xianxianさんの「殻ノ少女」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

エロとシナリオとゲーム性のバランスの取れた鬱な気分にさせてくれる良作ミステリ。だが人を選ぶ。体験版が本編開始前のお話なので、本編開始前にやるといいですね。
特筆すべきは、パッケージの驚異的小ささでしょうか。最近は見ないだけに驚きです。初回特典には、それをおさめることのできるBOXとイラストの載ったビジュアルブックがつきます。その美しい絵は素晴らしいです。
メーカーページからダウンロードできる体験版が本編開始直前までのシナリオとなっていおり、西園唯というキャラはこちらでしかしゃべりません。また、雑誌テックジャイアン2008年7月号にはオリジナル体験版も収録されており、本編登場の綴子の迷推理を行う通常体験版と同時期のシナリオが楽しめるものとなっています。
エロとシナリオ、ゲーム性、キャラ性、絵、音楽と全てが高いレベルでまとまっています。エロ部分がもう少し強化されていたならば満点狙える力もあります。
ただし、人を選ぶゲーム性とシナリオで、あわない人もいるでしょう。ちなみに、これをプレイしていてクリアまで私は10回ほど死亡というかゲームオーバーの上、鬱な気分に何度もなり、ゲームを続けるのが苦しくなりました。一応、私はゲーム歴長いゲーマーですし、鬱耐性も高いと思うのですが、それでもきついと感じました。このメーカーの今までの作品はB級シナリオのレベルだったのですが、今作では重いものが含まれていますが、考えさせられるものも含まれており、かなりよくなっています。
 デモが本編では見れませんので、体験版を落とすときに一緒に落とすのがいいでしょう。発売前に見たときは、白を基調としていて清潔ですが力強さに欠け気持ち悪さを感じるため、魅力に欠けるデモだと思ったのですが、本編をこなすとこのようなつくりになぜなっているのかと納得してします。
 
基本は二十一話構成。ルートによって、各話(今作では「歌」)のタイトルと内容が微妙に変わりますし、出現しない話数も出ます。休歌を境に、前半と後半に別れた二部構成になっています。各話のタイトルは江戸川乱歩の作品の名前から来ています。点数や評価には影響していませんが、このメーカーが乱歩作品好きなんだ、そういうものを目指したいという気持ちが伝わってきて好感がもてます。ミステリ好きなら、最初の「幻影城」のタイトルでピンとくるでしょう。
個人的には、この話は一作品にまとめるのは少し勿体無いと思います。底に流れているのは一つの作品ですが、前半・後半ともに、早めに退場してしまうキャラの出番を増やす、話数を作って、13話1クールで2クールの2作品にしてもかまわないくらいのボリュームを誇ると思います。主人公は、ラストでは誰とも付き合いない状態でEND迎えますから、次回作でも主人公張ってシリーズ化して欲しい気もします。
序歌「幻影城」、一歌「二銭銅貨」、二歌「猟奇の巣」、三歌「覆面の舞踏者」、四歌「パノラマ島奇譚」、五歌「化人幻戯」、六歌「月と手袋、」七歌「人間椅子」、八歌「闇に蠢く」or「人でなしの戀(恋)」、九歌「木馬は廻る」or「孤島の鬼」、休歌「一枚の切符」、第十歌「殺人迷路」。
十一歌「指輪」、十二話「屋根裏の散歩者」、十三歌「妖虫」、十四歌「白昼夢」or「黒蜥蜴」、十五歌「代暗室」、十六歌「灰神楽」or「畸形の天女」or「地獄の道化師」、十七歌「盲獣」、
十八歌「押檜と旅する男」、劫歌「続・幻影城」。
体験版メーカーDL「心理試験」。TG版体験版「タイトルなし・(仮称)綴子の迷推理」

(エロ)
Hシーン回想が12。織姫1。由紀子1。冬子3。杏子1。初音1。綴子1。透子1。寧々1。夏目3。絵の美しさに騙されているという気もしますが、それなりに実用ラインには達しているでしょう。ただ、もう少しエロは強化できる面があるでしょう。せっかくキャラが立っている織姫や綴子が一回しかHシーンがありません。もう数回Hシーンが増えたり、ハッピーエンドみたいなものを用意してくれてもよかったとは思います。また、魅力的なキャラが多いのですが、Hシーンがないキャラが多いという点もあります。主人公が相手ではなくても、Hシーンを作ることはできるとは思います。冬子の母親の千鶴とか、透子母、女医の小春、実妹の紫、女学生の唯や歩、マリスなどまだまだいますから、ファンディスクや続編を期待したいところです。


