マルセルさんの「みここ」の感想

ネタバレ感想を見たくない場合、文字を背景色に設定することが可能です。 → 設定変更

**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

79みここ
この作品は一見、超巨大台風をとめるために空中でセックスしたり、豪雨を鎮めるためにこれまた雷に撃たれながらセックスしたり、怨念を成仏させるために主人公がクマに変身しヒロインのアソコにバナナをブチ込んだと思いきや、「チ○ポの語源って何か知っている? 気になって眠れないんだけど」と風音様から突如怪メールが送られてくるような「馬鹿抜きゲー」なのだが、バカと天才は紙一重という言葉をおもいだして欲しい。半分は「馬鹿抜きゲー」でできている作品だが、もう半分はそこらへんの萌えゲー以上に純愛ゲーしている作品なのだ。白神姉妹シナリオは悪い意味で抜きゲ臭がつよく、些か投げヤリな気がしないでもない。しかしその他キャラは抜きゲの「心より先に身体が結ばれてしまう」シナリオ構造を逆手にとり、バカテキストに繊細な心情を隠しつつ、わりと複雑な恋愛感情を語ることに成功している。特に小夜シナリオの糖分はカンパネラすら凌駕する。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆基本データ

・総CG枚数(差分無し)110枚 総回想数57枠 

・クリック数

陽菜乃(初回)「13879」
華蓮(二周目)「8956」  
曖音(三周目 「9201」
心菜(四周目)「9783」
千夜(五周目)「8258」
 
・キャラ別CG(エロCG)&回想数 

陽菜乃 20枚 (14)14回
華蓮  20枚(14)12回
曖音  20枚(15)13回
心菜  22枚(15)11回
千夜  20枚(14)10回
その他 8枚


・各キャラのHシーンのクリック数
(回数があまりにも多いので省略。だ、だって全部計測するの面倒くさいんだもん!
まぁ、どのシーンも200~300前後です。短くもないし長くもない感じかな。




・シナリオ評価
全体評価 B
陽菜乃  C
華蓮   B
曖音   C+
心菜   C+
千夜   B+ 

・エロ評価
全体評価 B+
陽菜乃  C+
華蓮   B
曖音   C+
心菜   B-
千夜   B+
 

・その他

修正パッチを当てた状態で、バグは僕の環境では見あたりませんでした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆シナリオについて

CG&エロ回想数を見て、この作品は所謂「抜きゲー」ではないかと思われる方も多いだろう。
「抜きゲの定義は何か?」といわれるとちょっと困るが、まあ「俺がエロいと思う作品なら全部抜きゲーだ」みたいな定義で話を進めるとハナシが混乱するので、
一応はここで個人的な定義を下しておこう。抜きゲとは、

「プレイ開始一時間以内に連続的にエチシーンが発生し、以降も15分以内の間隔をもってエチシーンを繰り返す作品」である。

つまり、それらのエロシーンが個人的にエロいかどうかはさておいて、物語の開始直後からエチシーンが連続的に発生し、
それが物語の最後まで頻繁に繰り返されるなら、それは抜きゲーということになる。以上は今僕が適当に考えた定義だが、そんなに間違っていないと思う。
まず、一般的な純愛げーや萌えゲーは、絶対にこういう構造は取らない。例外的な作品はもちろんあるけど、
これらの作品の基本フォーマットにおける「エチシーン」は「恋愛」の結果として「エチシーン」を描くのだから、
ゲーム開始直後からエチシーンを入れたりしないものである。最近の萌えゲーはいくらエロが濃いといっても、この線だけはきちっと守っている。
エロが連続的に発生するのは、「恋愛」の結果としての中盤以降の恋人描写のエチシーンであって、ゲーム開始直後からいきなりやり始めたりしないのだ。

