抹の期待なのかもしれない。
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