(システム)
今はほとんど見られなくなった昔ながらの推理アドベンチャーシステムです。基本はコマンド総当りのシステムですが、ダミー選択肢がほとんどなく、テンポよく進むことができます。
基本は、4つのパートのわけられており、テキストと選択肢だけで進む「基本パート」。場所を選択して移動し、登場人物との会話を行いフラグをあげたり、事件のヒントをつかむ「探索パート」。事件現場などでカーソル移動で証拠を集める「操作パート」。入手した情報をもとにプレイヤーが事件を推理する「推理パート」に分かれます。「探索パート」は基本は、一日二箇所を選択して移動できます。
単純な選択肢方式ではなく、フラグ立て方式なので、今の選択枝を選ぶタイプのものしかやったことがないユーザーには難しく、合わないかもしれません。
「探索パート」での移動が不十分だと証拠が不十分で特定のルートの道が開きませんし、「操作パート」で注意が足りずに証拠集めが不十分だと「推理パート」で推理ができずバッドエンドになります。やっかいなのは、特定のキャラとのつきあいにかまけて、特定のキャラの精神的ケアにばかりかまっていると、探偵として事件解決ができず、殺されたりします。この手のゲームだと古くは「さんまの名探偵」「遺作」「御神楽少女探偵団」「雨格子の館」とかの推理ゲームがありますが、その手の系統に属し、プレイヤーが自分で能動的に動き、推理している気分が味わえるので、私は好きです。

(シナリオ)
京極夏彦の「魍魎の匣」「絡新婦の理」「陰摩羅鬼の瑕」あたりの影響があるかもしれません。ただし、漂う雰囲気はどこか別世界のような京極作品に比べ、俗っぽさと生々しさがあり、乱歩のエログロな雰囲気のほうが近いかもしれません。また、少女の気持ちがテキストとしてあるとはいえ、30近い大人の男が話の中心にいて、その視点から見ることが多い京極作品に比べ、ゲームという媒体の違いがあるといえ、より十代の少女の視点や感覚に共感しやすいよう、重点の差があります。音楽や声優の力もありますが、硝子のように透明でありながら脆い少女の魅力の引き出しに力が入っています。
シナリオは、個人的には「考えるんじゃない。感じるんだ」という形で、私は心に来たのであまり解説じみたことがあまりできません。おそらく、私のつたない言葉では、この独特の空気をうまく説明できないでしょう。
十代の少女の閉塞感や希望、未熟さなどが出ていて、私の中では「天使のいない十二月」と一部印象がかぶるところがありました。とりあえず、トゥルーエンドまでいけば一縷の希望はありますが、ほとんど救いのないシナリオであり、心にいろいろなものが刺さってきます。どこぞのニート探偵は、
「探偵は、失われた言葉を墓のそこから掘り返し、死者の名誉を守るためだけに生者を傷つけ、生者に慰めを与えるためだけに死者を辱める」(『神様のメモ帳』)といっていますが、本当にそんな感じで、主人公は、事件も防げず、大切な人も守れず、無力でありながら、どうにか犯人を捕まえ、真実を明らかにするだけです。けっこう情けない姿もみせますが、
個人的には、そのハードボイルドな生き方は魅力的だと思います。ルートの細かい分岐はありますが、実質一本道シナリオであり、サブキャラを全員救うような結末はありません。織姫とか綴子とかバッドエンド扱いでもいいから、PPみたいに何もかも投げ捨てて、二人で幸せENDとか欲しかったです。
未来ある若者がガシガシ殺されていき、本当に鬱になります。どこぞの犯罪学者は「殺人とは、生きる人間の未来の可能性を奪うからこそもっとも許せない行為」といっていますが、本当にその未来の可能性が失われるシーンを見せ付けられ、本当に嫌な気分になります。この苦い気持ちは、秋葉原の殺傷事件を思い起こさせます。
この作品中では、私は透子がひきつけられるキャラでした。十代の潔癖さをもち、プレイヤーの分身の主人公にはツンケンした冷たい態度をとり、偏屈さ偏狭さをはっきします。
また、つまらぬ誤解や嫉妬、思慮の浅さから、取り返しのつかない事態を引き起こしたりもします。そんなキャラですから、多くのユーザーに嫌われるのも当然な所はあります。
しかし、生きていれば成長して心豊かな優しい女性になったかもしれません。殻に閉じこもっているだけで、その殻を破って大空に力強く羽ばたける人間になったかもしれません。
そういう可能性をもっていたのが無残に死によって奪われるのは本当に悲しかったです。
 本作では、「殻」というのが重要なテーマとして存在します。殻は外界から身を守るものであると同時に、まだ生まれていない未熟な状態でもあります。作中でも言われていますが、「殻」や「卵」は、象徴するものが多いため。特定の方向で解釈するのが難しいです。
「自分の殻に閉じこもる」という表現もありますから、そちらともかけているものがあるとは思います。そうした意味で、昭和初期という舞台設定になっていますが、これは現代の私達にも通じるテーマ性を持っています。「自分」という殻、「職業」という殻、「学校」という殻、「年代」という殻、「身分・財産」という殻。色々な殻に包まれ、守られる一方で、その中に閉じ込められています。そのテーマ性が重く、また私自身にこれといった答えがだせないため、この手の作品の解釈が私は苦手です。