こうしたエロが濃いめの純愛ゲーや萌えゲーのことを、一時期は「萌えエロゲ-」だとかそんな感じの表現で言われていたが、
昨今はこうした構造が最早「常識」と化してしまったので、一々そんな言葉を使う人も少なくなった。
おっさん臭いハナシになってしまうが、今の若いエロゲオタは純愛ゲーに対して「エロが薄い」と普通に文句言うしね。
こんなの10年前じゃ絶対に見られない光景だった。シスプリのエロSSちょっと書いただけで3通くらい苦情のメールが来た
時代があったのを今の若い人はしらないだろう。よくも悪くも時代は変わったものである

まぁ、余談はさておき、この「みここ」という作品は、上の僕の定義で言えば「抜きげ」には当て嵌まらない。
理由はわりと簡単で、ゲーム開始直後からエチシーンが入らず、一応は中盤以降からエチシーンが連続するからである。
ただ、完全にそういえるかと問われれば、これは些か難しいところはある。中盤までエチシーンはないけど、
そこから先にエチシーンがかなりの勢いで連続するので、先の定義における、

>>「以降も15分以内の間隔をもってエチシーンを繰り返す作品」

というところに引っかかるのだ。それも15分どころではなく、場合によっては5分以内くらいの間隔でエチが発生するので、
「エチシーンを発生するために物語が存在する」という抜きゲの基本的感覚が強くなる。この点を強く取れば、この作品を抜きゲと見る人もいるかもしれない。

まぁ、単純にシナリオの構造のおはなしで言えば、この作品は半分「抜きげ」で半分「萌えげ」みたいなヌルイ定義をした方が間違いは少ないだろう。
そして、実際に各シナリオが、「萌えゲ」要素が強いか「抜きげ」要素が強いかは、シナリオの「構造」によって決まるのではなく、
そのシナリオの「物語内容」によって違いが出てくる。というわけで、長い枕をやってしまったが、早速シナリオの内容を見ていこう。


物語の始まり方はやっぱり「抜きげチック」だ。ここら辺は体験版をやればわかると思うが、
「次の巫女神を選び、そいつとセックスして世界を救え」なんていかにも和姦ゲーっぽい始まり方である。
要は、手始めに主人公の周りに女性キャラがウロウロしており、主人公にその気があるかないかは兎も角ハーレム空間を築いているのだが、
主人公がセックスしないと世界が亡ぶとかなんとか理由をつけて、一般的な恋愛関係抜きに、取り敢ずヒロインとセックスしろよゴルぁ的展開に持っていくわけだ。
それでまぁ、セックスしたあとは「身体は繋がったけど心はまだ……」みたいな主人公とヒロインの関係を描きつつもやっぱセックスはして、
いろいろなイベントを経験したあと、最後にヒロインと主人公は心も結ばれてオシマイみたいなのが、この和姦ゲーの王道展開である。

実際、「陽菜乃」と「曖音」の二人のシナリオは、こうした普通の和姦ゲーそのものと言っていいものだ。
陽菜乃シナリオの場合、主人公が彼女を巫女神に選んでセックスすると、さっそく陽菜乃は「街のみんなを助けるのです!」
とかいって、プールを直すために屋上の浄水場で主人公とエッチをしたり、台風をとめるために空中でエッチをしたりといった、
些か馬鹿げたスポーツ的和姦を繰り返す。これが物語のほぼ大半を占めるのだから、このシナリオだけは「抜きげ」と断じてもいいだろう。
個人的なことをいえば、この手の抜きげシナリオはあまり好きじゃない。理由は簡単だ。
主人公はエチシーン後「一日経過した」ということで精液も気力も回復しているだろうが、ユーザーの時間の流れはその間5分程度なので、
そう何回もエチシーンを見せられても困るのである。

