dakuryuさんの「穢翼のユースティア」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

変わった分岐をします。よく練られた奥深いシナリオ構造。
主人公がティアを身請けするまでがプロローグ。
その後、トゥルーエンドまでに5人のメインヒロインの物語が順番に語られます。
フィオネ、エリス、イレーヌ、リシア、ティアの順。
各々の物語には個別エンドへの分岐が含まれています。
個別エンドに向かえば、その後のヒロインの物語は語られることはありません。
全ヒロインが語られるティアエンドがトゥルーエンドにあたります。
トゥルーエンドで「羽つき」と「大崩落」の謎が解決します。

この構造は世界観を丹念に説明します。
世界は最下層である「牢獄」と「下層」「上層」「王城」で成り立ちます。
舞台は「牢獄」から「上層」に。「上層」から「王城」に移っていきます。
プロローグでは羽つきティアとの出会いを通して打算的な「牢獄」の日常と屈折した主人公を描きます。
次に下層に住む羽狩りフィオネとの探索を通じて、「牢獄」を更に描きます。
仕上げとして、牢獄の馴染みエリスの物語で「牢獄」の非日常、抗争を描きます。
抗争を通して、牢獄の暗部・上層の貴族の影も垣間見えることになります。
抗争後、主人公に「ティアを迎えに来た」という聖女の使いが現われます。
舞台は上層の大聖堂に移り聖女イレーヌの物語が始まります。
そこで主人公は「世界の謎」に直面し、牢獄を出る決意をします。
王城を訪れた主人公は王女リシアと出会い、「世界の謎」の核心に近づいていきます。
最後に羽つきティアの物語で「世界の謎」が解決します。

個別エンドは「世界の謎」が解決しないエンドですがバッドエンドではないようです。
トゥルーエンドまでに起こった数々の大事件はなぜか起こりません。
例えばフィオネエンドだと「牢獄の抗争が起こらなかった世界」なのです。
大事件は主人公の選択次第で起こらなかったということでしょうか。因果な世界です。

面白いのは個別エンドでの住まいも舞台の変化に対応することです。
フィオネエンド、エリスエンドでは牢獄生活。
イレーヌエンドでは下層の生活。リシアエンドでは王城での生活。
主人公の行動範囲の広がりと個別エンドで落ち着く場所が対応しています。

プロローグと5人の物語は各々起承転結があって、ボリュームもほぼ一定です。
自分のプレイスピードだと、個別&Hを抜かしてどれも4時間ぐらい。
どの物語も惹き付けるモノがあり、個性もあります。よく計算されてると感心します。
個別エンドについては中身がスカスカでほぼHシーンになっています。
個別で重要なことを描かないからこそトゥルールートが充実しているとも言えます。

話は「理不尽だと思ってた出来事が理不尽ではなかった」という話です。
「理不尽だと思ってたことに理由があった。」
「表向きに用意された理由は嘘だった。」
「理不尽のせいにして何も考えず、何もしなかったのは自分だった。」
結末を迎えた主人公は冒頭のように「理不尽なことが多すぎる」とは言わなさそうです



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