(なぜ犯人は「殻ノ少女」に魅せられたか)
犯人がなぜあそこまであの作品にひきつけられたかを書いた人が少ないので、私なりに感じたことを書こうと思います。一言で簡単にすましてしまうと「圧倒的な美にひきつけられた」わけですが、なぜそれほど美しいと感じたかを出来る限り言葉にする努力をします。
ぶっちゃけ、気狂いの感覚というか論理や感情なので、理解しにくいというかまともとはいえない感覚だと思います。
あの「殻ノ少女」が美しいのは、どなたかが書いていましたが、「宗教的恍惚」が背景にあると思われます。私はあの「殻ノ少女」の絵を見たときに、聖処女(マリア)像をみたような気持ちになり、確かに恍惚というか頭を下げ、全てを捧げたくなるような聖性を感じました。原作ともいえる京極堂の「筐の中の娘」には感じない美でした。
京極堂では、「魍魎は四方にいる」といいます。この四方とは、四角であり、「世界」を象徴します。角という端のある「世界」を象徴するものが「箱」なわけです。ところがこの作品では、「卵」という角のない「球」の中に閉じ込められます。卵は、その形から、象徴するものは「循環再生」「無限再生」「回帰」「ひとつの世界」です。つまり、初まりであり終わりであり、初まりでもなく終わりでもない「無限の時間」も象徴すると思われます。それはαにしてΩといわれる「神」といえるでしょう。また、卵から世界が作られる神話もあり、「卵」とは「世界」でもあるのでしょう。当然、これから生み出される「生命」の象徴でもあります。
だから「箱」ではダメでしょう。「命」や「再生」「無限」「世界」全てを内包する卵に入っていないといけないわけです。
では、卵から生み出される人間とは何でしょう。多分、犯人が感じたのは、「母親」であり、「自分」であり、「理想の女性」ではないでしょうか。
卵は「産み出す」ものですから、その卵から顕われた存在は、「生まれたばかり」の「無垢」で「清純」で「穢れのない」ものとして目に映ったのではないでしょうか?
生まれたばかりの「無垢さ」をもちながら「母」である部分を持つから、あの像は「マリア像」に匹敵すると思います。
それでいて、「母性」があるものですから、もし、穢れが生じたら、生まれた女性が卵をはらみ、また女性自身を無垢なものへと「再生」させる力をもつものにみえたのではないでしょうか。そして、卵の中の女性は「母」でもありますから、「穢れた自分」も「理想の女性」と合一し、共に卵に一緒に帰り、苦しみのない無垢な状態へと再生してくれると思ったのではないでしょうか。作中作では、卵を抱えて歩くのは「男」ではなく「女」です。
犯人は「男」でありながら、女として表現されるのは、この卵から生まれたものの「娘」であり「同一存在」でありたいという願いからではないでしょうか。「男」だと「同一存在」にならないために「娘」になっているかもしれません。
「同一の存在」してみますから、男女関係なく、ある種の狂気をもつ人間は、あれこそが自分を生み出した「母親」である「前世の自分」であり、「自分」であり、今の醜い自分とは異なる美にあふれた「自分」とみなせるかもしれません。透子が冬子は「未来の自分」と狂い、快感を得たのと似た方向性がそこにあるでしょう。
また、「手足のない女性」は一見すると不完全な醜いものにみえるかもしれません。しかし、あれは美しく見えます。例えば、ミロのヴィーナスは両手がないからこそ「美しい美女像」といわれます。そこにないからこそ、想像力を働かせ、「理想の腕」を見ることが出来ます。
見る人間が望めば、手のない腕は、「優しく抱きしめる腕」にも、「剣を持ち雄雄しい力強さを表現する腕」にも、「贈り物を与えてくれる腕」にも見えます。「存在しない」「まだ生まれていない」からこそ「全ての可能性を持つ」腕となるでしょう。これは足も一緒ですね。
また、「手足がない」からこそ何かをやるときには「行動を起こせません」。つまり「他人に頼らないといけない」からこそ「絶対に裏切らない・裏切れない存在」です。自分を裏切らない、自分に完全依存した存在をその手に入れることが出来ます。自分に頼るしかない、自分しか見つめられない唯一無二の愛すべきものを手に入れることが出来るというのは、なかなか幸福なのではないでしょうか。手足がないからこそ自分に支配されるしかない存在があることに、嗜虐心と支配欲と愛情を感じます。しかも、それが「自分の分身(狂った人間の主観では)」ですから、「自分」を傷つけるMな快感と「自分」を愛する・愛してくれる快感が渾然一体となって感じられるでしょう。まあ、オナニーと変わらないわけですが。乱歩の「芋虫」の世界あたりも読んでみると参考になるかもしれません。この狂った感覚に、私は魅力を感じます。大体、今までだらだら書いたことが感覚になんとなく訴えかける感じです。「いっちゃっててわかんねえよ!」といわれそうな書き込みですけどね。
京極堂のラストで、「君のような人間にはあちら側は蠱惑的だぜ」という台詞がありますが、たしかになるほどとこの作品をやって実感しました。確かに、理性をなくし、人間であることやめたら、ものすごい快感があるだろうなと感じるだけにそそるものはあります。
(注:私は自分が理性的な人間であることにプライドありますから、リアル犯罪はやりませんけどね!理性や自我の薄い幼少時にこれ見てたら、犯人と同じように発狂していた可能性は感じますけどね。)
逆の見方をすると、卵から孵り、また卵へ戻る「終わりのない狂気」で閉ざすのではなく、
一個の「瑠璃の鳥」(自分)として、狂気から開放され、飛び立つ幸福を目指さないということも示しているかもせん。その幸福(瑠璃・青い鳥)とはまた人それぞれなんでしょうけどね。このあたりのの「少女達が卵を持ち、割られたり、孵化する」というのは、ルソーの「人は二度生まれる。一度目は存在するために(生物としての誕生)、二度目は自分として生きるために」(『エミール』)という子どもの心の成長の考え方に起因しているのでしょう。このあたりになると難しいので、解釈が色々できるでしょう。