「曖音」シナリオも基本的には、陽菜乃シナリオと同じようなものだ。確証は持てないが、おそらくこの二人のシナリオライターは同じだろう。
他三人のシナリオだと、この姉妹の蔭が薄く、この姉妹のシナリオだと他三人の蔭が薄いからである。まぁ両方ともタマは弄られているが。
この曖音シナリオは陽菜乃シナリオよりも「読み応え」は多少ある。シナリオを読んだ順番にもよると思うのだが、
曖音シナリオだと他シナリオと違い、序盤から曖音が神さま覚醒してしまうので「この先どうなるんだろう?」的興味が多少出てくる。
お姉様キャラに必死について行こうとする主人公の奮闘もそれなりに面白い。ただ、ここでもやっぱり抜きゲ的にエチシーンが連続するので、
日常テキストの流れがそうしたエチシーンに食いつぶされている印象が強い。これ、抜きゲ的には普通の仕様なんだろうけど、
僕みたいな萌えゲを主食とするユーザーからみると、やっぱり「なんかなぁ」なのである。よくもまぁそんな状況でエッチできるよねと。


ただ、他三人のシナリオは上の二人のシナリオと微妙に違っていた。抜きげ的エチ連続が気にならないといえば嘘になるが、
それらの特徴を上手くシナリオに生かせていたのである。抜きげがあんまり好きじゃない僕でも、楽しめたシナリオだった。

まずはその中でも一番出来の悪いと思われる「心菜シナリオ」から始めよう。
彼女のシナリオの欠点は簡単に指摘できる。要は、エッチする前の心菜の問題とエッチの後の問題が同じで、
前半から中盤にかけて同じネタを飽きずに繰り返しているような印象を受けるのだ。
ドジっ娘心菜は主人公が昔から好きだけど、自分がドジっ娘だからといって主人公だけに甘えるのはよくないと思っている。
そして、主人公から自立しようとするのだが……というドジっ娘の王道シナリオなのだが、無論王道なのが悪いわけではない。
問題は、この心菜の葛藤が、エチ前とエチ後で対して変わっていないというところなのだ。
一応シナリオ上では、主人公が心菜を選んだ時点でこの自律葛藤は、解決とはいわないが、二人で話し合って何とかしようぜ的問題にはなった。
それを、エチ後まで心菜がズルズス引き延ばしてドジっ娘を悪化させるのだから、なんだかグダグダ臭が強くなるのである。

ただ、上の白神姉妹のシナリオとはちょい違って、この心菜のシナリオには「勢いで結ばれてしまったカップルの温度差」
みたいなものが、いくら「グダグダ」シナリオとはいえそれなりに語られている。どういうことなのかといえば、
主人公は一応「心菜」を選んだものの、「すげぇ好きだから選んだ」という異性的な理由で選んだと言うよりも、
「あんなドジっ娘放っておけない」という、いわば「幼馴染み感覚」の延長として選んだのである。
この点はじつによく主人公のモノローグに反映されている。そりゃまぁ主人公だって別に心菜を「可愛く思っていない」わけでもないし、
下世話なハナシをいえば「劣情を感じない」わけでもない。セックスできるなら喜んで! くらいの健全な男の子なのだ。
だけど、だからといっていきなりさぁ恋人になりました!と思える相手でもなく、心菜とエッチしたあとも、
主人公は急激にバカカップル化したりはせず、些かぎこちない空気を漂わせながら、エッチの前の同じような日常を心菜と過ごす。
ここらへんの微妙な感覚は、一見バカテキストに見える下らない会話を通じて、読者の耳には届くようになっている。


そうした点で、さらに上を行くのが「華蓮」シナリオだろう。
「華蓮」というキャラの、見てて気の毒になるというか、風音様もっと仕事選べばいいのに……
的なあまりのアホっぷりについては体験版を参照して頂きたい。風音様といえば「ツンデレ」キャラであるが、
2006年くらいから始まるツンデレブームの結果、正統的なツンデレキャラはほぼ死滅し、
残ったのは頭の悪い態度も悪い顔以外どこが可愛いのかサッパリわからない「アホツンデレ」キャラの群れであった。
いやまぁ僕はアホツンデレキャラもなんだか気に入ってしまったぐらいのダメな萌えオタなのだが、
この「華蓮」は「アホツンデレ」カテゴリーにおける頂点を極めたキャラではなかろうか。
この手のキャラは、理不尽な理由で主人公にツンしたり、主人公を苛めたりして、ユーザーから「○○ムカツク」と貶されるのが基本だが、
華蓮の場合はあまりにもアホ過ぎるので、ツンする度に主人公や周りのキャラから突っ込まれまくるのである。
ムカツクどころが、逆にちょっと可哀想になってくるのが、この華蓮というキャラクターの魅力なのかもしれない。