(キャラ性)
ものすごい人数のキャラが出演しますが、どのキャラもそれなりに見せ場があり、捨てキャラはいません。魅力的なだけにもう少し活躍して欲しいという気はします。前作のPPもでは京極堂の妹・敦子をオマージュしたようなキャラがいましたが、今作では同じ夢譚堂出版所属ということで森夜月というキャラが京極堂オマージュキャラとして存在します。
名前はどこぞの死神ノートをもっていそうな名前ですが、その性格などはどうみても鳥口かと思われます。ヒロイン二人からして、「魍魎の匣」から着想得ているのはまちがいないですしね。ただ、単なるパクリというわけではなく、オリジナルの魅力をかもし出しているのはまちがいないですね。それと前々作からのゲストキャラとして、八木沼・秋五・和菜・初音が登場しています。ふつうはゲストキャラはおまけレベルの扱いなのに、殺されるは、腹えぐられるはとひどい目にあったりします。このメーカーの作品は続編で登場したらひどい目にあわされるのでしょうか。過去のゲームのキャラが登場するのは嬉しいものなのですが、けっこうびくつきますね。それと今作では、今まで嫌味なキャラだった八木沼の意外ないい人の一面が明かされたりして魅力が増しています。次回作あたりは、インテリ眼鏡警部の事件簿として主人公になって登場とかしてほしいですね。
 実妹の紫は、Hシーンはないのですが、兄の玲人との親密な距離感がよく、下手にエロゲ実妹になっていないところがいいかもしれません。今作の主人公はけっこうハードボイルドしていい味だしていますし、ふたりコンビで続編としてシリーズ化した作品の主役をはれそうな魅力にあふれています。そのときは、今作ではあまり活躍していない歩やステラ・マリスも活躍させて欲しいところですが・・・このメーカー次回作で登場したら、殺しそうなのが怖いです(笑)。


(声優)
どの声優さんも上手です。ベテランの声優さんが多いからですね。それと初めて名前をみたのですが、冬子役のあじ秋刀魚さんは透明感のある声が綺麗で良かったです。演技も上手で、新人というよりはどこかで活躍している声優さんなのかと思いました。本当に新人ならそうとう凄いです。また、透子役の吉田美海さんもよかったですね。十代の少女の潔癖感と繊細さ、孤独感、刺々しさがよく出ていて、役にはまっていました。この作品だけで消えるのは勿体無いので、また別の作品で登場して欲しいですね。いつもある種の危うさの漂う雰囲気のこのメーカーの作風にあうと思いました。
スタッフロールで特別出演で、倉田まりやと金田まひるとあります。金田さんは判断できなかったのですが、倉田まりやさんは、おそらく孤児院の子供で数台詞しゃべっていると思われます。そういえば、webラジオ・ぎゃこらじでちょい役でだしてもらった話していたこと思い出しました。

(音楽)
霜月はるかさんの歌う主題歌「瑠璃の鳥」は透明感のある曲でとても素晴らしいですね。
PPにあったジャズのような曲と、カルタグラにあった冷たく澄んだような曲が混在しており、BGMも素晴らしいです。力強さにはやや欠ける気はしますが、作風を考えると、繊細な雰囲気の曲が似合っています。トップクラスの音楽でしょう。


(よしなしなごと)
最後に、本筋のレビューから外れますが、これが私の2008年まともにできる最後のゲームだろうことから、今年の感想を少し書いておきます。今年も去年に続いて良作の豊富な年でした。年々良作といえるほど作品の質が上がってきて嬉しいですね(財布の中身と時間に関しては良作少ないほうが嬉しいですけどね)。
今年気に入ったのは、「少女魔法学」「スマガ」「霞外籠逗留記」「殻ノ少女」「るいは智を呼ぶ」「漆黒のシャルノス」「ウイザーズクライマー」「CHAOS;HEAD」「G線上の魔王」。もう一歩というところでは、「Volume7」「BIFRONTE」「マスクドシャンハイ」「クロノベルト」「夏神」あたりでしょうか。
安定した古参メーカーがその底力を見せつける一方で、新参メーカーが力強さにやや欠けるとはいえ、将来性の期待できる作品を発表したりしているように感じました。ただ、自分が飽きがきているのも確かですが、フェチ化した傾向で細分化はされていますが、抜きゲが少しマンネリ化している傾向があるかもしれません。
音楽もいいのが増え、私が遊んだうちでは、勢いのある『スマガ』のPOP曲集、静かな透明感のある霜月はるかさんの歌う「瑠璃の鳥」(『殻ノ少女』)、暗い雰囲気の片霧烈火さんの歌う「暗がり籠ノ鳥」(『BIFRONTE』)、民族音楽のような独特の歌のRitaさんの「カスミカゲロウ」(『霞外籠逗留記』)・「dorchadas」(『漆黒のシャルノス』)、色気のただよう海原エレナさん歌う「摘まれし花の如く」(『闇の声ZERO』)などがよかったです。
メディア展開と商品展開が増え、webラジオのCD商品が増えてもきました。CD曲集も「SALUTE」やDucaさんの「12Stories」、霜月はるかさんの「音のコンパス」などが発売され、入手が難しくなっていた曲も聴けるようになり、嬉しい限りです。
「不作の年だ」とよくいう人もいます。年をとってくると過去の方が素晴らしいと感じますが、「おもしろきこともなき世をおもしろく」「すみなすものは心なりけり」という言葉もありますから、自分が楽しむ気持ちを忘れずに探せば良作も多いはずです。今年逃した良作も含め、来年も良作がたくさん見つかる年であるといいです。

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