そして、シナリオもこの「バカ」というところを序盤から攻めてくる。
華蓮はいくらアホとはいえそりゃまぁ「ツンデレ」キャラなので、友人の心菜の為に、主人公からわざと遠ざかる。
巫女神候補に選ばれた全ヒロイン全員は、お互いに主人公のことが好きだとわかっているので、
所謂典型的な「わたしだけアピールするのはよくないかな」的休戦状態に置かれているのだ。
よって、巫女神選びが始まっても、基本的にはどのヒロインも主人公に対して積極的に手を出さない。
さて、そういう休戦状態で、たった一人のヒロインが「私は戦線を離脱する」と発言したら、どうなるのか?
しかも、主人公みたいな変に面倒見のいい人間に対して?

そう、この巫女神選びの段階において、あくまで結果的にいえば、アホキャラ華蓮は常に正しいカードを切り続ける。
そして、結果的には、主人公の同情心を引くことに成功し、晴れて主人公に恋人として選ばれるわけだ。
しかし、ここがこのシナリオのキモなのだが、別に華蓮は「意図して」このような行動を取ったわけではなく、
偶然というかまぁアホな行動の結果とか、思慮のないバカ発言によって、結果的に正しいカードを切ったに過ぎない。
華蓮の心情としては「自分だけ他のヒロインを出し抜いたんじゃないか」というモヤモヤが残るし、
主人公だって、こうした華蓮のあまりにもアホっぷりに同情して、華蓮を選んだ要素が強いから、この二人はいきなり恋人になれないわけだ。

だけど、このシナリオは心菜シナリオとは違って、こうした「葛藤」を最後までグリグリ弄らず、グダグダ展開に持ち込まない。
なぜか? だって、華蓮はアホだから、そりゃ確かに多少の負い目もあるかもしれないけど、本当は主人公と結ばれたのが嬉しくてたまらないのだ。
だから、こうした華蓮の負い目や、主人公の同情心をそれなりに語りながらも、まさに「ツンデレシナリオ」の基本パターンを踏むように、
日常描写の下らないバカテキストのなかで、上記の問題が少しずつ解決し、二人が少しずつ本当の恋人に近づいてゆくような展開になる。
具体的にいえば、華蓮と主人公には、共通ルートから「華蓮のおっぱいを揉む」というか「華蓮のおっぱいが今日も無いのを確認する」という
貧乳属性には堪らないような「幼馴染みの絆」的イベントがあり、風音様の仕事選べよ的雰囲気をさらに強めるのであるが、
これがだんだんエロいイベントと化していくのである。共通ルートで華蓮のおっぱいを揉んでも、

「オラオラオラ! おまえのハンドテクニックはそんなもんかぁ!」

みたいな、これまた風音様が仕事を選んでいない名演技を発するのであるが、このバカ台詞がすこしずつ、

「いやだぁ。朝っぱらから何やってるのこの変態!」

みたいな、2006年くらいの風音様のツンデレ演技に変化し、最後には2009年の風音様はひと味違うぞといった感慨を覚えるだろう。
まぁ声優ネタはこれくらいにしておくけど、風音様が演じたツンデレキャラでは「はやみ」以来の良キャラだったとはいっておこう。
それにラストのオチもなかなかよろしい。この手の「ツンデレシナリオ」だと、要はヒロインの好感度がラストになるまで上がり続けるわけで、
このシナリオも(後述の小夜シナリオほどではないが)ラストのほうは、もう誰も突っ込む気が失せるくらいのバカカップルイベントが盛りだくさんだ。
さて、そうなってくると、普通のシナリオとしては「世の中はそんなに甘くないッスよ」的な突っ込みのために、何か適当な問題をこしらえて、
その問題を解決することで物語に「オチ」をつける必要が出てくるが、このラストのオチはなかなかに気が利いている。
別に、ライターはそんなに深く考えてはないと思うのだが、去年以来の大不況に喘ぐ僕らとしては、この「オチ」は結構身にしみる。
僕みたいな馬鹿な萌えオタでも、バブルが何で起こったか感覚的によく理解できるおはなしだ。
後半のやや狂気じみたバカカップル描写を、こうした問題へとよく繋げたと思う。しかもバブルじみた人気の風音さまがこれを演じるのだから(以下略)


さて、最後は「小夜」シナリオだ。もしもまだこの作品を未プレイの読者のかたが、この作品をやるような場合には、
まずはこの小夜シナリオから始めるのをお奨めする。いや感動できるとかそういう話ではなくて、単純な「凡ミス」の問題があるからだ。
このシナリオでは……うーむ、まぁ主人公も「神さま消滅鉄板フラグ」とかメタなことを言っているから、ネタバレしてしまおうか。
このシナリオでは、小夜が消えるというイベントフラグがあるんだけど、これの真実は、ぶっちゃけ他の攻略ルートでネタバレされる。
だから、先に小夜以外のヒロインを攻略すると、小夜シナリオの「神さま消滅鉄板フラグ」にちっとも緊張感がなくなってしまう。
さらに、少々ツジツマが合わないところもでている。他攻略ルートでは、この鉄板フラグの真実をタマ小夜は知っているような振る舞いをするのに、
この小夜ルートではそうした真実を全く知らないのである。まぁ、よくある「攻略ルート間の矛盾」という奴であり、
僕はこの手の問題はあまりに気にしないタイプなのでどーでもいいのだが、気にする人にとっては致命的と言えるミスだろう。

ただ、このシナリオがそういう「もしかしたら消滅しちゃうよ」的緊張感を使って、物語を引っ張るタイプかというと、それもまた少し違う。
これは、奇しくも同じ週にプレイした「あけるりMC]のシンシアシナリオと同じく、「消えるor消えない」で読者の緊張度を高めるタイプではなく、
「このままで消えていいのか?」あるいは「消えることをそのまま甘受していいのか」を問うシナリオだった。
つまり、物語の開始から「ヒロインが消える」ことはほぼ完全に予言されている。もっといえば、ヒロインはその宿命論に閉じ込められている。
そして、主人公はヒロインを「消える」ことから救うのではなく、「消える以外に方法がない」とか「どうせ消えるのが運命だ」といった、
出口のない袋小路状態から、何とか別の可能性に導いてやるお話だった。だから「ヒロインが消えるor消えない」の真実はあまり重要ではないと思う。
小夜が消えようと、消えなかろうと、ここで重要なのは、主人公が小夜に宿命以外の別の可能性を教えることであって、
物語内の行為で言えば、主人公が小夜に「恋」を教えないかぎり、小夜は消えても消えなくても、幸せにはなれないわけだ。

と、ハナっからなんか真面目モードで語ってしまったが、あけるりMCのシンシアシナリオとはちがって(アレも微妙に巫山戯ていたけど)
別に登場人物たちがやれ自分の使命だの理想だのを語るわけでもない。なにせ先の「神さま消滅鉄板フラグ」という巫山戯た表現があったように、
ここでもシナリオは基本的にギャグモードを崩さない。確かに、小夜は消滅すると言うことが、シナリオの始めに提示される。
だから小夜は「私なんかに恋をしても無駄だぞ」と、神さま消滅鉄板フラグを使って主人公を避けようとするのだ。
そのような鬱エンドフラグを持つヒロインを主人公はどう攻略するのだろうか? そう、あけるり18禁版のたっくんが大好きだったあの方法であーる。
いや「レイプ」って表現は誇張しすぎかな? このシナリオの適切な表現を使えば「プチ犯す」とでも言った方が正しいか。

あ、いや、冗談の通じない人のためにフォローしておくと、一応はちゃんとした和姦を通して小夜は選ばれる。
もっと正確に言えば、ここでは「レイプ」という冗談が危急に要請されるとでもいうべきだろうか。
主人公がレイプした、小夜もレイプされたってことにしておけば、一応小夜の「宿命」という「面子」も立った上でセックスできるわけだ。
だから主人公も「ババァ結婚してくれ!」とか「未開封品は開けたら責任を持たなきゃいかん」とか「ええ、プチ犯しましたとも!」みたいな
バカな台詞を言いながら、小夜に最後までアプローチを続ける。なんというストーカー根性の純情な主人公だろうか。この主人公は最後までギャグと希望を諦めない。
実際、この作品の中では、このシナリオが一番このライターのバカテキストに嵌っているとおもう。
華蓮シナリオのアホツンデレネタも面白かったが、何よりもこの小夜シナリオのような状況では「ギャグ」が物語的に必要とされているのだ。
もしも、このシナリオにこうした「ギャグ」がなく、登場人物が全員クソ真面目にやり合ってしまったら、シンシアシナリオの悲劇が繰り返されてしまっただろう。

この「神さま消滅鉄板フラグ」の後の強烈なバカカップル描写については、是非ユーザーの皆さんで確認してほしい。
ある意味これはダメなシナリオの一つかもしれない。だって、このような描写を見たあとにゃ、さっきまでの
「神さま消滅鉄板フラグって一体何だったんだよw」と思わざるを得ないんだから、物語による余韻もクソもありゃしないのは事実だろう。
でも、ある種の教訓があるのも事実だろう。
やれ運命やら宿命やらそういった思い込みなんぞ、一時間程度のバカカップル描写で吹っ飛ぶチンケなものに過ぎないかもしれないのだ。
まぁ、以下のようなバカテキストに堪えられない屁タレには、悲劇で思う存分悩み苦しむ方が人生楽かもしれないが。


小夜「おお、尊どの。夕日だ夕日、夕日だぞ。綺麗だのう!」
小夜「ここはひとつ、ともに叫ぼう!」
尊「叫、なんですと!?」
小夜「私と尊どのはーーーー!! 恋人同士、だぁーーーーーーっ!!!」

やだもう、恥ずかしい! なんなのこの子……?

小夜「うっ、うわっ!? た、尊どの!?」

俺は恥ずかしさのあまり自宅に向かって思わず猛ダッシュ!

心菜「たけるちゃーん! どこ行くのーーー?」
華蓮「うわ、逃げやがったあのヘタレ」
尊「僕だって男の子なんだい!」

タマ「きもっ」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆エロについて

「雛祭桃子」さんのエロゲ作品は、前作「してして」を中古で買ってやったことがあるのだが、
残念なことにCGの半分くらいが崩れ気味で、お世辞にもエロいといえるものではなかった。
今回は新ブランドってことで、塗りやらグラフィック関係を強化したのか、
「総CG枚数(差分無し)110枚」という、よく考えるとかなりハードな枚数をこなしている割には、崩れたCGは1割にも満たない。
「あけるりMC」みたいなトップブランドの作品でも、今回はわりと崩れ気味なCGがあったことを思うと、
これはそれなりに評価すべきところだろう。CGをきちんと描くのはエロゲにおいてまず「最低限」の仕事の一つだが、
これが守られていないメーカーは実は結構多いからだ。

ただ、「CGの崩れ」とはまたちょっと違うレベルで、ゲンガーに不安定というか「よくわからない」ところがあるのも事実。
どうもこの人のCGは「屁タレ絵ver」と「萌え絵ver」が奇妙に入り交じっているような傾向があるのだ。
例えば、以下の作品内CGと、特典用テレカのCGを見比べて頂きたい。

http://citoron.com/mikoko/gallery.html
http://citoron.com/mikoko/tokuten.html

特典用テレカの絵はゲーム内の絵ではないのだが、まぁ基本的な傾向はゲーム内の絵にも共通すると考えていい。
「グラフィック紹介」の一枚絵は、本当に模範的な萌え絵というか、例えばゆずソフトの「こぶいち&むりりん」氏のCGをちょい連想するCGだ。
現物の作品内でも、特に心菜と陽菜乃のCGにはそうした傾向が強く、ゆずソフトのCGはエロいけどテキストがなぁという人にはお奨めできるだろう。
だが、テレカ紹介のCGはちょい違う傾向を示していないだろうか? 劇的に違うわけではないのだが、主に華蓮と千夜のテレカに注目して欲しい。
言い方は悪いかもしれないが、どうにも表情が「屁垂れている」というか、眼の大きさと口のバランスが微妙にズレていて、
ほんの少しであるが不自然な印象を与えているように見える。すっごいへンってわけじゃないんだけど。

これはゲーム内においても同じだ。先にもいったように、心菜と陽菜乃はそれなりにパッチリしているCGなのに、
千夜と華蓮の半分くらい、、いや千夜の殆どのCGはテレカ絵に見られるような「屁タレ顔」をしているのである。
いやいや、物事はもっと正直に言った方が良いだろう。これは決して悪口ではないのだが、千夜のCGはぶっちゃけ初期の「いたる絵」に似ている。
いたる絵マニア的に言えば、ONEとカノンの中間点ぐらいのいたる絵だ。雛祭氏の名誉のために断っておけば、
初期のいたる絵のようにカラダのバランスは狂っていないのだが、人によっては「狂った顔をしている」と思うくらいにはいたる絵によく似ている。

しかも、だ。別に狙っていないと思うのだが、千夜のシナリオの消える消えないだといった展開も妙に初期の鍵っぽく、
主人公のギャグテキストもなんだか久弥(はどこにいった?)テキストに部分的に似ていて、
そして何より千夜のボイスが「井村屋ほのか」嬢の能力をフルに発揮した屁タレボイスなのである。
いや、鍵云々を知らない人にとっては非常にどうでもいい話だとは思うが、僕としては何か数年前にタイムスリップしたような錯覚に襲われたものだった。

しかも、この疑似いたる絵が可愛いくて仕方がないんだから、僕の頭はついに狂ってしまったと言えよう。。
いや、最初の頃はエロCGをみても「うはっwいたる絵だっww跳び箱オナニーっっwww」ぐらいしか思わなかったのだが、
シナリオを進めるにつれて、このしみたれった潰れたアンパンみたいな顔が、これまたしみたれったほのか嬢ボイスと絶妙にマッチしていき、
もうシナリオのエンディング近くでは、雛祭桃子さんは樋上いたるを越える天才であるという確信すら覚えるほど、千夜に洗脳されてしまっていた。
いやはや、最初からエロいと思っていたCGで抜くのも良いが、最初からちっともエロいと思わず、場合によっては「キモイ」と思ってしまった
CGでハァハァするのって最高じゃないですか。なんつーか、エロゲによって自分の美的感覚が壊されていく感じが被虐的に気持ちいいですよね(マゾ)


まぁ、いたる絵云々の変態話はこれくらいにして、エロの内容紹介に入ろう。シナリオ紹介のところで多少語ったように、
この作品にはエロシーンが沢山あり、そして連続的にエロシーンを繰り返していく、抜きげ的シナリオ構造を採用している。
僕はこの手の作品があまり好きではないので、詳しくは解らないのだが、基本的にこの手の構造でエッチシーンに
重視されるのは「シチュの変化」なのだろう。そりゃまぁ毎回同じシチュで14回もエッチしたら退屈だからねぇ。
一応、この作品はそうした「シチュの変化」には答えているとは言えるだろう。僕にとってはギャグテキストでしかないが、
空中セックスとか落雷セックスとかクマセックスとかヒロイン小人化全身パイズリとか主人公フタナリ化とか
そういった特殊シチュはちゃんと揃っている。そうした「抜きげ」的要素にもそれなりには対応している作品だろう。
そういう人は矢鱈に「フェラ音」やら「淫語」やら「卑語」を気にするが、そうした点も基本的にはカバーされている。
声優名だけでエロゲを選ぶ人でも充分に満足できるエロ演技はしていると思う。

ただ、個人的なことをいえば、先にもいったように、僕はこうした抜きげ的エチシーンがあんまり好きじゃない。
よって、僕の中では、基本的に抜きげシチュを連発する白神姉妹二人のエロ評価はあまり高くない。
両方ともシーン自体には悪くはないし、シチュも毎回変えているけど、主人公との関係性が始めから同じなので、そのうち飽きるのだ。
心菜も、主人公を昔から好きだった幼馴染み、という割には、それ系のラブラブエチがバカカップル化以降少なく、
小人化の全身パイズリと主人公フタナリ化のシーンの印象の方が強い。いやまぁ、千の異名を持つ夏野こおり嬢は、
ここでも抜群の艶技力を発揮しているし、CGも良いので、シーン自体はかなりエロいんだけどね。ただ、シナリオとの関係性がびみょー。

そうした点で、一番平均点が高いのは華蓮シナリオだ。これは、シナリオの展開とエロの展開に工夫があって面白い。
まず最初のエッチは「成り行き上の処女喪失シーン」だが、その次になんといきなり「ネコミミ発情シチュ」をぶちかまし、
一発目の淡泊なエロシーンとの対比でユーザーの興奮を盛り上げる。これはいい。
お次はクマに変身しバナナをぶちこみ、そのあとは魔女コスに変身してファンタジー風エッチと、「変身系」シチュを連発して、
通常の華蓮の状態では難しい濃厚エッチを「お遊び感覚」で導入しているわけだ。
それで後半になって始めて、ヒロインのツン状態解除のデレデレエッチが楽しめるというわけ。
しかも、最後の方には、ヒロインだけではなく、主人公の方の「ツン」というか冷静モードが解除されるので、
最初から最後まで、シチュの差異だけではない、主人公とヒロインの好感度の違いから生まれる、様々なエッチシーンを堪能できる。
僕は抜きげをやっていても、最初の三回のエッチシーンぐらいでなんか飽きてしまう人間なのだが、このシナリオだけは珍しく満喫出来た。

しかし、やっぱり自分が一番に気に入ったヒロインのエチシーンには敵わない。
千夜のエチシーンは、まぁ客観的に見るなら「華蓮」より下だとは言える。最初の四回のエッチシーンがやや蛇足気味だ。
ただ、5回目の分身フェラ以降からグッとテキストとボイスのトーンがエロくなる。
これはテキストの功績もあるが、なによりも井村屋ほのか嬢のボイスの力が大きいだろう。

分身のシーンのボイスを聞けばよく解ると思うのだが、ここでほのか嬢は二人の千夜の声を当てている。
一人は今までどおりの照れ屋の千夜で、もう一つの分身が「抑圧された素直な千夜」というやつである。
その二人のボイスを「演じ分けている」のはそりゃ当然であるが、凄いのはこの分身のシーン以降、
物語的の展開に呼応するように、照れ屋verの千夜たんで、先ほどの素直verの千夜の声音が部分的に感じられることである。
つまり、ほのか嬢は、物語とキャラの変化に応じて、日常シーンやエロシーンにおいて、微かに、
でもユーザーの大半が無意識的に感じられるくらいに声音を変化させていっているのだ。
だから、最初から千夜のエロボイスを聞いていて、ある程度「聞き慣れてしまった」耳に対しても、
後半のデレデレボイスがなぜか新鮮なものとして心と下半身に響いてくる。諸君、演技力とはこのようなことをいうのだよ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

長文感想へのレスを書くには
 ・ユーザーIDを有している
 ・COOKIEが有効である
 ・COOKIEを有効にした状態でログインしたことがある
 ・5つ以上一言コメントを書いている
 ・長文感想を書いたユーザーが長文感想へのレスを許可している
の5つの条件を満たしている必要があります。

コメントデータ

このコメントはだいたい3081回くらい参照されています。

このコメントは1人の方に投票されています。